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ブラザー・ハート 2003 イギリス
劇場未公開 COL
I'LL SLEEP WHEN I'M DEAD
ストーリー  ギャングから足を洗ったウィルは弟デイビーの死をきっかけに元の世界へと舞い戻ることに・・・
監督 マイク・ホッジス
出演 クライヴ・オーウェン シャーロット・ランプリング ジョナサン=リス・マイヤーズ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★ ★★★ ★★★ ★★
コメント  足を洗って森林業者として働いていたウィル(オーウェン)。ボスが代わり、コンピュータに名前が見当たらないとのことで突然の解雇。寒々としたイギリスの田舎の雰囲気から弟が風呂で死に行くカットへと切り替わる。ギャングの手下として働くデイビーはモテモテだったが、何者かに暴行され、震える体を風呂に沈める・・・自殺ということになったデイビー。ウィルは弟が死んだバスタブに疑問を持ちもう一度捜査してもらいたいと警察にも懇願するし、弟の仲間にも聞いて回る。そしてウィルが下した見解は「デイビーはレイプされたため自殺した」であった。
 ギャングものにしてはとても静かな映画。銃撃戦だって暴力シーンだってそれほどメインじゃない。まるで推理ものの雰囲気だ。「記憶を頼りに・・・」などというオーウェンの独白でサンドイッチした構成だが、観客にだって記憶に残らない映画だと思うぞ。
(2007.1)

ブラックブック 2006 オランダ/ドイツ/ベルギー/イギリス
ハピネット
ZWARTBOEK
ストーリー  1944年、ナチス占領下のオランダ。ユダヤ人歌手ラヘルはナチスから逃れるためボートに乗り南下しようとするが、その船がナチスによって襲撃され家族全員を失ってしまう。やがてレジスタンスに身を寄せ、スパイとしてナチス将校の愛人となるが・・・
監督 ポール・ヴァーホーベン
出演 カリス・ファン・ハウテン トム・ホフマン セバスチャン・コッホ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  チョコレートは大切だ。
 ポール・ヴァーホーベン監督と聞いてまず思い出すのが『氷の微笑』、『スターシップ・トゥルーパーズ』。そして『ショーガール』でラジー賞を総なめしたときに、誰も受け取りに来なかった同賞なのに本人が授賞式に現れて大喝采を浴びた人物として有名だ(彼に次いで有名になったハル・ベリーも偉い!)。その彼が本国オランダに帰り戦争映画を撮るのだから、残酷描写のオンパレードになると想像していたのに、ちょっと違っていた。反戦、反ナチ映画として捉えるよりも、寧ろ戦争を背景にしたエロティック・サスペンスとして観るほうが正解なのかもしれません。
 主人公は元歌手のユダヤ人女性ラヘル(カリス・ファン・ハウテン)。ユダヤ人であることを隠すためにエリスと名を変え、髪もブロンドに染める。序盤ではナチスからの逃亡やユダヤ人虐殺、そしてオランダのレジスタンス狩りの描写によりテンポよく進むのですが、冒頭で10年後の彼女の元気な姿が映し出されるので、殺されるんじゃないかという緊迫感は欠ける。それよりも周囲の人間が殺されゆく現実と、レジスタンスに加わり、ナチ将校ムンツェ(セバスチャン・コッホ)の愛人となるスパイ活動に興味が注がれるのです。
 功を奏し、ドイツ軍諜報部に出入りできるようになったエリス。そこで出会ったフランケン(ワルデマー・コプス)という男は彼女の一家とユダヤ人たちを惨殺した男だった。しかもパーティ会場でフランケンの弾くピアノ伴奏に合わせてエリスが歌うという奇妙な運命のめぐり合わせ。家族を失った悲しみの演技が面に表れなかったのに、フランケンに対する憎悪の念とスパイとして楽しく歌わなければならないという自己葛藤の複雑な表情がたまらなくいいのです。
 物語の核心となる部分は、レジスタンスの指示によりフランケンのオフィスにエリスが盗聴器を仕掛け、収容されているレジスタンス仲間40人を救出する計画が内通者の存在により返り討ちに遭ってしまうところです。一体誰が内通者なんだ?と疑わしき人物を推し量る。しかも巧妙な罠にはめられ、エリスが裏切り者とされてしまうのだ・・・
 エロティックな場面もなぜか印象に残ってしまう。特に髪をブロンドに染めるだけじゃなく、アンダーヘアまでブロンドに染めなきゃならないシーン。これはもうさすがヴァーホーベンだと言うよりほかない。20年以上も暖めておいた企画だというのだから、数々のアイデアが他の映画に影響してしまったのでしょう。随所に他の映画を彷彿させるシーンがあったことに喜んでしまいます。クロロホルムなんてのも『インビジブル』で使われてませんでしたっけ?
 棺桶の中に入り死体を装って検問を突破、インスリンとチョコレート、パーティのマイクと盗聴マイク、等々の小ネタがピリリと効いていたことも印象に残りました。そして、ドイツ軍がレジスタンスのことを“テロリスト”と呼んでいたことも興味深いし、「報復しない」とか「交渉」とか現代的なテーマも隠されていました。また、ラストシーンのイスラエル軍に象徴されるように、ユダヤ人の戦いは永遠に続いていることが悲壮感を盛り立ててくれました。

2006年英国アカデミー賞外国語映画賞ノミネート
(2007.4)

ブラック・レイン 1989 アメリカ
Par=UIP
BLACK RAIN
ストーリー  大阪まで犯人佐藤(松田優作)を護送してきた刑事ニックとチャーリーだったが、空港で逃げられてしまう。
監督 リドリー・スコット
出演 マイケル・ダグラス 高倉健 アンディ・ガルシア
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★ ★★★★ ★★★ ★★★
コメント  惜しくも松田優作の遺作となってしまった映画。日米との温度差も感じられるほどの逸話が数多く存在しているのも興味深いところだけど、これを劇場で観なかったことが悔やまれます。しかし、マイケル・ダグラスも変な刑事でしたなぁ〜もう健さんが困っちゃうじゃないですか。
 アンディ・ガルシアがバイク軍団に囲まれて殺されてしまう理不尽なシーン。そして松田優作が指を詰めるシーン、バイクを走らせて格闘するシーンなど、ストーリーよりもアクションが目立った映画。島木ジョージも頑張ってた(笑)

1989年アカデミー賞音響効果編集賞、録音賞ノミネート
(2007.1)

ブラッディ・レイン 2004 香港
劇場未公開
Colour Of the Loyalty   黒白戦場
ストーリー  巷では暗黒外の首領ドラゴンの命が狙われてるという噂が流れていた。引退を決めている彼を狙うのは誰だ?子分たちは必死で守ろうとするのだが・・・
監督 バリー・ウォン
出演 ショーン・ユー エリック・ツァン ラム・シュー
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★ ★★★ ★★
コメント  いきなりエリック・ツァンがぶくぶくに太った映像に驚かされる。声は一緒なのに、風貌が思い切り違う・・・
 香港ノワール。陰影を濃くした犯罪のカラーもこれだけ徹底していたら、異様な雰囲気だ。ホテルでいきなり黒覆面の男たちに襲われるファット(ショーン・ユー)。拷問にも耐え、ボスはどこだと吐かなかったので、「合格だ」と言われる。とにかく忠誠を誓うことが重要なほど、厳しい状況だったようだ。そして、敵組織は護衛をも狙う。「ファットはどこだ?!」と乗り込んできた奴らにもおっさんのチャイは妻も殺されてしまうというのに拷問に耐えた・・・
 これだけボスのために忠誠を誓う香港マフィア映画もなかなか見れないものかもしれない。しかしまぁ、エリック・ツァンってそんなにカリスマ性があるのか?かなり疑問だ。仲間も殺され、恋人も殺され・・・
 ボスが狙われているはずなのにファットばかりが狙われていることが不思議だったのですが、単なるボスの座の跡目争いだったことがわかってがっかり。「実はお前は実の息子なんだ」とクライマックスで言われてもねぇ・・・そんな試練があるかい!(笑)それよりも実の息子よりも忠誠を誓った部下が大切なんだというテーマのほうが現代的で面白いのに。
 そして驚愕のラスト!部下だったら忠誠を誓えるのに、実は息子でボスの座が約束されてると知ったときの行動。理解できまへん・・・
(2007.1)

ブラッド・ダイヤモンド 2006 アメリカ
ワーナー
BLOOD DIAMOND
ストーリー  1999年、内戦の続くアフリカのシェラレオネ。平和に暮らしていたソロモンは反政府軍に襲われ一家は離散、彼はダイアモンド採掘場で奴隷のような扱いを受ける・・・
監督 エドワード・ズウィック
出演 レオナルド・ディカプリオ ジャイモン・フンスー ジェニファー・コネリー
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★ ★★★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  I am a cameraman.
 エドワード・ズウィック監督の映画はなぜか今までのめり込めなかった。いずれの映画も完成度は高いものの、敵・味方をはっきり分けすぎていて、悪い奴はこいつだと巧に誘導されてしまいそうになってくるからです。今回の映画でも反政府軍RUFを徹底的な残虐非道なグループとして描き、対照的に政府軍がいかにも正義の味方のような扱いだったので、またいつものパターンになるのかと引いてしまいそうになりました。しかし、映画は最後まで観ないとわからないもの!終盤の空爆シーンによって見事に予想を覆されてしまいました。彼らにもまた人間の血が流れていないのか・・・と。
 実は、恥ずかしながらシェラレオネという国のことさえ知らずいたので、架空の地名だと勘違いしてしまいました。あちこちで内戦が起こっているアフリカ。『ホテル・ルワンダ』や『ナイロビの蜂』、そして先日観た『ダーウィンの悪夢』なども思い出してしまいましたが、その内戦が純粋に民族の争いであるだけではなく、欧米がこぞって兵器を売りさばいて商売をしているという現状も描かれてました。「第三世界の台頭」といえば聞えはいいのに、その巨大なマーケットによって甘い汁を吸い尽くしている先進国。自由経済の名のもとに、どんどん平和な生活を奪い去っているんですね・・・
 この映画ではダイアモンドを産出したがために、奪い合って内戦が激化し、その密輸によって武器が輸入されるという悪循環を描いていました。自由を求めていた元兵士のダニー・アーチャー(ディカプリオ)もそれを仲介するといういってみれば悪人だったけど、家族との平和な生活だけが生きる糧だった男ソロモン(ジャイモン・フンスー)との芽生えた友情などを見る限り、根っからの悪人ではない。『リトル・ミス・サンシャイン』と同じミニバスを運転するベンジャミン先生も性善説について語っていましたけど、ダニーも自分はどうなんだろうと考えてみたんでしょうね。あの先生はよかった・・・
 アカデミー賞にいくつもノミネートされてるように、臨場感たっぷりの音響効果と、映像がとてもよかったです。特に真っ赤な夕陽をメインとしたシーンはまさしく“血”のイメージ。“赤い土”という伏線もピタリとはまり、ディカプリオが終盤に握りしめていた土が赤く染まるところでは、彼もアフリカ人という設定だったんだなぁ〜と妙に納得してしまいました。
 この映画を観るとダイアモンドに拒絶反応を示す女性も出てくるのしょうか?もしそうなら、給料の安い独身男性諸氏は結婚したい女性を誘ってこの映画を観るべき!「このダイアモンドをめぐってアフリカでは殺戮が繰り返されてるんだね」などと言って、彼女をダイアモンド嫌いにさせるのがベスト・・・ですか。

2006年アカデミー賞主演男優賞、助演男優賞、音響効果賞、音響賞、編集賞ノミネート
2006年ゴールデングローブ賞男優賞(ディカプリオ)ノミネート
その他
(2007.4)

ブルート 1998 ドイツ
K2エンタテイメント
BASTARD   BRUTE
ストーリー  1991年イギリス当局は独創的なアイデアで、軽犯罪者のために用意された更正プログラムを創設。ルーマニアに送り、孤児院や病院、学校でボランティア活動させるのだ。
監督 マーチェイ・ディチェル
出演 ティル・シュヴァイガー ポリー・ウォーカー ピート・ポスルスウェイト
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★
コメント  その社会奉仕活動を命ぜられた青年ブルテツキ(シュヴァイガー)は早速ポスルトウェイトが経営する孤児のための病院に送り込まれる。ちなみに医者はジョン・ハートだ。ブルテツキに与えられた仕事は屋根の修繕などの雑用。精神病院なのか孤児院なのかわからないくらいで、暗く粗末な施設。若いマーラ(ウォーカー)をすぐさまレイプしようとして失敗。拳銃と金を盗んで逃げ出そうとして失敗。ようやく諦めたのか、なんとか馴染んでいこうとするシュヴァイガーだった。一方ポスルスウェイトはほとんど人身売買の行為を繰り返すし、医薬品に見せかけた銃の密売だとか、裏ではかなり悪事に手を染めている。その現場を目撃したため、やっぱり逃げ出そうとするシュヴァイガー。彼を引き止めたのはウォーカーと寝たためか・・・
 粗末な医療機器。死にそうな子に電気ショックも与えられないから代わりに胸を殴る。この貧困極まりない施設に徐々に憤りを感じるようになっていくのだ。しかし、心臓の悪いジプシーの少女エレナに愛着を感じ、ウォーカーからも「彼女を愛するふりをして」と頼まれる。そして心臓弁の手術費用を稼ぐため色々と画策するのだが・・・
 エレナは12、3歳なのか?幼い胸をさらけ出した大胆なヌードはかなりやばい。手術が失敗に終わるというシーンを描かないため悲しさはそれほどでもないが、最後には銃撃で終わりかよとあっけない幕切れに少将不満が残る。「墓を掘り返して弁を回収しろ」などと狂気の沙汰で叫ぶポウルスウェイトはやはり演技派だなぁ。
(2007.1)

ブレイキング・ニュース 2004 香港/中国
タキコーポレーション
BREAKING NEWS  大事件
ストーリー  ある朝香港の静かな町で激しい銃撃戦が起こる。警察への非難が高まる中、新任指揮官のレベッカはマスコミを利用して名誉挽回をはかろうとする。
監督 ジョニー・トー
出演 ケニー・チャン リッチー・レン ニック・チョン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★ ★★★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  銀行強盗団のアジトと張り込みの刑事、そして巡回中の巡査とのやりとり、そしていきなりの銃というの冒頭長回しに緊迫感が膨れ上がる。そして衝撃的な映像は偶然取材していたテレビ局によって撮影されて大問題に発展する。
 威信回復のため犯人逮捕の瞬間映像をメディアに提供する。大胆な発想だがこれ以上犠牲者が出たらどうするんだ?と。
 テンポよく進むし、人間関係や特定の登場人物に感情移入させないテクニックは潔い。クライマックスでのミニバスでの逃亡。レベッカ・フォン警視(ケニー・チャン)の冷静な対処もなかなかだ。しかし、結局犯人は英雄視されてしまったのか・・・そのあたりの評価は観客の判断に委ねられそうだ。
(2007.2)

ブロック・パーティ 2006 アメリカ
エイベックス
BLOCK PARTY
ストーリー  2004年、コメディアンのシャペルの提案により開催されたブルックリンでの無料路上ライブに集まったミュージシャンたちのドキュメンタリー映画。
監督 ミシェル・ゴンドリー
出演 デイヴ・シャペル ローリン・ヒル カニエ・ウェスト
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ 評価できず ★★★ 評価できず ★★★
コメント  ラップというのがどうもだめだ。平和、反戦などを訴えているところなんてメッセージも豊かでいいと思うのですが、リズムにのれない・・・年だ。
 『ドラムライン』を彷彿させる大学生マーチングバンドもいたりして、結構楽しかったし、コンサートではコーラスの凄いバンドがあった(名前確認しなかった)。
(2007.2)















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