百万円と苦虫女 | 2008 日本 日活 |
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ストーリー | 短大卒業後、アルバイト生活をする鈴子はひょんなことから拘置所に入れられることになり、その後100万円貯めたら見知らぬ土地へ移ることを繰り返していた・・・ | |||
監督 | タナダユキ | |||
出演 | 蒼井優 | 森山未来 | ピエール瀧 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
コメント | あ、うんこ!くっそ〜〜♪ “かき氷を作る才能”とか“桃をもぐ才能”なんかよりも、貯金の才能が最も際立ってるんじゃないかと思える主人公佐藤鈴子(蒼井優)。アパート共同生活の失敗から人間不信に陥ったことや、自活することの証明みたいな要素もあったのだろうか。とにかく、100万円貯まったら次の見知らぬ土地へと移り住むという生活を繰り返すようになる。 海の家では若い男に誘われるがさらりとかわし、山の村では“桃娘”に選ばれたけど辞退してしまう。他人と関わりたくないから転々としているのに、彼女の周りはどうも関わりたくてしょうがない状況になってしまうようだ。 “自分探し”ではなくて、「むしろ自分を探したくない」と彼女は言う。しかし、生来の真面目さや必死で生きているように見えるところから、自分探しや運命の人と出会いたい本音の婉曲表現なのだろうと思われてしまう。鈴子が、普通の女の子に見えるが内なるパワーを秘めている雰囲気があることは、そのまま女優としての蒼井優の投影に他ならない。 監督のタナダユキは『赤い文化住宅の初子』のときにどん底人生の中学生を描いてましたが、今回は拘置所に入れられ、前科者のレッテルを貼られてしまう主人公。近所の人の目や親の態度とかも、最悪にまでは至ってないのだ。だけど、彼女の弟・拓也は成績は良いが極端なイジメられっ子。ヘタすると、姉以上にヤバい状況に陥りかねないほどなのだ。一切の人間関係を断ち切ろうとする鈴子でも、拓也との姉弟愛はあったようです。 絶妙な心理描写のある表情も多かったのですが、弟と手を繋ぐシーンと中島(森山未来)と手を繋ぐシーンがとてもよかった。自然に互いを求めるように手を触れる一瞬は、完全な人間不信ではないことを物語っている。 人づきあいも恋愛も不器用な学生時代を思い出させてくれる映画でもあったし、世の中悪い奴ばかりじゃないと教えてくれる温かい内容。さすがにオチの部分は、自分でもそうしたであろうと考えていたから驚きはなかったけど・・・タナダユキは男心も理解してるんだな〜と改めて彼女の才能を認めてしまいました。 (2008.8)
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百万長者と結婚する方法 | 1953 アメリカ FOX極東 HOW TO MARRY A MILLIONAIRE |
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ストーリー | ニューヨーク。金のある男と結婚する100万ドル計画。高級アパートの同じ部屋に住むことになった3人の女性、シャッツィ・ペイジ(バコール)と眼鏡ッ子のポーラ(モンロー)、ロコ(グレイブル)は作戦開始して3ヶ月たっても素敵な紳士と出会えない・・・ | |||
監督 | ジーン・ネグレスコ | |||
出演 | マリリン・モンロー | ローレン・バコール | ベティ・グレイブル | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★ | ★★ |
コメント | 最初と最後に登場するオーケストラ演奏の意味のなさ。もしかするとこれは時間が余ったのでいれたのではないか・・・ ファッションショーなんてのは華麗で美しいけど、眼鏡をはずしてしまった近眼のポーラのドジっぷりに笑える。得に飛行機でのやりとり。相手は偶然隣に座ったフレディという紳士。 しかし、実は金持ちだったのさ〜というオチはどうでもいいくらいにつまらない。 1953年アカデミー賞衣装デザイン賞ノミネート 1954年英国アカデミー賞作品賞ノミネート (2006.7)
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百万弗を叩き出せ | 1961 日本 日活 |
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ストーリー | 八丈島から出てきた青年・三井はボクシングジムの門をたたく。死に物狂いで頑張った三井は資格試験合格後、同郷の下山と初の試合を戦った。勝ったもののサウスポーであることが悩みの種となった・・・ | |||
監督 | 鈴木清順 | |||
出演 | 和田浩二 | 沢道子 | 渡辺美佐子 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★ | ★★★ | ★★★ | ★★ |
コメント | 一緒に八丈島から東京にやってきた下山(野呂圭介)。ヤクザのジムにそのままいたが、三井は飛び出して弱小ジムに移ったのだった。成功物語のようでもあるけど、下山が殺されたことによってドロドロ・・・チャンピオンになったけど、感動もできない。だいたい、三井(和田浩二)の大振りが目立ち過ぎで、あれじゃラッキーパンチとしか思えない。撮影だけは当時としては苦労のあとが見られ、よくやっていた。 (2008.10)
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漂流 | 1981 日本 東宝 |
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ストーリー | 江戸時代、土佐沖で遭難した一隻の船。 | |||
監督 | 森谷司郎 | |||
出演 | 北大路欣也 | 坂上二郎 | 渡瀬恒彦 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★ |
コメント | 海鳥だらけの岩がそびえる無人島へ漂流した4人。次から次へと亡くなって一人きりになってしまった長平(北大路)。思い出すのは故郷のこと女のこと。夢ばかり見ていた。無人島なのか、本土の岬なのかもわからぬまま、鳥を喰ってサバイバル生活を続けた。鳥の羽根を集めて鳥人間になったりするシーンも印象的。 9年経ったある日。7人の男たちが漂着した。船を作ろうということになったが、それでも難航。150分もある割りにはダイジェスト版のような作りになっているのが残念。スタジオのセットなんかではない本物の迫力があっただけに後半のストーリーにはのれなかった。 (2007.1)
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白夜 | 1957 イタリア/フランス イタリアフィルムNCC−ケイブルホーグ LE NOTTI BIANCHE |
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ストーリー | イタリアの港町にやってきた男マリオは運河の橋に立つ少女ナタリアに会い声をかける。彼女は祖母と営む下宿に住んでいた男が帰ってくるのを待っていたのだ・・・ | |||
監督 | ルキノ・ヴィスコンティ 原作:ドストエフスキー | |||
出演 | マルチェロ・マストロヤンニ | マリア・シェル | ジャン・マレー | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ |
コメント | 霧のかかったモノクローム映像。毎晩毎晩男を待ち続ける少女。1年経って気が変わらなかったら、そのときは結婚しようと言い残して下宿人は去っていったのだ。 渋い中年男のイメージがあるマストロヤンニもこの物語では頼りなさを発揮していた。待っている男がいるのか・・・しかし彼はほのかな愛を抱き、ナタリアを優しく見守る。 手紙を渡してくれと頼まれたマリオ。下宿人が帰ってこなければ自分がナタリアを愛し続ければいいのだと自分に言い聞かせて・・・ラスト10分にこの結末が収束する。下宿人を忘れさせようと説得し、ナタリアもマリアに心が傾いてゆく。 なんとも切なくさせる男マストロヤンニ。そんな男のことを思うのは妄想にすぎない!現実を見つめるんだと言ってはみたものの、現実は別にあったということか・・・ 1957年ヴェネチア国際映画祭サンマルコ銀獅子賞 (2006.11)
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ビューティフル・デイズ | 2004 インドネシア エデン WHAT'S UP WITH LOVE? |
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ストーリー | 17歳の女子高生の5人仲間の中でチンタは今年も作詩コンクールの優勝候補と目されていた。しかし、大人びた少年ランガが優勝をさらっていった。反発していた2人だったが、やがて恋が芽生え・・・ | |||
監督 | ルディ・スジャルウォ | |||
出演 | ディアン・サストロワルドヨ | ニコラス・サプトラ | ラディア・シェリル | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | アリヤが父親から暴力を受けていることに仲間が励ましているシーンから。インドネシアでもDVの問題が多いんだろうなぁ。 勝手に応募されて優勝してしまったランガ。しかしチンタたちは納得できない。稲垣吾郎風の無口な男ランガ。孤独で友人がいない・・・ 手に入りにくい本が縁でデートのような雰囲気を楽しむチンタ。だけど仲間には内緒だ。彼と付き合うことになったら、彼女たちと疎遠になるような気がしたからだ。クラブでランガのいとこのミュージシャンのステージに飛び入り参加して、詩を詠んで歌を歌うチンタの雰囲気がとてもよかった。だけど、その頃、アリヤが手首を切って・・・ それにしてもインドネシアでは高校生が車を運転してるんだなぁ・・・恋愛はプラトニックなのに、展開がとても大人びてるところがいい。ランガの父親の政治的思想のために大学を追われたなんてところも東ティモールの独立といった世相を反映してるのだろう。 (2009.1)
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病院坂の首縊りの家 | 1979 日本 東宝 |
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ストーリー | パスポート写真を撮りにいった金田一は“病院坂の首縊りの家”で起きた惨劇に出会う。 | |||
監督 | 市川崑 | |||
出演 | 石坂浩二 | 佐久間良子 | 桜田淳子 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★ | ★★ |
コメント | 冒頭からいきなりの横溝正史登場!びっくりします。 写真館とジャズバンドと法眼病院一家。三つが見事に殺人犯によって融合してしまう。写真館までがどうして繋がりを?などと面白い設定ではある。数人が一挙に電話をかけるシーンとか、実験的な映像も楽しめのですが、なぜだかストーリーにのめり込めない。法眼一家の家系図が複雑すぎることと、上下巻にわたる長編をまとめようとしたことに原因があるのかもしれない。それに、犯人が最初からわかってしまうような撮り方も原因なのか・・・ ストーリーを進める上で、金田一の助手となるべくコミカルな脇役が今までは女性が多かったのに、この作品では草刈正雄が演じている。随所に面白い試みがあるのに、とても残念な結果となった。 (2007.10)
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氷壁の女 | 1982 アメリカ WB FIVE DAYS ONE SUMMER |
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ストーリー | 1932年、スイスのアルプス。やってきた初老の医者と若い妻。5日間の休暇で登山をする・・・ | |||
監督 | フレッド・ジンネマン | |||
出演 | ショーン・コネリー | ベッツィ・ブランドリー | ランベール・ウィルソン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ |
コメント | 回想によって妻の過去が語られる・・・とは言っても、実は妻ではないことが明かされるのだが、叔父と姪の関係という不倫以上の不道徳さ。明るく振舞ってもどことなく影を残す2人の演技がいい。それにガイド役の青年との微妙な三角関係も終盤のロック・クライミングのバランスに影響を与えていた。 心理描写の絶妙さとアルプスの美しさがいい・・・ (2008.1)
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秒速5センチメートル | 2007 日本 コミックス・ウェーブ |
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ストーリー | 小学校の卒業と同時に離ればなれになった遠野貴樹と篠原明里。中学時代に再会する第一話「桜花抄」、種子島で高校生活を送る貴樹に憧れるサーファー少女から描いた第二話「コスモナウト」、そして大人になった2人を描いた第3話「秒速5センチメートル」からなるアニメ。 | |||
監督 | 新海誠 | |||
出演 | 水橋研二 | 近藤好美 | 尾上綾華 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★★ |
コメント | 秒速5センチメートルは時速になおすと0.18km/hだ。 『雲のむこう、約束の場所』でも透明感のあるアニメーションを楽しませてくれた新海誠監督作品。小学校の卒業と同時に転校によって離ればなれになった遠野貴樹と篠原明里が中学生となり、今度は貴樹が鹿児島に転校することになり、その前に再会しておこうという第1話「桜花抄」。種子島で高校生活を送る貴樹に憧れるサーファー少女の視点から描いた第2話「コスモナウト」。そして、大人になった2人を描いた第3話「秒速5センチメートル」という三部構成となっている。 第1話は携帯電話がない時代。東京から栃木までという距離感も中学生にとってはかなりの冒険なのだろうか、ケータイさえあれば大雪による電車の遅れも問題がないのに・・・などと感じながらも焦燥感高まる貴樹の心が伝わってきて、電車に閉じ込められる閉塞感や不安感よりも駅で待つ明里の心配をする優しさに男を感じた。駅構内、電車内の描き方が妙にリアルだったので、台風によって足止めを食ったことを思い出してしまうほどでした。 情熱的だった第1話から一転して、第2話では弓道に打ち込む純情そうな高校生になった貴樹。その貴樹に恋焦がれる同級生の女子高生花苗の視点で描かれてますが、こちらも告白すらできない純情サーファー少女。卒業後の進路も決まらず、種子島でのロケット発射を描きながらも、ロケットのように未来に向かって飛び立つことすらできない内気な心が対照的。彼女の将来が気になりつつも第3話へ・・・ ゆっくりと落ちてゆく桜の花びら。手を伸ばせば届きそうなところにある愛であっても、なかなか思うようにいかない。誤解だとかすれ違いだとか、せつない失恋の思い出が走馬灯のようによみがえってくるような過去映像のカットイン。そして、山崎まさよしのプロモーションビデオでもあるかのように「One more time,One more chance」が効果的に使われ、その歌詞をしみじみと味わい、聴き入ってしまう。急行待ち踏切あたりではいつでも思い出しそうです・・・一旦停止違反で反則キップを切られたことを・・・ (2007.6)
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