アラクノフォビア | 1990 アメリカ WB ARACHNOPHOBIA |
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ストーリー | 探検隊の1人が南米のジャングルで新種の毒クモに刺されて死亡する。持ち帰った死体とともにクモも運ばれてしまう。一方カリフォルニアで医院を開業したロスは診断した患者が次々に死んで・・・ | |||
監督 | フランク・マーシャル 製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ | |||
出演 | ジェフ・ダニエルズ | ハーレイ・ジェーン・コザック | ジュリアン・サンズ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★★ |
コメント | 冒頭からの冒険シーンが一番良かった。南米の秘境。壮大な滝と巨大な穴。さすがはスピルバーグ、『インディ・ジョーンズ』や『ジュラシック・パーク』のようにスペクタクル映画の予感さえさせるのだ。 南米で死んだ男はカリフォルニアの田舎町に運ばれ、葬儀屋の棺桶の中からクモが一匹這い出てくる。死体は血を全て抜かれたようになっていた。ロスの新居にも現れるが、恐怖映画の定石で、子供が襲われそうになったも寸前で回避。ロス医師がアラクノフォビア(クモ恐怖症)であるという設定も面白いし、開業準備が整っていたのに町の老医者が引退を取りやめたというサブストーリーも面白い。しかもロスの妻は写真家でクモの巣が美しいなどと言ってるし、夫のアラクノフォビアを逆療法で治そうとしてる。見知らぬ土地での開業し立ての医師の苦悩。その上、最初の患者(隣人のマーガレット)が心臓発作で死んでしまう。子供たちは学校で父親が「ドクター・デス」だといじめられるし、イェール大卒の都会の医者というだけで警官などから反感を喰らってる上に、老医師からは「高血圧だったのに薬を止めさせるとは!」と訴えられそうにもなる。 アメフト選手の次はその老医師が死んでしまう。排他的でもあるが、頼れる存在である医者。町の医者がロス1人になってしまうまではかなり練りこんだストーリーだと思います。さらに昆虫学者の権威に頼むのですが、その人物は冒頭の探検隊の学者。人間関係だけ見ても面白い。 コミカルな害虫駆除業者も面白かったけど、なぜかなかなか助けに来てくれない。ジェフ・ダニエルズの1人芝居はなかなか大変だったろう・・・。エンディングは田舎を捨て、サンフランシスコの都会の夜景。普通の物語の逆パターンであるのも面白い。「思い出のサンフランシスコ」を流さなくてもいいかと思うが・・・ (2007.1)
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荒馬と女 | 1961 アメリカ UA THE MISFITS |
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ストーリー | ネバダ州リノの町は離婚が認められていた。そこで手続きをとるためロザリンという夫人がやってきた。その後、ゲイ(ゲイブル)と知り合い、野生馬狩りにでかける・・・ | |||
監督 | ジョン・ヒューストン 脚本:アーサー・ミラー | |||
出演 | クラーク・ゲイブル | マリリン・モンロー | モンゴメリー・クリフト | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★★ | ★★ | ★★★ | ★★ |
コメント | 主演のゲイブル、モンローともに本作が遺作となってしまった。冒頭から顔を見せる自動車修理工のイーライ・ウォラックなんて90歳になっても現役だ。離婚調停の証人77回というおばさん(セルマ・リッター)も印象深い。 野生馬はムスタング?スタリオン?さすがにロデオのシーンは楽しい。しかし、脚本がつまらなすぎる。ちょっとした会話も全く面白くないのです。動物を殺さないで〜というところは好きかもしれない。 (2007.1)
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あるいは裏切りという名の犬 | 2004 フランス アスミック・エース 36 QUAI DES ORFEVRES |
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ストーリー | パリ警視庁の2人の警視、BRI(探索出動班)所属の正義感あふれるレオ・ヴリンクスと、BRB(強盗鎮圧班)所属の権力志向の強いドニ・クラン。連続現金輸送車強奪殺人事件が起こり、2人が巻き込まれることになり・・・ | |||
監督 | オリヴィエ・マルシャル | |||
出演 | ダニエル・オートゥイユ | ジェラール・ドパルデュー | フランシス・ルノー | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
コメント | 鼻が特徴である名優の対決! ジェラール・ドパルデューは好きな俳優の一人ですが、フィルム・ノワール作品だけあって鼻の陰影もくっきり描き出されているため、どうしても目立ってしまう。いかに男根鼻といえどもモザイクをかけるわけにはいかないので、ライバルの警視には同じく鼻が印象的なダニエル・オートゥイユが起用されている(彼が主人公)。 “36”というタイトルがど〜んと描かれ、どこの誰が“犬”なんだかとワクワクしながらのめり込んだ前半。現金輸送車強奪事件が連続し、9人もの人が殺されていた。そんな物騒なパリであったけど、警察内部では長官(アンドレ・デュソリエ)の昇進が決まっていて、この事件をBRIのレオ・ヴリンクス警視(オートゥイユ)とBRBのドニ・クラン警視(ドパルデュー)が追うことになった。事件を解決すれば次期長官に・・・と野心に燃えるクラン。一方のレオは出世欲は感じられないのだが・・・ 情報屋という存在が大きかった。難事件を解決するにも信用度が低い彼らの情報も無視はできない。大体が犯罪者であったりするのだが、時として貴重な情報源となったりするのだ。2人のライバル警視は情報屋を殺されたり、その情報屋に利用されたりと、捨て駒であるはずの彼らに運命を翻弄されるところが見ものなのです。そして裏情報を得たヴリンクスは見事に事件を解決し、クランは失脚するかに見えた・・・ 立場が逆転して投獄されたり、最愛の妻を失ったりで奈落の底へ突き落とされたかのような男を演じたオートゥイユがしぶかった。ドパリュドゥーやドゥソリエも鋭い眼孔の奥底で、口には出さない心理が読み取れるところが凄い。そしてもう一人、ヴリンクスの部下であったティティが物語の最大のキーパーソンになるところも脚本の素晴らしいところだ。 2004年セザール賞作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞(アンドレ・デュソリエ)、助演女優賞(ヴァレリア・ゴリノ)、脚本賞、音響賞、編集賞ノミネート (2007.5)
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ある子供 | 2005 ベルギー/フランス ビターズ・エンド L' ENFAN |
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ストーリー | 20歳のブリュノは定職にも就かず、ひったくりなど盗みの毎日。恋人ソニアとの間には子供ができるが、深く考えずに子供を売ってしまった。 | |||
監督 | ジャン=ピエール・ダルデンヌ | |||
出演 | ジェレミー・レニエ | デボラ・フランソワ | ジェレミー・スガール | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
なし | ★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ |
コメント | 「明日こそは役所で認知の手続き取ってね」という言葉も忘れてしまったのか、悪仲間を通して子供を売ってしまったブリュノ。やばくなったら「盗まれた」と言い訳をして、事後処理に奔走する。 ヨーロッパの失業率は悪い。特に舞台となったベルギーでは12〜13%の失業率なんだそうだ。失業率が10%を超えると、いつ革命が起こってもおかしくない状況なのですが、それをどろぼうという手段で生活しようとする奴も多いのであろう。生きるためには何をやってもいいといった思想が根付かないようにしたいものですが、この映画では問題提起だけで終わっているかのようだ。 主人公ブリュノは大人になりきれない男。自分の子供ができたって、品物と同列に見てしまう。恋人ソニアはぎりぎりのところで彼を叱咤するが、叱られてからようやくコトの重大さに気づく男。母親からは独立しているかのようでしたけど、実際には利用しまくり。そして、13歳の子供を子分として使い、ひったくりを繰り返すが、最後には警察に追われるハメになってしまう。逃げるため川に飛びこみ、凍えそうな経験もするが、その子分が捕まってしまい、最終的には自首する・・・ この自首によって一筋の希望が見出せるものの、そんな簡単に性格は変わるものではないだろう。改心して出所しても失業生活はずっと続くだろうし、世の中を変えるしかないのです。手ぶれカメラによってドグマ映画のような効果とドキュメンタリーのような効果。クロースアップや無駄な部分をカットして、芸術性を高めていますが、なぜかのめり込めなかった・・・やっぱり、ひったくりが許せないと感じたからかなぁ・・・ 2005年カンヌ国際映画祭パルムドール (2006.4)
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ありがとう | 2006 日本 東映 |
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ストーリー | プロゴルファー古市忠夫の実話。神戸市を襲った大地震は人々の希望をも奪い去ったかのようだったが、街の復興のためのボランティア活動で人々を励まし続け、やがてプロゴルファーを目指す・・・ | |||
監督 | 万田邦敏 原作:平山譲 | |||
出演 | 赤井英和 | 田中好子 | 薬師丸ひろ子 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | 感謝の気持ちは忘れちゃならない・・・エンドクレジットも極端に大きな文字だったことが証明している。 元プロボクサーである赤井英和はトミーズ雅とともに有名だけど、島木譲二だって元プロボクサーだなんて忘れ去られている。パチパチパンチとか、この映画でも披露したポコポコヘッドとか、特別面白いわけでもないギャグでバカにされているかのような吉本新喜劇の中心人物ですが、ミドル級西日本新人王という輝かしい過去を持っているのです。 元プロボクサー仲間として関連性があるだけじゃなく、赤井と島木の映画デビューの年が同じ1989年だということも興味深い事実。赤井は『どついたるねん』、島木はなんと『ブラックレイン』なのですが、こんな偶然ってあるのでしょうか・・・しかも田中好子がその年の映画『黒い雨』で日本アカデミー賞主演女優賞をとっているなんて・・・ その田中好子は1978年のキャンディーズ解散によって引退するんじゃないかと思われてましたが、奇しくもその年に薬師丸ひろ子が『野性の証明』でデビューを果たす。「今日は俺の女房になってくれないか」などという言葉で、この2人の関係が浮上しました。その他、桂きん枝、Mr.オクレなどのお笑いゲストに加え、永瀬正敏、豊川悦司、佐野史郎、仲村トオルなど多くの有名俳優が友情出演していて、多くのエキストラの方々のさりげない演技が印象に残ります。また、序盤における生々しい惨状にも胸が苦しくなったのですが、一番泣けたのが河島英五の「生きてりゃいいさ」でした。 映画の内容としては実話だけに涙なしでは観れないものなのですが、観る前は震災を生き残った人がなぜプロゴルファーなのかと疑問に感じていました。ゴルフという世界が、どちらかというと一か八かといったギャンブル性の強いスポーツだと思っていたからです。しかし、古市さんは写真屋さん。今のようなデジカメ全盛の時代になってしまっては、着実な商売とは言えないのかもしれません。「神の啓示」といった台詞もありましたが、もしかすると彼はそうした時代がくると感じ取っていたのかもしれません・・・ (2006.11)
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アルビノ・アリゲーター | 1998 アメリカ 東北新社 ALBINO ALLIGATOR |
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ストーリー | 強盗団の3人、ドバ、マイロ、ロウはあるバーに立て篭もるが、警察に包囲されてしまう。 | |||
監督 | ケヴィン・スペイシー | |||
出演 | マット・ディロン | フェイ・ダナウェイ | ゲイリー・シニーズ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | 最初から、人を撥ね、パトカーに追跡され、そのパトカーに激突されるという凄まじい展開。息つくヒマもなく、閉店間際のバーで落ち着くが、事故で怪我をしたマイロ(シニーズ)は仲間からも殴られてしまう・・・痛いよ・・・ バーのテレビに警官隊のニュース映像が映る。彼らは人質を取ってはいたが、「警官を3人殺した」という事実はない。狐につままれたような思いになったが、警官が追っていたのは別の犯人だったのだ。。ミスター・クワイエットと呼ばれていたガイ(ヴィゴ・モーテンセン)。彼が追われ続けていた武器商人だ。 色んな葛藤もあって心理劇としても楽しめますが、なんといってもオチがいい!マット・ディロンのきょとんとした顔なんて最高〜 1998年ラジー賞助演女優賞ノミネート (2006.6)
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アルゼンチンババア | 2007 日本 松竹=キネティック |
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ストーリー | 女子高生みつこは母の死に直面するが、父親悟は失踪。町のはずれの風変わりな建物に住む“アルゼンチンババア”と呼ばれる女性の下で一緒に暮らしていた・・・ | |||
監督 | 長尾直樹 原作:よしもとばなな | |||
出演 | 役所広司 | 鈴木京香 | 堀北真希 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ |
コメント | 堀北真希の怪力、役所広司のコントロールのよさに驚いた。 『奈良美智との旅の記録』を見逃してしまい、タイトル画はどこかで見たような記憶があったのに、誰が描いているのかわからなかった。堀北真希のこねるパンも美味しそうだったので、とりあえず頭の中は“不二家のペコちゃん”でいっぱいになってしまいました。また、悪臭を放っているかのようなアルゼンチンババアと彼女の住む建物からは、なかなか臭いを感じ取ることができず、むしろパンとハチミツからイメージされる味覚のほうが勝ってしまったようです。 風変わりな女性アルゼンチンババアことユリを演ずるのは鈴木京香。手入れをしてなさそうなほどぼさぼさに伸ばした白髪まじりの髪。たしかに世捨て人であるかのようなその風貌からはババアと呼ばれるにふさわしいエッセンスが詰め込まれているのですが、設定では50歳くらいなのに、やはり若さは隠しきれない。それもハチミツ効果だと言われればそれまでなのですが、顔全体や唇の艶と髪がアンバランスなのです。それでも役所広司と並ぶと妙にマッチしていたため、よき熟年カップルぶりを堪能(?)できました。 よしもとばななの原作は読んだことないのですが(というより、彼の作品は一冊も読んだことがない)、この映画に関しては設定だけはとても個性的で、慣れてくると平凡な家族愛としてしか感じられなくなってしまう。そんな中でも、一人の人間が生きていくことの大切さと子は親があってこその存在であることが感じられる。それは鈴木京香の言葉でも感じられるし、田中直樹の言葉からも感じられ、堀北真希をほったらかしにした役所広司の態度はそれを弁証法的に検証しているかのようでもあった。妻を亡くしたばかりの男がすぐに別の女性を愛することができるかという心理にしたって、森下愛子が自分の浮気癖を棚上げした再帰的検証によって納得させられている。 などとわけのわからぬことを考えるよりも、身内の死から逃げ出したかった男にありがちな弱さを見せつけられただけ。「わかる、わかる」と共感して、独特な雰囲気を持った映像を楽しめたので満足です。カメラワークでは特に4人で囲んでラーメンを食べるシーンなんてのは印象に残りますし、舞台となったあの屋敷が脳裏に焼きついてしまいました。アルゼンチンタンゴを踊るシーンもよかったのですが、役所広司のダンスをメインにしなかったのは『Shall We ダンス?』とダブってしまうからなのか・・・音楽も周防義和だし。 (2007.3)
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アルフィー | 2004 アメリカ UIP ALFIE |
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ストーリー | 極上の女性を楽しもうとイギリスからニューヨークへやってきたアルフィー。リムジンの運転手として次から次へと女に乗り移る。 | |||
監督 | チャールズ・シャイア | |||
出演 | ジュード・ロウ | マリサ・トメイ | オマー・エップス | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★ | ★★ |
コメント | 乗り移るといっても女性上位ばかりだ。腰が悪いんじゃなくて体がもたないから・・・ シングルマザーのマリサ・トメイとは別れ、黒人の親友の彼女とも寝てしまう・・・そのうちインポになって医者に診てもらったら、治ったのはいいけど、“しこり”があると言われるし、親友の彼女から「妊娠した」と告白される・・・ 次々と女を乗り換えたはいいけど、徐々に虚しさに気づく。しかも親友の彼女は子供を産んでいたというショック!親友を失ってまで「女は意のまま」を続けることが苦痛になって、過去の女を訪ね回っても皆新しい彼氏が・・・ プレイボーイが普通の生活をしたくなるって感じの映画。トイレで会ったじいさんに海岸を歩きながら相談するシーンがいい。全編通して、ジュード・ロウが観客に語りかける手法ってのも慣れてくるとなかなかいい。だけど、もうちょっと大きな事件が起きないと、面白くない・・・ 2004年ゴールデングローブ賞歌曲賞 その他 (2007.2)
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