家の鍵 | 2004 イタリア/フランス/ドイツ ザジフィルム LE CHIAVI DI CASA |
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ストーリー | 15年前に難産の末恋人を失ったショックから障害を持って生まれた子を手離してしまったジャンニ。義理の兄からそのパオロを引き取り、リハビリ施設へ連れていくのだが・・・ | |||
監督 | ジャンニ・アメリオ | |||
出演 | キム・ロッシ・スチュアート | アンドレア・ロッシ | シャーロット・ランプリング | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
コメント | 実の父親であるジャンニの喜びと苦悩。心理描写がリアルすぎたおかげで涙を止めることができなかった。 ジャンニの息子パオロよりも思い障害を持っている女の子の母親シャーロット・ランプリングでしたが、「自分の息子ではない」と嘘をつくジャンニを見透かしたように鋭く助言を与えていました。初めて会ったときから、障害児を抱える親の辛さを訴えるのではなく、本音をさりげなく言うところにドキリとしてしまいました。特に「死んでしまったほうが・・・」などと言うところは、最近よくある介護疲れによる殺人事件をも思い起こさせるのです。 父親ジャンニ(キム・ロッシ・スチュアート)は今では妻子もあるが、15年前に恋人の死のショックから障害を持ったパオロを手離してしまっていた。その罪悪感もあってパオロを育て上げる決意をするのですが、「自分を父親と認めてくれるのか」という心配がつきまとい、彼への接し方にも苦労が絶えません。リハビリ病院の行事中にパオロがいなくなるという、ちょっとした事件の際、うろたえぶりや最悪のことさえ考えていた様子などは演技がリアルすぎて怖いくらいでした。また、甘やかしたり、気を引こうとしたり、リハビリ中に思わず抱きしめたりと、ぎこちなさいっぱい。パオロの中でいつ父親と認めてくれるのかとハラハラしてしまいました。 突如、パオロの文通相手の女の子にノルウェーまで会いに行こうと思い立ったジャンニ。ここからのロードムービー風演出によって父と息子が真に向き合うのですが、心と心の隔たりが一気に氷解するかのような一瞬がたまらなく良かった。やっぱり子どもにとって一番の関心事は親なんですよね。 パオロを演じたアンドレア・ロッシは自然な演技で本当に障害児だと感じたくらい。そして、イギリス人のランプリングはここではドイツ語とイタリア語を喋るのですが、いったい彼女は何ヶ国語喋ることができるんでしょうか・・・すげぇ。 (2006.8)
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イエスタデイ、ワンスモア | 2004 香港 パンドラ=ツイン YESTERDAY ONCE MORE 龍鳳鬥 |
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ストーリー | 泥棒夫婦のトウ夫妻。突然離婚を宣言され承諾するトウ夫人は、2年後再婚を決意するが、その婚約者スティーヴがプレゼントするはずだった宝石が盗難に遭う。元夫の犯行だと確信した彼女は・・・ | |||
監督 | ジョニー・トー | |||
出演 | アンディ・ラウ | サミー・チェン | ジェニー・フー | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★ | ★★ | ★★ | ★ |
コメント | 華麗なる泥棒の世界。ただそれだけ。金がすべて、宝石がすべて、それを無理やり愛に絡ませようとするストーリーにはうんざり。アンディ・ラウが死期が迫ってるため離婚し、財産をすべて妻に貢ぐという内容だけど、悲しさも愛の深さも伝わってこないのだ。言ってみれば、中学生のころから盗癖のある二人だったけど、その幼い性格がいつまでたっても変わらなかったってところか。 駄作の多いジョニー・トーだけど、これは格別だと思う。 (2008.11)
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黄線地帯(イエローライン) | 1960 日本 新東宝 |
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ストーリー | 警察に追われている殺し屋が自分を嵌めた阿川に復讐するため踊子エミを連れて神戸に向かう。。。 | |||
監督 | 石井輝男 | |||
出演 | 吉田輝雄 | 三原葉子 | 天知茂 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★ | ★★★ | ★★ | ★★ |
コメント | シリーズ第3作目は唯一のカラー作品。天知は一転して殺し屋の役だ。話は、白色人種に黄色人種の日本女性を提供するという国際的売春組織である。前半は「助けてください」とエミが書いた百円札が次から次へと人手に渡っていく様が面白い。三原葉子の膨れっ面を始めとしたコミカルなシーンや、庶民感覚ある殺し屋の雰囲気もいい。 しかし、緊迫感というよりはお遊びの要素が大きいように思える。 白線秘密地帯 シリーズ第1作 黒線地帯 シリーズ第2作 セクシー地帯(ライン) シリーズ第4作 火線地帯 シリーズ第5作 (2004.5)
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硫黄島からの手紙 | 2006 アメリカ WB LETTERS FROM IWO JIMA |
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ストーリー | 1944年6月、日本の砦ともいえる硫黄島に栗林中将が降り立った。イーストウッド監督による『父親たちの星条旗』に続く二部作。 | |||
監督 | クリント・イーウトウッド | |||
出演 | 渡辺謙 | 二宮和也 | 伊原剛 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ |
コメント | 最後に出てくる負傷した米兵はライアン・フィリップではありません。 『父親たちの星条旗』を復習せず、『硫黄島の砂』(1949)やTVドラマ『硫黄島〜戦場の郵便配達』によって理解力を高めました。どれもこれも秀作ばかりなので、このクリント・イーストウッド作品をどう表現していいものかわからなくなるほどなのですが、アメリカ人が硫黄島での戦闘を日本人の視点で描いたこと以外に、現代的な視点を取り入れた人間本来の姿をリアルに表現していたことに驚かされました。 まずは圧倒的な兵力で攻めてきたアメリカ軍の軍勢に驚いた日本兵西郷(二宮和也)と同じく、戦艦が押し寄せてくるシーンに腰を抜かしてしまいそうになりました。自分だったら糞と一緒に山をころげ落ちるかもしれないな〜と思いつつ、その後の艦砲射撃の迫力に体が硬直し、浮遊感さえ味わってしまいました。そして、擂鉢山の頂に星条旗を掲げられた裏の場面で、日本軍が体の一部を蝕まれたかのような感覚に包まれたのです。戦争に負けたことのないアメリカが描く敗戦国日本であるはずなのに、全く違った印象を持ってしまう。これも「勝ち負けを描いたものではない」という境地に達した監督だからこそ為しえたことなのでしょう。 戦争の醜さ、不条理といったことも日米双方の視点で平等に描かれていることにも気づきます。日本側に「衛生兵を狙え」とか「死んだフリ」とかの卑怯な手口の描写もあれば、投降した兵士を撃ち殺す米兵も描いている。また、軍法会議にもかけないで部下を殺そうとする上官もいれば、玉砕が美徳とされていた当時の精神論に対抗するかのように「命を大切にせよ」と嗜める司令官もいる。そして、「天皇陛下万歳」と士気をあげる一方で、玉砕よりも命が大切、愛国心などよりも家族が大切なのだと栗林や西郷を通して訴えてくるのです。玉砕が美徳じゃないといったことも、手榴弾による自決の映像がグロかったことでわかります。 戦争の英雄なんていないんだという前作と同様に、栗林中将(渡辺謙)も英雄のようには描かれてなかったし、バロン西(伊原剛)にしても「アメリカ人だって家族を愛する普通の人間なんだ」と訴えているようで、英雄ではありませんでした。また、元憲兵だった清水(加瀬亮)の存在も日本の戦争映画では異色かもしれません。まるで今の北朝鮮のように自由のなかった当時の日本の風潮が一人の新米憲兵の目を通して描かれているのです。 どちらかというと、人の死によって号泣させる映画ではないのかもしれません。日本軍がとった作戦や戦闘の経過、日本兵たちの様々な思い、手紙を通じて知りえた事実を冷静に受け止め、追悼の念を込めた映画なのです。ずっと流れていた音楽がレクイエムのように聞えてきました・・・ (2006.12)
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硫黄島の砂 | 1949 アメリカ リパブリック=NCC SANDS OF IWO JIMA |
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ストーリー | ガダルカナルでの勝利のあと、米海兵隊はニュージーランドで駐留し補充される分隊を待っていた。ストライカー(ウェイン)率いる分隊が中心。そこには彼を慕ったコンウェイ大佐の息子やボクシングで彼に負けたことのあるトーマスがいた。 | |||
監督 | アラン・ドワン | |||
出演 | ジョン・ウェイン | アデル・マーガ | ジョン・エイガー | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★ | ★★★★★ | ★★★ | ★★★★ |
コメント | ストライカーは妻からの手紙がないときに飲んだ暮れるということが災いして降格されたという経緯があった。鬼軍曹というイメージとは違う一面を見た兵士たちは、徐々に心を許していく。 ピート・コンウェイは休暇中のダンスパーティで知り合った女の子に一目ぼれ。あっという間に結婚にこぎつけるという、ラブロマンス。それも44時間後には戦地へ向かうという現実。銃剣が苦手なので隊を変わりたいという兵士に対して、ダンによって練習させるというストライカー軍曹。鬼軍曹というよりは変わり者軍曹なのだ。 最初の上陸はタラワ。弾が切れたので調達に出たトーマスはコーヒーを飲んで休息。その間に仲間が殺されてしまうのだ。その事実を知ったストライカーは怒り、トーマスと殴りあうが、彼らの間には過去に密告されたという確執があった。 ハワイでの休暇を終え、次の上陸作戦は硫黄島。兵士たちはみな死ぬのではないかと予感する。数人が命を落としたストライカーの分隊。擂鉢山の頂上を目指す彼らは意気揚揚としていたが、息をついた瞬間ストライカーは撃たれて戦死・・・ 米海兵隊の全面協力の元に作られた映画なので、水陸両用船やタンクは実物。戦艦や戦闘機も実物のため、かなりリアルに描かれている。しかし、タラワの激戦地に圧倒されたものの硫黄島の描写がそれよりも少ないような気がした。もっと戦死者を出したという映像を使えば反戦メッセージも感じられたかもしれないが・・・ 1949年アカデミー賞主演男優賞、原案賞、編集賞、録音賞 (2006.12)
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イーオン・フラックス | 2005 アメリカ ギャガ・コミュニケーションズ AEON FLUX |
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ストーリー | 2011年にウイルスで99%が死滅した人類。科学者トレバー・グッドチャイルドが開発したワクチンで500万人が生き残り、外界から隔てられたブレーニャにて生活する。そして400年が過ぎ、秩序を維持する圧政のため反政府組織“モニカン”は最強女戦士イーオン・フラックスに君主グッドチャイルド暗殺の命を与えるのだった・・・ | |||
監督 | カリン・クサマ | |||
出演 | シャーリーズ・セロン | マートン・ソーカス | ジョニー・リー・ミラー | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★ | ★★ |
コメント | 英会話スクールや、最近銀行業へ参入した巨大企業が協賛してるかと思っていましたが、関係なかったようです。 CGを駆使したスピーディな展開で魅せてはくれましたけど、『キャットウーマン』の二の舞にならないだろうかと心配していました。しかし、演技が素晴らしかった『スタンドアップ』でもコンビを組んでいたシャーリーズ・セロンとフランシス・マクドーマンドのおかげでラジー賞候補から逃れることが出来たのかもしれません。ラジー選考委員はオスカー俳優にはきびしいと思われますし、もし『スタンドアップ』の公開が遅れていたらラジー賞の危険は大きかったことでしょう。『ホテル・ルワンダ』でオスカー助演女優賞候補になったソフィー・オコネドーも忘れられないキャラクターです。すいとんの術もびっくりでしたけど、足も手になってるんだから『キング・コング』もびっくりです。 カリン・クサマという日系女流監督の影響なのか知りませんけど、今回のシャーリーズ・セロンは黒髪です。また、番傘、日の丸、桜、畳のイス、襖等々日本を意識した映像が印象に残るところですけど、忘れてならないのはセロンの決めポーズであるスモウ・レスラーの股割りも強烈なインパクトを与えてくれます。過激なアクションも凄かったけど、彼女が最も苦労したポーズの股割り。『モンスター』撮影時以上に体重を増やせば、角界入りだって可能かもしれません。 何を書いてもネタバレになってしまいそうですが、冒頭のシーンやブレーニャのシーンにヒントが隠されていました。近未来SFにはよくあるその設定のためか、体重が異常なまでに軽いんじゃないかと思ってしまうセロンの華麗なるアクションと同様に、人々の命がとても軽く扱われています。姉妹の絆は固いのに兄弟の絆が薄っぺらいことも気になります。なぜこんな事態になったのかという原因の部分が全くないためかもしれません。これをもっと考えさせる映画にするならば、外界から隔離されているはずなのに汚染された牛肉や鶏肉を秘密裏に入手してこっそり食べる政府高官がいるなどというエピソードを追加したほうがよかったのかもしれません。 薄っぺらいと言えば、セロンの着ていた薄っぺらな衣装が欲しくなります。これだけでも観る価値はあったりして・・・ (2006.3)
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