双子 | 2005 香港 劇場未公開 TWINS |
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ストーリー | 個性的な人間が投宿しているゲストハウス。ある日、双子の妹内田浅を探しているという日本人・内田澪が現れる。 | |||
監督 | フォン・ユン・マン | |||
出演 | しらたひさこ | トニー・ホー | エミリー・クワン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★ | ★★★ | ★★★ | ★★ |
コメント | なんの説明もなく他の宿泊客が怖がっている映像が続く。双子というタイトル、まるで死人が現れたかのような驚き。そして一人の男がビルから転落死。 刑事がやってきて調査する。内田澪は妹とテレパシーで通じ合ってると言う。しかし、屋上に落ちていたイアリングと同じモノを澪が付けているのだ。疑念を持ちつつ、何も解き明かさぬまま事態は進む。彼女の恨みによって次々と死ぬ住人。何の恨みかもさっぱりわからない・・・ 最後にはなぜこうなったのかと明かされるが、ちょっとだるい展開だ。トニー・スコットの映画のようにフィルムが粗く編集され、凝った作品ではあるが怖くもなんともない・・・ 実は双子ではなく、一人だったということは予想されたけど、エンディングもなかなかよかった (2007.2)
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ブタがいた教室 | 2008 日本 日活 |
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ストーリー | 1990年に大阪の小学校で実際に行われ賛否両論を巻き起こした授業を映画化。 | |||
監督 | 前田哲 | |||
出演 | 妻夫木聡 | 大杉漣 | 田畑智子 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ |
コメント | 手塚治虫の『ブッダ』を読ませれば答えに近づけるかもしれない・・・ 6年2組の担任となった新米教師星(妻夫木聡)が、「1年間クラスでブタを育てて最後にみんなで食べよう」という大胆な計画を生徒たちに発表した。1990年に大阪の小学校で実際に行われた実践教育。当然のことながら賛否両論を引き起こし、大反響となった事実の映画化だそうだ。ドキュメンタリーも見たくなった・・・ “命”や“食のありがたさ”を考える教育を打ち出した若き教師であったが、生徒たちがブタに“Pちゃん”と名前を付けたことから事態は変わる。ペットとして愛着がわき、食べるなんてとんでもない!食べるためには殺さなくてはならないのだし、残酷・・・豚肉を食べることができなくなるとか、トラウマとなり子供たちのためにもならない等々、批判は想像以上に大きいものだった。 「食べる」「食べない」という究極の選択を生徒たちに議論させ、生徒たちに結論づけさせようとする先生。しかし、答えは永久に見つかりそうもない・・・クラスの人数26人の意見は真っ二つに割れてしまったのだ。他の先生たちが最終的には教師が判断するべきだと進言し、星先生が最後の一票を投じることになるのだが・・・ 6年生という子供たちには白紙の脚本が渡されていたため、彼らの議論は純粋で真摯で、そして白熱する。「Pちゃんだってクラスの一員なんだし、食べるなんてできるはずがない!」「育てたのは僕らなんだから最後まで責任持たなくちゃならない!」。肯定派・否定派とも大粒の涙を流し、映画を観ている大人ですら心を揺さぶられるのです。 こうした特殊な課外授業を完全に肯定するわけにはいかないのかもしれません。だけど、“命”について真正面から取り組んだ先生の熱意は評価できるし、それによって生徒たちの自主性が育まれたことは間違いないのです。食のありがたさというテーマはいつの間にか責任問題というテーマにすり替わったかもしれないが、それが生きた授業だとも言えるのかもしれません。 教育問題としての評価はさておいて、映画としての特殊技法が光っていました。教師や親たちだけには脚本があることから、セミ・ドキュメンタリーと言えるのだろうか・・・なんとなく是枝監督の『誰も知らない』を思い出してしまいました。どうやって子供たちが涙を流しているんだろう?と驚きもしたし、思わずボロボロともらい泣きも・・・ (2008.12)
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豚の報い | 1999 日本 ビターズ・エンド=サンセントシネマワークス |
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ストーリー | 豚小屋で産み落とされた主人公の正吉。心に傷を持ったネーネーたちミヨ、暢子、和歌子。ある日、豚に襲われマブイ(魂)を落としてしまった和歌子のために真樹島へ行こうと提案する正吉だったが・・・ | |||
監督 | 崔洋一 原作:又吉栄喜 | |||
出演 | 小澤征悦 | 早坂好恵 | あめくみちこ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★ | ★★ |
コメント | 正吉には別の目的があったのだ。故郷の真樹島では海で死んだ者は12年間墓に入れないというしきたりがあり、12年前に死んだ父親の骨を拾う目的だ。 3人のネーネーに迫られ、エロティックな雰囲気にもなるが、のらりくらりとかわす正吉。俺だったら断らないぞ・・・などと羨ましい気持ちでいっぱいになった。それぞれに悲しい過去もあるが、沖縄の明るさが全てを吹き飛ばす。いい雰囲気だなぁ〜 ただ、神様という言葉を使いすぎ。先祖の霊を慰めるのだからしょうがないけど・・・ (2007.3)
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ふたりにクギづけ | 2003 アメリカ アートポート STUCK ON YOU |
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ストーリー | 腰がくっついている双子ボブ&ウォルト・テナー。地元では人気者だったが、兄ウォルターがハリウッドデビューを志す。ボブは3年間文通していた中国系女性と会うことに・・・ | |||
監督 | ボビー・ファレリー | |||
出演 | マット・デイモン | グレッグ・キニア | エヴァ・メンデス | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | シャム双生児を主人公にしたギャグはやばいんじゃないかと思っていた。 セックスだって真ん中にカーテンを引いてやっちゃう兄弟。不自由そうなところは全くない。メリルだってデ・ニーロだってブシェミだって簡単に夢を掴んだに違いないけど、結合したままじゃ中々採用にならない。女優シェールの計らいでテレビスターとなってしまったウォルト。一方のボブはガール・フレンドに結合性双生児と打ち明けられないでいる・・・ 結局、手術で二人を分離することになったが、どうもしっくりこない・・・ボブはメイと故郷に帰りバーガー屋を始め、ウォルターは俳優業にも行き詰まり・・・最後はとても幸せな気分にさせてくれる温かいドラマに上手くおさまった。 (2006.3)
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ふたりのベロニカ | 1991 フランス/ポーランド ビターズエンド(リバイバル) LA DOUBLE VIE DE VERONIQUE |
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ストーリー | 同年同日に生まれた二人のベロニカ。ポーランドとフランスの違いはあるが、二人とも同じ名前、顔、音楽の才能があった。 | |||
監督 | クシシュトフ・キエシロフスキー | |||
出演 | イレーヌ・ジャコブ | フィリップ・ボルテール | サンドリーヌ・デュマ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | 普通の作家だと、何とか二人を引き合わせて互いの運命を見つめるような設定にするのかもしれない。この映画ではストーリーには重点を置かず、叙情的な映像だけで攻めてくる。 最初は混乱してしまうが、ポーランドではポーランド語。フランスではフランス語を使い分けていて、切り替えしを多用するわけでもない。ましてやポーランドのベロニカは突然死の家系なので、コンサートのソプラノ独唱中に死んでしまうのだ。葬式で土中に土をかぶせられるシーンでポーランド編が終わるが、突如として始まるフランスシーンではまるで生まれ変わりのようにベロニカが輝くのです。 そのフランスのベロニカが人形劇を観て以来、人形師とのロマンスへ向かうストーリーも独創的。最初からクリスタルなどの小物のクローズアップにより幻想的には描いていたけど、このロマンスからはその事実自体が幻想的なのです。 人形劇から数日後、差出人不明で送られてきたテープを聞くと、駅のアナウンスや爆発音が入っていて、それを独自に調べるシークエンス。これが特に印象的。自分と同じ人間がいると信じるところは霊能力を絡めているようで、それほどでもないけど、イレーヌ・ジャコブから発散される神秘的な魔法には変わりない。エロチックなだけじゃないんだ・・・すごいぞこの女優。といった感じ。 1991年カンヌ国際映画祭女優賞、FIPRESCI(国際映画批評家連盟)賞 その他いっぱい (2006.7)
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ふたりのロッテ | 1993 ドイツ 松竹富士 CHARLIE & LOUISE: DAS DOPPELTE LOTTCHEN |
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ストーリー | スコットランドのサマースクールで一緒になった2人の女の子ルイーズとチャーリー。2人とも父と母に引き取られた片親だったが、実は双子だった。 | |||
監督 | ヨゼフ・フィルスマイアー 原作:エーリッヒ・ケストナー | |||
出演 | フリッツィ・アイヒホーン | フロリアーネ・アイヒホーン | コリンナ・ハルフォーフ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★★ |
コメント | ルイーズの母親は広告代理店勤務。大人しくて泣き虫。最初、みんなからは嫌われていた。一方のチャーリーはオテンバ娘。緊急停車ロープを引いて列車を止めるなんてことも・・・ ミドルネームが同じロッテだとわかり、互いの親は愛し合っていたのだと確認。みんなの前で双子であることを見せつける。ルイーズは父親に会ったことがないし、チャーリーは母親をチラリと見ただけだった。そこで、2人が入れ替わってそれぞれの本当の親に会う計画を立てるのだった。 3週間のサマースクールを終え、入れ替わって互いの家に向かう。チャーリーの父は劇団のプロデューサーで音楽家。しかし劇団は公演の危機。いいストーリーを書けばいいのだが。彼女たちは父の昔作った曲を音楽に困ってた母親と広告代理店社長に送り、なんとか仲直りさせようと努力する。母親が娘がルイーズではなくシャーロットであると気づく瞬間で泣いてしまった。 大人たちは複雑。子供たちが大の親友になるのに、10年前の関係に戻るのは不可能だ。チャーリーとルイーズはベルリンを抜け出し、スコットランドへ逃げる。 ラストは急過ぎて、じっくり味わえない予定調和であったが、それでもほんのりと感動できる良品。 (2006.5)
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不都合な真実 | 2006 アメリカ UIP AN INCONVENIENT TRUTH |
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ストーリー | 二酸化炭素増加を原因としている地球温暖化。2000年の大統領選に大激戦の末破れたアル・ゴア氏がライフワークとしている環境問題講演会をドキュメンタリー化した映画。 | |||
監督 | デイヴィス・グッゲンハイム | |||
出演 | アル・ゴア | ブッシュ | 聴衆 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | 評価できない | ★★★★ | 評価できない | ★★★ |
コメント | ゴアと聞くと『マグマ大使』を思い出すのは日本人だけだ。 2005年は最も暑かった年だったとゴア氏は語ってましたけど、現段階において戦後最高の暖冬を記録している今年の日本も凄い記録を作りそうです。関心を持たざるを得ない映画と言えるでしょう。とは言いつつも、高台に住んでいる者にとっては水位が上がろうとも家が水没することはないと高を括っていました。上がり続ける気温のせいで生態系の激変、新種の伝染病の蔓延、その他様々な悪影響が地球全体を襲ってしまう・・・何しろここまで二酸化炭素が増えたことは地球史においてなかったことなので、50年後には何が起こるかわかりません。 そんな恐ろしい内容の講演を淡々と説き続けるゴア氏。大統領選でブッシュに敗れたことから立ち直り自分のライフワークを見つけたと自虐ネタとも思えるくらい、真摯に訴えてくるのです。時折挿まれるブッシュ映像にも憤りを感じます。金の延べ棒と地球を天秤にかけた映像などは経済を最優先させる愚かな政治家たちをわかりやすく解説してくれました。 車の排気ガスの問題などよりは、人口増加の問題が一番興味深いところでした。たまたま『ダラスの暑い日』をビデオで見たのですが、アメリカの政治家やCIAや政府高官たちはとにかく人口を減らしたいことがわかります。ゴア氏がどう考えてるのかまで深くは言及していませんが、人口がこのまま増えることはいいことだと思ってないはずです。この点では某柳沢大臣などの日本の政治家と全く逆なのかもしれません。 アメリカの二大政党である共和党と民主党、どちらの大統領が選ばれてもそれほど世界情勢まで影響はないと思ってるのですが、さすがに戦争が大好きなブッシュとは違い、ゴア氏が大統領になっていれば違っていたでしょうね。だけど、この講演の締めくくりも「政治力」によって解決したいと言うところに違和感が残りました。全人類一人一人の努力によって環境を変えなければならないのに、元政治家だけが頑張ってるのでは裏があるような気がしてならない。彼自身が後継者となるべく賛同者を組織化して講演会を地球規模で広めていかねばならないのだろうなぁ・・・ 2006年アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞、歌曲賞ノミネート 2006年全米批評家協会賞ドキュメンタリー賞 その他 (2007.2)
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不撓不屈 | 2006 日本 角川ヘラルド |
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ストーリー | ||||
監督 | 森川時久 原作:高杉良 | |||
出演 | 滝田栄 | 松阪慶子 | 夏八木勲 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | またもや高度成長期の物語。輝かしい日本企業の活躍の裏にはこうした事件が隠されていた!知らなかった・・・ 貴乃花が大関推挙伝達式において「不撓不屈の精神で」という口上によってニュースになったが、この「不撓不屈」という言葉は流行語大賞には選ばれなかった。しかし、皮肉なもので2年後には宮沢りえの「すったもんだがありました」が見事流行語大賞に選ばれた。そんなこんなでこの映画は1人の税理士が国家権力である国税局と対決する実話に基づいた物語。国税局といえば『マルサの女』を思い出しますが、この「マルサ」という言葉は1987年に流行語大賞に選ばれています。 『マルサの女』を観て国税局のかっこよさに憧れた人も多いでしょうけど、この『不撓不屈』を観ると考えがガラリと変わるはずです。大企業を優遇した税制、中小企業イジメ。時代は高度経済成長期であるため、弱い者から税金をふんだくろうったって、全体の税収からみれば微々たるものなんです。脱税はさすがに許されないことですが、合法的な節税であれば問題ない。それを国税局は税理士法改正のために反抗する者を脱税者として排除しようとする。その横暴なやり方に反旗を翻した男、飯塚毅が目をつけられることになった・・・ 全体的に飽きさせることのない展開で、迫力ある映像もないしアクションだってもちろんない。弱者のために正しいことをやっているんだという主人公の信念に心を揺すぶられて、不当な捜査に怒り震えるといった心的迫力が全てなのです。国税の嫌がらせのため離れていく顧客や不当逮捕のためやむなく退職する従業員にも心を痛め、相手を貶めることを潔しとしない飯塚に惚れ惚れしてしまったくらい。う〜ん、よかった。大企業に勤める人以外は必見かも。 (2006.5)
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胡同(フートン)のひまわり | 2005 中国 東芝エンタテインメント SUNFLOWER 向日葵 |
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ストーリー | 文革によって画家の道を絶たれた父親が息子に画家としての夢を託す。 | |||
監督 | チャン・ヤン | |||
出演 | ジョアン・チェン | スン・ハイイン | ワン・ハイディ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ |
コメント | 胡同(フートン)が吹っ飛んだ。枕が真っ暗・・・ なぜかウンコネタが多いアジア映画。そういえば、かつては中国旅行に行った日本人の土産話はトイレネタばかりだったことを思い出します。胡同(フートン)とは北京の町でも路地裏のようなところ。中庭があり東西南北を棟が取り囲むという伝統的な家屋スタイル四合院。小さな共同体といったこの長屋はイラン映画で見る雰囲気にも似ていました。2008年の北京オリンピックに向けて、取り壊しが進んでいるらしいので、チャン・ヤン監督もこの北京の文化遺産が消え去る光景が名残惜しかったのであろうか、父親がそこに佇む姿によって愛惜の念を投影しているかのようでした。 向陽(シャンヤン)と名付けられた9歳の少年は、文革によって画家の道を閉ざされた父親が突然帰ってくることに戸惑う。いたずらっ子のシャンヤンは今までの気ままな遊びも許されなく、父親によってひたすら絵を描くように強制されるのです。幼き頃は反発といっても可愛いものでしたが、青年期になってからはその英才教育が原因で父と息子の確執が決定的となってしまう。家族の心はバラバラになってしまったのか・・・といった展開。 いくつもの印象的なシーンがあるのですが、その中でも少年期の爆竹騒ぎや大地震、水浴びのシーンが心に響きます。そして父親が帰ってきた夜の夫婦の営みに猫を投げ入れるシーンやウンコちびりのシーン。パラパラ漫画よりも残ってしまうのです。6年間もの強制労働があったために幼いシャンヤンを知らない父親は育て方、接し方が下手。決定的な確執の原因が青年期にやってくるのですが、ここと結婚後の堕胎に関するエピソードが納得できないまま過ぎていきました。 映像だけで判断すると、時代時代の北京は日本から10年は遅れているように感じましたが、北京オリンピックによって近代化が加速して日本と似たような景色に変貌を遂げるのでしょう。だけど、映画の文化やウンコ文化だけは日本が上になることでしょう。 (2006.10)
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