稲妻 | 1952 日本 大映 |
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ストーリー | バスガイドとして働く清子(高峰)には2人の姉と1人の兄がいた。しかし、4人とも父親が違うという複雑な家庭事情。ある日、次姉光子(三浦)の夫が亡くなるが、妾が突然現れて保険金を渡せと言う・・・ | |||
監督 | 成瀬巳喜男 原作:林芙美子 | |||
出演 | 高峰秀子 | 三浦光子 | 村田知英子 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★ |
コメント | 南方帰りの兄はパチンコ狂い。就職もなかなか決まらず、ぶらぶらしていた。清子には長女の夫からパン屋を営む35歳の男を紹介されるが、姉夫婦の意地汚さが見えたために縁談を進める気が全くない。光子の夫の死によって、その保険金までたかろうという魂胆だ。まぁ、ハッキリ口に出していたからまだマシなのだが・・・ 妾による20万円という金の請求は困ったものだ。今でこそ民法の慣例によって分け前が認められるけど、当時はどうだったんだろ・・・ 家族の意地汚さが鼻についたため家を出ることにした清子。隣家の兄妹もよさげな雰囲気だったけど、恋に発展するのかな〜 光子は喫茶店を開き、パン屋が金をつぎこんだ。長女は夫を捨て、ドロドロ劇になるかと思いきや、清子と母親のわだかまりが消えたところでエンディング。話が中途半端に終わってはいるけど、なぜだか爽やか。間借りした部屋から見えた稲妻がすべてを解決してくれたのか・・・ (2008.7)
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犬神家の一族 | 1976 日本 東宝 |
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ストーリー | 犬神佐兵衛の遺言状が公開されることになったが、莫大の遺産は実子でなく恩師の孫娘である野々宮珠世と結婚した者に相続されると記されていた・・・ | |||
監督 | 市川昆 | |||
出演 | 石坂浩二 | 高峰三枝子 | 三条美紀 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ |
コメント | リメイク版はあっさりしてたかな〜とも感じていたのですが、オリジナル版は長い・・・ さすがに高峰三枝子の演技は鬼気迫るものがあるなぁ。貫禄がありすぎます。改めてオリジナルを確認すると、細かいシーン(多分、監督が好きなシーン)へのこだわりがわかる。そして、ホラー映画にも通ずるかのようなおどろおどろしさはオリジナル版が強い。 リメイクの深田恭子が下手だという評判もありますが、この映画の坂口良子も下手だと思うぞ。全体的には演技力はオリジナルが上。 1976年ブルーリボン賞助演女優賞(高峰三枝子) (2007.1)
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犬神家の一族 | 2006 日本 東宝=角川ヘラルド |
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ストーリー | 角川映画『犬神家の一族』のセルフリメイク。 | |||
監督 | 市川昆 | |||
出演 | 石坂浩二 | 松島菜々子 | 尾上菊之助 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | ストーリーをよく理解するためには「よく、聞く、事」だ! 製作発表時点から、なぜ今更セルフリメイクを?という疑問をずっと抱き続けていたのですが、このリメイク作品を観終わった今、その疑問がますます強くなるだけでした。もしかすると、最も自分の気に入ってる作品をもう一度作って遺作にしようとする意図があったのか、毎回豪華キャストを用いて横溝正史作品を日本国民に年末恒例の作品として楽しんでもらおうという意図があったのか、さては富司純子の親子競演を話題にしたかったのか、それとも岩井俊二監督作品の『市川昆物語』に対するお礼のつもりで製作したのか・・・ひょっとすると野村芳太郎監督の『八つ墓村』をトヨエツでリメイクしたのが不満だったから、再起をかけただけなのかもしれない。 キャスティングは賛否両論なのでしょうが、オリジナル『犬神家の一族』(1976)でも神官役だった大滝秀治やシリーズ通しての警察署長加藤武の存在は嬉しいことだし、草笛光子が役を換えての出演にも驚かされました。島田陽子が松島菜々子、あおい輝彦が尾上菊之助と、顔立ちはかなり似ている俳優を使っているのは、演技はともかくなかなかのキャスティングでしたし、とにかく松島菜々子が台詞が少なかったので一安心でした。 犬神家は犬神製薬として財をなした家であるけど、等々力警部が最初に飲んでいた薬は犬神家の薬だったのか、それとも遺産相続にひっかけて洒落のつもりで胃散を飲んでいたのかははっきりわからない。もしかするとキクゾーラーメンを食べて消化不良になっていただけかもしれません。遺産相続はいったい誰の元へ!などと考えていると、ロート製薬キャシロンのCMに出ていた石坂浩二を思い出し、胃散はやっぱり金田一の元へ行くんだという妄想にも陥ってしまいます。歴代金田一耕介役には誰が一番似合っているのかというアンケートでもこの胃散効果もあってか、石坂浩二に落ち着くのかもしれませんが、渥美清だってパンシロンのCMに出ていることだし、意見が分かれることになるのでしょう。ちなみに他の金田一は胃薬CMに縁がありません・・・ 意外な副産物であるスケキヨマスクやスケキヨ人形が人気あるようですが、オリジナル『犬神家の一族』が公開された当時といえば、新田たつおのコミック「ガクエン遊び人」に凶暴な助清くんが登場するほど、助清ブームともなりました。怖いイメージを植え付けて、物語の中にはラブストーリーも隠されているなんてのは効果的ですが、そんなに何度も見てしまうほどの映画じゃないのになぁ・・・今作でもそれほど強調されてなかったし。 (2006.12)
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犬死にせしもの | 1986 日本 松竹 |
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ストーリー | 1947年、漁師の重佐(真田)は遊郭で戦友の鬼庄(佐藤)と再開する。誘われるまま海賊となった彼らは、ある日襲った船にいた娘洋子(安田)を隠れ家に連れて帰る・・・ | |||
監督 | 井筒和幸 | |||
出演 | 真田広之 | 佐藤浩市 | 安田成美 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★★ | ★★★ | ★★★ | ★★ |
コメント | 戦後混乱期だからあり得る話なのでしょう・・・。時折回想シーンとして映し出される熾烈を極めたビルマ戦線。生き残りである彼らには常に激戦をくぐり抜けて生還したという経験が命知らずの行動をさせている。 戦争に行く奴はアホや。生きて帰ってくる奴はもっとアホや・・・などと、犬死の意味を考えさせられる。基本的なプロットはならず者同士による洋子の争奪戦だけど、そちらは面白くない。今では見ることもできない今井美樹のヌードにこの映画の価値を見出すしかないのかもしれません。 一人の女との約束ために行動するってのも男らしさを感じられていいけど、拾った命で生きていく男だからこそできるのか・・・ (2007.12)
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犬と私の10の約束 | 2008 日本 松竹 |
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ストーリー | 函館に住む14歳の少女あかりは迷い込んできたゴールデンレトリバーの子犬を飼うことになった。入院している母(高島礼子)はそんなあかりに犬との10の約束をしなければならないと諭す・・・ | |||
監督 | 本木克英 | |||
出演 | 田中麗奈 | 加瀬亮 | 福田麻由子 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★★ |
コメント | 映画しか友達がいないので死ぬときはそばにいてくださいね・・・ 『Little DJ 小さな恋の物語』でも書いたとおり、福田麻由子の大人版がピタリとくる田中麗奈が主演となっている。その『Little DJ』と同じく函館ロケ。最近、函館、札幌と、北海道を舞台にしている映画が多くなってるな〜と思っていると、主人公のあかり(福田麻由子、田中麗奈)の父親にはかなり日焼けしている豊川悦司がキャスティングされていた・・・もしかすると『サウスバウンド』で日焼けしたままクランクインしたのでは?と疑ってしまいましたが、バイク乗りという設定で見事に調整されていたようです(推測)。 麻由子ちゃんは犬好きの雰囲気が似合っていたけど、父のトヨエツや同級生の男の子星進は犬が苦手という設定。しかし、トヨエツは『ドッグ・スター』という映画で犬そのものを演じていたくらいなんだし、犬好きという性格を隠しきれない様子。髪を触る癖等、彼のぎこちない演技もその不自然さからきているものだったのかもしれません。 物語は作者不詳の短編詩“犬の十戒”をモチーフにして、犬と少女を巡る10年間を描いたもので、大人になってからはプロのギタリストとなる星進(加瀬亮)との恋物語も絡めています。ソックスと名付けられたメスのゴールデンレトリバーは“あっち向いてホイ”が得意。CG効果でリズムをとるシーンも面白いけど、時折人間の質問に頷くという特技には思わず笑ってしまいます。池脇千鶴のキャラや飼い犬にも笑わせられ、トラが出てきたときには思わず『ジョゼ〜』を思い出してしまう・・・ 犬を使って泣かせるという、ズルい映画の部類ではありますが、犬好きの観客は結局泣かされてしまう。しかし全体を眺めると、中盤まではかなり緩い展開だし、もっとコンパクトにもまとめることができるはず。もしかすると『いぬのえいが』の最終章「ねぇ、マリモ」で流した涙量と大差ないかもしれないのです。 個人的に驚いてしまったのが、札幌の寮へと引越したシーン。せっかく辛いバイト(聞かないでください)を休んでくつろいでいるときに、それを思い出される品々が・・・。あぁ、赤テープで梱包してあるのはコワレモノなんだよなぁ・・・などと、余計なことを考えてしまいました。 「犬の10戒」 1.私と気長につきあってください。 2.私を信じてください。それだけで私は幸せです。 3.私にも心があることを忘れないでください。 4.言うことを聞かないときは、理由があります。 5.私にたくさん話しかけてください。人の言葉は話せないけど、わかっています。 6.私をたたかないで。本気になったら私のほうが強いことを忘れないでください。 7.私が年を取っても、仲良くしてください。 8.あなたには学校もあるし友達もいます。でも、私にはあなたしかいません。 9.私は10年くらいしか生きられません。だから、できるだけ私と一緒にいてください。 10.私が死ぬとき、お願いです。そばにいてください。そして、どうか覚えていてください。 私がずっとあなたを愛していたことを。 (2008.3)
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いのちの食べかた | 2005 ドイツ/オーストリア エスパーズ・サロウ OUR DAILY BREAD |
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ストーリー | 我々が普段なにげなく口にしている食物が、実際にどのような過程を経て食卓に届くのかを丹念に取材・撮影した食育ドキュメンタリー。 | |||
監督 | ニコラウス・ゲイハルター | |||
出演 | 牛 | 豚 | ひよこ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | |||
コメント | 工場で働く人たちはパンしか食べないのね・・・ ナレーションや音楽を一切排除し、屠場と農場を交互に淡々と映し出し、人間の食欲のためにここまでやっているんだぞ!とイヤというほど見せつけてくれました。ヒヨコの選別やリンゴやトマトを刈りいれてるときは問題なかったんですけどね・・・さすがに豚や牛を機械でズバっとやられると食欲も失せちゃいます。 それよりもオートメーション化がここまで凄いことになってるとは思いませんでした。時折、機械にさばかれているのが人間だったら・・・などと不条理な妄想にかきたてられ、脳内ではまな板の上の鯉状態。それでも、ひと思いにグサっとやってくれるからいいんだけど、運悪く急所をはずし、豚さんの鳴き声が悲痛なものに感じられることもしばしば。 なんだか妙な気分にさせられる一方で、種付けさせると思わせておいて寸前のところで違う容器に入れられている牛さんも可哀そうです。遺伝子組換え操作なのか、クローン牛製造のためなのかよくわかりませんでしたけど、これじゃ“童貞牛。をプロデュース”じゃないですか!あぁ、牛さんの運命やいかに・・・ さらにショッキングなシーン。牛の帝王切開?もしかして麻酔をかけてない?ちゃんと縫合するのか?いくら牛とはいえ・・・非人道的!いや、非牛道的!まぁ、あの部分がコブクロとして食べられるんだろうか?コブクロが嫌いでよかった・・・ホッ・・・ 最近のエンドロールの特徴である「動物は一切殺したり傷つけてません」などという言葉はさすがに出てこない映画でした。しばらく肉は食いたくないと心に誓う人も出てくるかもしれませんが、あれは動物じゃないんだ!と信じ込むしかありません。きっと果物か何かです。まぁ、ダイエットしたい人が見るべき映画かな・・・ 2006年ヨーロッパ映画賞ドキュメンタリー賞ノミネート (2007.12)
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