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ボビー 2006 アメリカ
ムービーアイ 東宝
BOBBY
ストーリー  1968年6月6日。大統領予備選挙の当日、まさにR・F・ケネディが暗殺された、カリフォルニアのアンバサダーホテルにおける群像劇。
監督 エミリオ・エステヴェス
出演 アンソニー・ホプキンス ウィリアム・H・メイシー ハリー・ベラフォンテ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  ボビー、ボビー、あんたの時代は良かった〜♪と口ずさんでみるものの、あの曲はボビーではなく、ボギーだった・・・
 アメリカ大統領になるはずだった“希望の星”のロバート・F・ケネディ。日本人感覚としてはジョン・F・ケネディのほうが有名だと思っていたのに、現代に至るまで尊敬されていたことにも驚きました。映画でも流れる彼の肉声の演説。「かつてのローマ帝国のようにしたくない」と、ベトナム戦争からの名誉ある撤退と非暴力を説く崇高さは、今だからこそアメリカの政治に必要な姿なんだと痛烈に訴えてくる。
 映画はその大統領候補ボビーが主人公なのではなく、アカデミー賞俳優を含む豪華な22人のキャストが演ずるグランドホテル形式の群像劇。アンソニー・ホプキンスが映画『グランドホテル』に言及したり、『卒業』『明日に向かって撃て』『猿の惑星』といった68年を思い出させるタイトルが出てくるし、アン・バンクロフトのヌードがボディダブルかどうかを議論しているシーンなんてのも映画ファンにとっては嬉しい限りでした。
 豪華キャストの中で最も感動できるのがイライジャ・ウッドとリンジー・ローハンのエピソード。ベトナム戦争へと徴兵されることから救うために、ボランティアとして愛のない結婚をしようとする2人の姿にはウルウルしてしまいまいた。また、ボビーが暗殺される日にドジャーズのドライスデール投手が連続完封記録をかけた試合が行われていて、そのチケットを手に入れたのに観に行くことのできない厨房の青年ホセ(フレディ・ロドリゲス)のエピソードがいい。ホセだけは実在した人物らしいのですが、その周囲に起こる人種差別に関する会話が興味深いところ。ローレンス・フィッシュバーンが語る内容によれば黒人の地位とヒスパニック系の地位とでは大きな差があったのだと・・・やはり、キング牧師やマルコムXは偉大だったのだ。
 ラジー賞常連のシャロン・ストーンとデミ・ムーア。この2人の評判も悪くないので期待していたのですが、観終わるまで登場していることをすっかり忘れてしまうほど映画に溶け込んでいました。あらためて写真を見ると、ラジー大女優のツーショットまであったとは!!!!気が付きませでした。そのデミ・ムーアの夫を演じているのが監督・脚本をもこなしたエミリオ・エステヴェス。2人がかつては恋人同士だったこともあるし、現在の恋人アシュトン・カッチャーもLSDの売人役で出演している。エミリオの父マーティ・シーンも出演しているのだし、映画の人物相関図よりも実際の俳優相関図を調べたほうが面白そうでもあります。
 こうした群像劇の面白さは、終盤に繋がりのなかったそれぞれの登場人物が一気呵成に集約するところ。演説に集まった彼らはどうなるんだろう?とワクワクしていた時にはボビーが暗殺されるなんてことを忘れていました・・・阿鼻叫喚、地獄絵図。悲劇の真っ只中で、ドラマでは崩れつつあった人間関係がそれぞれ和解していく姿。泣き叫ぶリンジー・ローハンの演技。イライジャの悲しい姿を見るのはLOTR以来じゃ・・・などとダジャレを思いつく隙も与えてくれません。中でもウィリアム・H・メイシーがクリスチャン・スレーターを抱きかかえるシーンが泣けるのです。いきなり聴ける「サウンド・オブ・サイレンス」の効果もあって、久しぶりにいい群像劇を観た!という気分にさせてくれました。
 米民主党を支持するような政治的なメッセージやRFK暗殺に関する謎を解明するような内容を排除したかのような製作意図はあったのだろうけど、どうしても政治臭を感じ取ってしまう。それに、アンバサダーホテルにおける実写映像を織り交ぜて俳優たちと交互に映すことによって臨場感を醸し出そうとしていたにも拘らず、フィルムの加工がチグハグになったいたため彼らがテレビ映像を見ているような雰囲気に感じられたこと。低予算だったためしょうがないことだとは思いますが、ボビー本人も俳優にしたほうがリアルだったのではないでしょうか・・・

2006年ゴールデングローブ賞作品賞、歌曲賞ノミネート
(2007.5)

ポビーとディンガン 2005 オーストラリア/イギリス
ギャガ・コミュニケーションズ
POBBY AND DINGAN
ストーリー  オーストラリアのオパール採掘場に両親と暮らしている兄妹アシュモルとケリーアン。9歳の妹は想像上の人物ポビーとディンガンと遊ぶため友達もいない。ある日、この二人がいなくなったと騒ぎ出し、そのうち病気になってしまうが・・・
監督 ピーター・カッタネオ
出演 クリスチャン・バイヤーズ サファイア・ボイス ヴィンス・コロシモ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★★ ★★★★
コメント  ティナ・ターナーではなくてティナ・アリーナ。母親がやってたクロスワードパズルは完成したのかどうか気になるところです。
 オパール鉱山という珍しい舞台設定。乾いた空気、埃っぽい岩地に青い空。この独特な雰囲気の町そのものがファンタジーを感じさせてくれます。この手の映画では空想上の人物自体がファンタジーとなりがちですが、かなり現実世界を重視しつつ「信じることの大切さ」を謳っている内容でした。
 空想上の人物、ポビーとディンガンが突如いなくなってしまったと心配になる妹ケリーアン。存在を信じているわけでもない家族も懸命に捜索するのですが、他人の鉱山を荒らしたとして父親が訴えられる。オパールを盗ったという事実がなければ不法侵入の罪だけのような気もしたのですが、大多数の町の人々は住人となって間もない家族をいじめ抜く。もしかすると、ポビーとディンガンが実在の人物として現れてこれを解決するのでは?と、ありきたりな展開を想像していると、意外な展開を見せてくれて、心が和んでしまいました。
 妹を真剣に思い遣る幼い兄ちゃんもいいキャラでしたが、イジメや報復といった問題もさらりと味付けして、空想に浸る9歳の少女に優しく現実へと目を向けさせる方法がもっと良かった。まるでカウンセラーの教則本のような最適の選択でした。裁判が行なわれたのは田舎町の簡易裁判所なのでしょうか、扇風機がカラカラと回り、暑そうな室内で住民たちも熱くなり、窃盗や不法侵入といった争点がいつのまにか「少女ケリーアンがポビーとディンガンの存在を信じているかどうか」という争点に変化していきます。映画史上、最も和む法廷モノ映画と言えるのかもしれません。
 それにしても子役が素晴らしかった。スーパーの店長夫妻も良かったし、突然弁護士になったオパール加工のおっさんが素敵でした。
(2006.3)

微笑みをもう一度 1998 アメリカ
FOX
HOPE FLOATS
ストーリー  TVの暴露トークショーで親友が夫ビルと不倫していたことを告白。バーディは娘バニースを連れてシカゴからテキサスの実家へ帰るのだが。。。
監督 フォレスト・ウィッテカー
出演 サンドラ・ブロック ハリー・コニック・Jr ジーナ・ローランズ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  娘バニースが面白い。いや、母親も甥トラヴィスも旧友たちも面白い。しかし、何故か失意のどん底にあるはずのバーディに感情移入できない。不思議と彼女を立ち直らせようとする回りの人間に感情移入してしまうのだ。下手にバーディに感情移入してしまうと、全く笑えない映画となってしまって低評価になることでしょう。
 メインは親子愛というよりも郷土愛を感じてしまいました。まだ憧れの女性を想い続けるジャスティンの存在も良かった。この映画に対する評価が低い人は、冒頭の最低番組にムカついた人のようですが、番組と夫と親友を徹底的にひどい存在として扱ってるからこそストーリーが生きてくるのだと思いますよ。
(2004.4)











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