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プラクティカル・マジック 1998 アメリカ
ワーナー
PRACTICAL MAGIC
ストーリー  両親を亡くし、叔母たちと暮らすサリーとジリアンの姉妹は先祖代々受け継いだ魔力を持っていた。しかし、オーウェンズ家の彼女たちを愛した男は早死にしてしまうという欠点もあった・・・
監督 グリフィン・ダン
出演 サンドラ・ブロック ニコール・キッドマン ストッカード・チャニング
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★ ★★★★ ★★ ★★
コメント  祖先のマリアは死刑になっても死ねなかった。当然かもしれない。
 成人したジリアン(キッドマン)は男と駆け落ち。町の人たちは皆彼女たちを避けている。そんな中でもサリー(ブロック)は結婚し二人の子供を設ける。しかし、魔女の呪いは解けないのか、死を告げる虫が現れてサリーの夫は死んでしまう。
 そしてジリアンが家に戻ってすぐに彼女のボーイフレンドを死なせてしまう・・・なんというブラック。しかし刑事が登場してからはつまらなくなってしまった。ゾンビのようだし・・・
 ラストの一族が黒衣で集まるところは素敵だったけけど・・・
cf.『奥様は魔女
(2006.3)

ブラック・セプテンバー/五輪テロの真実 1999 スイス/ドイツ/イギリス
劇場未公開
ONE DAY IN SEPTEMBER
ストーリー  1972年9月5日未明。ミュンヘンオリンピックの開催中、パレスチナのテロリストはイスラエル選手団宿舎を襲撃。その場で2名を殺害、9名を人質にとってパレスチナ人政治犯236名の釈放を求めた。
監督 ケヴィン・マクドナルド
出演 マイケル・ダグラス(ナレーション) ジャマール・アル・ガーシー(犯人の一人) スピッツ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ 評価を控える ★★★★ 評価を控える ★★★★
コメント  ナチの生誕地ドイツで開催されるオリンピックに参加したイスラエルはそれだけで歴史的なことだった。ドイツにとっても過去の贖罪のため微妙な態度。複雑な法律のためにドイツとしては軍隊を出動できなかったし、何にせよユダヤ人を見殺しにすることができないので交渉にも慎重だった。
 イスラエルとしては人質の生命をあきらめていた雰囲気もあり、強気の姿勢。12時までの期限を延長した後は、選手団に扮装した警官隊のライブ映像が生々しい。そしてIOCが競技を続けたい意向を示し、レッド・ツェッペリンの「移民の歌」をバックに競技映像が流れる。
 テロリストは4.5人だろうと踏んでいたドイツ当局だったが、飛行場に運ぶときに確認したのは8人だった。対する狙撃手は5人。不手際の連続で人質は全て死亡という最悪の事態へ・・・
 残った3人のテロリストを解放した茶番と言われるハイジャックの後日談。3人のうち2人が暗殺される(『ミュンヘン』にも詳しい)。生き残りの犯人ジャマールが語るという貴重な映画でもあった。

1999年アカデミー賞ドキュメンタリー長編賞
(2006.3)

不倫の残り香 2001 アメリカ/フランス/オーストラリア
劇場未公開
TEMPTED
ストーリー  頭に腫瘍が見つかり身辺整理を考えていた男ルブランが、若い男を雇って妻を誘惑させること計画する。報酬は5万ドルだ。
監督 ビル・ベネット
出演 バート・レイノルズ サフロン・バロウズ ピーター・ファシネリ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★★★ ★★★ ★★★ ★★★
コメント  ブラッド・ピットの名前が何度か出てくる。ゲイにとってのいい男の代名詞なのかと思うくらいだ。双方で準備万端で不倫を仕掛けるのだが、最初は失敗。ロースクールの苦学生。真面目そうだ・・・
 友人が知事の息子を誤って殺してしまったり、社長秘書が不倫計画をチクってしまったりと、計画は失敗になるかと思われた。それでもなんとかベッドインするが、寝た証拠に体につけられたマークを調べるのを忘れてしまった。
 探偵がしっかり隔し撮りしてたのに、「寝てない」と嘘をつく学生。襲撃して夫を殺すという逆の計画。友人の死。法学部の学生だから正当防衛やら殺人教唆など、意外な心理戦が楽しめる。そして逆に夫を殺してしまおうと計画する妻と探偵。探偵が女に惚れてしまうのはいいけど、それならビデオテープを隠しておけよ・・・と言いたくもなる。
(2006.3)

故郷 1999 日本
東映
ストーリー  沖縄の名物ばあちゃん南風原時子はいつも出場していたマラソンに姿を見せなかった。友人が突如亡くなり、一大決心をして鹿児島から北海道まで一人で走り抜く計画を立てたのだった・・・
監督 向井寛
出演 淡島千景 尾美としのり 三井ゆり子
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★★ ★★★ ★★ ★★
コメント  おばあちゃんのマラソンという風変わりなロードムービー。
 まずは鹿児島知覧。特攻隊で戦死した兄の慰霊碑を訪れ、偶然にも特攻隊長である大滝秀治に出会う。軍歌「海行かば」が堂々と流れる・・・最初はもしや右翼の映画ではないのかと思ったほどだ。途中、偶然気付いたテレビカメラマン尾美としのりが彼女の姿をドキュメンタリーに収めたいと急遽追っかけはじめる。やがてマラソンファンが共に走り、彼女をしきりに応援しはじめるといった展開だ。
 各県を回り、観光地を巡る気分で楽しめるが、彼女の目的、目的地が徐々に明かされ、実は1940年の幻の東京オリンピックの強化選手だったことも判明する。満州で一緒だった女性も登場したり、孫娘とカメラマンが仲良くなったりと色々盛りこんであるものの、最終地点の納沙布岬に着いたときには「あそこが私の生まれ故郷よ」というわざとらしいエンディングを迎えるのです。
 鈴木宗男逮捕の事実さえなければ素直に感動できたのかもしれないですけど、海の向こうにはムネオハウスがあると思うと不思議な虚しさにも襲われます。それでも途中に靖国を訪れなかったことには安心しました。
(2006.3)

プルーフ・オブ・マイ・ライフ 2005 アメリカ
ギャガ・コミュニケーションズ
PROOF
ストーリー  父親譲りの数学の才能を発揮するキャサリンだったが、父は1週間前に他界。父の弟子であるハルがやってきて遺品であるノートを持ち去ろうとして一悶着あったが、やがて2人は恋仲に・・・そしてキャサリンは誰も為し得なかった証明を「自分が解いた」と言うのだった・・・
監督 ジョン・マッデン
出演 グウィネス・パルトロー アンソニー・ホプキンス ジェイク・ギレンホール
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★ ★★ ★★★★ ★★
コメント  「虚数」imaginary numberが伏線となっているような気がした。父親アンソニー・ホプキンスが登場するのも夢なのか過去の回想なのか幽霊なのかさっぱりわからないまま、物語が進み、やがて夢ごこちにさせられた。
 数学というより、まるで文学のような扱いを受けている“証明”。その内容を舞台や映画にすることが難しいのはわかるが、台詞・字幕がなかったら文学のように思えたかもしれない。『ビューティフル・マインド』でもそうだけど、なぜ数学者は精神的に追い詰められるのか。自分がこの証明を解いたのだと妄想のように思えたが、結局はわからない。父の時代にはなかった計算方法があったようだけど、実感がわかなかった・・・俳優に頼りすぎの映画のような気もする。
(2006.4)

ブレイブ 1997 アメリカ
ギャガ
THE BRAVE
ストーリー  アメリカの片田舎で生活する刑務所帰りのラファイエル。職探しもままならない現実の中、スナッフ・ムービーに出演することを決意する。
監督 ジョニー・デップ
出演 ジョニー・デップ マーロン・ブランド マーシャル・ベル
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★ ★★★★ ★★★ ★★★
コメント  荒廃した砂漠にある町。金のためとはいえ、「君の命をくれ」と言われてもなぁ・・・
 金をもらったおかげで何でも買って近所の人からは不審に思われ、神父には告白。徐々に死を覚悟する姿が痛々しい。息子を連れ去られて、男の耳を食いちぎって絞め殺すシーンはぞっとする。
スナッフ・ムービー(実際に人を殺す映画)

1997年カンヌ国際映画祭コンペ
(2006.3)

フレンチ・コネクション 1971 アメリカ
FOX
THE FRENCH CONNECTION
ストーリー  マルセイユとニューヨークを結ぶ麻薬ルート“フレンチ・コネクション”をポパイの愛称のドイル刑事が活躍する。
監督 ウィリアム・フリードキン
出演 ジーン・ハックマン ロイ・シャイダー フェルナンド・レイ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★★ ★★★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  ジーン・ハックマン時々ポパイに見えるから不思議だ。女を抱いても刑事とバレないように足首に拳銃を隠す男。しかし、小娘には足首に手錠をされだらしのない格好を見せる。
 麻薬売人のサル・ボカに狙いを定め、大量に取り引きが行なわれるとの情報を得て、ライバル刑事も捜査に参加させる。仲間が事故を装って殺されたりして血みどろの抗争が起こる予感。そして、ポパイがヒゲの男(フェルナンド・レイ)を尾行する地下鉄駅のシーンからがスリル満点になる。何度も乗ったり降りたりして巻かれてしまうが、やがて殺し屋に命を狙われる。その殺し屋が電車に乗り、ポパイは車で追跡のチェイス。編集によってカット割り効果満点。ここは何度観てもチビリそうになるくらいだ。
 アクションシーンと編集によってアカデミー賞作品賞をとったのは珍しいんじゃないか?と思えるほど。直球勝負だけど、ラストにはヒゲのシャルニエに逃げられるという虚しさ。ちょっと余韻が残ってしまう・・・

1971年アカデミー賞作品賞、主演男優賞、監督賞、脚色賞、編集賞
同助演男優賞、撮影賞、音響賞ノミネート
1971年ゴールデングローブ賞作品賞、男優賞、監督賞
その他
続編『フレンチ・コネクション2』でシャルニエが!
(2006.3)

ブロークバック・マウンテン 2005 アメリカ
ワイズポリシー
BROKEBACK MOUNTAIN
ストーリー  1963年、ワイオミング州。季節労働者としてアギーレに雇われた二人、ジャック・ツイストとイニス・デルマー。2人はテント生活を通して愛を育むが、翌年イニスは現れなかった。
監督 アン・リー
出演 ヒース・レジャー ジェイク・ギレンホール ミシェル・ウィリアムズ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★ ★★★★★ ★★★★★ ★★★★
コメント  たまってるのなら羊を・・・って昔の小噺だなぁ・・・
 牧場主アギーレを演じたランディ・クエイドは言わずと知れたデニス・クエイドの兄である。その弟デニスは『エデンより彼方へ』(2002)でジュリアン・ムーアと結婚して幸せな家庭を築いているにも拘わらず男と浮気していたのです。この映画を観た兄は「よからぬことをしおって・・・」と怒り震えたに違いない!ヒース・レジャーとジェイク・ギレンホールの仲睦まじき戯れにショックを受けるシーンでは、弟デニス・クエイドの男とのラブシーンが重なって見えたことでしょう。もちろんミシェル・ウィリアムズの演技は、『エデンより彼方へ』での夫の浮気を知ったジュリアン・ムーアの演技と重なって見えました。
 ゲイの映画という理由で様々なバッシングを受けたりしている映画ですが、2人とも根っからのゲイというわけではなく、たまたま好きになったのが男だっただけのような気がしてなりません。「1回限りだぞ!」という特殊環境の中での出来事から始まり、20年間で数えるくらいしか会えなかった2人。タバコ、ウィスキー、殴り合い、表面的には普通の男としか見えないし、密会だって隠れてこそこそと・・・誰に迷惑をかけるでもなく、普通に生活をしている2人。お互い妻子ある身でもあったし、異性との浮気ならば2人の関係にヒビが入ることもない。純粋な男同士の友情に肉体関係がプラスされただけのこと・・・
 この映画の優れているのはゲイだけがテーマではなかったことでしょう。過去に目撃したゲイの拷問による死によって差別による人間の残虐性。貧しくてもたくましく生きていこうとする人間をも描き、金儲けだけが全てではないことも訴えている。また、夫婦の絆が弱いためか、親子の絆が終始クローズアップされていました。さらに注意深く見ると、2人の関係をどこまで知っていて、知っているのに許容するのか、全く知らないのか、台詞と表情から愛情の深さを計り知るのも面白いと思います(ちなみに、よくわかっていません)。
 俳優の演技は皆素晴らしかったのですが、特にミシェル・ウィリアムズが良かったです。今後も必ず賞レースに絡んでくることでしょう。もちろん、アン・ハサウェイの大胆演技もgood!そして、最も目立っていたのは“山”でした・・・

2005年アカデミー賞監督賞、脚色賞、作曲賞
同主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞、撮影賞ノミネート
その他いっぱいありすぎて・・・
(2006.3)

プロデューサーズ 2005 アメリカ
SPE
THE PRODUCERS
ストーリー  1968年の『プロデューサーズ』のリメイク。
監督 スーザン・ストローマン
出演 ネイサン・レイン マシュー・ブロデリック ユマ・サーマン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  エンドロールが終わるまでじっくり楽しめます。最後に脚本のメル・ブルックスまでちゃっかり登場♪
 ウィル・フェレルも『奥さまは魔女』では酷評されましたが、この映画ではすっかりハマリ役。ユマ・サーマンだってわけのわからないセクシー女優兼秘書を演じていましたが、オリジナルの女優さんだってかなり風変わりな雰囲気だったし、よかったと思います。ほとんどがオリジナルをリスペクトした忠実なリメイクでしたけど、メル・ブルックス本人が書き下ろした曲が中心のミュージカルとなったおかげで違った良さがありました。
 ずっとわからないことなのですが、「最低の脚本を選ぼう」ということになり「ヒットラーの春」という脚本に目をつけたまではいいけど、前作で酷評されたプロデューサーだし、タイトルがタイトルだし、明らかに駄作と予想できる演劇を観にくる客がいるのかと心配してしまいます。ブロードウェイについては無知なためかもしれませんが、初日はレビューのための批評家が多いということなのでしょうかね〜。
 平凡な評価しか用意しなかったのですが、エンディングの歌で大爆笑してしまいまして、ポイントアップしました。

2005年ゴールデングローブ賞作品賞、男優賞、助演男優賞、歌曲賞ノミネート
2005年放送映画批評家協会賞サウンドトラック賞、コメディ賞ノミネート
(2006.3)

プロフェッショナル 1966 アメリカ
COL
THE PROFESSIONALS
ストーリー  1917年、メキシコ革命の最中。油田主のグラント(ラルフ・ベラミ)は妻マリア(Cカルディナーレ)を革命派リーダーであるラザ(ジャック・パランス)に誘拐されてしまう。彼は妻奪還のために戦いのエキスパートを集めた・・・
監督 リチャード・ブルックス
出演 バート・ランカスター リー・マーヴィン ロバート・ライアン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★★
コメント  元革命家で射撃の名手リコ(マーヴィン)、馬の専門家ハンス(ライアン)、ナイフと弓のプロである黒人ジェイク(ウディ・ストロード)に頼むが、リコはもう一人を望む。それはダイナマイトの専門家だが刑務所に入っている・・・ビル(ランカスター)だった。
 メキシコ国境近くで早速敵のおでましだ。旅人かもしれないけど、「帽子を右手の上に持ってきたら撃て」「ニトロの水滴が付いたら使い物にならない」などと細かいところもカッコいい。逃走経路にも爆薬を仕掛け、プロらしいところ。「あのラザが身代金だって?」と古くから知ってそうなところもワクワクさせるところだ。
 途中、列車を襲ったりするラザの一味。こいつら悪人やな〜などと思って観ていると、隠れ家ではラザとマリアが仲がいい。簡単に連れ出し、仕事も簡単に終わるかと思っていたが、マリアが逃げ出そうとする。そう、リコもビルも元革命軍兵士だったのだ。マリアの話にも共感でき、ラザを殺さなかったのも理解できる。
 革命とは善と悪の戦い。問題なのはどちらが悪なのか・・・といった台詞にも、雇い主グラントが悪だと訴えてくる内容。最初は単なる大金持ちのじいさんに頼まれることがつまらないと感じていただけに俄然面白くなってくる。しかし彼等はプロフェッショナル。金のためにマリアをグラントに渡すのが最大の仕事なのだ。「金のために死ぬのはばからしい」というラザの言葉。革命という大義のために命をかける男達。ちょっと変わった西部劇っていいですね〜
 ビルとラザがかつては親友だったというのに、マリアとの関係を知らなかった?という点だけは矛盾を感じるが、ラストの爽やかな終わり方にまいった!「誘拐したやつからマリアを連れ戻す」って台詞で、プロフェッショナルの名はしっかり守ってるところが偉い!

1966年アカデミー賞監督賞、脚色賞、撮影賞ノミネート
(2006.3)



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