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嗚呼!!おんなたち 猥歌(わいか) 1981 日本
にっかつ
ストーリー  売れないロック歌手柳川ジョージ(内田)は妻から離婚を迫られるが、愛人のトルコ嬢と事故を起こし、入院先の看護婦にも手を出す。
監督 神代辰巳
出演 角ゆり子 中村れい子 内田裕也
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★ ★★★ ★★ ★★★
コメント  これは内田裕也の自伝的作品じゃないのか?と思ってしまうほど真に迫る演技。ヤケクソ気味にドサ回りし、あちこちでケンカ沙汰になってしまう。
 強烈なインパクトを与えてくれる内田と、ロクデナシ、破天荒ぶりはどうやって脚本化したのだろうかと考えさせられる。特にコンサート。尻は出すわ、あそこは出すわ、挙句のはてに最前列の女にチン子を咥えさせるなんて(笑)
 ストーリー的にはどんどんテンションが下がっていくはずなのに、マネージャーの安岡力也の彼女にまで手をかけてしまうところに、狂気さえ覚えてしまう。女との最初の関係は強姦になってることが多いことも、荒んだ世の中を象徴していたのかもしれない・・・
 演技というか、リアルすぎて怖いほどの男。もうちょっとドキュメンタリーぽくすれば、さらに凄い作品になったのかも・・・

1981年度キネマ旬報ベストテン第5位
カナザワ映画祭青いオトコまつり(2007.9)

嗚呼!!花の応援団 1976 日本
日活
ストーリー  南河内大学応援団に入った新入生が団の命でもある団旗をタバコで焦がしてしまった。隊長の青田赤道は責任をとって腹を切ることに・・
監督 曽根中生 原作:どおくまんプロ
出演 今井均 香田修 深見博
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★ ★★ ★★
コメント  単行本まで持っていたのに、高校のとき没収されてしまった。特異なキャラである青田赤道なんて最高だったのに・・・公開当時劇場にて・・・
 チョンワチャンワ、チャンチャコリン、ねんのねん・・・・なぜだか今でも使ってしまう青田の口癖。映画ではイメージとは違うちょっと弱々しい感じで残念だったけど、1回生の富山と北口が漫画とそっくりな雰囲気でよかった。4回生の先輩たちもなかなかいいキャスティング。
 ストーリーは浪花大応援団とのケンカと団旗の処理。野球部の応援において富山の旗持ち、2回生小林の悲惨な姿。終盤になると、富山とハツエ(水原ゆう紀)との恋、そして青田の父親の妾であった新子(宮下順子)との恋が描かれている。この終盤だけがオリジナル脚本ぽいけど、ほとんどが漫画のエピソードそのままを盛り込んだだけ。これだけ詰め込んだのなら、もうちょっとまとまりのある脚本が欲しいところだ。
(2007.5)

嗚呼!!花の応援団 役者やのォー 1976 日本
日活
ストーリー  ヤクザの孫でお坊ちゃまの新人が入団してきた。そして、合宿前にしごきで有名な薬痴寺先輩(なぎら)がやってきた。
監督 曽根中生 原作:どおくまんプロ
出演 井上治之 なぎらけんいち 香田修
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★ ★★ ★★ ★★
コメント  青田赤道の役者が変わったけど、見た目だけは前作よりいいが、演技が下手になってしまった。それをカバーするかのようになぎらけんいちが好演技。ちょっとだけ松井秀喜に似てたりして。
 それにしても前作と変わらずエピソードがごった煮状態。北口がストリップ嬢と駆け落ちするストーリーと青田がキャバ嬢に夢中になって100万円騙し取られるストーリーがメイン。新子と豪田の繋がりも不自然だったし、コミックを読んでないと理解できないところも・・・
 前作よりは俳優の演技がマシになったところは評価できる(青田以外)。
(2007.5)

愛されちゃって、マフィア 1988 アメリカ
劇場未公開
MARRIED TO THE MOB
ストーリー  FBI捜査官のフランク(ボールドウィン)はマフィア組織に潜入捜査していたが、ボスのトニー(ストックウェル)の女に手を出して殺される。未亡人となったアンジェラ(ファイファー)はトニーに不倫を迫られ・・・・
監督 ジョナサン・デミ
出演 マシュー・モディーン ミシェル・ファイファー アレック・ボールドウィン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★ ★★ ★★★★ ★★★
コメント  トニーに近づかないで!と狂ったように夫の浮気を探りまわるコニー(ルール)。コニーにしつこくつきまとうのだった。しかし未亡人となったアンジェラはヤクザな世界から縁を切りたいのに、うんざりしてしまう・・・そのトニーを逮捕したいマイク(モディーン)はアンジェラを囮として利用したかったのに的がはずれたわけだ。
 トニーに懐いたフリをしてマイアミに同行するアンジェラだったが、しっかりとFBIもくっついて行く。スパイがばれて危機一髪となるところを救ってくれたのは、怒り狂ったコニーだった。このドタバタ感といい、全てにおいてテレビドラマレベル。さすがに笑えるけど、映画館で観るような作品ではないような・・・

1988年アカデミー賞助演男優賞(ディーン・ストックウェル)ノミネート
1988年全米批評家協会賞助演男優賞、助演女優賞(マーセデス・ルール)
1988年ゴールデングローブ賞女優賞(ファイファー)ノミネート
(2007.2)

愛するときに話すこと 2006 韓国
エスピーオー
SOLACE
ストーリー  知的障害者の兄と暮らす薬剤師のシム・イングは近所に引っ越してきたイ・ヘランと出会い、意気投合。彼女は亡き父の莫大な借金を背負い込み、贋物デザイナーとして働いていた・・・
監督 ピョン・スンウク
出演 ハン・ソッキュ キム・ジス イ・ハンウィ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  『八月のクリスマス』で写真屋を営んでいたハン・ソッキュが小さな薬局を営む薬剤師となっていただけか?
 町の小さな店という設定が一緒なので、ついつい思い出してしまう。知的障害者の兄インスプと母親の3人暮らしであるイング(ハン・ソッキュ)は、過去に結婚したい女性もいたのだが、兄の存在によって相手の家族に反対されたという苦い経験を持つ。兄に対しては肉親として献身的に世話もするが、遠ざけたい気持ちも感じ取れる。ちょっと前まで療養所にいた兄を自宅に引き取ったという事実が結婚することの諦めをも感じさせるのです。
 そんなある日、東大門市場で偽ブランドの衣服を販売する贋物デザイナーのイ・ヘラン(キム・ジス)の一家が近所に引っ越してくる。亡き父の莫大な借金返済を背負い、彼女もまた結婚を諦めていたのだ。出会った2人は飲み語らううちに意気投合し、一晩過ごしてしまう。辛い事情も打ち明けずにいたけど、お互い陰を引きずっていることに共鳴し、傷を舐めあうような雰囲気だったのが印象的・・・原題SOLACEが意味するところだ(邦題ダサすぎ)。
 家庭の事情で結婚できないままの2人。関係は持ったものの、そこから先には進展しない仲。不倫関係や過去の結婚話を打ち明けても嫉妬心さえわかない微妙な関係。単なるご近所さんか友人のように互いを気遣うところも痛々しいのです。
 中盤、ヘランが風邪をひいて薬を渡したエピソードがあったのですが、その後に微妙な関係のまま別れる場面の心理描写が絶妙だった。処方箋なしの違法な調剤による薬なので代金は受け取れないと断ったのに、数日後にヘランが金を払いに来たシーン。頑として拒むことも出来たはずなのに、それをしなかったイング。再びよりを戻すことになるのですが、このシーンは2人の脆い関係を象徴しているようで、なぜか印象に残ります。
 双方に大きな転換期もやってくるし、それを乗り越えることによっていくらでも修復できそうな微妙な関係。その後の2人は結婚できないかもしれないけど、希望を持たせてくれる終わり方もよかった。もちろんインスプとイングの関係も爽やかだったし。ハン・ソッキュ42歳、キム・ジス34歳・・・大人の純愛(?)ってところも素敵です。
(2007.9)

愛と、死を見つめて 2003 韓国
劇場未公開
THE GARDEN OF HEAVEN
ストーリー  医大を出たオソンは父の遺志を継ぎ、草原にホスピスを建てて死に行く人々を診ていた。
監督 イ・ドンヒョン
出演 アン・ジェウク イ・ウンジュ ソン・ジョンボム
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★
コメント  若造監督に腹を立て、助監督ジョンチョルとともにクビになったメイク係のヨンジュ(イ・ウンジュ)。なかなか職も見つからないが、ふと目に付いた“ホステス募集”張り紙。そこで医者のオソンと知り合うが、胃がんであることを告白し、楽しい余生の過ごし方を訊ねる・・・何もしてやれないと思ってたオソンだったが、彼女をホスピスに誘う。
 発作も繰り返し、痛みを和らげるのは院長であるオソンと一緒にいるときだけと告白する。なんだか無理に愛する人を作ったような雰囲気だった。難病モノの純愛路線というより、ホスピスでの生活をテーマにしたような内容でもあった。日本の『愛と死をみつめて』とは全く関係がない。
 大きく変わるのが、ジョンチョルが大抜擢されCMモデルにヨンジュを起用したこと。人気も出て雑誌の表紙まで飾ったりする。もちろん死ぬ運命にあることも・・・
 自殺してしまった薄幸の女優イ・ウンジュ。つい彼女本人と重ねてしまうけど、死ぬことの悲しさよりもホスピスについて考えさせられる。主演作のほとんどが死ぬ役の彼女だけに、どの映画を見ても泣けてくる・・・
 尚、日本の『愛と死をみつめて』とは全く関係がない・・・
(2007.10)

愛なんていらない 2006 韓国
エスピーオー
LOVE ME NOT
ストーリー  ジュリアン(キム・ジュヒョク)には、出所後、巨額の借金が待ち受けていた。そんなとき、父の死によって遺産を相続した盲目の娘ミン(ムン・グニョン)が、16年前に行方不明になった兄を探していることを知る。こうして彼女の兄に成りすましたジュリアンは、後輩ホストのテホ(チン・グ)とともに、ミンの暮らす豪邸に乗り込む……。
監督 イ・チョルハ  オリジナル:瀧居由佳里
出演 ムン・グニョン キム・ジュヒョク チン・グ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★ ★★★ ★★★ ★★
コメント  前田、富永、福原、大塚、高橋、杉山、飯島・・・
 広末涼子主演のTV『愛なんていらねえよ、夏』の韓国リメイク作品。巨額の借金を背負った元ナンバーワンホストと豪邸暮らしの盲目の少女の物語。盲目の少女ミンは両親が亡くなり、相続のため失踪していた兄にもお呼びがかけられたのだが、その兄は交通事故で死んでいて、その兄貴分であるジュリアンが兄になりすまして豪邸に乗り込むというもの。(注:濁音は語頭にこないので、正確にはチュリアン)
 境遇は全く違っているものの、金が全てという周囲の人間に嫌気がさし、「愛なんていらない」とうそぶく2人。とにかく借金返済のために、ミンとの兄妹愛を確実なものにして遺産の取り分を頂いちゃうという当初の目的だったジュリアン。兄であると証明されれば、亡き父の遺言通り分配されるのだから、ミンが死んでしまってもいいのだと、一瞬、邪な考えがよぎる場面が凄いのです。心理劇として優れていたのは、この線路上を歩くシーンだけだったかも・・・
 失明したと知ったことと、手紙が点字だったという矛盾。他にも誰も成りすましを見破れないとか、かなりツッコミどころもあったり、テンポが速すぎることも感情移入する気持ちを阻んでしまう。それでもミン役のムン・グニョンちゃんが一人で買い物に出かけ、兄のために指輪を買うシーンは感動的。泣けるところはここだけだったかもしれません。
 後半にはミンが脳腫瘍を患ってることも判明。失明の原因を考えれば納得なのですが、不幸の上塗りによってどんどん観客を泣かせようとする手法。そんなときでも、もし手術が失敗してミンが死んでしまったら遺産はどうなるのか?と考えてしまう。逆に、手術に成功して視力が回復してしまったらジュリアンはどうなるのか?余計なことを考えすぎです・・・
 ラストはあやふやな描写。死んだのか、死んでないのか・・・その答えはBOAちゃんの歌にあるような気がしました。尚、「愛なんていらない」という台詞は本心なのか、ただの強がりだったのか。そして、終盤にはその真意がどう変化したのか・・・などといった議論は、それだけで酒のつまみになりそうな美味しいところでもありました(と言っても、最近酒は飲んでません)。
(2007.10)

アウトブレイク 1995 アメリカ
WB
OUTBREAK
ストーリー  アフリカ奥地で発生した伝染病がアメリカに接近!
監督 ウォルフガング・ペーターゼン
出演 ダスティン・ホフマン レネ・ルッソ モーガン・フリーマン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★★ ★★★★
コメント  冒頭では1967年のアフリカの映像。コロニーで得体の知れない伝染病患者を治療する中、救援物資を待っていたら、ヘリがやってきていきなり空爆!衝撃的な内容だ。しかも公開当時にはエボラ出血熱が流行していて、他人事じゃない恐ろしさがじわじわと伝わってきた・・・
 現代にうつり、米陸軍伝染病研究所の様子。LEVEL2からLEVEL4までの説明だ。そこで軍医であるダスティン・ホフマンがザイールへと召集される。無事に封じ込めたのだが、密猟者が一匹の猿をアメリカに持ち込んだため、次から次へとモターバ熱の感染者が・・・
 カリフォルニアの町シーダー・クリークの封じ込め作戦の準備を進める軍上層部。命令に背いて独自に行動する大佐ダスティン・ホフマンと元妻であるレネ・ルッソ。防護服の中でゲロを吐いたキューバ・グッディングJRも次第にいい活躍。アフリカでは接触感染だけだったのに突然変異したウィルスは流感のように空気感染する能力も持ち、映画館でさらに拡大していたのだ。抗体を手に入れるためウィルスを持ち込んだ宿主を探す・・・
 パニック状態にあった町から逃げようとする住民を容赦なく攻撃。爆撃して2600人の命を奪う命令を大統領が下す。隠されていた抗体・・・軍が関与していた生物化学兵器の抗体だったという恐ろしい事実。秘密を知ったホフマンは上層部のドナルド・サザーランドに狙われるのだ。ヘリを使って宿主を探すホフマンとグッディング。港湾事務所から韓国籍の船へ飛び、放送局で猿を見つけてくれと訴える・・・
 ヘリコプターチェイス、そしてテンポが早く省略が多くなる終盤。坑血清の事実を知られたくないがために爆撃作戦を決行しようとするサザーランド少将と爆撃部隊。体当たり覚悟で爆撃を阻止しようとする2人は緊張感いっぱいだ。ウィルスの恐怖よりも細菌兵器のほうが怖いぞ!と訴える社会派要素は薄くなるものの、見応えのあるドラマとなっていた。

1995年NY批評家協会賞助演男優賞(ケヴィン・スペイシー)
(2007.10)

蒼き狼 地果て海尽きるまで 2007 日本
松竹
ストーリー  モンゴル族の息子テムジンが14歳のとき、父が毒殺され、部族を立て直すことに精一杯となった。7年後、婚約者であったボルテをジャムカからもらいうける・・・
監督 澤井信一郎
出演 反町隆史 菊川怜 若村麻由美
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★
コメント  「ジャムカ、お前の勝ちやな・・・チッチキチー」
 なぜか松方弘樹の声が大木こだまを意識しているような気がしてならなかったのですが、テムジン(反町隆史)とジャムカ(平山祐介)がやってきたときに「そんな奴おらへんやろー」とか「そらアホやでー」と言ってくれたら最高だったと思います。
 この映画を観るために米映画の『ジンギス・カン』(1965)を見直しました。オマー・シャリフがジンギス・カンを演じ、騎馬戦一騎撃ちのシーンなどはなかなか良かったのですが、ジャムカが徹底的な悪役を通していたところなど、さすが敵をはっきりさせたいハリウッド映画はちょっと違います。なにしろモンゴル統一というテーマではなく、侵略を繰り返して世界の半分を領土とする英雄として描いた映画だったのです。ちなみに史実は滅茶苦茶だった・・・
 この森村誠一原作の角川映画では「戦争の被害者はいつも残された女である」といったテーマや、エディプス・コンプレックスにも似た「蒼き狼の血を証明したい」と願う息子ジュチのテーマがあった。夫人の強奪や敵将の子を身篭ること。戦乱の時代では当然のように言われていたが、悲しき家族の運命はとても辛いことであることは想像しやすい。それがテムジンの出生の秘密とも被り、運命の皮肉を一層盛り立てる。圧倒的なスペクタルと腹にも響く騎馬軍団の地響き効果も凄かったけど、英雄伝の裏に隠された人間ドラマが印象に残ります。
 俳優の演技としては、テムジンの母親役である若村麻由美が最も良かった。韓国の新人女優Araは日本語が上手い。津川雅彦は美味しいところを持っていた・・・いい演技が多かった中で、菊川怜が全てを台無しにしてしまったといったところでしょうか。なぜ菊川怜が選ばれたのか。もしかするとモンゴル顔だから?などと考えてみたけど、本来日本人の多くはモンゴル系。映画でも日本語が使われていることがおかしいといった議論もどこかおかしい・・・
 それにしても角川さんはまた巨額の投資をしたものです。たしかにモンゴル人のエキストラ効果でCGに頼らない迫力映像となりましたが、それならなぜもっと早くに映画化しなかったのか。構想27年という謳い文句があるため調べてみると、27年前には加藤剛主演のテレビドラマがあったのですね(井上靖原作)。これを映画化しようと考えていたけど、井上氏からは映画化の了解がもらえず、後にかつての角川秘蔵っ子森村氏が書いてくれた(もしくは書かせた)ので便乗したというところなのか・・・妄想中。
(2007.3)



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