ホタル | 2001 日本 東映 |
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ストーリー | 桜島を臨む漁港。妻友子と静かに暮らす山岡は時代が平成と変わったとき、青森の冬山で藤枝という男が亡くなったことを知る。彼は山岡と同じく特攻隊の生き残りだったのだ・・・ | |||
監督 | 降旗康男 | |||
出演 | 高倉健 | 田中裕子 | 夏八木勲 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
コメント | 前半は山岡のおかげで特攻機を引き返し生還した藤枝との物語。井川比佐志の手紙の内容が悲しい。生き残った者の辛さがここでも感じられる。生きる目的を失ったしまった後でも、毎年山岡にリンゴを送って、その礼を受け取るときに生きがいを感じたという。 朝鮮人であることを知りながら金山少尉を愛していた友子。大日本帝国のために死にに行くのではない!朝鮮民族の誇りのため、友子のため死にに行く・・・その友子(田中)と長年連れ添ってきた山岡(高倉)。富屋食堂の山本富子(奈良岡)さんが預かっていた遺品(祭りのお面)を遺族に届けるため、夫婦は釜山に向かう。 韓国で遺族に会ったとき、山岡夫妻は家族たちに罵倒される。韓国の母親は息子の手紙を受け取っていて、彼らの申し出を受け入れてくれた。墓参りをする二人。冬だというのにホタルが1匹。金山の生まれ変わり・・・最後に韓国に来れてよかったと思える静かなシーンが印象的。 山岡友子は14年前から腎臓を患っており、人工透析が欠かせないつらい日々。人生の終焉も近い夫婦の旅路といった映画。地味な映画ではあるけど、昭和天皇の崩御を機会に特攻隊を忘れてはならない思い。反戦の祈りも感じ、韓国の反日感情もわかりやすく描かれていた。 たった一つの命を捧げること。生き残った者が伝えたいこと。命の尊さをホタルに託し、残された者たちに平和でいてほしいという静かな願いが感じられる。 2001年日本アカデミー賞作品賞、主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、監督賞、脚本賞、音楽賞、撮影賞、照明賞、美術賞、録音賞、編集賞ノミネート 2001年ブルーリボン賞助演女優賞(奈良岡朋子) (2007.9)
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北極のナヌー | 2007 アメリカ 松竹 ARCTIC TALE |
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ストーリー | 北極で10年以上にわたって撮影された貴重な映像。地球温暖化の影響で北極の氷が溶けつつある悪環境のなか、白くまの子ども“ナヌー”とセイウチの子ども“シーラ”を中心に懸命に生きていく彼ら動物の世界を描く・・・ | |||
監督 | アダム・ラヴェッチ サラ・ロバートソン | |||
出演 | 稲垣吾郎 | ナヌー | シーラ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ | なし | ★★★★ |
コメント | 「なぬー!」というギャグは誰が使ってたっけ・・・ 10年以上にわたって北極の動物たちの生態を追ったドキュメンタリー。“ナヌー”と名付けられた白くまの子どもと“シーラ”と名付けられたセイウチの子どもを中心に、温暖化の影響で過酷な自然環境を生きる彼らの姿を映し出している作品です。 まずは白くまの生態。果てしなく続く大氷原にポツリとあいた穴から顔を出す母熊と小熊2匹。冬眠から目覚め、お姉さんのナヌーと弟熊(ということは性別も調べたってことですね)に狩りを教えるためにエサを求めて旅立つのです。氷に穴を開け、アザラシを捕る。成功率は1/20だという。なかなかうまくいかないけど、1匹食べてしまえば、しばらくは大丈夫のようでした。その後の絶食というのもきつそうです・・・ 一方、セイウチは群れで行動する。子どもは貴重な存在であり、仲間全体で子どもを守るというのが特徴。でかい図体でごろんと寝転がってる姿を見ると、平和そうだけど、彼らにも危険はいっぱい。それでもエサの貝を食べたら、ぶーぶーオナラ(?)して満足そう・・・ホンジャマカの石塚を思い出してしまう・・・あ、ナヌーは石塚だったのか・・・ 白くまの主な狩場は氷の上。それが温暖化の影響で溶ける時期が年々早まってきているらしい。つまりエサを捕れる時期が短くなり、彼らが生き抜くこと自体困難になっているのだ。セイウチだって、氷がなくなれば休む場所がなくなる・・・どの動物も生きることが困難になっているらしいのです。 個人的には白くまのお供をするホッキョクギツネが好きだ!コバンザメのようにおこぼれを求めるという、陸上の動物でもこんな特殊な生き方もあるんだな〜と思いつつ、別れのシーンでは涙がこぼれ落ちました(弟のエピソードよりもこちらのほうが泣けた)。 エンドロール時には、メイキング映像も紹介され、意外と接近して撮っていたんだとわかります。白くまを撮影するとき、怖くなかったのかなぁ・・・と子ども目線にもなってしまいました(公式ページに詳細有り)。それにしても温暖化の問題は深刻のようですねぇ。 (2007.10)
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墨攻 | 2006 中国/日本/香港/韓国 キュービカル・エンタテインメント=松竹 A BATTLE OF WITS |
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ストーリー | 紀元前370年頃の中国。7つの国で成り立ち戦乱の世となっていた。軍勢10万を誇る趙に攻め入れられそうになった4千人の小国の梁は平和を説く墨家を援軍を頼むが、やってきたのは1人だった・・・ | |||
監督 | ジェイコブ・チャン | |||
出演 | アンディ・ラウ | アン・ソンギ | ファン・ビンビン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ |
コメント | ヤケクソもこれ兵法の一つ也。 宣伝文句にある「10万の敵にたった1人で挑む。」は釣りなのかもしれませんが、それ以上の収穫がありました。中国戦乱の時代に“非攻”を唱える墨家という集団があり、大国・趙によって落城間近と思われた小国・梁が彼らに援軍を求めたというオープニング。日本にも“墨守”という言葉が存在するほど、守りに徹する思想なのですが、援軍としてやってきたのは革離(アンディ・ラウ)たった1人。しかし、梁国の人間も次第に彼を信用するようになるというストーリーです。 ヒロインとして登場するのが「ベルばら」でいうとオスカルのような女剣士逸悦(ファン・ビンビン)。なんと、そのヒロインにも糞を撒かせる主人公革離。オスカルに糞を・・・なんて妄想していたら、これが意外にも防戦に役立ってしまうし、敵に毒水を川に流されても当然のことのように読み取ってしまう戦略家でもあったのです。何しろ趙の軍勢は10万なのですから、どうやってこれを防ぐのか?と、前半は奇想天外な作戦が見所になっています。 対する趙国の大軍を率いるのは巷淹中(アン・ソンギ)。本来ならば北方の大国・燕を攻めるのが大儀でもあり、ちょうど国境沿いに存在する梁が邪魔だったわけです。「こんな小国、さっさとかたづけて燕へ行こうぜ」というおごり高ぶりのせいで革離の策にことごとくはまっていきます。撤退を余儀なくされた巷淹中。しばらく休戦かと思わせておいて、更なる奇策で梁を攻めようとはりきるものの、革離だって負けてはいない。頭脳戦の様相を呈してきたり、相手の偵察を敢行して危機に陥ったり・・・息もつかせぬほど展開が激しくなるのです。 壮大な戦闘シーンもさることながら、やがて梁国内での疑心暗鬼や裏切りなど、王や腹心と革離たちとの人間関係が悪化するドロドロ政変ドラマへと変貌します。墨守に徹して自国を守ることが目的だったのに、いずれは大国主義に成り行く醜い心が浮き彫りにされる。「愛するものを間違ってる」という言葉通り、革離よりも権力を握っている者がそれを間違ったらとんでもないことになることは、そのまま現代の世界にも当てはまる。平和を愛する革離にしたって、「敵をいっぱい殺す」という方針が間違っていたと苦悩するところがいい。敵だって人間なんだ。むやみに殺していいわけがない。 防衛庁が防衛省になり、専守防衛であるはずの自衛権の概念さえ変えられようとしているきな臭い日本。他国を侵略しないための拠り所である憲法第9条まで変えようとする動きのある日本。そんな現状だからこそ、2千年以上も前にこうした思想があったことを研究すれば、人を傷つけずに平和になる可能性があることも知らねばならないと思う。人を殺さずに墨守することの明確な答えはなかったけれど、そうしたヒントをこの映画は与えてくれる。しかも、日本の原作で3カ国4地域による合作の映画だということも意義あることです。“非攻”と“兼愛”が平和のための永遠のテーマでありますように・・・ アンディ・ラウ 革離(かくり) アン・ソンギ 巷淹中(こうえんちゅう) ワン・チーウェン 梁王(りょうおう) ファン・ビンビン 逸悦(いつえつ) ウー・チーロン 子団(しだん) チェ・シウォン 梁適(りょうてき) (2007.2)
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ホット・ロック | 1971 アメリカ FOX THE HOT ROCK |
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ストーリー | 出所したジョン・トードマンダーは中央バタウィ国大使の依頼により“サハラの石”を奪還するため仲間とともに美術館に乗り込む。自動車事故の陽動作戦で上手くいったと思われたが、仲間が捕まり宝石を飲み込んでしまったため、今度は刑務所に侵入し・・・ | |||
監督 | ピーター・イエーツ | |||
出演 | ロバート・レッドフォード | ジョージ・シーガル | ロン・リープマン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | 4人の仲間。展示されてるケースの錠前はなんとか開いたが、ショーケースの中に閉じ込められたり、なにかとドジが多い。かなり笑える。 まずは博物館、そしてアラン(ポール・サンド)を救出するため刑務所。で、アランは刑務所内に隠すのは危険だと思い、警察署最上階の留置所に隠したというのだ。ヘリを使って刑務所に侵入。またもや爆弾を使い陽動作戦だ。しかし、隠し場所には無かった・・・弁護士でもあるアランの父親が宝石を奪って銀行貸金庫に隠したのだ。そして次は銀行・・・ 最後の必殺技は催眠術。「アフガニスタン・バナナスタンド」というわけのわからない言葉で銀行員に金庫を開けさせるという作戦。結局はアランの父親(ゼロ・モステル)が一番悪い奴だったような感じ。 1972年アカデミー賞編集賞ノミネート (2008.11)
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ボディ・ダブル | 1984 アメリカ COL BODY DOUBLE |
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ストーリー | ハリウッドの豪邸に住む美女を覗き見していた売れない役者ジェイク。彼女の周囲に奇妙な男が出現したため、彼女を尾行し、助けようとするのだが・・・ | |||
監督 | ブライアン・デ・パルマ | |||
出演 | クレイグ・ワッソン | メラニー・グリフィス | グレッグ・ヘンリー | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | 安っぽい吸血鬼映画に出演していたジェイク。棺桶に入ってるとそのまま気絶してしまうほどの閉所恐怖症。同棲していた恋人が他の男とセックスしている現場に遭遇し、失意のままオーディションを受ける。同じく売れない役者のサム(ヘンリー)が留守番を頼まれてる豪邸にしばらく住むことになったが、覗き見できるご褒美つき・・・ 追いかけて追いかけて、ホテルのエレベータで隣合わせになったりし、海岸近くのトンネルでバッグを盗んだ男に逃げられ息切れしてしまう・・・そしてキスをする二人・・・ その夜、再び望遠鏡で覗き見すると、男が彼女を襲うシーンに遭遇。見事に目撃者にさせられた。 グロリア(デボラ・シェルトン)が殺され、またもや失意のジェイク。ぼんやりとTVでポルノを見てたら、覗き見してた部屋のグロリアそっくりの腰の動き。「ホリーのハリウッド」というビデオを借り、オーディションを受けたりとホリー(グリフィス)に近づくのであった・・・そして、彼女が男に頼まれて演技したことまでつきとめるが・・・ 円盤状の屋敷も印象に残るし、覗き見されていた豪邸も他の映画で見たことがあるような。とにかく、デ・パルマの敬愛するヒッチコックの『裏窓』と『めまい』をモチーフにしたミステリー。穴だらけのストーリーなんだけど、ヒッチコックのオマージュがなんとなく楽しい。 そして、クライマックスで穴に埋められるときに夢オチかと思わせるような最初の棺桶シーンへの挿入。それが見事な切り替えとなる快感。そして、演技にも一皮むけたのか、同じ映画に復帰したり・・・さらにはエンドロール時の映像がそのままボディ・ダブルの説明的なシーンとなっているのが面白い。おっぱいやエロシーンが多すぎな映画なのもしょうがないか(笑) 1984年ゴールデングローブ賞助演女優賞(グリフィス)ノミネート 1984年ラジー賞監督賞ノミネート 1985年アボリアッツ・ファンタスティック映画祭参加 (2008.12)
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