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ポカホンタス 1995 アメリカ
ブエナ
POCAHONTAS
ストーリー  1607年、イギリス人ラトクリフ総督らは黄金を求め新世界アメリカへ旅立つ。
監督 マイク・ガブリエル
出演 メル・ギブソン
古沢徹
アイリーン・ベダード
土屋裕子
クリスチャン・ベイル
松沢重雄
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★ ★★★ 評価できない ★★
コメント  ポカホンタスとであった冒険家ジョン・スミスはたちまち恋に落ちる。先住民族とイギリス人は均衡を保っていたが、2人が逢引する現場を目撃したポカホンタスの許婚が襲い、イギリス人のトーマスが撃ち殺してしまう。スミスは責任を取って自ら殺したと言って部族に捕らえられる。殺されそうになるがポカホンタスがかばうことになって・・・それでもイギリス人の非道さは、ここがチャンスだとばかりに攻撃開始。スミスが傷ついて本国に送り返されることになった。
 なんともベタな展開。ハチドリやアライグマを楽しいキャラに設定して、子供にわかりやすいような展開である。結局、スミスを見送るだけで終わってしまうポカホンタス。こういう選択をしたのは理解できるのだろうか。

1995年アカデミー賞歌曲賞、音楽賞
1995年ゴールデングローブ賞歌曲賞
同音楽賞ノミネート

ポカホンタス2:イングランドへの旅立ち(ディズニー・ホーム・ビデオ、1998)
 ラドクリフがジョンを殺してしまった!
 ジョン・スミスが亡くなったと知らされたポカホンタス。彼女はジョージ砦の中にいた。ジョン・ロルフが王のもとへやってきて共存の道を歩むためにイギリス王に会ってもらいたいと伝え、ポカホンタスが行くことを決意する。王の前で教養を身につけ淑女として気に入られることが目的。死んだはずのジョン・スミスとの再会も果たし、艦隊を送ろうとしていたラドクリフの野望をも打ち砕いた。
 スミスからまた冒険しようともちかけられるが断って、ロルフからの求婚を受けるポカホンタスだった。
(2006.4)

ぼくセザール 10歳半 1m39cm 2003 フランス
アスミック・エース
MOI CESAR, 10 ANS 1/2, 1M39
ストーリー  セザールはごく普通の成績。モルガンみたいに背も高くなく、ちょっと太めで、運動オンチ。父が刑務所に入れられたと勘違いしてこっぴどく叱られる。学校での人気もがた落ちに・・・
監督 リシャール・ベリ
出演 ジュール・シトリュク マリア・デ・メディロス ジャン=フィリップ・エコフェ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★★ ★★★ ★★★ ★★★
コメント  なぜだか『パルプ・フィクション』へのオマージュが感じられる。テレビにちらっと映っていたユマ・サーマンやそのイメージがそのまま悪夢に登場する。
 モルガンの見知らぬ父を探すためにイギリスに冒険旅行をするクライマックス。父親のクレジットカードから勝手にお金を引き出したものの、セザールだけパスポートが無かったことが発覚。笑えるけど、案外あっさり解決。フランスに住んでいたことのあるグロリアおばさんの登場がなかったら、結局は路頭に迷ってしまっていたセザール、モルガン、サラ。グロリアおばさん、彼女が功労賞です。
(2005.7)

ボクと空と麦畑 1999 イギリス
オンリー・ハーツ=日本トラステック
RATCATCHER
ストーリー  1970年代のスコットランドの工業都市。少年ジェームズの友人ライアンが一緒に川で遊んでいたとき死んでしまい、彼の心が閉ざされるようになるが、あるきっかけで少女と知り合い・・・
監督 リン・ラムジー
出演 ウィリアム・イーディー トミー・フラナガン マンディ・マシューズ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★ ★★★★★ ★★★ ★★★★
コメント  工場近くのアパート。廃液も混じっていそうな汚い川。さすがに部屋の中は明るいイメージだが、アパートの周りはゴミだらけでネズミが徘徊、病気も蔓延しそうな環境だ。そこで少年ライアンの死体が横たわる・・・
 友人の死をきっかけにジェームズの周りの女性もなぜか彼に近寄ってくる。そろそろ性に興味を持つお年頃。だけど何もできない。ある日、バスに乗ってアテもなく下車し、果てしなく広がる麦畑で戯れるジェームズ。近所の暗さと対照的な田園風景へ引越しすることを夢見るようになる。
 軍が出動して、ゴミの撤去作業。期待とともに虚しく感じるジェームズの複雑な心。ラストには川に沈む彼と、田園地帯に引っ越す彼の家族の姿。どちらが本当の姿なのであろうか?

1999年英国アカデミー賞英国作品賞ノミネート
(2006.1)

ぼくとママとおまわりさん 1999 スウェーデン
劇場未公開
TSATSIKI MORSAN OCH POLISEN
ストーリー  8歳の少年ツァツィキはロックスターを目指す母親と二人暮し。警官ゲランが彼の家に住むことになり、二人をくっつけようとするがうまくいかない。やがてギリシアで猟師をしている父に会いにいくが・・・
監督 エラ・レムハーゲン
出演 サミュエル・ハース アレクサンドラ・ラバポート ヤコブ・エリクソン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★ ★★★★ ★★★ ★★★
コメント  女性教師の脚のスネ毛に興味を持つ小学生。8歳だから無邪気なんだけど、かなり大人びた考えも持っているツァツィキ。何かとギリシア語を話したりする。
 父親に会うため、素潜りの記録を作ろうとしていたけど、結局は溺れたと勘違いする大人に助けられちゃう。ベーシスト出て行け!の台詞とか、女の子とのショットとか、ママと一緒のサングラスシーンとか、結構映像的に面白い。
(2006.10)

僕の、世界の中心は、君だ。 2005 韓国
ワーナー
MY GIRL AND I
ストーリー  『セカチュー』の韓国リメイク版。
監督 チョン・ユンス
出演 チャ・テヒョン ソン・ヘギョ イ・スンジュ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★ ★★★ ★★★ ★★
コメント  思わず泣けてくるのがおじいさんのエピソード。すごいと思ったのが平井堅のカバーをチャ・テヒョンが歌っていたことだった。
 原付バイクが自転車、写真館が葬儀社、ウォークマンがポケベル、オーストラリアが二人の行った島、ジュリエットが“貧血姫”。これくらいの変更点は許容範囲だったかもしれないけど、妹と柔道部の先輩がカップルになるとか、映画版『世界の中心で、愛をさけぶ』での柴咲コウの重要なサプライズが無かったことだとか、好きな映画を挙げる台詞が無かったことなど、オリジナル映画の良い点を削ぎ落としてベタな部分だけで勝負するのはいかがなものでしょうか。
 高校生にも見えてしまうテヒョン君のキャスティングは男友達には好かれるタイプであったり、恋に鈍感だけど笑わせるのが得意であったり、嘘がすぐバレるといった性格を考えるととてもよかった。しかし、オーストラリア行きが無かったというだけで低予算の映画だとわかるのですが、それをチャ・テヒョンのコミカルな演技とソン・ヘギョの美しさだけではカバーしきれないくらいの力量不足の脚本でした。最も残念だったのは長澤まさみのように頭を刈らなかったことかもしれませんが・・・
 それでもいいところはあったのです。「人間の心は100年経っても本質的には変わらないものだ」などといった伏線や、おじいさんのエピソードや男の友情みたいなところ。でも、あのテヒョン君の調子だと、ホントにそのうち忘れてしまいそうな気もするし・・・花の種の効果があと何年続くか心配です。
(2006.8)

僕のニューヨークライフ 2003 アメリカ/フランス/オランダ/イギリス
日活
ANYTHING ELSE
ストーリー  マンハッタンに住む若手コメディライターのジェリー。同棲している女優のアマンダとは6ヶ月セックスレス。
監督 ウディ・アレン
出演 ジェイソン・ビッグス クリスティナ・リッチ ダニー・デヴィート
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★ ★★★ ★★★ ★★★
コメント  ジェイソン・ビッグスにウディ・アレンが乗り移ったような・・・背後霊の仕業か?と思うほど、喋り方がそっくり。
 そっくりなのは吃音のような口調以外に、観客に主人公ジェリー(ビッグス)が語りかけるという手法をとったせいもあった。そして、物語はコメディ作家の先輩であるウディ・アレンが新進気鋭のコメディ作家ジェリーと仲良くなって、散歩しながらコメディの真髄を教えるような内容なので彼の口調が伝染してしまうのもしょうがないのです。
 ウディ・アレン作品は10本程度しか観てないので偉そうなことは何にも言えませんが、そろそろ彼が自分自身を研究して、それを次世代の若者に投影しているような気がしました。ジェイソン・ビッグスがそのまま彼の路線を継ぐとは思えませんが、その素質は充分あったのかもしれません。
 ストーリーは同棲しているアマンダ(クリスティナ・リッチ)に振りまわされて、セラピーにも通うジェリーがエージェントであるダニー・デヴィートとの関係も考え始めるといった内容。変化に富んだものでもなく、目的意識も希薄な内容なので、コケティッシュなクリスティナ・リッチの浮気や嘘が暴露されていって、徐々にイメージが悪くなるだけでした。相変わらずナチス批判や下ネタ(bathroom joke)で押しまくるのですが、それほど笑えません。
 最終的にはロサンジェルスで今までの生活をリセットしたいと決意するジェリー。ひょっとするとウディ・アレンはニューヨークに限界を感じ始めたのかな?『さよなら、さよならハリウッド』でもフランスへ行こうとしていたし・・・
(2006.5)

僕のボーガス 1996 アメリカ
ワーナー
BOGUS
ストーリー  母親が交通事故死したため、彼女の親友ハリエットのもとで暮らすことになったアルバート。飛行機内で絵を描いているとボーガスが飛び出してきた。
監督 ノーマン・ジュイソン
出演 ウーピー・ゴールドバーグ ジェラール・ドパルデュー ハーレイ・ジョエル・オスメント
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★
コメント  ネズミを消すマジックの練習に夢中のアルバート(オスメント)。ママ、ロレインを待つ楽しさから一転、悲しい交通事故が起こる(このシーンがとても衝撃的・・・悲しすぎる)。手品師アントワーヌも父親よりも父親らしくて爽やか。オスメント坊やの演技が最高なのです。しかし、サーカスで育った彼の引き取り手は、遺言書のためロレインが一緒に里親の元で育ったハリエット(ウーピー)だった。
 アルバートにしか見えないボーガス。現実的な愚痴や仕事に追われるハリエットは彼らの会話がアルバートの独り言にしか聞こえない。よくある子どもの想像力。子供嫌いなハリエットには対応の仕方がわからない。前半はウーピー・ゴールドバーグもピッタリの役だったけど、家出という事件が起きても表情が変わらない彼女はミスキャストだったであろうか。ハシゴの上から手を差し伸べる彼女を見ると、怖くて落ちちゃうかもしれないし・・・(笑)。手品をするオスメント坊やは最高だし、ボーガスがドパルデューなのも笑える。
 ボーガスとは「にせの」という意味。想像上の人間だというぴったりのネーミングだ。

1996年ラジー賞主演女優賞ノミネート
(2005.10)

僕は妹に恋をする 2006 日本
東芝エンタテインメント
ストーリー  近親相姦もの
監督 安藤尋
出演 松本潤 榮倉奈々 小松彩夏
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★ ★★ ★★
コメント  主人公家族は「より、いく、さき」だ。
 近親相姦はいけないことだとハッキリ言えない世代なのだろうか。それとも彼らはかつての皇族崇拝でもしていたのだろうか。法律で禁止されているのは婚姻だけだから、ハッキリ言えないだけなのだろうか・・・少なくとも楠友華(小松彩夏)だけはなんとなくイケナイことだと思っていたのだろうけど、彼女にしても矢野(平岡裕太)にしても横恋慕という形でしか行動できない悲しさ・・・そんな状況だったら「横溝正史の小説でも読みなさい」と言って『悪魔が来りて笛を吹く』あたりをそっと差し出すのも手かもしれません。
 最初からナメてかかってしまいましたけど、映像的にはかなり満足のいく部分がありました。特に序盤の二段ベッドの下でキスするまでの長回し。そしてラスト近くのジャンケンおんぶの長回しです。台詞も少なめで松本潤と榮倉奈々の心理描写が見事でした。惜しいのは、楠が理科室でのキスシーンを目撃した後の「付き合って」と迫るところ。主人公側のたじろぐ心理は伝わってくるものの、楠の奥に潜む心理・・・たとえば、目撃したことによって脅迫するかのような心・・・があっさり描かれてしまいました。頼(松本潤)にしても、「秘密にしておきたい」「バレたらやばい」「俺たちゃサルか?」などといった心理部分が弱かったのではないでしょうか。なにしろその直後に矢野に告白したようだったし・・・
 そんなドロドロした葛藤よりも双子の兄妹の純愛だけでいいんだという意図があったのかもしれませんけど、後半はだらだらと進みすぎました。「兄妹という禁断の恋であっても、愛し合ってるんだからいいじゃない」と思える方なら存分に共感して二人の世界に浸れるのでしょうけど、ストーリーそのものを楽しみたい人には退屈かもしれません。
 アイドル俳優ばかりなのに、みんな良かった。特に平岡裕太なんて今までの映画で一番良かったかもしれません。ちなみに、原作者は青木琴美とおっしゃる方なのですが、ずっとAV女優だと勘違いしていました・・・

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E6%9C%A8%E7%90%B4%E7%BE%8E_(%E5%A5%B3%E5%84%AA)
(2007.1)

ぼくを葬(おく)る 2005 フランス
ギャガ・コミュニケーションズ
LE TEMPS QUI RESTE
ストーリー  余命3ヵ月と診断された新進気鋭のファッション・カメラマンのロマンは静かに自分を見つめる。
監督 フランソワ・オゾン
出演 メルヴィル・プポー ジャンヌ・モロー クリスチャン・センゲワルト
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★★ ★★★★
コメント  31歳の若さで余命わずかと診断されるなんて・・・これはキラがノートに書き込んだために違いない。
 新進気鋭のファッション・カメラマンであるロマン(メルヴィル・プポー)は撮影中に突如として倒れてしまう。自分がエイズじゃないかとも疑い医者に尋ねるが、ガンがあちこちに転移して手の施しようがないほどだった。エイズだと疑ったのも、実は彼はゲイだったからだ。家族も皆彼をゲイだとわかっているのですが、“I'm a gay”と冗談ぽく会話したりする。
 キラに狙われるなんて、いったい彼が何か悪いことをしたのだろうか。姉との不和もさることながら、恋人サーシャへの愛情がなくなったこと?ひょっとすると子供時代に教会で小便をしたことが原因なのかもしれないけど、やはりキラはゲイを社会悪だと思い込んでいることが原因か・・・と考えてみると、“I'm a gay”という言葉を逆から読んでみると“yagami”になるという符号に気づいてしまうのです。これで日本への撮影旅行をもキャンセルしたことが因縁あることのように思えてきます。
 映画『死ぬまでにしたい10のこと』をも思い出しますが、彼の取った行動は特別なことではなく、とりあえず祖母(ジャンヌ・モロー)に「愛している」と伝えに行くことだった。さすがに日本では考えられないようなスキンシップ溢れる家族愛でしたが、その愛している祖母にだけ自分に死期が近づいていることを告白する姿には彼の心が手にとるようにわかるシーンでした。それ以降は他の家族たちもすべて優しく感じられて、改めて自分の家族を愛していかねばならないという気持ちになりました。
 全体的には静かな流れ。突如、子どもに恵まれない夫婦のエピソードにもビックリさせられましたが、おばあちゃんと一緒に寝るなんてシーンも凄かった。一番好きなところは、本業のカメラマンからは離れるものの、個人的なデジカメでお姉ちゃんとその子供の写真を撮るシーンです。普通、カメラマンなら何枚も撮るところを、一発勝負でパチリと撮るだけ。邂逅という言葉がぴったりくるような一瞬の出来事。ラストの海岸で少年時代の自分と出会う瞬間とともに心に残る映像でした。
(2006.7)



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