昼顔 | 1967 フランス 東和 BELLE DE JOUR |
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ストーリー | 若い外科医の妻サブリーヌは不感症。夫婦仲は良かったのに、昼下りに「昼顔」という名で娼婦として働くことに・・・ | |||
監督 | ルイス・ブニュエル | |||
出演 | カトリーヌ・ドヌーブ | ジャン・ソレル | ミシェル・ピッコリ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | かなりSの夫ピエール。だけど、不感症を治そうとしているんだな。結局、夫以外の男にカラダをまかせると快楽を得ることができたのでしょう。決心して最初に取った客がSM愛好家。いきなりチェンジさせられ、見学することに。 かなり色んな変態さんが登場して面白いんだけど、その様子が全然わからないのは時期尚早だったためか・・・ヌードも背中だけだし。ラストはちょっと意外でした。続きも知りたくなりましたね〜一瞬どこで怪我したんだよ!と見逃したんじゃないかと焦ってしまって・・・ 1967年ベルリン国際映画祭サン・マルコ金獅子賞、イタリア批評家賞、国際評論家賞 1968年英国アカデミー賞主演女優賞ノミネート (2005.6)
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昼下りの決斗 | 1962 アメリカ MGM RIDE THE HIGH COUNTRY |
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ストーリー | 元保安官のスティーヴン・ジャッドは金鉱からの金塊輸送を請け負った。昔の仲間ギルとその彼が育てた若者ヘックを仲間にする。若者と教会の娘エルサが仲良くなるが、彼女は金鉱の町でハモンド家のビリーと結婚してしまう・・・ | |||
監督 | サム・ペキンパー | |||
出演 | ランドルフ・スコット | ジョエル・マクター | マリエット・ハークレイ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★ |
コメント | 最初っから中華料理店が乱闘の舞台になっている。客は手で食べてるし、漢字もわけわからない。途中の教会での神父とスティーヴの聖書合戦も面白いし、金鉱の町の結婚式=乱痴気騒ぎも呆れかえってしまうほどだ。 結局はギルとヘックが金ほしさのためにスティーヴを裏切ろうとしてしまうのだが、ハモンド一家が嫁を取り返しにやってきて、また一致団結する。西部劇では異色とされるほど風変わりなプロットだが、予想のつかない展開ゆえにキャラクターの面白さが光って見えた。ラストの突撃もしぶい。 1962年英国アカデミー賞新人賞ノミネート (2005.4)
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ビルとテッドの大冒険 | 1989 アメリカ 松竹富士 BILL & TED'S EXCELLENT ADVENTURE |
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ストーリー | ビル・プレストンとテッド・ローガンは楽器もできないのにロック狂い高校生。成績は最悪。歴史のレポートを提出しなければテッドは陸軍学校に入れられるというので一念発起するはずが・・・ | |||
監督 | スティーヴン・ヘレク | |||
出演 | キアヌ・リーヴス | アレックス・ウィンター | ジョージ・カーリン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★ | ★★ | ★★ | ★★ |
コメント | 2688年の未来人は電話ボックスをタイムマシンとしている。バカな高校生二人を救わないと世界が滅びると思い込んで20世紀にやってくる。そして冒険旅行を終えた本人たちも現れるのだ。ナポレオンを家に預けて、ビリー・ザ・キッド、ソクラテスとともにあちこちタイムトリップしてベートーベンなど、有名人をいっぱい連れて帰ろうとする。 馬鹿馬鹿しさもここまでくれば眠くなってくる。 (2006.9)
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ビルとテッドの地獄旅行 | 1991 アメリカ COLTRI BILL & TED'S BOGUS JOURNEY |
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ストーリー | ロックバトルに出場しようとするビルとテッド。バンドメンバーでもある彼らの恋人たちにプロポーズもして絶好調だったが、未来から来た彼らのロボットに殺されてしまう・・・ | |||
監督 | ピーター・ヒューイット | |||
出演 | キアヌ・リーヴス | アレックス・ウィンター | ウィリアム・サドラー | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | エアギターをチャラチャラ鳴らす決めポーズ♪バカでファンキーな二人だったがいきなり殺され、幽霊となって悪いロボット二人をこらしめようとする。前作は試験にパスするため時間旅行でバカなことをやってたことが原因のようだったが、今回もオバカ。 地獄では死神と魚雷船ゲーム、サッカーゲーム、ツイスターゲームをプレイする。結局、勝負なんてこんなものかと思っていたら、最後の最後まで彼らと仲良くなってしまう死神。一緒に天国へ行ったり、優秀な科学者ステーションを連れてきたりして、バンドにも参加してしまう。 なんだか楽しいけど、ほとんど中味がない映画。バンドもプロとなり、死神はソロデビューまでするが、口パク疑惑まで・・・(笑) (2006.9)
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ビルマの竪琴 | 1956 日本 日活 |
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ストーリー | 日本兵の霊を慰めるために僧侶となってビルマの地へ赴き生きる兵士の姿。1945年7月、苦戦を強いられたビルマ戦線。井上隊長(三国)率いる部隊は水島上等兵(安井)の奏でる竪琴に酔いしれながらも、戦争のないタイへ移動していた・・・ | |||
監督 | 市川昆 | |||
出演 | 三国連太郎 | 安井昌二 | 浜村純 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | 戦後10年ということもあって、冒頭から反戦要素がある。白黒画面のおかげで重苦しい雰囲気は十分だ。キャストではリメイクで村長を演じていた浜村純が今回は伊藤軍曹。北林谷栄が同じ物売りのお婆さんというところがすごい。 それにしても「荒城の月」がこれほどまでに涙を誘う音楽に聞こえるとは・・・「埴生の宿」よりも感動的だった。 先にリメイク版を見ていたために、三国連太郎のナレーションがとてもいい。 (2008.3)
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ビルマの竪琴 | 1985 日本 東宝 |
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ストーリー | 日本兵の霊を慰めるために僧侶となってビルマの地へ赴き生きる兵士の姿。1945年7月、苦戦を強いられたビルマ戦線。井上隊長(石坂)率いる部隊は水島上等兵(中井)の奏でる竪琴に酔いしれながらも、戦争のないタイへ移動していた・・・ | |||
監督 | 市川昆 | |||
出演 | 石坂浩二 | 中井貴一 | 川谷拓三 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★★ |
コメント | 市川昆監督はセルフリメイクするのが好きなのだろう。自身1956年に『ビルマの竪琴第一部、第二部』を作っていて、しかもアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされている。 ビルマの民家に匿われていたとき、イギリス軍がやってくる。いつものように唱歌のコーラスによって敵の目をごまかそうとしたが、夜になるとイギリス軍も歌いだす。音楽によって戦争が止められる!などと感動したのも束の間、実は3日前に停戦になっていたのだった・・・そして、降伏。彼らの部隊も投降し、ムドンで捕虜収容所に入ることになるが、水島だけは三角山で抵抗を続ける日本兵へ投降を勧める役を任ぜられる。しかし玉砕。なんとか一人生き残った水島は200キロ離れたムドンへ向かうが、日本兵の無残な死骸を見ながら嘆き悲しむのだ・・・ 収容所の兵士たちは水島に会いたくてしかたがない。一方の水島は慰霊のために僧になってしまっているので会わせる顔がない。一度、日本兵が作った橋の上で遭遇するが、知らないフリをしていたのだ。 ずっと「埴生の宿」がテーマのように何度も合唱され、日本へ帰ることになった兵士たちとの対面でも水島本人だと確認するため歌われる・・・その後、竪琴の独奏で「仰げば尊し」を弾き、感動の波が押し寄せた。 巨大な涅槃大仏像など美しい仏教国、日本が降伏した後だということもあり、現地の人だって日本人に優しい人ばかり。その反面、無造作に山積みされた屍たち。彼らを弔う気持ち、見てしまったために帰れなくなってしまった水島の心の奥。結果はわかっているのに、もう充分だから帰ればいいのにと願わずにいられなくなる・・・ 現地のおばあさん役の北林谷榮が大阪弁まじりなので楽しい。ずっと入ってたナレーションが兵士の中でも落ち着いていた渡辺篤。石坂浩二だけが、ちょっと弱い・・・ 1985年キネ旬ベストテン第8位 (2007.2)
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HERO | 2002 香港/中国 ワーナー HERO |
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ストーリー | 紀元前200年。始皇帝のもとへ無名(ウーミン)と名乗る男が謁見する。男は趙国で最強とされる刺客を全て倒したというのだ。始皇帝は暗殺者から身を守るために100歩以内に誰も近づけなかったのだが、無名の話を聞くため徐々に近寄らせる。 | |||
監督 | チャン・イーモウ | |||
出演 | ジェット・リー | トニー・レオン | マギー・チャン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | マトリックスの映像チームも加わり、中国映画とは思えぬほど素晴らしいCG映画となった。色というテーマでそれぞれの闘いを表現した点も素晴らしい。槍の場面では、先端恐怖症の人は見れないな。。。 結局は始皇帝の人間の大きさが功を奏したという結末になるのだが、嘘の話に隠れた残剣と飛雪の愛が泣けてくる。共に始皇帝を倒すという目的のために死を選んだのはいいのだが、無名の判断一つで最後を締めくくってもよいものか(無名が最終的にどう判断するかということまでも託したのだろうけど)・・・それほど始皇帝が偉大な人物だったのかという疑問も残る。 映画館で観ることができててよかったと思う。 2002年アカデミー賞外国語映画賞ノミネート 2003年ベルリン国際映画祭アルフレード・バウアー賞 他 (2004.7)
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HERO | 2007 日本 東宝 |
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ストーリー | 東京地検・城西支部に戻ってきた久利生公平は芝山(阿部寛)が担当した裁判を引き継ぐことになった。簡単な傷害致死事件かと思っていたが、被告は無罪を主張し、裏には大物政治家の贈収賄事件に絡んでいることが判明する・・・ | |||
監督 | 鈴木雅之 | |||
出演 | 木村拓哉 | 松たか子 | 大塚寧々 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★ |
コメント | あれは被告の弁護士?あ・・・お父さん。 TVでは第一回の放送を見たきり、まったく見なかった。考えてみると、最近のミステリー小説、TVドラマでは割と多くなってきていますけど、昔は推理小説といえば私立探偵、刑事、弁護士が主人公であることが定番だったような気がします。高木彬光の霧島三郎、和久俊三の赤かぶ検事、夏樹静子の女検事霞夕子等々、法曹界の仕組みや捜査の緻密さなど、随分勉強になりました。この『HERO』においては、被害者や遺族への配慮も大きく、被告に対しても思いやりが感じられました。 検察という職場があまりにも明るく和やかなムードであるのはリアルではないと思うのですが、今作品のゲストである元検事(松本幸四郎)の語る「事務的」というキーワードが検察の実態を言い当てているのでしょう。一人の検事が膨大な事件を処理する中で生まれてしまう冤罪事件・・・これにも困ったものですが、舞台となる東京地検城西支部の面々のように真剣に取り組んでくれるといいですよね。 TVレギュラーとスペシャルを見ているとわかりやすいんだろうな〜と思ってしまう、今作品。さすがに中井貴一のキャラが掴みにくい。基本的な事件は傷害致死事件と森田一義演ずる大物政治家の贈収賄事件。刑務所のベッドで余生を過ごす中井貴一の面会は、韓国の特別ゲスト、イ・ビョンホンよりも時間を割いていたくらいだ。こうした構成は、やはりTVスペシャルの域を出ない。単体で映画らしく仕上げるならば、被害者の婚約者の心理描写やタモリとの確執部分を映像で工夫するとか、色んなことが考えられるだろうに・・・ 映画のダイナミックさこそ味わえなかったけど、俳優の演技だけは安心して観ていられた。やはり松たか子は上手いし、中井貴一は存在感があるし、八嶋智人には笑わせてもらった。随所にカットインされる天秤を持つ女神像と効果音によってトリビアの泉を思い出してしまいました(最近見てない)。『ジャンゴ』を観た直後だったので、香川照之、田中要次、石橋蓮司が登場すると、余計なことまで想像してしまいました。 (2007.9)
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ビロウ | 2002 アメリカ BELOW |
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ストーリー | 第二次大戦中、米軍潜水艦タイガーシャークは英病院船に遭遇し、3人を救出するものの、その中に潜水艦にとっては不吉なことをもたらす女性がいるとわかる。 | |||
監督 | デヴィット・N・トゥーヒー | |||
出演 | マシュー・デイヴィス | ブルース・グリーンウッド | オリヴィア・ウィリアムズ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | 潜水艦サスペンスかと思いきや、海洋ホラーもの。いや、これも違う。艦長の日記を盗み読むなんてシーンを前半から入れてあるので混乱してしまう。オチがわかれば、上手くまとめ上げてるな、と感じる映画ではあった。 失敗なのは前半部分のような気がする。潜水艦の構造なんて一般の人にはわからないんだから、どこかに死体があるとか余計な心配をしてしまう。そして、最初に疑われて殺されたドイツ兵はちょっと可哀想になってくる。。。。 「シング・シング・シング」がいきなり鳴り出すなんてシーンはいいなぁ。 (2004.3)
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ひろしま | 1953 日本 日本教職員組合=北星 |
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ストーリー | 広島の高校に転任してきた英語教師は原爆の残した爪あとを理解していなかった。投下されてから7年も経つのに、原爆症はじわりじわりと被爆者の体を蝕みつつあった。 | |||
監督 | 関川秀雄 原作:長田新「原爆の子」 | |||
出演 | 岡田英次 | 原保美 | 山田五十鈴 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ |
コメント | 米ABCCは診察はするものの治療はしない。白血病の知識と、どうしても治せない苦しみ。エノラゲイ乗務員の手記やドイツ人の書いた論文にも、日本人には怒りを感じずにいられない序盤の授業シーンであったが、いきなり1945年8月6日の回想シーンへと移る。 さながら地獄絵のような原爆投下直後のシーン。息子を必死で捜す加藤嘉が迫真の演技だ。疎開から帰ってきた息子遠藤幸男は孤児となり、必死で生きるが、キャバレーのバイト、学校を辞め工場の仕事をするが、砲弾を作ることにやりきれなくなる。骸骨をアメリカ人に売ろうとするが警察につかまり、そこで叫ぶ反戦メッセージが涙を誘います。 ストーリーとしては繋がりもはっきりせず、映画としてより学校で集団鑑賞する原爆ドラマといった感じですが、ゴジラの伊福部さんの重苦しい音楽とともにずっと心に残る映像でした。戦争を肯定する愛国心を謳う人たちに是非見てもらいたいものだ。 1955年ベルリン国際映画祭長編劇映画賞 (2005.5)
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ヒロシマナガサキ | 2007 アメリカ WHITE LIGHT/BLACK RAIN: THE DESTRUCTION OF HIROSHIMA AND NAGASAKI シグロ=ザジフィルム |
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ストーリー | アメリカ在住日系3世の監督が25年の歳月を費やし、広島と長崎の被爆者のインタビューを集めたドキュメンタリー。 | |||
監督 | スティーヴン・オカザキ | |||
出演 | 被爆者 | 一般人 | エノラ関係者 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
評価なし | 評価なし | ★★★★★ | なし | ★★★★★ |
コメント | あの悲劇を繰り返さないために・・・ 世界で唯一原爆が投下された国、日本。潮流としては、75%を占める戦後生まれ世代が戦争があったことを勝手に風化させ、「原爆投下はしょうがないこと」というアメリカ人的発想に同調する若者が多いことも事実だ。「嫌なことは忘れてしまいたい」と言う権利のあるのは、それを実際に体験した者だけ。被爆体験をはじめ、悲惨な戦争についての記憶を語り継ぐ生き証人が少なくなった今こそ、こうした真摯なドキュメンタリー映画の存在が重要になってきていると思います。 政治的メッセージや一方的な解説を一切排除し、広島・長崎の14人の被爆者と実際の爆撃に関与した4人のアメリカ人の証言を軸に静かに訴えてかけてくる。どの被爆者も皆優しい表情だったのが印象的だし、被爆者本人が見せたくない傷を見せてまで「二度とこのような被爆者を作らせたくない」という熱い想いが伝わってくる。6日と9日の壮絶な地獄絵をリアルに語る場面もそうだし、瞬時に家族を失った悲しみや生き残ったことの辛さを語るシーンも、平和に生きる現代人にとっては息が詰まりそうになるほどだ。また、クリスチャンの多い長崎では「自殺したくてもできない」という言葉に胸が苦しくなってしまいました。 「黒こげ」「死体の山」「皮膚が垂れ下がる」とか「水をあげたら死んじゃった」等々の痛々しい証言の数々。言葉どおりの生々しい映像があったら直視できないと思われるほど。そんな中でも「生きる勇気」とか「伝えるために生かされている」という言葉は、この映画を観てよかったと感じさせてくれるのです。本当は思い出したくない、語りたくない内容を、被爆者たちは未来ある観客たちに伝えてくれる。忘れてはならない。証言者たちの伝える勇気をも感じ取ったならば、核兵器・戦争のない世の中にしなければと気持ちを新たにさせてくれるのです。 一方、「悪夢は見たこともない」と平然と語る米軍関係者の証言は被爆者とは対極的ではあるが、客観的であり、「命令によってやったこと」と自分に言い聞かせているように思えてならない。戦争とはそんなもの。人を殺したくてその行為に加担するのではなく、敵を憎むように洗脳され、人間らしい心を失ったまま自分の力を試しているだけだ。大量虐殺を悔やんで口を閉ざされてしまっては、真の戦争の意味もぼやけてしまうので、映画の中ではいいアクセントになっていたように思います。 監督のスティーヴン・オカザキが、目立たない短編ドキュメンタリー部門ながらアカデミー賞受賞監督だとは知りませんでした。25年もかけて500人の被爆者と会い、それでいて自己主張しない客観性。また、アメリカ主体のニュース映像のおかげで、日本製の原爆映画とは違った捉え方もできる。原爆投下直後のエピソードは原爆の絵を用いながら集約させ、被爆者でもある『はだしのゲン』の作者・中沢啓二氏の強いメッセージが最後に配されたことで、映画の構成としてもとても引き締まったものになっていました。もちろん、無関心な若者が多い事実を冒頭にもってきたが効いていたんでしょうけど・・・ (2007.8)
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