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八月の濡れた砂 1971 日本
日活
ストーリー  海岸でレイプされた少女・早苗に会った清。彼女を家に連れていくが忽然と姿を消してしまう。姉が現れ清を疑うのだが、頭にきた彼は逆に彼女を犯そうとする。やがて再会した二人は高校中退した健一郎とともに遊びまくる・・・
監督 藤田敏八
出演 広瀬昌助 村野武範 テレサ野田
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★ ★★
コメント  70年代初頭というと、ベトナム戦争。日本でも学生運動の余波が見かけられる時代だったと思うけど、その流れからはドロップアウトしている若者。湘南って、いつもこうした若者が多いのかと思うと変な気分になる・・・
 車の中でレイプしようとした清は勢いでギアを折ってしまうのですが、そんなに簡単にレバーが折れる車って怖い。健一郎(村野)も無茶苦茶。女学校なら転校したいとか、むしゃくしゃしてレイプとか、挙句の果ては母に求婚する警察のおじさんを拳銃で脅す。まぁ、オヤジもヤクザを使ってヤキを入れてるし・・・
 男って、結局はヤルだけの動物なのね・・・などとばかばかしくさせる映画なのだろうか。虚しいだけだぞ。
(2006.3)

ハチミツとクローバー 2006 日本
アスミック・エース
ストーリー  浜美大に通う竹本は花山先生のいとこの娘はぐみに恋をする。その瞬間を見てしまった真山はアルバイト先の年上の女性に恋をして、その彼に山田あゆみが恋をする・・・
監督 高田雅博
出演 櫻井翔 伊勢谷友介 蒼井優
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★
コメント  『頭文字D』の主役の車はハチロクだが、この映画の略はハチクロ。『NANA』のハチは宮崎あおいだが、この映画のはぐみは蒼井優だ。と、ろくでもない文ではじめてすみません。
 この作品のタイトルは原作者の羽海野チカがスピッツのアルバム「ハチミツ」とスガシカオのアルバム「clover」を聴いていたことによって決定したらしいけど、この映画のテーマソングにもなっているスピッツの「魔法のコトバ」が情感たっぷりに歌われて、思わず青春君したくなってきました。スピッツが主題歌を歌うといったら、どうしてもTV『白線流し』を思い出してしまいますが、このハチクロも同じく若者5人が中心人物でした。映画の中で、「長野県民の4割は海を見たことがない」という台詞が妙に印象に残ってしまうのですが、『白線流し』も海のない長野県が舞台。そして原作者の名前といい、舞台となる大学が浜美大といったことからも、クローバーよりも海がテーマだったに違いありません(違います)。
 やっぱり青春モノは男3女2がピタリときますが、最近はTVドラマにしろ映画にしろドロドロな関係になってしまうパターンが多いのに、この映画は純情すぎるほどの登場人物ばかりで、片思いばかり。「まるで中学生」という言葉にも表されているように珍しいくらいの純情路線なのです。そこがかえって新鮮に映り、日頃から鬱積した肉欲的雑念を洗い流してくれるほど。映画鑑賞後には海へ行って「好きだー!」と叫びたくなること間違いなしです。
 美大というトコロは入ったこともないので、どれだけ精神的自由が約束されているのかわかりませんが、これほど自分を表現できる教育機関はないでしょう。在籍中のまま個展を開き、作品を発表できるなんてうらやましい限りです。『純情きらり』の時代だったら、特高警察に全部没収されるところですよ。しかも森田が最後にとった行動は、現代の金銭至上主義に対抗してるかのようで、むしろ清々しい思いにさせてくれました。
 蒼井優ならこの台詞の少ない役柄は難なくこなすだろうと安心して観ていられたし、関めぐみの演技もちょっとキュンっとなってしまうほど良かった。青春しすぎてバカっぽく見えるのに慶応出身の櫻井くん。彼はかねてより憧れの修復師に出会うけど、飲酒運転だけはしないように心がけてもらいたいものだ。万が一捕まったら、「美大生って面白・・・」などと言われますよ!
(2006.7)

初恋 2006 日本
ギャガ・コミュニケーションズ
ストーリー  1968年、学生運動が盛んな時代。高校生みすずは幼い頃父親に死に別れ、母は兄だけを連れて逃げ出してしまい、孤独を感じる毎日だったが、兄が突如現れ、彼のたむろするジャズ喫茶Bに入り浸るようになった・・・
監督 塙幸成  原作:中原みすず
出演 宮崎あおい 小出恵介 宮崎将
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★ ★★★★ ★★★★ ★★★
コメント  三億円事件と初恋だなんて、どう結びつくんだ・・・などと考えながら、宮崎あおいの揺れる想いに心が揺れた・・・
 実際の兄妹である宮崎あおいと宮崎将。映画でも兄と妹である。まさかこの2人の間に・・・などと下衆の勘繰りを働かせてはいけないのです。高校生みすず(あおい)が好きになったのはランボーの詩を愛する東大生。他の仲間たちは学生運動の最中に、ちょっと距離をおいてジャズ喫茶Bでたむろする、夢はあるが血気盛んでどことなく空虚な若者たち。「喪失感には時効がない」。そんなみすずの言葉に代表されるかのような群像劇にも思え、そんな空気の中でなんとなく権力に逆らいたい気持ちが三億円事件を計画するのかと、最初は想像してみた。
 みすずは親に見捨てられた薄幸の少女であったため、孤独から抜け出そうともがいていたのでしょう。東大生岸を全面的に信じ、幼き恋心とともに世の中を変えると主張する彼についていったのも当然の成り行き。単車が好きになり、車の運転も得意になり、強奪計画によって何かが変わると信じるようになったのです。だけど幸せは束の間。変えようとする力が大きければ大きいほど、喪失感も増大する・・・
 最初は暗い性格であったこともあって、宮崎あおいも抑え目の演技でしたけど、バイクのシーンや詩集を読むシーンでは他の若手女優には真似できないものがありました。そして小嶺麗奈の大胆ヌードには驚いてしまった(初めて?)。星野真理も脱いだことだし、負けちゃられないと思ったのでしょうか・・・チラリと出演していた鰐淵晴子が彼女の行く末を暗示していたのかもしれません(意味不明です)。
 それにしても、時代考証や当時の車など、またロケ地も60年代を見事に描いていたのにはびっくりです。あのおひょいさんが経営する柏田自転車店は本物だろうか、実はタイムスリップして撮影したんじゃないかと思えるほど。美術にはかなりのこだわりがあったようです。反面、ちょっと惜しいのは脚本だったかもしれません。冒頭から「ナンパしてきたよ」などと言ってたけど、当時にそんな言葉はあったのだろうか・・・
(2006.6)

バッド・チューニング 1993 アメリカ
劇場未公開 UIP
DAZED AND CONFUSED
ストーリー  1976年夏休み前。高3生が中3生を尻叩きするという洗礼の儀式があった。中3のミッチは野球チームのエースで、誘われるまま先輩たちのパーティに誘われる。
監督 リチャード・リンクレイター
出演 ジェイソン・ロンドン ミラ・ジョヴォビッチ ジョーイ・ローレン・アダムス
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★★ ★★★ ★★★ ★★★
コメント  男は尻叩きで、女はホットドッグのようにマスタードとケチャップなどをかけられ奴隷のような扱いを受ける洗礼の儀式。教師たち、世間でさえ黙認の事実。かなり軍隊の影響を受けているような保守的な雰囲気だ。
 76年の物語。しかも自分が高校へ入った頃とほぼ同年代。聞いてた音楽も同じアメリカンロックだ。このリンクレイター監督は原曲をそのまま惜しげもなく使う。こりゃかなり懐かしいぞ!音楽聞いてるだけでもいい。内容なんてほとんどない。『アメリカン・グラフティ』と同じで一晩の物語。時代的にはアメリカ独立200周年記念で盛りあがっている年だ。
 中3と高校生が一緒に野外パーティで楽しんでしまうことになったが、ちょっと違和感がある。まぁ、つらい入試があるわけでもなく、エスカレーター式にフレッシュマンとなることも悩みが何もなさそうな雰囲気を作っているのだろう。
 劇中の言葉にあったように“激動”の60年代、“失望”の70年代。日本でも“シラケ世代”という言葉が流行したように、アメリカでもベトナム反戦運動が終わって、若者の間には虚無感が蔓延していたことが覗われる。80年代が“過激”で表現されるということを言い当てるのはまるで預言者だ(笑)
 エアロスミス、ディープ・パープル、キッスと有名曲のオンパレードだったが、タイトルはレッド・ツェッペリンの曲。しかし聞くことができない・・・
 マシュー・マコノヒーがなぜか大学生役で登場。ベン・アフレックも尻叩きのチョイ役。
(2006.5)

バッフィ ザ・ヴァンパイア・キラー 1992 アメリカ
FOX
BUFFY, THE VAMPIRE SLAYER
ストーリー  中世の暗黒時代から吸血鬼退治を目的に輪廻転生を繰り返してきた男メリック(サザーランド)がカリフォルニアで甦った。そして、今回彼が目をつけたハンターは高校生のチアリーダーだった。
監督 フラン・ルーベル・クズイ
出演 クリスティ・スワンソン ドナルド・サザーランド ポール・ルーベンス
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★ ★★★ ★★
コメント  同じチアリーダーの仲間に若きヒラリー・スワンク。ヴァンパイアにルトガー・ハウアー。ベン・アフレックも出演している。ファッションは彼女たちが「レトロ」などと言っていたけど、60年代を意識しているのか、かなりポップな色彩。
 メリックがようやくみつけたバッフィ。敵であるロトスを倒すべく早速猛特訓を開始する。学校の先生に麻薬をやってないかどうか咎められるが、その台詞に「俺がはじめて幻覚症状になったのはドゥービーブラザーズのコンサートだった」と言ってたけど、ドゥービーは音楽さえかからない。
 しかし、いい俳優を使ってる割にはかなりのB級。アクションにもこだわりもないし、ちょっとした小ネタのみのヴァンパイアもの。
(2006.7)

ハート・オブ・ザ・シー 2003 日本
デジタルシネマ・プロジェクト
A HEART OF THE SEA
ストーリー  故郷千葉県に戻ってきた田中典子はボディボードに誘われる。
監督 錦織良成
出演 須藤理彩 黄川田将也 マイク眞木
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★★ ★★ ★★
コメント  あこがれのKTに会えた!というところまで何ともイメージビデオ風、ドキュメンタリー風に進む淡々とした映像。ビーチクリーンコンサートに杉山清隆を呼ぶというサブストーリーなのだが、どちらがメインなんだろう。
 亡き四方田富士子さんって実在の人だったのかぁ・・・エンドロールの写真でなんとなくいい雰囲気。
(2006.7)

パップス 1999 アメリカ
日活
PUPS
ストーリー  銀行強盗をする少年少女のドラマ。孤独で退屈な毎日を過ごす13歳の少年スティービーがママの部屋から一丁の拳銃を拾う。ガールフレンドのロッキーと学校へ行く途中、何気なく銀行に入っていく・・・
監督 アッシュ
出演 キャメロン・ヴァン・ホイ ミーシャ・バートン バート・レイノルズ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  『俺たちに明日はない』を見たか?何年の映画だ?などと、行き当たりばったりの割にはジョークは冴えているスティービー。たまたまトイレにいた警備員が警察を呼び、機会を窺って強盗を倒そうとするが、スティービーに撃たれてしまう。
 ロッキーの父親が説得にくるが、彼女は暴力や性的暴力の親父だと罵って下がらせるほど賢い子だ。「盗んだ金なんて誰も欲しがらない」と忠告した大人に逆らって、表へ出て野次馬たちに金をばら撒いて見せるといった大胆な行動も印象的。
 まだ喘息の吸入器も手放せない幼い少年スティービー。裕福な家庭の子ということもあり、金なんて盗む気もなかった。世の中が狂ってると叫び、恋人と逃げ出したかっただけ。わざとらしい演出もなくドキュメンタリータッチで描いたリアルな映像は凄い。アメリカだけあって、13歳でも実名報道する点や、子供だから迂闊に狙撃できないといった点も見事に演出されている。銃社会の矛盾を見事についた映画ということでは『エレファント』よりもいいかもしれない。
(2006.7)

バード 1988 アメリカ
WB
BIRD
ストーリー  “バード”ことチャーリー・パーカーの伝記映画。
監督 クリント・イーストウッド
出演 フォレスト・ウィッテカー ダイアン・ヴェノーラ マイケル・ゼルニカー
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★★ ★★ ★★ ★★★★★ ★★★
コメント  カンザス生まれのはぐれ者チャーリー・パーカー。麻薬でボロボロ、しかも胃潰瘍。医者からも余命20年と見離された男が過去を振り返る。
 プロポーズというか彼女を誘うシーンでは、サックスを仲間に吹かせ、白馬に乗って迎えに来るウィッテカー。その頃はもう有名人だったチャーリー・パーカーだったので、ダンスホールでも注目の的だ。サックスを質に入れて馬を借りたというエピソードがほほえましい。
 結局は音楽と麻薬の世界。ストーリー性やメッセージが薄いけど、フォレスト・ウィッテカーの雰囲気がとてもよかった。

1988年アカデミー賞録音賞
1988年カンヌ国際映画祭男優賞、フランス映画高等技術委員会賞
1988年NY批評家協会賞助演女優賞
1988年ゴールデングローブ賞監督賞
同男優賞、助演女優賞ノミネート
その他
(2006.6)

ハードキャンディ 2005 アメリカ
クロックワークス=ファントム・フィルム
HARD CANDY
ストーリー  14歳の少女ヘイリーはネットの出会い系サイトで知り合ったカメラマンのジェフと会った。彼女を気に入ったジェフは写真を撮るために自宅へ連れ込むが、飲み物にクスリを仕掛けられ、眠った隙に縛られ、ロリコンだと罵られる・・・
監督 デヴィッド・スレイド
出演 パトリック・ウィルソン エレン・ペイジ サンドラ・ウォー
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★★ ★★★★
コメント  ジョディ・フォスターなら映画を撮ってくれる・・・笑いたかったけど、そんな雰囲気じゃなかったようだ・・・
 『天使の卵』を観た直後だったので、小西真奈美が持っている卵が金○じゃないかと妄想を膨らませたり、『トランスアメリカ』のブリーだったら喜んで切られていたかもしれないなどと置き換えてみたり、隣の客が股座を確認し安堵する様子を感じたり・・・ともかく男性客にとっては辛い映画。のどが渇いても誰もドリンクを口にしない。生唾を飲んでしまうシーンの連続。何も疚しいことがなくともついつい感情移入してしまうほど主人公ジェフの演技が真に迫るものだった。
 あ、切り取られちゃった?何故だか決定的シーンの後にはヘイリー(エレン・ペイジ)はさっと身を隠すのです。ネットでローティーンばかり狙う男への私刑なのか、失踪した少女の復讐なのか、はたまたスケバン刑事のような特命刑事なのか・・・謎は深まるばかり。ネット社会の匿名性を存分に活かして、どこまで真実なのかもわからない。彼女が言った「宦官.com」だって怪しいものだ(つい見てしまったけど、奥へは進めなかった・・・怖いから)。しかし、こんなマニアックなサイトを知ってるくらいなんだから、用意周到だったことは事実なのです。
 出会い系サイトへの警鐘。ネット犯罪者への警告。ワンシチュエーションの密室劇でありながら、色々なテーマが隠されていると感じる作品だったし、二人の役者の心理戦を存分に楽しめました。この少女ヘイリーには『X-MENファイナルディシジョン』のキティちゃんの演技が目に焼きついたまま、いつ壁抜けを披露してくれるのかと妄想してしまったくらいでしたが、むしろ情報収集の能力が優れていたようでした。
 上映終了後、すぐに席を立てない男が多かった。もしやあなたも疚しい気持ちを?などと質問したくなりましたが、自分だって足が震えたままじゃないかと反省し、明日からもまた健全な生活を歩まなくては・・・などと清々しい気分で劇場をあとにしました(ほんとかよ!)。

(2006.10)



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