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ペン偽らず 暴力の街 1950 日本
大映
ストーリー  上州の東条町。この街では警察によるヤミ物資の横流しが横行し、その怠慢ぶりを新聞記者北が他社を出し抜き報道する。町の有力者でもある警察後援会会長大西は激怒し、北を殴ってしまう。
監督 山本薩夫 原作:朝日新聞浦和支局同人
出演 池部良 河野秋哉 伊豆肇
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★★★ ★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  警察と暴力団の癒着・・・その怖さよりも町の人たちが中々協力してくれないところが怖いかもしれない。暴力団のサクラもかなりいたようだけど、人が集まらないと無力なものなんですね。戦後直後の話だからといって、安心はできない。
 最後には町の人たちが一致団結。全国的に支持され、罷免、総辞職など記録映画のように終わるが、忌まわしい歴史を繰り返さないように目を凝らしていかねばならぬと痛感。
(2005.3)

ベンジャミン・バトン 数奇な人生 2008 アメリカ
ワーナー
THE CURIOUS CASE OF BENJAMIN BUTTON
ストーリー  1918年、ニューオリンズ。バトン夫妻が子を授かるが、妻は死に子は皺だらけの老人のような赤子だったためトーマスは老人養護施設に捨ててしまう。施設の介護士クイニーはベンジャミンと名付け、医者にはすぐに死ぬと言われたものの奇跡的に成長する・・・
監督 デヴィッド・フィンチャー
出演 ブラッド・ピット ケイト・ブランシェット ティルダ・スウィントン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★ ★★★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  デイジーにヒナギクの花束を・・・
 人生を逆回転すると精神的にはどうなるんだろう?とアカデミー賞に13部門もノミネートされた今作に興味津々。“いのち”をテーマにした映画が一挙に公開されるなかでも奇抜さという点で他とずいぶん違う。どういうわけか、NHKのBS2では2月から8ヶ月に亘る手塚治虫特集が組まれています。そのオープニングとして“いのち”をテーマにした講演などを放映していました。その手塚治虫作の『火の鳥』には数編に牧村というキャラが登場しているのですが、彼はある贖罪によって若返りを宿命づけられているのです。ただ、牧村の場合、赤ん坊に戻ったら次は普通の人間と同じように歳をとり、永遠に往復の人生を繰り返すのです・・・
 と、頭の中は手塚ワールドいっぱいだったわけですが、ところどころにデヴィッド・フィンチャーとブラッド・ピットの仕掛けが見られ、ストーリーに集中させられました。『セブン』を何度も思い出させる“7回雷にうたれた男”の映像によって、数字の“7”に関するネタがあるんじゃないかとホテルのルームナンバーもチェックしてしまいましたが、見つけたのは“25”だけ。航海に出た船が無事に戻れないのが8隻のうち1隻とか、数字に注意を向けさせておいて、『セブン・イヤーズ・イン・チベット』を彷彿させるインドの映像を流すなんてさすがだ。
 ベンジャミンとデイジー(ケイト・ブランシェット)の逆と順の成長比較を軸とした人生。皮肉なことに、40代で丁度普通のカップルになるという2人なのですが、最も普通で幸せな時は長くは続かない。ダンサーをしていたデイジーからすれば、彼の若さに嫉妬もするし自分が老けていくことに耐えられない。ベンジャミンからすれば、いつかは赤ん坊になるであろう自分の世話をさせたりするのが堪らない。子どもが生まれなければずっと一緒にいられたかもしれないけど、ベンジャミン自身が父親に捨てられた経験があるので子を手放すことも思いつかなかったのだろうと深読みできる。
 結末の意外性を期待していたのに、なんだかあっさりしたものだった。日記の役割や認知症といった部分は老人養護施設で育ったことも絡めて現代的なテーマでしたが、これだけ長時間の映画にしたのだからもっと詳細に描いてほしかったところ。
 ブラッド・ピットもオスカー主演男優賞にノミネートされてるのですが、良かったと思う俳優はベンジャミンを育てたタラジ・P・ヘンソンが一番。『バベル』でも夫婦役だったブラピ&ブランシェットも納得のキャスティング。その上、デイジーの少女時代を演じるのが、同じく『バベル』で彼らの娘役だったエル・ファニング(ダコタの妹)のも数奇なキャスティング・・・俳優賞より、何と言ってもCG技術に驚かされた映画でもありましたので、メイクアップ賞や視覚効果賞が有力なのかもしれません。
(2009.2)

変身 2005 日本
日本出版販売
ストーリー  病院で目覚めた純一は記憶を失くしていたが、恋人恵を思い出し、次第に回復してゆく。銃弾で右脳を損傷し、世界初の脳移植を受けた青年。退院後、徐々に何かが変わり始める・・・
監督 佐野智樹 原作:東野圭吾
出演 玉木宏 蒼井優 佐田真由美
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★ ★★ ★★★ ★★
コメント  自分を撃った奴の脳がそのまま移植されてるんだろうな〜って誰でもわかるストーリーが痛い。しかも、撃った奴ってのは兄妹を捨てた父親に謝ってもらおうと思ってただけってのに、頭の良さと凶暴さが増していって・・・なんだかおかしい。
 献身的で一途な女性を演ずる蒼井優は良かったんだけど、ハッと驚く演技を身に付ける前の作品。玉木宏にしてもそう。
 多分、原作はいいんだろうな〜と思わせるプロットではあるけど、純愛要素とサイコサスペンス要素を同時に盛り込もうとしたのが敗因。物語と同じように別の人格に支配されつつあったのかもしれません。なにしろ終盤の展開がバタバタになってる・・・あぁ・・・
(2008.6)

変態テレフォンONANIE 1993 日本
新東宝
Don't let it bring you down
ストーリー  元自衛隊の沢野が妻と一緒に逃亡。
監督 佐野和宏
出演 佐野和宏 岸加奈子 梶野孝
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★★★ ★★★ ★★★ ★★★
コメント  男と女が二人組の男に追われ、林の中に逃げ込んだ。何かを公表されては困るらしい。そんな切羽詰まった状況でも男と女は林の中でセックスする・・・。逃げた挙句、父と妹が住む実家に行こうという女。その妹は寝たきりの父の横で彼氏とテレフォンセックスだ・・・
 8ミリ映画を撮って旅を続ける男の車に乗せてもらった夫妻。自衛隊の練習機が置いてある公園で男の素性がわかる。2人組は自衛隊の機密を握った沢野を抹殺しようと追いかけていたのだ。
 追手の一人はホモで、相手の男からパンティをもらい、人殺しを変態に襲われたように偽装する。とにかく、誰もが変態だけども、内容は社会派。はっきりとは言ってないけど、徴兵制度を復活させようとする軍事機密だったようだ。
 電話を盗聴されたり、かなり執拗に追ってくる2人組。結局沢野夫婦は殺されてしまうが、映画青年は何もできないまま。脅されておとなしく帰るしかなかった・・・。8ミリに残した徴兵制度という文字が映画に生かされたのかどうかはわからないけど、時折入れる青空の映像が彼の心情を物語っていた。ピンク映画にしておくには惜しい作品かも。
(2007.12)

ヘンダーソン夫人の贈り物 2005 イギリス
ディーエイチシー
MRS. HENDERSON PRESENTS
ストーリー  英国で初めて劇場にてヌードショウを見せたウィンドミル劇場の物語。1937年、富豪の夫に先立たれたヘンダーソン夫人は劇場を購入し、支配人ヴァンダム氏を雇う。
監督 スティーヴン・フリアーズ
出演 ジュディ・デンチ ボブ・ホスキンス ケリー・ライリー
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  裸天国!
 ヘンダーソン夫人を演ずるジュディ・デンチがとにかくいい。夫を亡くし、人生の目的さえも失ったかのような老貴婦人。同じく金持ち夫人の友人からの「どんどんモノを買っちゃえばいいのよ」という忠告にしたがって劇場を買ってしまう・・・「宝石とかの身につけるものの類よ!」と言われてももう遅い。彼女にとっては生きがいをみつけることが必要だったのだから・・・
 せっかく劇場オーナーになったのだから、成功しなくてはならない。まずは手始めに、有能な支配人・演出家としてボブ・ホスキンスを雇うことにして、ミュージカルを中心に1日に5公演も行う作戦に打って出た。そして、他の劇場との差別化を計るためフランスのようにヌードレビューを登場させるのです。しかもヌードダンサーではなく、あくまでもオブジェのような扱い。自由の女神像や絵画モデルのようなポーズでずっと静止させられる彼女たちは踊るよりも過酷な舞台だったのかもしれません。
 ヌードレビューはショッキングでありながら、殿方たちで大盛況ぶり。経営的にも大成功かと思った矢先に第一次世界大戦勃発なのでした。若い兵士たちに女性のヌードで元気付けたいというヘンダーソン夫人の真意もよくわかるし、ドイツ軍が攻めてきても営業を続けるスタッフや役者の団結心も熱く伝わってくる。戦争によって失う家族の悲しみ。戦時下であっても人間らしい生活を願う気持ち。舞台ミュージカルの音楽によって戦争への小さな抵抗が心地よく感じられる、バランスのいい映画でした。

2005年アカデミー賞主演女優賞、衣装デザイン賞ノミネート
2005年ゴールデングローブ賞作品賞、女優賞、助演男優賞ノミネート
その他いっぱい
(2007.4)

ベン・ハー 1959 アメリカ
MGM
BEN-HUR
ストーリー  ユダヤ王族のハー家のジュダはローマ総督視察パレードで瓦を落としたことにより投獄。3年の奴隷船生活の後、アウリスに認められ養子となる。母と妹が獄死したと聞かされ、かつての友人メッサラに復讐するため馬戦車競技に参加する。。。
監督 ウィリアム・ワイラー
出演 チャールトン・ヘストン スティーヴン・ボイド ヒュー・グリフィス
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★★ ★★★★★ ★★★★ ★★★★★
コメント  サブタイトルにもあった「キリストの話」。劇中にはイエスともキリストとも名前が一度も出てこないし、後姿しか登場しない。炎天下、鎖で繋がれた奴隷ジュダのもとへ水を汲んでくれる男が登場し、ここで既に全てを予感させ、「生かしてくれたこと」や「復讐心」という心理的伏線を提供してくれる。
 キリスト教の「奇跡」の扱いは大げさでもなく、無宗教の者でも納得がいく。戦車競技もさることながら、その後の母と妹の隠遁生活と「息子に会いたくない」という台詞に心打たれます。奴隷船の描写は、何度観ても『スパルタカス』と混同してしまう・・・41号、3年なんですよね。
 


1959年アカデミー賞作品賞、主演男優賞(ヘストン)、助演男優賞(グリフィス)、監督賞、撮影賞、映画音楽賞、美術監督・装置賞、衣装デザイン賞、特殊効果賞、編集賞、録音賞
その他いろいろ
(2005.1)



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