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僕が9歳だったころ 2004 韓国
コムストック=ツイン
WHEN I TURNED NINE
ストーリー  70年代。小学校3年のヨミンはガキ大将。夏休み明け、アメリカ暮らしをしていた美少女ウリムが転校してきた。
監督 ユン・イノ
出演 キム・ソク イ・セヨン チ・デハン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★ ★★★★
コメント  5年生をも負かせてしまうヨミン。男の子キジョンと女の子クムボクが仲良しだ。3人仲良く廊下に立たされたりするが、ヨミンの隣に転校生ウリムが座ることになった。クムボウはやきもち半分、面白くない。といった設定。
 ガキ大将同士のケンカ、うさぎ小屋、溺れたウリムを助けるミヨン、ピアノの先生へのラブレター配達。いろんなことがある多感な小3。「片目の母ちゃん」と言われると超人に変身してしまうかのようなミヨンが正義感もあっていい少年なのだ。ちょっと蛇足気味にお金が盗まれたというエピソードがあるけど、先生の権威が失墜しただけ・・・
 お天気屋、わがままな娘ウリム。アメリカ帰りというのも嘘で、実の父親がアメリカで交通事故死したため嘘をつくことによって安心感を得ていたのだ。お互い好きだと告げた別れ。ませた小学生だったのですが、すごくいいノスタルジー。
(2007.2)

ぼくたちと駐在さんの700日戦争 2008 日本
ギャガコミュニケーションズ
ストーリー  1979年。栃木県の高校生たちが新しく赴任してきた駐在さんに敵意を燃やす。喫茶店で働く加奈子に憧れていた彼らは、彼女が駐在さんの妻だとわかり、それが白熱・・・
監督 塚本連平  原作:ママチャリ
出演 市原隼人 佐々木蔵之介 麻生久美子
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★ ★★★★★
コメント  アグネス・ラムのピンナップでドキリとし、当時のアイドル歌手がそのまま主人公のお母さん・・・この時点で心臓をわしづかみにされた・・・
 ブログが原作だなんて、どうせ薄っぺらい内容だろうと高を括っていた。しかし映画の時代は1979年。ちょうど高校生だったこともあり、何から何まで懐かしく感じてしまい、小物から俳優たちの台詞の一つ一つにウンウンと頷いてしまいそうになりました。校内暴力も少なかった時代。共通一次試験の導入によって受験生は不安で、欝憤を晴らすにも手段を持たなかったというイタズラ好きの彼らにはそのまま自分の気持ちを代弁してくれてるような気がしました。
 主人公ママチャリ(市原隼人)を中心に、ケンカが強いエロ担当の西条(石田卓也)や他の個性的な面々。仲間たちの結束の強さは目的意識のない弱さの集合体。それでも“悪”にはなりきれないのがこの共通一次世代の特徴だったのかもしれません。花火の一尺玉を盗む計画において、かなり心の葛藤が見られたところもそれを象徴してたのかな・・・
 この際、映画の完成度は目をつむると、エキストラの町の人の素人くささが逆に笑える。車などは時代にこだわってるな〜と思えるけど、町並などはかなり手抜き。だけど、時代を確かめようと目を凝らすと張り紙や看板の文言にネタが仕組まれているのです。「これは寺じゃなく、神社です」とか「エレキ電気」とか、いつ笑っていいのか戸惑ってしまうくらい。そうやって笑いを押し殺していると、当時のCMや懐かしい音楽で涙が出てきそうに・・・石野真子の「狼なんか怖くない」が流れると、笑いながら死んでしまいそうになりました。
 イタズラの内容よりも、それがバレたとき、失敗したときなど、キャラクターのリアクションが面白かった。市原隼人はお笑いキャラとして最高だったし、駐在さん(佐々木蔵之介)のキャラは“公務員として問題アリ”な性格とされているけど、それでも最低限の職務を果たしていたようだし、根はいい人だと感じられるところがとても素敵。クライマックスでの花火大会のエピソードは若干ベタではあるけど、それまで涙を溜めこんでいたため一気に涙腺決壊・・・ある意味、共通一次世代讃歌の映画だったのかもしれませんなぁ。
(2008.5)

僕と未来とブエノスアイレス 2004 アルゼンチン/仏/伊/西
ハピネット・ピクチャーズ=アニープラネット
EL ABRAZO PARTIDO
ストーリー  ブエノスアイレスのオンセ地区にある小さなガレリア(商店街)で母のランジェリーショップを手伝う青年アリエル。現状に未来がないと感じ、祖父母の祖国ポーランドの国籍を取ろうとしていたが、イスラエルに戦争に行ったきり戻ってこなかった父親が突如帰ってきた・・・
監督 ダニエル・ブルマン
出演 ダニエル・エンドレール アドリアーナ・アイゼンベルグ ホルヘ・デリア
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★
コメント  商店街には色んな人が住んでいて、それぞれにドラマがある。人情物語をアリエルのナレーションとともに進めていく。20歳前後の青年が主人公なので、商店街のネットショップにヒロインもいるが、どうやらスポンサーもいて彼よりも年上。というか、セックスフレンドのような関係なのか・・・
 荷車レースとか、商店街での会合とか、人情話は世界共通なんだと思えるエピソード。彼らの商店街はほとんどがユダヤ系であることもあって、割礼などのユダヤネタが多かった。ポーランドへ旅立つ決心をした直後に、父親が突然帰国。右腕を失くしていたことが痛々しかった。
 祖母の話を聞く場面では、ナチに迫害されていたユダヤ人の話。ポーランドには戻りたくない気持ちも伝わってくる。アリエルが生まれる前に母親が浮気したため離婚した両親だったが、戻ってきてからは父親とは和解したようだった。なんだか父エリアスの失われた人生が物悲しいけど、そこが魅力だったのかもしれない。一緒に靴屋へ行こう、と言われて2人仲良く道を歩く姿が妙に残る・・・

2004年ベルリン国際映画祭審査員特別賞・銀熊賞、最優秀男優賞
(2008.2)

僕の彼女はサイボーグ 2008 日本
ギャガ・コミュニケーションズ
ストーリー  一人レストランで誕生日を迎えたジロー。彼の前に突然現れた美女は予測不能の行動でジローを振り回し、去っていった。1年後、再び現れた彼女は1年前の彼女とはどこか違い、未来のジローから彼を守るために送られてきたサイボーグだったのだ。
監督 クァク・ジョエン
出演 綾瀬はるか 小出恵介 桐谷健太
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★ ★★★★★ ★★★ ★★★
コメント  あんた、バカぁ?
 オタクとか、アナログ大学生の雰囲気がよく似合う小出恵介。自分の誕生日には自分でプレゼントを贈るという寂しい大学生ジロー役なのだ。彼が綾波レイのフィギュアを握りしめ、スパゲッティを啜る・・・そこに突如として現われたのは?綾瀬はるかなのか、綾瀬はるななのか、それとも綾波あすかなのか、名前が思い出せなくなっていました・・・(と、こっそりAV女優の名前を入れるな!)。もちろん「あんた、バカぁ?」の一言で思考回路を正常に戻したつもり・・・
 日本映画ではあるけれど、監督・脚本ではクァク・ジョエンを起用。良心的にとらえると、日韓文化交流と感じられるし、ちょっとした風習・文化の違いが滲みでているような気もする。未来から“彼女”が登場するシーンでは『ターミネーター』のパクリに引いてしまうけれど、監督の『猟奇的な彼女』『ラブストーリー』『僕の彼女を紹介します』の要素が全て再利用されている面白さに気づいてニンマリしてしまいました。
 クァク・ジョエンは2003年のゆうばり映画祭でプロデューサーと意気投合してから企画が持ち上がったらしいのですが、そこからは日本映画をかなり観て研究してるんじゃないでしょうか。『最終兵器彼女』とか『パッチギ』とか『日本沈没』とか『スウィングガールズ』とか『サマータイムマシン・ブルース』とか『佐賀のがばいばあちゃん』とか・・・なんだか既視感いっぱい。
 ストーリーはSF純愛モノとでも言うべき斬新さはあるものの、残念なのはタイムパラドクス。60数年後のジローからのメッセージによると、田口浩正に撃たれ重傷を負ったがロトくじで大金を得てサイボーグを作ることができたと言う。しかし、実際にはくじすら買ってないようだったし、ジローが理工系の秀才というわけでもなさそうなのです。“彼女”のおかげで怪我をせずに済んだら別の災いが・・・という発想までは面白かったのに・・・残念。また、時代感覚というか、時代考証がイマイチ。せっかく郡上八幡でノスタルジーを味わっていたのに、宝箱の中身に驚いちゃいました。
 それでも1年前のプロローグを謎のまま残し、途中で“彼女”がいなくなったときに勝手にタイムトラベルしたんじゃないかと想像していると、意外な展開でしめくくる。さすがにラストのシーンは要らないと思ったけど、これが韓流ラブコメらしくて微笑ましいのかもしれません。さらに、VFX、CGの技術は目を見張るものがありました。地震のシーンもそうだけど、綾瀬はるかが首が回ったり、上半身だけになったり・・・最も凄いと感じたのは、立て篭もり犯の落下シーンや空き缶を投げたらヤクザに当たったシーンだったかも。
 

(2008.6)

僕の彼女を知らないとスパイ 2004 韓国
劇場未公開
SPY GIRL
ストーリー  彼女同伴のパーティに誘われた予備校生のゴボン。友人の彼女ナム・ジナを借りる予定がボツ。酔っ払った彼が不良にからまれてたときに黄色いレインコートの女が助けてくれた
監督 パク・ハンジュン
出演 コン・ユ キム・ジョンファ ナム・サンミ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★
コメント  兵役に就きながら彼女のことを回想・・・
 彼女を知らないと北朝鮮のスパイとみなすぞ!という友人の言葉。そのエンジェルを見に行こうとバーガーキングに殺到する予備校生たち。名前はパク・ヒョジン。なんとか彼女とデートしたいゴボンだったが、徴兵令状が届いたのだ。
 一転して、パク・ヒョジンからの視点。
 誰かを待っている。客からちやほやされ、サイトにエンジェルとして顔を晒され、ナム・ジナたちから虐められる。しかもスパイの子とされている・・・・困ったことに彼女は本当にスパイだったのだ。金を横領したキム工作員を探すため・・・取材もされるし、新聞に写真入りで掲載される彼女。しかもタイトルが「彼女を知らないと北朝鮮のスパイ」と・・・
 10日間の猶予でデートに持ち込んだけど、進展はしない。訓練されたスパイの強さを証明したサバイバルゲームやディスコクイーンになったことくらい。ナム・ジナとのケンカや本物のパク・ヒョジンが付回されていたサラ金業者との殴り合い。強くて可愛いエンジェルは目に焼きついてしまいました。
 北朝鮮ネタをコメディにしてしまう力量というか度胸には恐れ入ったが、根底にあるのは南北統一の願い。彼女の歌う歌が哀愁を誘う。韓国人がどう感じるのかも興味深いところだ。それにしても簡単に北から侵入され、キスマークをつけられてしまうなんて・・・

(2007.2)

ぼくの最後の恋人 2005 香港
劇場未公開
千杯不酔
ストーリー カフェを開くことを夢見るビールメーカーのコンパニオン、シウマンと、経営不振で破産寸前のフレンチレストランのオーナーシェフ、マイケル。ひょんなことから二人はカフェ&レストランを共同経営することになり…
監督 イー・トンシン
出演 ダニエル・ウー ミリアム・ヨン アレックス・フォン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★
コメント  酔ったときの「愛してる」は信用できない。なんだか当たり前のことを言ってるだけのようなラブコメだけど、男の身勝手な理想を大切にするかしないかで意見が分かれそうな映画。
 酔っぱらって介抱したことが縁で、借金を帳消しにしてシウマンが昼のカフェ、マイケルが夜の部を経営することになった。同居することにもなったので、あっという間に肉体関係も・・・だけど、ビジネスと恋愛は両立しねーだろ!なんて思ったけど、40カ国を放浪した経歴のマイケルにはなんだかロマンも感じてしまう。資金ができればまた放浪を。そんなときに訪れた高級レストランを手広く経営するチャオから引き抜き話。しかし、酔っぱらうととんでもない強欲ババァぶりが発揮されるのだ・・・
 原題通り、酔っぱらうことがテーマ。酒豪のシウマンと酒に弱いが飲んでばかりのマイケル。そして強欲なチャオ。一旦別れを感じさせるが、最後のプロポーズには酔った振りして無謀運転。読める展開だけど感動的かも〜
(2008.7)

僕のピアノコンチェルト 2006 スイス
東京テアトル
VITUS
ストーリー  神童と言われるほどIQが高い少年ヴィトス。母親ヘレンはピアニストの道に進めようとするが・・・
監督 フレディ・M・ムーラー
出演 テオ・ゲオルギュー ブルーノ・ガンツ ジェリカ・ジェンキンス
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★ ★★★★ ★★★
コメント  父親は補聴器メーカーに発明品を売り込んで将来のCEOとして有望だ。家も裕福、天才ヴィトスは天才であるがゆえに何になりたいか悩み続ける。12歳のとき、高校卒業試験を受けるようにも説得されるが、お祖父さん(ガンツ)の「決心がつかないときには大切な物を捨てろ」とアドバイスを受ける。彼の大切な人力飛行機の翼を捨て2階から落下したときから、普通の少年に戻ったのだ・・・
 しかしヴィトスは天才。才能を隠し、普通の少年のフリをしていたのだ。やがて補聴器会社も株の暴落、経営の危機に陥ったが、それを契機にヴィトスはお祖父さんと組んで株の投資で大儲け。さっぱりわけがわからないストーリーに陥った。CDショップでかつてのベビーシッターのイザベルと再会。幼心に「結婚相手が決まった」という台詞が現実に??
 天才たるがゆえの苦悩や天才を育てなければならない両親の葛藤、ヴィトスの立場になってみれば納得はいくけど、単なる成功物語としか思えない。会社がアメリカ企業に買収されそうになったから、逆に投資会社を作って買収してしまうという話を12歳の少年が演じるんだからばかばかしいとしか言えない。
 結局、音楽の素晴らしさを描くより、天才ぶり(特に数学や株式で)を描いたにすぎない。音楽映画を期待してるとガッカリしてしまうけど、ゲオルギュー君が本当に弾いてるピアノは素晴らしいものだし、ブルーノ・ガンツの名演にはやられてしまう・・・そして、神童と呼ばれる子を持つ親にとっては必見なのかもしれない。
(2008.10)

僕はラジオ 2003 アメリカ
SPE
RADIO
ストーリー  1976年、サウスカロライナ州アンダーソン。ハナ高校のアメフトコーチ・ジョーンズ(ハリス)は練習場をうろつく知的障害をもった黒人青年が気になっていた。チームの生徒が彼を痛めつけたことがきっかけで、練習の手伝いを頼むことになるのだが・・・
監督 マイク・トーリン
出演 キューバ・グッディング・JR エド・ハリス アルフレ・ウッダード
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  線路の上でショッピングカートをひきずる青年。道路では車の代わりだ。誰にも迷惑をかけずに学校の周りをうろついている・・・がボールを返さなかったことで腹を立てた部員たちが部室に閉じ込めてしまったのだ・・・まぁ、それほどの事件ではなかったが・・・
 手伝いといってもチアリーダーに混じって応援とか、マスコット的存在のラジオ。試合の邪魔になるような行為もあって、最初のシーズンはイエロージャケッツもたいした成績を上げられなかった。その後ハロルド・ジョーンズは高校の授業をも受けさせる。
 クリスマス、町の人からプレゼントをいっぱいもらったラジオ。新入りの警官が逮捕してしまうという小さな事件も起きた。そそのかされて女子更衣室に入ってしまうという事件も・・・
 黒人で障害者。単なる慈善行為とは思えない。心から何かをしてあげなきゃという気持ち、何もやらないで後悔するよりはずっといいという小さな心から。そして、試合に勝つことだけを生きがいとしていたコーチも、「勝つこと以上に大切なことがある」という考えに変わる。町の人が皆いい人になる様子もよくわかる・・・まぁ、平和な町だから出来たことだと思うけど。
 ずっと高校で授業を受けさせるということが突飛ではあったけど、こんなことも許される心の広さに感動です。もちろんエド・ハリスの優しい目、デヴラ・ウィンガーの凛とした態度、他人のことでも涙する純粋な娘役サラ・ドリューに泣かされた。障害者役のキューバ・グッディングはもちろんアカデミー俳優の上手さが光ってます。
 「金色の髪の少女」や「アメリカンバンド」「チャイナグローブ」70年代のポップス・ロックが心地よい。

(2007.9)

誇り高き戦場 1967 アメリカ
UNI
COUNTERPOINT
ストーリー  1944年、解放されたベルギーを訪れていた慰問オーケストラがドイツ軍の捕虜となってしまう。ルクセンブルグの司令部へと移送され、音楽好きの将軍が彼らに演奏させようとするのだが・・・
監督 ラルフ・ネルソン
出演 チャールトン・ヘストン マクシミリアン・シェル キャサリン・ヘイズ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★
コメント  捕虜と名誉。う〜む、最終的にはそんなイメージだけど、楽団員のほうも命より楽器や演奏が大事なんだな。
 脱走ということがメインとなって、そりゃ無理だろというリアル感の欠如が集中力を欠く。
(2008.7)



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