永遠と一日 | 1998 ギリシャ/フランス/イタリア フランス映画社 MIA AIWNIOTHTA KAI MIA MERA |
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ストーリー | 不治の病を覚悟している老いた詩人アレクサンドレは、少年になって都市伝説の残る海辺へと向かう夢を見る。起きた彼は、明日病院へ行く決心をする。そんな彼の前に1人の難民の少年が現れ・・・ | |||
監督 | テオ・アンゲロプロス | |||
出演 | ブルーノ・ガンツ | イザベル・ルノー | アキレアス・スケビス | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | 中心となる構図からカメラを引いて、自然な足並みで多くの人が動く。映像としては懲りすぎとも思えるくらい、不思議な雰囲気が漂ってくる。 信号で止まる車の窓を洗う難民たち、難民売買(?)と思える映像。台詞も説明もほとんどなされない不可思議な長回し映像に眠くなるが、心地よい。人身売買業者(?)から少年を売ってもらい、国境の地を目指すアレクサンドレだが、思うようにいかない。思い通りにならなかった認知症の母親、亡くした妻アンナ、そして未完成の詩や小説。旅立つには悔しいことが多すぎたのだ。そして、嫁いだ娘にひきとってもらえなかった愛犬を誰かの結婚式で誰か(誰?)に預ける。 途中、妻や母の回想シーンを織り交ぜながら、理想の詩人をも登場させ、幼き少年にも教えようとする。そして別れ間際に飛び乗ったバスの幻想的な光景によって、人生を走馬灯のように感じさせるのだ。赤い旗を持った革命戦士のような若者、芸術論を語るが仲たがいしそうな恋人、そして音楽家、詩人・・・結局、人生の美しさを理解できずに旅立たねばならない無念さを秘め、虚しく帰途につくアレクサンドレ。ブルーノ・ガンツの虚ろな表情が心に沁みる。少年の会話も印象的。故郷では地雷が残り、親友だったセリムも溺死してしまった。 妻の言葉「永遠と一日」が病院へ行くことを止めさせるが、果たしてこれでよかったのだろうか。妻の思い出はそうであろうが、彼にとっては永遠によそ者なのだから・・・ 1998年カンヌ国際映画祭パルムドール (2005.9)
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永遠のアフリカ | 2000 アメリカ 劇場未公開 I DREAMED OF AFRICA |
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ストーリー | 離婚して息子と二人暮しのクーキーが事故に遭い挫折感を味わっていたが、恋人パオロの出現によりイタリアからケニアに移住して再出発することに決心した。 | |||
監督 | ヒュー・ハドソン 原作:クーキー・ゴールマン | |||
出演 | キム・ベイシンガー | ヴァンサン・ペレーズ | エヴァ・マリー・セイント | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★ | ★★★★ | ★★ | ★★★ |
コメント | 蛇自慢をする7歳になるエマニュエルが可愛い。 1年経ったクリスマスに、母親がやってきた。都会の暮らしが抜けきらないクーキーの姿と奔放な自然児と育ちつつあるエマの対比が面白い。そして、夫パオロが冒険大好きの性格を現して、静かな生活を求めるクーキーとしばしばケンカ。 全体的には自然・動物・疫病と戦う家族を描いていたのだが、人間の心理描写が疎かになっていて、夫の死も密猟者たちの報復なのかさっぱりわからないままだ。全てのエピソードが中途半端になっていて、感情移入なんてとんでもない。アフリカの自然を堪能できるだけの映画。実話ということを意識しすぎたのかな・・・ キム・ベイシンガーが動物愛護運動に熱心なので出来あがった作品かも。ゴールマン基金というのがあるらしい。 2000年ラジー賞主演女優賞ノミネート (2005.3)
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永遠のハバナ | 2003 キューバ/スペイン アクション SUITE HABANA |
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ストーリー | 名も無きハバナの市民12人による、ある1日のドキュメンタリー。 | |||
監督 | フェルナンド・ペレス | |||
出演 | フランシスキート | フランシスコ | エルネスト | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★ | ★★★★★ | 評価できず | ★★★★ |
コメント | 朝が来て、人は働き、学校へ行き、夜は音楽を楽しむ。そしてまた朝が来る。そんな1日を追っただけなのに、なぜだか何度も観たくなる映画。 朝。少年の映像と字幕・・・フランシスキート(10歳)、祖母ノルマ(70歳)などと名前だけの紹介がなされる。やがて、3人、4人と名前が増えてゆく。名前の記憶力は5人までなのに・・・と祈るような気持ちで鑑賞すると、5人、6人と増えて、最終的には登場人物が12人となった。しかも台詞もない、ナレーションもない、映像だけが群像劇のように流れていくのです。聞こえてくるのは、フランシスキートくんの学校の教師の声、近所のおばさんの声、そして雑踏や仕事場でのノイズだけなのだ。 例によって、全く予習なしでの鑑賞となり、フランシスキートくんがダウン症だともわからなかったし、ドキュメンタリーだともわからなかった。ましてや、12人が微妙に絡む壮大なドラマまで想像してしまったのです。しかし、ドラマは要らなかった。 人々が行き交う広場にあるブロンズ像はジョン・レノンだとわかる。しかもメガネは普通のメガネだ。「そんなのかけてたら盗まれるぞ・・・」などと妄想したけど杞憂に終わる。何しろココはキューバなのだ。 こうして何の変哲もないハバナの人々の生活は、昼から夜へと移る。彼らはスクリーンの中に生きているのです。カメラ映像は老人の皺をアップにする。音楽やダンスに夢中になる素顔の彼らを映し出す。紛れもなく生きている人間の姿。そして、1日の強弱を美しい空の色の変化で表現する。それぞれの人たちのバイオリズムさえ感じ取ることができるくらいに・・・(老人はずっと変わらないかもしれないが)。 静寂とともに夜は更け、朝を迎え、また新たな一日を予感させる。そして、意外にもエンドクレジットで感動してしまう映画です・・・2度観たくなるという秘密もここに! (2005.11)
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永遠の人 | 1961 日本 松竹 |
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ストーリー | 昭和7年、阿蘇。負傷して送還となった大地主の息子・平兵衛。同じく戦地に行った恋人隆を待ち焦がれいた小作の娘・さだ子を手篭めにする。隆も無事帰ってきて、駆け落ちするかと思われたが・・・ | |||
監督 | 木下恵介 | |||
出演 | 高峰秀子 | 佐田啓二 | 仲代達矢 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
コメント | 第1章:駆け落ちしなかった隆とさだ子。身分の差、小作人へのひどい扱い。仲代達矢が極悪人のように思えるほどだ。 第2章:昭和19年、結婚して3人の子供。隆もとも子(音羽信子)という嫁をもらったが、思いを捨てきれない。鈴の音が聞こえたら義父の元へ介護に走らねばならないばかばかしさ。3人の過去を知ったとも子は実家へ帰ってしまう。 第3章:昭和24年、息子・栄一は学校では暴れン坊。父が母を犯した際に出来た子供だと知ったためであった。そんな折、広島で療養中だった隆が戻ってくる。父には甘やかされたが母には辛く当たられていた栄一は家を飛び出して、阿蘇の火口を降りてゆく。 第4章:昭和35年、さだ子の娘・直子と隆の息子が駆け落ちした。28年前に二人ができなかったことを子供たちがやってのけたのだ。次男は全学連にて暴れまくり、逮捕状が出ていた。 第5章:昭和36年、肺病の隆の命はあと僅か。駆け落ちした二人は赤ん坊を連れて戻ってきた。 30年続いた愛憎劇。まるで復讐するために結婚したさだ子。千人塚というエピソードやほっぺをつねったシーンなど、印象に残る場面とともに高峰秀子の怨念にも似た心がドロドロ劇を盛り上げている。章立ての合間に流れるフラメンコのようなラテン系音楽がちょっとマイナスだが、単に笑えばいいのかもしれない。重厚な一大叙事詩。ラストには心を打ち解け、ようやく和解する二人が爽やかに映り、希望も持てるが、不幸な人が多すぎた・・・ 1961年アカデミー賞外国語映画賞ノミネート (2005.12)
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栄光のフォワードNo.9 〜女子サッカーに捧げる | 2000 中国 東光徳間 女足9号 |
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ストーリー | リストラ解散に遭った女子サッカーチーム。チームを率いてきたティエンは引退、結婚、出産を経験したばかり。そんな折、日本でコーチをしていたカオが帰国し、紅楓電気工場の支援を取りつけチームを再結成する。 | |||
監督 | シェ・チン | |||
出演 | ウー・ユィチュアン | チョウ・リーチン | イー・チュントウ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★★★ | ★★ | ★ | ★ |
コメント | 中国がサッカー発祥の地とも言われるとのことだ。男子サッカーはまだまだだが、やがてサッカー人口が増えると、底力のある中国は強国になっていくんだろうなぁ。 再結成された女子チームはまずオヤジチームと対戦。おっぱいが張って大変なティエンもボールを蹴ると治ってしまうようだ。彼女の旦那は借金を抱えていて、チームの合宿にも不満タラタラのところへカオが金をポンと渡す。プライベートの管理は上手くいっているが、特訓風景がスポーツ映画にしてはほとんどない。相手チームが負けたら解散という憂き目を聞いたら、自分のチームが犠牲になる・・・全サッカーチームの発展に目を向けているところも中国らしい。 解散のピンチも乗り越えて、ラストは教えていた日本の女子チームと対戦。しかし、試合の映像もほとんどないし、ドキュメンタリーっぽい映像ばかり。ちょっと工夫が足りない。 (2005.4)
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英語完全征服 | 2003 韓国 アートポート PLEASE TEACH ME ENGLISH |
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ストーリー | 彼氏ができない公務員のヨンジュは、職場で英語を話せる人が必要になったという理由で英会話教室に通うことになった。そこでムンスという靴売り場に勤める青年ムンスに出会い人目ボレする。 | |||
監督 | キム・ソンス | |||
出演 | チャン・ヒョク | イ・ナヨン | アンジェラ・ケリー | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | 観終わってから食欲が刺激されたことを考えると、これは「英語完全征服」ではなく「グルメ完全征服」だったのではないか・・・ほんと、食べてばかりだった。 最終的には、ピザ宅配店員から韓国料理店と職を変えていたタイソンが一番美味しいところを持っていった。もちろん、ヨンジュ(イ・ナヨン)が作ったチヂミ他の手料理も美味しそうだったし、おじいさんの村のご馳走も食べてみたくなりましたけど、やはり食べ物に国境はないのですよね・・・(よだれ) ストーリーは、序盤に格闘ゲーム画面を取り入れたり、アニメCGを多用したりして最近のポップなコメディにしてありました。しかし、中盤まではさほど面白くなく、小ネタのオンパレードといった雰囲気。終盤、一気に畳み掛けるシークエンスだけはラブコメの王道を行くかのようなテンポの良さに満足できました。やはり、地下鉄のシーンは感動です。 韓国における英語教育は『もし、あなたなら〜6つの視線』の一つ『神秘的な英語の国』の中で、舌を整形するという驚愕の事実まで映像化していた。確かに、舌の矯正でもしないと韓国訛りがひどいような気もします。しかし、日本よりスパルタ式の英語教育を行う韓国では日本よりもTOEFLの点数は高いそうですし、「ゆとり教育」なる最悪の教育政策を取り入れた日本ではますます国際的社会から置いてけぼりを食らいそうですよね。 TOEICもTOEFLも受けたことがないけど、チャレンジしたくなりましたよ。そろそろネガティブ・スピーカーを脱却しなければ(笑) (2005.6)
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エイジ・オブ・イノセンス 汚れなき情事 | 1993 アメリカ COL=COLTRI THE AGE OF INNOCENCE |
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ストーリー | 1870年代、NY。オペラ鑑賞中に弁護士ニューランドは幼馴染の伯爵夫人エレンと再会する。彼女には離婚に同意しない夫がいるし、彼には婚約中の女性がいた。そんな状況の中でニューランドはエレンに惹かれていくのだが、周りが許そうとしなかった・・・ | |||
監督 | マーティン・スコセッシ | |||
出演 | ダニエル・デイ=ルイス | ミシェル・ファイファー | ウィノナ・ライダー | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ |
コメント | オペラが良かった。夕暮れの海の映像も好きだし、綺麗な映像が多すぎ!だけど、単調な台詞と進展しないストーリーには眠気を誘われ・・・台詞の中味もつまらない。貴族の没落を描くのであれば、こんなダラダラした脚本じゃ集中できません。 社交界の会話というのもスキャンダラスなものばかり。嫌になりますね。 1993年アカデミー賞衣装デザイン賞 同助演女優賞、脚色賞、作曲賞、美術(装置)賞ノミネート 1993年ゴールデングローブ賞助演女優賞(ライダー) その他 (2005.3)
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エイブル able | 2001 日本 「able」の会 |
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ストーリー | スペシャルオリンピックス世界大会に選手として参加したダウン症の渡辺元くんと自閉症の高橋淳くん。アリゾナ州の一般家庭にホームステイしてホストファミリーと3ヶ月間共同生活をする。 | |||
監督 | 小栗謙一 | |||
出演 | 渡辺元 | 高橋淳 | キャサリン・ルビ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | 評価せず | ★★★ | なし | ★★★ |
コメント | 知的障害の上に言葉が通じない。相手の言葉を理解しようとする元と、料理が好きで心の優しい淳。障害者の学校には日米の差が若干あるような気もした。スポーツってのは、言葉なんて関係ないのだと感ずるところもあった。 ダウン症の子は人よりも感情が表れやすい。キャサリンがしばらくいなかっただけでも泣いてしまう。3ヶ月もあれば、必ず怒りをぶつけるシーンがあってもよさそうだけど、カットされたか、かなり押さえてあるような気がした。 編集の荒さは感じたけど、ラストでグっときてしまう。ホストと二人に心が通じ合ってるのが見えるかのような撮りかたは良かった。 続編は『ホストタウン』 (2005.2)
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エイリアンVSヴァネッサ・パラディ | 2004 フランス/ドイツ/イギリス Gコミュニケーションズ=トルネード・フィルム ATOMIK CIRCUS - LE RETOUR DE JAMES BATAILLE |
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ストーリー | フランスの小さな田舎町スコットレット。祭にスタントマンとして参加するジェームズは町を牛耳るボスコの娘コンチャと恋に落ちる。スタントの失敗により、ボスコの影響力のため禁固133年の刑を受けるが脱走して彼女に会いに行く。宇宙人の侵略が始まっていることも知らず・・・ | |||
監督 | ディディエ・ポワロー | |||
出演 | ヴァネッサ・パラディ | ジェイソン・フレミング | ブノワ・ポールヴールド | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★ | ★★★★ | ★★ | ★★★ |
コメント | 強敵はエイリアンでもジェイソンでもフレディでもプレデターでもない。ヴァネッサ・パラディは、公開時期を合わせてジョニー・デップと戦いたかったに違いない。 なんのこっちゃ!と、なかなかエイリアンが登場してこないストーリーにいらいらさせられるが、ようやく登場するのは足が4本くらいの火星人風宇宙人。軟体動物のようであり、『スパイダーマン2』のドック・オク風でもあり、『ウルトラセブン』のビラ星人でもあり・・・鋭い刃物で人間の首をスパっと切っちゃうほど恐ろしい奴なのです。それを歌姫(ディーバ)ヴァネッサ・パラディが女戦士となって果敢に戦うのかと思っていると、肩すかしを食らってしまいます。 ジョニー・デップ氏とお付き合いがあり、お子さんまでもうけているが結婚していないヴァネッサと、ティム・バートンからインスパイアされた作風であるポワロー監督。本当はチョコレート工場を攻撃する内容にしたかったに違いないが、予算の関係か何の関係か知らないけれどもエド・ウッド風の作風になってしまったのだろう。唯一バートン風に仕上がったのは、あきらかに人形と思える犬だ。この犬の雰囲気は『フランケンウィニー』(『ナイトメア・ビフォー・クリスマス』の同時上映の短編)とダブってしまう。ちなみに、エイリアンの造形は『マーズアタック』の火星人に似せたかったのだろうけど、あからさまなパクリを避けたかったことも想像できるのです(でも可愛くありません)。 犬がかなりインパクトあったのですが、その飼主も凄かった。顔を食べられたのに、妙に楽しそう(歯が剥き出しになっていたのでそう感じただけかもしれません)。多分、スプーンを使って人前で歌うことだけが楽しみだったのでしょう。そして、存在するだけで笑ってしまう金髪のメキシカンの二人!こういう意味のない登場人物がいるだけで、至福のB級感を堪能することができるのです。 あーー意味わかんねーよ。と、苦笑してポップコーンをぶちまけて帰ったカップルも、エンドロール後の映像を見ていかなかった。「あんたたちの方が意味わかんねーよ」とも言ってあげたかったが、もちろん一番意味わかんないのは邦題だ!原題:ATOMIK CIRCUS - LE RETOUR DE JAMES BATAILLE ストーリーは、主人公の歌姫コンチャ(パラディ)に会いたいがために禁固133年の刑で投獄されたジェームズが脱獄し、町に戻ってきてエイリアンと戦うハメになったというお話。ラストの風景からすると『猿の惑星』的なオチを考えたけど、もっとすごいぞ!! (2006.1)
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