イン・カントリー | 1989 アメリカ ワーナー日本未公開 IN COUNTRY |
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ストーリー | ベトナム帰還兵のエメット(ウィリス)は姪ッ子サムと暮らしていた。彼女は戦死した父の手紙を見つけ、戦争についてますます知りたくなったが、みな口が重かった・・・ | |||
監督 | ノーマン・ジュイソン | |||
出演 | ブルース・ウィリス | エミリー・ロイド | ジョーン・アレン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★ | ★★ | ★★ | ★ |
コメント | 「手紙は焼け!」と姪を責めるエメット。ますます知りたがるが、恋人との結婚などの問題があり、忘れてしまったかのようにみえた。 「証拠のため殺したベトコンの耳を切りとって集める」という話がショッキングではあるけど、その他では戦争を嫌悪するような描写がない・・・心に傷を負った復員兵を優しく見守るだけだ。どことなく“平和ボケ”を連呼する人たちと同じ雰囲気がある。さらに完全にアメリカ側から見た内容であるし、戦没者碑の映像も取ってつけたような雰囲気・・・日本で作れば靖国参拝物語になるんだろうなぁ・・・ブルース・ウィリスが好演しているだけに残念な映画だ。まぁ、アメリカ人向けの国策映画だと思えばいいんでしょうけど。 1989年ゴールデングローブ賞助演男優賞(ウィリス)ノミネート (2006.3)
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インサイダー | 1999 アメリカ 東宝東和 THE INSIDER |
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ストーリー | 人気報道番組のプロデューサー、バーグマンのもとに匿名の書類が届けられる。それはタバコメーカーの極秘ファイルだったのだが、その意味を探るうちにワイガンドという人物に行き当たるが・・・ | |||
監督 | マイケル・マン | |||
出演 | アル・パチーノ | ラッセル・クロウ | クリストラー・プラマー | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
コメント | アル・パチーノは中東での取材。かなり危険な地域で目隠しされアジトに連れてこられる。一方、ラッセル・クロウはぜんそくの娘をかかえ、会社を解雇されて妻と議論・・・最初は交互に物語が進行する。あっさりと2人は会うことになるが、B&W社の副社長であったワイガント(クロウ)には守秘義務契約があったため、深くは語らなかった。 状況が変わったのは侵入者があったり郵便受けに弾が置かれていたとか、ワイガントの妄想もあったのかもしれないが、告発を決意するに至った。ニコチン中毒・・・この中毒性についてが焦点となり、タバコ会社側の捏造キャンペーンを反証するのが科学者であるラッセル・クロウというわけだ。科学者なんだからと信頼性はあるものの、大企業の金の使い方、新聞などで博士を攻撃するなどして、CBS局のアル・パチーノが窮地に立たされるハメに・・・ 静かな展開なのに、じわじわと巨大企業の恐ろしさが見えてくる。1998年には実際に巨額の示談金で決着がついたようだが、アメリカという司法国家の煩わしさと企業本位の物の見方があらわになる社会派映画。やたらと銃をぶっ放すマイケル・マン映画よりは好きだ。 1999年アカデミー賞作品賞、主演男優賞(クロウ)、監督賞、脚色賞、撮影賞、音響賞、編集賞ノミネートされるものの無冠 1999年ゴールデングローブ賞作品賞、男優賞、監督賞、脚本賞、音楽賞ノミネート その他多数 (2008.3)
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インサイド・マン | 2006 アメリカ UIP INSIDE MAN |
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ストーリー | ダルトン・ラッセルは銀行強盗犯。人質をとって立て篭もった4人グループの実行犯は人質にもペンキ屋のポンチョとマスクを着けさせ、犯人と見分けがつかないようにした・・・ | |||
監督 | スパイク・リー | |||
出演 | デンゼル・ワシントン | クライヴ・オーウェン | ジョディ・フォスター | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | 売人にヤクを売るゲーム!殺されたら減点だ。 人種問題を描いた映画が得意なスパイク・リー監督。人質になった銀行関係者とお客さんにも多種多様な人種を取り揃えました。とにかく人種だけは国際的すぎるため、ココはいったいどこ?と迷子にならないように注意しなければなりません。ところが、誰が犯人なのかと警察で一人一人取り調べを受けるシーンではわかりやすくて助かりました。 この一人一人の証言シーンといえば、大林宣彦監督の『理由』を思い出してしまいますが、そこまで多い人数ではありません。プロローグとエピローグにクライブ・オーウェンの独白シーンを配置する効果とともに、犯行の流れに随時挿入する形をとるといった手法。意外とこれが緊張感を保つのです。そして、計算しつくされた完全犯罪とはどういうものか、彼らの脱出の手口とはどうやって・・・などと、かなりハラハラさせられます。 もっともクライム・ムービーなので、犯人側に感情移入できないのじゃないかと心配される方でも大丈夫。襲われた銀行の会長、創設者はナチスに協力して巨額の富を得た人物なのです。血が流れるところに金儲けのチャンスがあるとばかり、武器商人のごとく暗躍した実業家の裏世界。もっと悪い奴らがいることを訴えつつ、犯人グループだって人質をなかなか殺さないし、このまま人を殺さないでくれ!と祈る想いになったしまいました。 最終的な脱出方法はイマイチだったし、ジョディ・フォスター演ずる弁護士にもちょっと疑問符がつけられる。また、若干謎を残したままというのもすっきりしないのですが、そのマイナス部分を差し引いてもお釣りがくるくらいの心地よい緊張感を味わえた。 登場人物50人を覚えられるか?!と、挑戦的な映画でもありましたけど、軽い気持ちで笑いながら観るのがいいのでしょうね。 (2006.6)
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イン・ザ・プール | 2005 日本 日本ヘラルド映画 |
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ストーリー | 伊良部総合病院の精神科医・伊良部一郎。奇妙な診療で楽しんでいる彼の元に継続性勃起症の田口、プール依存症の大森(田辺誠一)、強迫神経症の岩村たちが訪れる・・・ | |||
監督 | 三木聡 | |||
出演 | 松尾スズキ | オダギリジョー | 市川実和子 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★ |
コメント | 森本レオ扮する精神科医の講義から始まる。フェチその他の異常行為。いきなり惹きつけられる。 継続性勃起に悩むサラリーマン田口(オダギリ)もこの病院を訪れる。下半身裸にされたオダギリジョーがまともな人間なので可笑しい。離婚した妻の夢を見たからそうなったのか、落ちてきた広辞苑のページが原因だったのか、とにかく一発抜いたら治りそうな気もするのだが・・・エレクトマンの話に大爆笑。なんとなく志村けんの病院シリーズといった雰囲気のパターンだけど、オダギリジョーのエピソードがやっぱり一番いい。笑いっぱなし♪ ガスを止めたか、鍵をかけたか、強迫神経症って、自分にも経験があるだけに身につまされる思いだが、う〜む、この治療は効果的なのかも・・・冷蔵庫に閉じ込められたヤクザの死体のエピソードへのストーリー展開はちょっとやりすぎ。それよりもユニークな治療法を続けたほうが絶対にいい。 プール依存症なんて、実際にはなさそうな感じだが、結局はタイトルの意味もここにあるのかと思えばちょっとがっかり。それよりもラストに流れる「ダウンタウン」でうきうき気分になります。 (2006.6)
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イントゥ・ザ・サン | 2005 アメリカ SPE INTO THE SUN |
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ストーリー | 不法入国外国人一掃を掲げる都知事候補が殺される。そこでアメリカ政府はCIAエージェントで日本に精通するトラビス・ハンターを要請して捜査をさせる・・・ | |||
監督 | ミンク | |||
出演 | スティーヴン・セガール | マシュー・デイヴィス | 大沢たかお | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★ | ★★ | ★★ | ★ |
コメント | 都知事候補の鷹山の秘書が栗山千明。都知事を射殺したのはチンピラ風の男だ。そう考えるとアメリカが出てくる隙はないような気もするのに、日本人にも見えるが香港マフィアっぽい。どうも日本はアメリカのFBIやCIAに治安を牛耳られているようだ・・・・日本警察はおらんのかい! 物語はコジマ(伊武雅刀)とクロダ(大沢)の組とが対立する中にセガールが入っていくような構図になってくる。最初に言ってたテロリストはいったいどうなったんだ?ヤクザの世界になってもFBIやCIAが介入?結局は偶然みつけたヘロインを扱うヤクザを倒すことが目的となってしまっただけか・・・ あくまでも『キル・ビル』のルーシー・リューを意識したおもろい日本語を連発するセガール。不動明王(豊原功輔)という彫師が親の仇としてクロダと対決するところもいいのだが、やっぱりセガール本人が目立たないと納得できないらしい。 脇では山口佳奈子がなかなかよかったけど、他の映画には出ないのかなぁ・・・ちなみにコロッケも目立っていた。 (2007.1)
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インベージョン | 2007 アメリカ ワーナー THE INVASION |
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ストーリー | スペースシャトルが原因不明の事故で地球に墜落。その残骸の中には、謎の生命体が紛れ込んでいた。。。 | |||
監督 | オリヴァー・ヒルシュビーゲル 原作:ジャック・フィニー「盗まれた街」 | |||
出演 | ニコール・キッドマン | ダニエル・クレイグ | ジェレミー・ノーサム | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | 深夜の国勢調査は怖いぞ! いや、冗談抜きで・・・あのシーンが一番怖かった。だけど、自分が感染させられるんじゃないかとか、鑑賞中眠ってしまうんじゃないかとか、そんなのは怖くないんです。あとは主人公のニコール・キッドマンが息子を助けて研究所へ向かうというスリリングなSFとなっています。息子を思う母親は強い!もしかすると女性のほうがウケがいいかもしれません。 元はジャック・フィニーのSF古典小説「盗まれた街」。これまで3度も映画化されてるようですが、他は知らないので1993年版『ボディ・スナッチャーズ』と比較すると、とてもグローバルな設定となっていました。1993年版では米軍基地内で起こったSFパニックもの。今回の『インベージョン』はスペースシャトルの謎の墜落のため全世界にウィルスのような生命体が拡散していました。しかも、ヨーロッパや日本ではワクチンの開発が進んでいるのに、アメリカだけは“流感である”と情報操作されているのです。まったくアメリカ政府ってやつは困ったもんだ・・・ 局地的な閉塞感はない代わりに、感染者の増大や地下鉄内のアクションシーンが見応えあります。言ってみれば、ゾンビ映画と変わらない・・・ただ、ワクチンさえ打てば治癒するので、むやみに殺すこともできない(といっても、かなり殺してましたが)。そして、感染しても眠らなければ体を乗っ取られることもないのが共通した特徴でもあります。 全体的にはイマイチなのですが、なにしろニコール・キッドマンが素敵なので許せます。彼女は精神科医で息子の父親(かなり悪い奴に描かれている)とは別れてしまっていて、ダニエル・クレイグとの関係も恋人には発展しない微妙な関係を保ってる。息子への愛情にも感動しますが、息子に「私が眠ってしまったら、この注射器を射して!」という場面はしびれてしまいます。 アメリカは情報操作されていましたが、日本だって追随するにきまってる。その後、宇宙ウィルスに汚染された牛肉をも輸入するかもしれませんね・・・ (2007.10)
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陰謀のシナリオ | 1997 アメリカ 劇場未公開 SMILLA'S SENSE OF SNOW |
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ストーリー | デンマーク、コペンハーゲン。スミラの階上のイヌイットの子供がビルから転落死した。スミラはその死に疑問を抱き・・・ | |||
監督 | ビレ・アウグスト | |||
出演 | ジュリア・オーモンド | ガブリエル・バーン | リチャード・ハリス | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | オープニングは1859年のグリーンランド映像。何かが爆発して巨大な閃光と雪崩のようなものが襲ってくる迫力映像。 スミラも母親がイヌイット。同じグリーンランド出身ということもあり6歳の男の子イサイアとは友達になった。彼女は育ったグリーンランドで雪に残された足跡が人並み以上に感覚的にわかる。誰かに突き落とされた・・・監察医、少年も同行したグリーンランド地質調査、独自に調べ上げるが警察が首を突っ込まないようにと釘を刺す。 同じアパートの住人であるガブリエル・バーンが怪しいとは思うのだが、スミラに惚れていることもあって謎は残されたまま。そのうち船上生活する音響研究所(?)のおっさんが殺され、彼女も大ピンチ! それでも復讐に燃えるスミラは悪徳医師が再度グリーンランドに調査するための船に乗り込んでしまう。奴らが狙っていたのは巨大な隕石(科学史に残る偉大な発見らしい)。その副産物として古代の寄生虫が少年に寄生してしまったのだ。 クライマックスは北極並の氷の世界。流氷をピョンピョンと渡ったり、本物は凄い迫力。北欧の設定といい、医師である父の金のおかげで就職してないイヌイットの娘(とはいえジュリア・オーモンドは素敵)といい、継母が自分より若いエアロビ狂いの女だったり、興味深い設定のオンパレード。それにかなりハラハラさせられたです。 (2007.3)
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インデペンデンス・デイ | 1996 アメリカ FOX INDEPENDENCE DAY |
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ストーリー | 突如巨大UFOが現れた。 | |||
監督 | ローランド・エメリッヒ | |||
出演 | ウィル・スミス | ビル・プルマン | ジェフ・ゴールドブラム | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★ | ★★★★ | ★★★ | ★★ |
コメント | いきなりのパニック状態はイラクとロシア。そしてアメリカである。このイラクとロシアという国の選択から当時のアメリカ万歳ぶりがすでに窺える。『デイ・アフター・トゥモロー』ではこの映画の反省からか、大統領も死んでしまう設定であるが、イラク戦争という政治的影響がハリウッド大作にも感じられるのも興味深い。 学者であるゴールドブラムが大統領を殴ったことがあるという小ネタはよかったけど、秒読みが開始されてるのにホワイトハウスへ行けたことが納得できない。総攻撃まで25分後ですもん。 エリア51の謎はもっと慎重に扱ってほしいところです。こんな宇宙人がいっぱいいると、エイリアン嫌いに陥りそうです。ただ、10年前にエイリアンに拉致されたという酔っ払いのラッセル・ケイス(ランディ・クエイド)がいい味付けになっていました。だけど結局は玉砕精神。 戦闘機に乗ってたという設定はアリかもしれないけど、大統領が乗っちゃまずいでしょう。この辺りが完璧なるアメリカ万歳映画。細かいツッコミもいっぱいあるけれどもここが一番ダメなところ。まぁ、あれだけ巨大なUFOという斬新な映像だけが印象に残る・・・ 1996年アカデミー賞特殊視覚効果賞 同音響賞ノミネート 1996年ラジー賞100億ドル以上興行成績をあげた作品でのワースト脚本賞ノミネート 1997年MTVムービーアワード キスシーン賞 (2006.6)
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インランド・エンパイア | 2006 アメリカ/ポーランド/フランス 角川映画 INLAND EMPIRE |
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ストーリー | ニッキー(ダーン)とデヴォー(ジャスティン・セロー)は映画監督キングスレー(アイアンズ)の手がける映画で共演することになった。リメイク作品だと打ち明けられ、やがてニッキーは映画と現実の区別がつかなくなっていった・・・ | |||
監督 | デヴィッド・リンチ | |||
出演 | ローラ・ダーン | ジェレミー・アイアンズ | ハリー・ディーン・スタントン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ |
コメント | 暗い明日は昨日の今日か?ミコちゃんキュート リンチ・ワールドにやられてしまった。何をやられたかというと、わけがわからなかったということだ・・・。『マルホランド・ドライブ』では2度観ると、“青い箱”を境にして現在と過去の繋がりがわかるようになっていました。しかし、今作でははっきりしているキーアイテムがない!ウサギ人間の舞台と“AXX・・”と書かれた境界壁のような気もするが、詳細はリンチ・マニアの方に訊いてみるしかない。 最初の近所に引っ越してきたおばちゃん(グレイス・サブリスキー)の意味深な言葉のために、劇中劇の形を取るパラレルワールドよりもローラ・ダーンがタイムスリップした設定だと思い込んでしまったのが失敗の一因。「映画と同じだわ」というローラ・ダーンの声によって、ようやく映画内映画なのだと気づいてしまったのです。しかし、何かある。ドライバーというキーアイテムと、「映画では殺人事件は起きない」という言葉に相反するように「オリジナルは主演の2人が撮影中に殺され未完の作品となった」という監督(ジェレミー・アイアンズ)の言葉。コレがなかなか有機的に結びつかなく感じてしまい、映画と同じように不倫するに至っては、観ているコチラまでが区別つかなくなってくる・・・。 有機的といえば、なぜか日本人の裕木奈江が出ていた。人が刺され、今にも死にそうだというのに、しきりに友達の話に夢中になってしまう役だ。ホームレスの特権か?笑っていいのか?というより、もう映画も終盤だぞ!理解できぬまま、その話に登場するミコちゃんを見てみたくなる。売春のやりすぎで子宮壁に穴があいているらしいし、彼女も死にそうなのか?エンドロールの映像でミコちゃんらしき女の子が登場してホッとしたけど、なんだかハッピーになれる終わり方だった・・・ 理解できなくてもリンチ・ワールドは堪能できる。特にウサギ人間とロストガール。ストーリーに重要な位置を占めない登場人物でも大写しになる顔。悔しいのでもう一度観て理解してやるぞ!と思わせる演出にはなぜか惹かれてしまうのです・・・あぁ、悔しい。 2006年全米批評家協会賞 実験的作品賞 2006年ヴェネチア映画祭栄誉金獅子賞 (2007.11)
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