B型の彼氏 | 2005 韓国 角川ヘラルド・ピクチャーズ MY BOYFRIEND IS TYPE-B |
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ストーリー | ケータイの取り違えが縁で付き合うことになったハミとヨンビン。ハミと同居する従姉のチェヨンは血液型による再婚相談所で働いているため、ヨンビンがB型であると見破り・・・ | |||
監督 | チェ・ソグォン | |||
出演 | イ・ドンゴン | ハン・ジヘ | シン・イ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★ | ★★ | ★★★ |
コメント | 傍若無人、バカで貧乏、無作法・・・日本語吹替版ならではの単語、全て“B”で始まるB型を侮辱する言葉の羅列です。「そ、そんなことないよ」と言いたいところですが、半分くらいグサっときてます。ちなみにバイアグラの頭文字は“V”では?と軽くツッコミを入れておきます。冒頭からなぜか感情移入してしまいがちでしたが、女性に対する失礼な態度はB型の特徴というより、ヨンビン(イ・ドンゴン)の変人度をアピールしてるだけでしょう。特に刺身ネタや映画館で席を立つというのは許せない行為です。金のために彼女を売る行為や詐欺まがいの行為だって、あれはやりすぎですね。B型って酷い性格なんだ!と勘違いする女性がかなり増えそうなので不安です。 しかし、恥ずかしながら共感できるところも多かったことは事実。アパートの部屋の下で弾き語りをはじめるなんてやってしまいそうですし、エレベーターのスーパーマンポーズもやりかねません。一つの趣味に没頭すること、金がなくなったので靴を買ってあげる予定をこっそり修繕することもあり得るし、携帯とバスの出会いのシーンも納得してしまいます。逆に、食事ネタや彼女を売る行為、金に関するひどい行為は許すことができません。学生なのに起業するとか詐欺をはたらくなんてホリエモンと一緒じゃないですか・・・彼はA型ですよ!!! 韓国では「B型嫌いの女性」が多かったそうです。日本でもその傾向はありますよね。初めて会った女性にB型だと告げると、あからさまに汚いモノを見るかのような目をされることも経験しました。そんな時は「B型ってそんなにひどくない」とか「僕はB型の中でも異質だ」などと反論はせずに、徹底的にその血液型偏見女性を無視して口もきかなくなるだけなのですが、もしその本人がAB型だとわかったら逆襲に出ることもあります(稀ですが・・・)。血液型に関心を持つ人ならば、血液型によって人を差別するんじゃなくて、その血液型に付随する性格を生かすとか、性格を理解することで前向きな考えでいてもらいたいですよね。 てなことで、kossyの血液型もバレてしまいましたが、「な〜んだ、ネタバレ映画館ってB型のブログだったのね、もう読むのやめようかしら」と考える方もいるかもしれません。そこで「そんなら、もう来なくていいよ!」と切り返すと映画と同じになってしまうので、ここは「kossyってバカなんだからしょうがないっか」と諦めてください、お願いします。サービスしますから・・・ http://www.herald.co.jp/official/b_kare/ (2006.1)
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光の旅人 K-PAX | 2001 アメリカ 日本ヘラルド映画 K-PAX |
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ストーリー | NY駅で自分をK-PAXから来た異星人だと言う男が精神病院に送られた。名前はプロート。 | |||
監督 | イアン・ソフトリー | |||
出演 | ケヴィン・スペイシー | ジェフ・ブリッジス | メアリー・マコーマック | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | 地球から1000光年離れたK-PAX。地球上の年齢で言うと337歳だ。彼プロートを看る医者はジェフ・ブリッジスで、典型的なアメリカ人だ。次第に周りの患者を癒していくプロート。7月27日に星に帰らなければならないので、なんとか彼が人間か異星人かをはっきりさせ、病気を治したいマーク・パウエル。5年前の記憶を探るため催眠療法を続ける。 「その患者がポーターだったとしても、事件は終りにしませんか?」という地元の警官の言葉に涙が出てきました。結局、地球人かK-PAX人かという命題よりも、記憶喪失か正気だったのかという謎が残る。繰り返される残酷な犯罪がなくなってほしいという願いの伝わる最後の言葉。 いくらでも悪いように考えることも可能だ。殺人を犯してしまったポーターは精神障害を装って罪から逃れるなど・・・こんな邪な考えを持ったら犯罪は無くならないよなぁ・・・ (2005.5)
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ひかりのまち | 1999 イギリス アスミック・エース WONDERLAND |
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ストーリー | 11月、ロンドン。姉は夜遊びに夢中。妹は出産間近。ナディアは夫とうまくいかず、伝言ダイアルによって知り合ったカメラマンとデートすることとなるが。。。 | |||
監督 | マイケル・ウィンターボトム | |||
出演 | ジーナ・マッキー | シャーリー・ヘンダーソン | スチュアート・タウンジェント | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | 「不思議の国のアリス」のwonderlandから取っているような気もするのだが、「ひかりのまち」というタイトルは何なのだろう。とにかく眠かった。ウィンターボトム監督のドキュメンタリータッチは相変わらずの手法なのだが、テーマが薄いような気もする。 1999年カンヌ映画祭コンペティション 1999年英国アカデミー賞イギリス作品賞ノミネート (2004.5)
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光る海 | 1963 日本 日活 |
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ストーリー | 大学の英文科の卒業式。男どもは七人の侍と呼ばれ、皆女子学生の奴隷のようなもの。 | |||
監督 | 中平康 原作:石坂洋次郎 | |||
出演 | 吉永小百合 | 高峰三枝子 | 浜田光夫 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★★ | ★★ | ★★★ | ★★ |
コメント | 台詞がやたらと多い!よくぞここまで暗記できたものだと感心してしまう。基本的には浜田光夫と十朱幸代、吉永小百合と山内賢。そして彼らの家族や同級生たちの群像劇となっているのですが、どうも面白くない。セックスといった言葉を女優に喋らせることは画期的だったのかもしれないけど、社会人となった彼らの結婚観は現代からみるとまともだし、特に感慨深いものはない。ただ吉永小百合のメガネをかけた才女ぶりは面白い設定だ。 そんな中でも光った演技は田中絹代。彼女ががんで死ぬために夫の後妻を指定するなんてところは面白い。 (2008.1)
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引き裂かれたカーテン | 1966 アメリカ UNI TORN CURTAIN |
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ストーリー | アメリカの科学者マイケルがストックホルムでの会議の準備をしていたころ、πに会えという指令が下される。最初は売国奴のように思わせておいて、実は・・・・という展開。 | |||
監督 | アルフレッド・ヒッチコック | |||
出演 | ポール・ニューマン | ジュリー・アンドリュース | リラ・ケドロヴァ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★★ | ★★ | ★★★ | ★★ |
コメント | 何だかつまらないヒッチコック映画。米ソのスパイ戦争も激化していた頃なのでしょう。その中でもアメリカがせこいスパイをするという設定は面白いかも。 (2004.11)
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ビクター/ビクトリア | 1982 アメリカ MGM=CIC VICTOR/VICTORIA |
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ストーリー | 30年代のパリ。歌は上手いが女性の魅力に何か欠けたビクトリアに男装させてショーガールを演じさせた。 | |||
監督 | ブレイク・エドワーズ | |||
出演 | ジュリー・アンドリュース | ジェームズ・ガーナー | ロバート・プレストン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★ |
コメント | おおー!ゲイだ。などと、カツラを取ったジュリー・アンドリュースに観客は驚く。まぁ、映画を観てる者にとっては全然男に見えないのだが・・・ 気をよくした二人はゲイの振りをして行動する。舞台を見て惚れてしまったクラブ経営者のキング・マーシャン(ガーナー)がビクター近づくが、その元恋人も負けじと活躍。 ジュリー・アンドリュースの歌声は『サウンド・オブ・ミュージック』よりも歌唱力がある。ドキドキするほど歌が上手いんです。 こうした物語んは必ず終盤にカミングアウトが・・・ 1982年アカデミー賞音楽賞(ヘンリー・マンシーニ) 同主演女優賞、助演男優賞(プレストン)、助演女優賞(レスリー・アン・ウォーレン)、脚色賞、美術監督・装置賞、衣装デザイン賞ノミネート 1982年ゴールデングローブ賞女優賞 1982年セザール賞外国映画賞 (2006.6)
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ピクニック | 1955 アメリカ COL PICNIC |
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ストーリー | 大学時代の友人アランをたずねてカンザスの町にやってきたハル。アランの恋人マッジの一家とも親しくなり、午後はピクニックへと出かけるのだが・・・ | |||
監督 | ジョシュア・ローガン | |||
出演 | ウィリアム・ホールデン | キム・ノヴァク | スーザン・ストラスバーグ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | 朝、マッジの隣家で庭掃除をやらせてくれと申し出たハル。上半身裸で庭掃除をし始めたが、マッジと妹のミリーは男を感じずにはいられなかった。間借りしているオールドミス教師だって同じ。カンザスの日常では感じられなかった男臭さを直感したのだろう。 ハルは前科もあったが、大小麦農場の息子アランは彼を雇うと約束してくれた。そのまま彼がカンザスに住んで、年の差はあるがミリーとうまくいけば丸くおさまる人間関係の構図に思えるのだが、やっぱりクイーンに選ばれるほど美人のマッジに心を奪われてしまった。わずか1日のうちに人間関係がごたごたしてしまうという映画だけど、将来は不安だ。 アランと結婚してしまえば生活も安泰だけど、なぜかときめかないマッジの心理描写はなかなか。海水浴もピクニック(労働の日の市民祭のような感じ)も平凡すぎるのだろうか。冒険してみたい一時の迷いだとしか思えないが、ハルの性格を考えても長続きしそうにないぞ!ブーツを大切にしているカウボーイみたいな彼を考えると、上手くいくのかもしれないが・・・ マッジ(ノヴァク)よりも妹ミリー(ストラスバーグ)が可愛い。オールドミス教師と結婚することになったハロルド(オコンネル)の静かな演技が渋かった。 1955年アカデミー賞美術監督・装置賞、編集賞 同作品賞、助演男優賞(アーサー・オコンネル)、監督賞、音楽賞ノミネート 1955年ゴールデングローブ賞監督賞 他 (2007.1)
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ひぐらしのなく頃に | 2007 日本 ファントム・フィルムズ |
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ストーリー | 昭和58年初夏、雛見沢村に引っ越してきた前原圭一は、村の守り神オヤシロ様の秘密を垣間見て、1年に1度一人が死に一人が消える怪事件を知ってしまう・・・ | |||
監督 | 及川中 | |||
出演 | 前田公輝 | 飛鳥凛 | 松山愛理 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★ | ★★★ | ★★ | ★★ |
コメント | 嘘だ!こんな終わり方なんて・・・ もちろんゲームも漫画も小説もアニメも知りませんので単純にホラーを楽しむつもりで鑑賞。だけど、結果は答えのないサイコ・サスペンス風映画でした。他のメディアでおさらいするつもりもないし、映画を観ただけでの推理を展開したいと思います。 昭和58年初夏、人口二千人足らずの雛見沢村に引っ越してきた前原圭一(前田公輝)は分校のクラスメイトに囲まれのどかに暮らすが、夏祭りを境に運命が一変してしまう。ダム建設に反対する村人たちが守り神であるオヤシロさまの“祟り”を盾に村ぐるみで殺人を繰り返しているのではないかと聞かされ、それが圭一の身にも降りかかってきたのだ。 分校のクラスメートなんて、多分及川中監督の好みで選ばれた美少女ばかり。『天然コケッコー』のようなノスタルジックな雰囲気もあったし、ちょっと間違えればエロ路線に流れてしまいそうな予感さえするのです。しかし、そこは東京でイジメに遭ってた圭一くん。女の子と仲良くすることで明るくなっていく姿が初々しくてよいのだ。怖い話なんて聞かなければ楽しい青春時代を過ごせたんだろうになぁ。 4年前から綿流しの儀式の日に一人が死に一人が消えるという怪事件が起こっていた。ダム建設に協力する者や反対運動に積極的ではなかった者が犠牲となっていたようですが、まず“殺す”のは理解できるけど“行方不明”が意味不明。カメラマンが殺されたのも何か毒物を注射され、自分で喉を掻いて失血死したのが原因とみられる。そして、最大の謎。入江診療所の鷹野三四(三輪ひとみ)の存在が大きい。ラスト近くで登場する辺り、エンドロール後に解き明かされるのかと思いきや、「続編進行中」という宣伝でごまかされてしまう・・・ 原作などを知っている諸氏にはバカにされることでしょうが、自分なりに考えてみると、いくつかの推理が成り立つのです。 1:全ては前原圭一の妄想であり、狂った挙句に喉を?きむしった・・・二段階の夢オチがどこまで真実に迫っているかは不明。 2:殺人と行方不明がペアになってることから、消えた人間が犯人。この年の事件では、鷹野三四がカメラマンを殺したと考えると辻褄が合う。この場合、入江医師が毒物のアドバイスを与えている。 3:全て鷹野三四が犯人。 4:レナと魅音が犯人。正当防衛で圭一が彼女たちを殺してしまった。そのまんま・・・ 5:興宮署の大石刑事(杉本哲太)が犯人、もしくは村人にアドバイスを与える重要人物。 色々とヒントを思いだそうとしても、夢オチとか妄想で片付けられたらどうしようもない。ただ、おはぎの針の傷跡が後半に消えていたことからすると、妄想説の可能性は高い。それに三四の謎が絡んでいるので、彼女が圭一を追いたてていき、実は過去の事件に便乗してカメラマンを殺したと考える方が自然なのか・・・しかし、過去の事件についてはさっぱりわからないまま。続編が公開される頃には忘れてしまいそうだ・・・ 『僕の彼女はサイボーグ』といい、今作といい、岐阜県ロケ。観光名所なのにな〜 (2008.6)
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非行少年 | 1964 日本 日活 |
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ストーリー | 中学3年の番長グループの対立を描いたドキュメンタリードラマ風に仕上げた映画。 | |||
監督 | 河辺和夫 | |||
出演 | 根岸一正 | 長浜鉄平 | 宮尾博 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★★★ | ★★★ | ★★ | ★★★ |
コメント | 20歳未満の者を少年と言い、少年法により規制されている。少年犯罪も15歳を頂点としてローティーンによるものが最も多い。などという解説からはじまる・・・ヤクザと同じように跡目相続の儀式なんてのもあった。 悪ガキは堂々と授業を抜け出すが、教師は見て見ぬふり。中には不良であっても親身になって世話する先生もいるが、ほとんどの場合無視している。この時代の中学生は団塊の世代。人があふれ、現代よりもずっと競争が激しいのだ。中卒で就職する者も多いし、少年の自殺も年間2500人という時代。 柿田という先生だけが番長の河上に対して親身に接するが、やがて暴行事件で家裁送りとなってしまう。彼らの将来をも心配して頑張る教師であったのに、職員会議では指導方針を非難されたりする・・・この時代にしてはかなり受験競争の核心に迫ってもいた。ラストには2年生の番長が誕生したことを知って愕然・・・途中にインタビューなどを挿んでシュールな出来になっていた。自殺シーンにもビックリ。 (2007.3)
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非行少女 | 1963 日本 日活 |
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ストーリー | 薄汚いバーからハイヒールをかっぱらって逃げてきた15歳の若枝(和泉)は幼なじみの東京帰りの21歳三郎(浜田)と出会いスカートを買ってもらう・・・ | |||
監督 | 浦山桐郎 | |||
出演 | 浜田光夫 | 和泉雅子 | 小池朝雄 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★★ |
コメント | 内灘闘争の映像が残っていた。若枝と三郎の父親がいがみ合っていたのも米軍基地反対闘争の経過とともに意見が対立したためだった。 若枝と三郎との出会いは金沢の映画館。若枝が不良たちに囲まれていたところを助けてくれたのだ。浅野川電鉄で内灘へ。砂丘と空が寒々とした日本海を描き出して、暗いイメージなのがいい。 米軍の試射場跡での逢引は三郎が若枝に勉強を教える場でもあった。金沢の愚連隊竜二は若枝を犯そうとしたりする厄介者。若枝自身も金に困って学校に忍び込むが、公務員に見つかり諭されるも、ここでも犯されそうに・・・ 三郎は東京で仕事に失敗し、今は職安通い。失業保険で若枝に金を与えようとしてたのだ。三郎の兄は議員候補(小池)。10年前の闘争では貧乏人を裏切った方の立場だ。若枝が学校へ忍び込んだことがばれて、彼女はおばの旅館、三郎は遠縁の養鶏所で働くことになって別れ別れになってしまったのだ。しかし若枝は芸者にされると知って三郎の元へ逃げてくる。三郎にとっては置手紙によって別れたものと思い込んでいたため一旦若枝を返すが、彼女は彷徨い母の死を体験し、行く当てもなくこっそり三郎の働く養鶏場にやってくる。そこで若枝の火の不始末により養鶏場は全焼。家裁を経て、更正施設恵愛学園と進む若枝。 「だら」「だらくさ」その他金沢弁がいっぱいながやぞ。懐かしい風景というより、今はもうない風景ばかり。唯一わかるのは内灘の試射場跡と浅電沿線の河北潟や浅野川。最後に別れの場所となってしまう金沢駅は特に懐かしい。昔の丸越百貨店にも胸打たれる。そうか、浜田光夫はここでブローチを買っていたんだな・・・ 『キューポラのある街』でも貧しい家庭という設定であったが、主人公は吉永小百合と和泉雅子を対照的に描いている。すなわち、不幸な境遇だからといってグレることなく明るく働く少女とグレてしまった少女。どちらかといえば、本作のほうが実際に起こりうる少女の心理ではないだろうか。そして、高度成長期における都会と田舎の差も・・・その重要な役を若干15歳のお嬢様が演じるのでは雰囲気が伝わらないと、監督は和泉に風呂禁止、洗髪禁止、母親の付き添い禁止、演技にダメだしという徹底したイジメを加え、本人からも嫌われるよう仕向けたらしく、眼の奥から憎むようなほどの演技がとてもリアルなのだ。そのリアル志向は養鶏場火災にも表れ、実際に大量のニワトリが死んでしまったほどらしい。 三郎という青年の設定も興味深い。兄が町会議員なので、反感もあろうが自力で生きていくことを決意するテーマ。その相手が村民から冷たい目で見られていた若枝なのだ。非行に走らせるような周囲の悪も徹底していて、いかにその苦境から正しく抜けられるかも見所の一つ。その手助けとなる更正施設の教師たちも素晴らしかった。 1963年キネマ旬報ベストテン10位 1963年モスクワ映画祭金賞 (2007.1)
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