ヒマラヤ杉に降る雪 | 1999 アメリカ Uni=UIP SNOW FALLING ON CEDARS |
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ストーリー | 1954年、ワシントン州サン・ピエドロ島。漁師の水死体が発見され、一人の日系人カズオ・ミヤモトが逮捕される。妻のハツエ(工藤)は為す術もなかったが、新聞記者イシュマル(ホーク)が一つの事実に気づく。 | |||
監督 | スコット・ヒックス 原作:デヴィッド・グターソン | |||
出演 | イーサン・ホーク | 工藤夕貴 | リーヴ・カーニー | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★ | ★★★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | 日本人が被告となる法廷映画。 使っていたバッテリーが同じ。傷のつき方が剣道をやっている者特有のもの。日本人が土地をもってはいけなかった戦時中に被害者の親から土地を買った小作のミヤモトの父。それが諍いの元になったと被害者の母親が証言する。 イーサン・ホークと工藤夕貴の回想のシーンがかなりメインとなり、恋人同士だった幼き時代(少女時代は鈴木杏)、真珠湾攻撃を機に日本人への迫害が始まった映像が映し出される。結局は、愛してるのに身を引いた工藤。彼女への切ない想いとともに真実を明らかにしようとするジャーナリスト魂によって希望が見えてくる。 日本人に対する偏見が陪審員にどれだけ影響するのかと期待して観ていたら、陪審員の任を解き裁判官の裁量にまかせられる結果に・・・そして無罪。幕切れはあっけなかったけど、途中の工藤夕貴の証言が痛々しかった。「法廷が真実を追究するとは限らない・・・」。法廷ものよりも恋愛部分のウェイトが高く、感動には至らず・・・ 1999年アカデミー賞撮影賞ノミネート (2007.3)
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ひまわり | 1970 イタリア ブエナ→ヘラルド I GIRASOLI |
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ストーリー | ナポリに住むジョバンナは、戦後になっても行方不明になったままの夫を探す決心をする。ようやくソ連にて住居を探し当てたのに、彼にはマーシャという妻がいて、子どもまでもうけていた。 | |||
監督 | ヴィットリオ・デ・シーカ | |||
出演 | ソフィア・ローレン | マルチェロ・マストロヤンニ | リュドミラ・サベリーエワ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ |
コメント | ひまわり畑のタイトルバックとヘンリー・マンシーニの音楽、これだけでかなり満足。最初に観たのが中学生の頃、TVでだった。ソフィア・ローレンという女優は、どうも吹替え版のほうが雰囲気が出ていていいかもしれない。兵役からほんのわずかの12日間逃れるための結婚。食べ切れなかった卵24個のオムレツ。兵役を逃れるための狂言暴行がバレてソ連戦線へ、などといった小ネタもあったんだな。 小麦畑やひまわり畑の下に眠る多数の戦死者。十字架を形取った広大な墓地も対照的に描かれている。夫アントニオは生きているという何の根拠もないまま探し続けるジョバンナ。一瞬だけ再開し、列車に飛び乗り泣きくずれるソフィア・ローレン・・・この演出が最高。ベタではなく、自然でもなく、ナポリ娘の気質を演技一つで表現した素晴らしい出来・・・だと思います。 1970年アカデミー賞作曲賞(ヘンリー・マンシーニ)ノミネート (2004.8)
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ひまわり | 2006 韓国 SUNFLOWER |
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ストーリー | 高校中退後、ケンカでチンピラの一人を殺し10年後に仮釈放されたテシクは監獄での縁でトクチャの営むひまわり食堂の世話になる。娘ヒジュの優しさも手伝って更生しつつあったテシクだったが・・・ | |||
監督 | カン・ソッポム | |||
出演 | キム・レウォン | ホ・イジェ | キム・ヘスク | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | 「酒を飲まない」「喧嘩しない」「泣かない」と、教えを忠実に守っていたテシク。地元に戻ったばかりに、市会議員とかヤクザとかとの関わってしまった。それというのも、刑務所に入る前にはひまわり畑だった場所にあるひまわり食堂がショッピングモール建設の買収の対象になっていたからだ。 全身刺青だらけのテシク。それを見た人間はびびるんだけど、彼は医者に行って刺青を取ってくれと頼む。そしてシャバで初めて給料をもらい食堂のお母さんに靴をプレゼント。ヒジュにはマルチプレーヤーだ。 微分は積分の反対だ!と刑務所で知り合った数学教師に数学を教えてもらうも英語はさっぱり駄目。勉強して大学に行こうとまで決意するほど新しい人生を歩み始めていた。目標をひとつひとつ手帳に書き留め、実行して消していく。 嫌がらせや暴力沙汰の攻撃を受けるひまわりの家族。やがて、母さんの息子ドピルを殺したのがテシクだと明かされるサプライズがあるのだが、さすがにこりゃないだろう・・・そして、10年前の事件は会長が仕組んだと気づいたお母さんが脅迫し、報復のためヒジュがバイクに乗った男から暴行を受ける。どうしようもなく、店をたたんで町を出て行く決意をした家族。しかし、脅迫ネタであるドピルの日記が残っているため悪の手はお母さんの命をも・・・ 我慢に我慢を重ねてきたが、最後には人生を捨てて単身悪の巣へ乗り込むテシク。邦画だったら高倉健や松田優作が演じそうな内容(どっかで聞いたことある)の復讐ドラマ。愛し合っていたんじゃないかと思われるウンミ先生とか、かつてテシクがいじめてて警官になった同級生という伏線が活かしきれてないのが残念だけど、実の息子を殺した男を養子にしてしまうお母さんのドラマには泣けてくる。 (2009.18)
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秘密 | 1999 日本 東宝 |
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ストーリー | 杉田平介の妻と娘の乗ったバスが転落する。二人は病院に運ばれ、妻・直子は息を引き取る。娘・藻奈美は意識を取り戻すが、自分を直子と名乗る・・・ | |||
監督 | 滝田洋二郎 原作:東野圭吾 | |||
出演 | 広末涼子 | 小林薫 | 岸本加世子 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ |
コメント | 日本って入れ替わりムービーが多いなぁ。その中でも、最初から悲しくなるような入れ替わり。学校生活で篠原ともえや内山くんがいるので暗くはならないところが救いだ。石田ゆり子が先生をやっているけど、『四日間の奇蹟』では彼女が入れ替わりだ。 直子のつもりでセックスすれば、近親相姦になってしまうというジレンマ。妻になりきらなくてはならない役者広末。映画を観る者としたら、広末の顔を見ながら岸本の顔を思い浮かべなければならないのだ。 2年後、医大に入ってしまって、先輩と付き合うどうのこうのですったもんだがあり、突如藻奈美の意識が戻る。交互に現れる二人の心。母と娘が一つの体を共有することになったのだ。事故を起こしたバスの運転手(大杉漣)の息子の存在がドラマを面白くする。もちろん交互に現れる母娘が面白いのであるが、中盤の中だるみと終盤のスピーディ過ぎる展開が残念でしょうがない。実は・・・という最高の場面でのインパクトが弱いということも。そして、エンディングの曲が竹内まりあだということで、火曜サスペンスを思い出したら、テレビでいいじゃないか!と刷り込みさせられる。 東野圭吾のカメオ出演!どこに出てるかさっぱりわかりません。本人の顔もしらないし・・・ 1999年日本アカデミー賞主演男優賞(小林)、主演女優賞(広末)ノミネート (2005.11)
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秘密の花園 | 1993 アメリカ WB THE SECRET GARDEN |
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ストーリー | インド大地震により孤児となったメアリー・レノックスはリバプールの叔父の館に引き取られるが、叔母もすでに死んでいたことを知る。そして屋敷には大きな秘密の花園があった。。。 | |||
監督 | アグニエシュカ・ホランド 製作総指揮:フランシス・フォード・コッポラ | |||
出演 | ケイト・メイバリー | ヘイトン・プラウス | アンドリュー・ノット | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★★ |
コメント | 叔父と息子コリンだけの大きな屋敷。使用人は何十人もいるのに、家政婦の長メドロック(マギー・スミス)の召使いなのだ。そこへ高慢で世間知らずの姪メアリーが住み着くのだが、何とも寂しい世界だ。18世紀貴族の末裔のような雰囲気なのだが、病気の息子コリンは外に出た事もなく、寂しさに輪をかけている。対照的に外の風景は美しく、眩しがるコリンの心を巧く描写してある。 メアリーやマーサは可愛いんだけど、名子役という雰囲気ではないのが残念だ。もっと自由に演技させてあげたいところですね。それと、マギー・スミス。何でもかんでも彼女を女優賞候補に選ぶ英アカデミー賞にも疑問が残る(はずれは無いかもしれないが・・・)。 1993年LA批評家協会賞音楽賞 1993年英国アカデミー賞助演女優賞(マギー・スミス)ノミネート (2004.5)
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秘密の花園 | 2003 日本 ケイエスエス |
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ストーリー | 小説家小暮(寺田農)の元を訪れた大学講師 | |||
監督 | 服部光則 | |||
出演 | 松田純 | 西守正樹 | 中原翔子 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★★ |
コメント | 1ヶ月前、キプロスの王ピグマリオンの物語を研究。 (2006.7)
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ひめゆり | 2006 日本 プロダクション・エイシア |
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ストーリー | ひめゆり学徒の生存者の方々に会い、その証言を13年にわたって記録したドキュメンタリー | |||
監督 | 柴田昌平 | |||
出演 | 本村つる | 石川幸子 | 大見祥子 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ | ||
コメント | DVD発売の予定はないらしい・・・ 2007年度キネ旬ベスト・テンで文化映画作品賞を獲得して以来、観たくてしょうがないドキュメンタリー映画でした(ちなみに『特攻』『蟻の兵隊』はまだ見れてない)。また、出演している本村つるさんの「戦後、ひめゆりを題材に小説や映画が数多く世の中に出ましたが、それらのほとんどがフィクションです。実は、私たちはそれらが出るたびに、落胆し、憤慨していました」という言葉にさらに刺激され、本物の真の映画を体感したくなったのです。 これまで『ひめゆりの塔』を2本、『あゝひめゆりの塔』などを見ているので、ストーリーがないドキュメンタリーであっても入りやすい。だけど、これらの映画に落胆し、憤慨しているんだから、わからないものだ。映画は130分ながらも三部構成となっていて、第一章はリアルな陸軍病院内の証言から始まる・・・本村さんの言ってる意味がわかった。こんな凄まじい医療現場の描写はアイドル映画では無理だ。何しろ粗末な医療器具、揃ってない薬品、重症患者は脚や腕を片っ端から切断なのだ。そして、スプラッター映画をも凌駕してしまいそうな惨状と不眠不休による精神の破たん。多くの方が証言するように、「頭が無い」とか「内蔵がはみ出す」患者や学友を見ても平気になり、自分が人間性を失ったしまったという恐怖が最も印象に残ります。 続く第二章は米軍優勢となり解散命令のため沖縄南端へと移動する様子、第三章はガマ(自然壕)での様子の証言が中心となる。時折挿入される米軍の火炎放射器の映像。流暢な日本語で米軍による説得もあったが、捕虜にされることを拒み続け、やがて爆弾を投げ込まれ、多くの尊い命が奪われてゆく。日本で唯一住民を巻き込んだ地上戦が行われた沖縄。しかし、「解散命令」に象徴されるように、無情にも政府・軍部からは見放された地域でもあるのだ。 違った視点で考えさせられるのは、自決について。文部科学省によって、沖縄戦での集団自決に関して教科書の「軍部に強いられた」という文を修正するよう求められたというニュースは記憶に新しいが、その辺りの問題をどうとらえているのか、彼女たちの証言を注意深く聞きました。たしかに、「軍部に強いられた」という意味の言葉は全くなかったのですが、“徹底された軍事教育によって”、「捕虜になると、男は切り刻まれ、女は辱めを受けた後戦車で轢かれる」などと教師に教え込まれていたのだ。軍部というより教師。教師もまた教育されているのだから、結局は政府、軍部、そして天皇により集団自決を強いられていたことになる。したがって、文部科学省は徹底的に教科書の内容を変えさせなければならないのだ・・・「集団自決は天皇に強いられた」と。 映画で証言しているひめゆり学徒生存者は22名。しかし、心の傷を深く抱えたまま、いまだ手記や証言を残していない人が20名いるという。映画でも大胆な発言が感じられたのだから、真実はもっと悲惨なのだと想像できるのです。その第一章でかなりショックを受けたのですが、しばらく放心状態になっていたのかもしれません。 最後の証言者新崎昌子さんの「いつかあの世に行くときは、平和な時代を知らない彼女たちのためにお土産をいっぱい持って行ってあげたい」「それまでは元気で若い人に語り継いでいきたい」という言葉に思わず涙。映画を体験した者としても、こうした記録を後世に残し、広めていかねばならないな。 (2008.8)
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ひめゆりの塔 | 1995 日本 東宝 |
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ストーリー | 昭和19年7月、ひめゆり学園と呼ばれる二つの女学校の生徒たちは本来夏休みを実家で過ごすはずであったが、皇国臣民の責務を果たすため学校に召集された。そして、兵士の看護をするために“ひめゆり学徒隊”として戦地へ赴くのであった。 | |||
監督 | 神山征二郎 | |||
出演 | 沢口靖子 | 後藤久美子 | 中江有里 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | 4度目の映画化である。 敵前逃亡だとか奨学金返還などという理由で召集された可哀想な女学生たち。戦地での卒業式の間も空襲は続く。50万の米兵がやってきた事実、対する日本兵はほとんどが現地召集された11万人。神風が吹くと信じていた彼女たちは、戦況が悪化する中でただ看護に徹し、友人の死を悲しむだけ。移動を繰り返して次々と戦死者が出るうち、解散命令が下り、「捕虜になるよりは自決の道」を選んでしまった少女たち。エンドロールでバックに流れる「花」と沖縄の海がとても綺麗で、その綺麗なものの根底に流れる悲惨な歴史の存在を思い知らされる。 敵機に撃たれるシーンは何度か出てくるが、すごくリアルでした。戦争の悲惨さを上手く伝えているものの、広く悲劇を伝えたいためかかなりオブラートに包んだような印象も受ける。沢口靖子の演技がイマイチなところを永島敏行や脇役陣が見事にカバーしていました。 1995年日本アカデミー賞主演女優賞、音楽賞、撮影賞、照明賞、美術賞、録音賞ノミネート (2004.8)
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Bモンキー | 1998 イギリス/アメリカ/イタリア 松竹 B.MONKEY |
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ストーリー | Bモンキーと呼ばれるストリート・ギャングのベアトリス。ブルーノとポールの3人で暮らしているが、ギャング稼業から足を洗いたかった。 | |||
監督 | マイケル・ラドフォード | |||
出演 | アーシア・アルジェンド | ジャレッド・ハリス | ルパート・エヴェレット | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★★ | ★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | ジャンゴ・ラインハルトとステファン・グラッペリなどのJAZZ専門のDJアラン。本来は小学校教師だ。なぜだか博士役で好演した最近の『バイオハザード アポカリプス』を思い出してしまった。 いきなり付き合うことになったベアトリスとアランだったが、彼の方がまったく勃たなかった。やはり彼にはジャンゴが必要だった。ジャズがあれば精力満点・・・きっかけが大事なんだよなぁ・・・って、やはりストリートギャングが怖かっただけか?違うよね。 それにしても、アーシアは可愛いんだけど、おっぱいが垂れてるし、恥じらいが全くないし、こんな子だとちょっと立たないおそれも・・・ ストーリーは全く大した事ないのに、映像と音楽がすごくいい。何なのだ・・・これは。バイの気持ちはやはりわからん。ビーだって、将来どういう行動にでるか・・・不安な結末。 (2004.12)
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