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いたいふたり 2002 日本
リクリ
ストーリー  東大卒カメラマンの夫と元看護婦の妻。ある日から痛みを分かち合うことになってしまい・・・
監督 斎藤久志
出演 西島秀俊 唯野未歩子 鈴木卓爾
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★ ★★★ ★★
コメント  西島秀俊はいったい何人の女優とキスしてるのだろう・・・
 双子の一方が怪我をするともう一方が同じ箇所を怪我するといった話はよくあるが、これは夫婦の物語。妻・望月なつ(唯野未歩子)が包丁で手首を切ったときに夫涼(西島秀俊)の手首にも同時に傷がついてしまった。ここからはちょっとぶつけただけで相手に伝わってしまう以心伝心ならぬ以痛伝痛の夫婦となる。涼が元々浮気性であるため、神様が罰を与えたのだろうか、とにかく不思議な設定だ。
 主要な登場人物は風変わりな人物ばかり。モテモテ秀俊くんだって、モデルを頼むカメラマンにしてはナンパテクニックがいきなりキスから始まるというもの。しかも女性からは断られない。唐突すぎるその手口はぜひとも詳細を御教授願いたいところでした。なつにしてもかくれんぼが大好きで、狭い一戸建て住宅の中をまるで豪華客船並みに隠れ場所の宝庫にしてしまう。なつの同僚木村(鈴木卓爾)も面白い。「なんでやっちゃわないの!」と太った女子高生小山から言われるほど純愛を求める男なのです。
 群像劇と思われるくらい登場人物が多く、夫婦の周りの奇妙な人間関係がゆるいコメディと化していましたが、その関係を詳細に描写するのがなつの弟であったり、ホームレスが痛みの共有という事件の真相を知っていたりして楽しい内容でした。しかし、時間が長く感じるため、ゲイ社長のエピソードなんかはカットしてもいいところ。90分くらいに収めてほしかった。
 やっぱり出産の苦しみは男にはわからない・・・
(2006.6)

1941 1980 アメリカ
COL
1941
ストーリー  真珠湾攻撃の直後、日本海軍はハリウッドに目標を定め、潜水艦がカリフォルニア沖に浮上する・・・
監督 スティーヴン・スピルバーグ
出演 ダン・エイクロイド ジョン・ベルーシ 三船敏郎
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★ ★★★ ★★★ ★★★
コメント  いきなり『JAWS』のセルフパロディでぶったまげる。何かやってくれるスピルバーグもコメディに挑戦してきたか!と当時は驚かされたものだ。
 三船敏郎艦長もはりきっているし、潜水艦にドイツ将校が乗っているのも面白い。「イ19」一隻だけでハリウッドを攻撃するなんて馬鹿馬鹿しい設定だけでもう満足。全体的には登場人物が多すぎるため、セクシー女優のナンシー・アレンも途中から影が薄くなってしまう。結局、ドタバタ劇のメインを飾るのはジョン・ベルーシだったし、この映画が『ブルースブラザース』に繋がると考えると価値ある一本だったのかもしれない。
 最後に海辺の家が転落する光景には口をあんぐりあけて、大笑いしてしまうほど、金をかけたコメディだったわけか。

1980年アカデミー賞撮影賞、視覚効果賞、音響賞ノミネート
(2006.12)

ICHIGEKI 一撃 2004 アメリカ
ギャガ・コミュニケーションズ
OUT OF REACH
ストーリー  CSAを引退したウィリアムはボランディア団体を通じてポーランドの孤児院のイレーナと文通していた。ある日、彼女からの手紙がプツリと途絶えて、ポーランドへ単身乗りこむのだが・・・
監督 レオン・ポーチ
出演 スティーヴン・セガール アイダ・ノヴァクスカ アグニェシュカ・ヴァグネル
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★ ★★ ★★
コメント  国際的な人身売買組織が相手。イレーナとは文通によって暗号を教え、追跡劇でも暗号やスパイのようなメッセージを残すところが面白い。しかし、アクションが全くない・・・社会派サスペンス映画を目指したのだろうか、それにしては銃撃戦だけはしっかりある。
 子供の前だからと言って銃を置いて剣で戦うなんて・・・ちょと不自然。
(2006.5)

いちご白書 1970 アメリカ
MGM
THE STRAWBERRY STATEMENT
ストーリー  公園を軍事訓練施設に立て直すことに反対したことから盛んになった学生運動。ボート部のサイモン・ジェームズが次第に学生運動にのめり込み、活動家の女子学生リンダと恋に落ちる。
監督 スチュアート・ハグマン
出演 ブルース・デイヴィソン キム・ダービー ボブ・バラバン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★★
コメント  ゴキブリを見て「ベトコンめ!」と八つあたりするボート部の大学生サイモン。同室のチャーリーはアーマという女学生とセックスしている。このアーマーが運動家。座り込みが運動の手始めだと主張する。時事問題には関心もなかった自由主義者を気取っていたが、学内のアジテートやストライキに興味津々。
 体制派はカッコ悪い。最初は軽い気持ちだったに違いない。皆の中心になってアジテートすることに陶酔するような感覚かもしれない。リンダと仲良くなりたかっただけかもしれない。彼女には恋人がいたのに、それでも“革命”中だけでも付き合っていたかった。根っからの活動家としての彼女とは若干意見が違っていたので、ボート部員に殴られたことを逆手に取って警官に殴られたように見せ英雄視されたりもする。公園でいちゃついてるときに5人組の怪しい男達に襲われそうになったこともあって、一つ一つの行動が“生きる証し”となって反戦を唱え暴力を否定する。
 70年以降衰退していった学生運動にちょっとでも身を投じてみたかった憧れもあってか、かなり好きな映画。音楽も「サークルゲーム」を始め、CSNYやニール・ヤングの音楽が心地よく響く。そして、ラストの講堂を占拠した学生達に対して警察と軍隊が出動する光景。常に暴力を否定している彼等に対する横暴な権力側の暴力。いたたまれない気持ちになると同時に爽やかに青春時代を語っているようで心地よさが残る・・・

1970年カンヌ国際映画祭審査員賞
(2006.5)

無花果の顔 2006 日本
シナジー
ストーリー  花の咲かない無花果の木。その家に住む普通の家族。工務店で働く父は他人のやって手抜き工事の後始末のため朝帰りの生活。家族に気を遣いウィークリーマンション暮らしを始め仕事を片付ける。そして仕事場で倒れ、帰らぬ人となった・・・
監督 桃井かおり
出演 山田花子 桃井かおり 石倉三郎
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★ ★★★ ★★★ ★★
コメント  「無花果の顔」と聞くと、山田花子の顔が無花果のように映し出されるのかと想像してしまいますが、意外と色白でした・・・
 時代はいつ頃なのだろうか、父親(石倉三郎)の使っていた移動電話やウィークリーマンションを利用しているから80年代以前ということくらいしか想像できない。しかも門脇家では黒電話を使っているし、テレビもチャンネルもガチャガチャ式である。娘の結夢(山田花子)がパソコンで原稿作成している場面へ飛ぶと時間の経過もわかるのですが、母親(桃井かおり)が父の死からようやく立ち直るのにそれだけ時間を要したことが痛々しかったりもする。
 登場人物も少ないのにも拘らず、家族の面々は不思議な会話を続けるので観客はちょっと距離を置かれてしまう。それぞれの奇妙な行動も、斜め上から撮るアングルや食卓でのわざとらしい切り替えしカットも、斬新ではあるけどテクニックのごった煮状態になっていると感じてしまうのです。また、突然幼少時の顔になる結夢の映像とか突然巨大な蟻のCGが出てきたり、最近の邦画でよく見かけるクリエイティブな映像もあります。もしかすると、この一貫性の無さはそのままファンタジックな桃井かおりの心情を表現しているのかもしれませんが、それだと花子ちゃんが置いてけぼり食らってしまいそうです。せめて「わたしはエリザベスよ!」などというギャグでもあれば微笑ましかったのに・・・
 全体的には、短編をひとつにまとめた脚本ということもあって中途半端に描かれているところも多かったように思います。個人的には石倉三郎と隣人との関係をもっと描いてほしかったですし、結夢ちゃんの戸籍も気になって欲求不満になってしまそうです。そうした疑問を投げかけると、「映画を体で感じなければだめよ〜」などと言う桃井かおり監督が夢の中に現れてくるような気もする・・・
 邦画でも女性監督がどんどん進出してきています。たまたま3本連続して女性監督邦画を鑑賞したことになりましたが、それぞれのちょっとした台詞のやりとりにおいても行間の意味が隠されているような繊細なタッチが感じられます。ただ、プロット自体に重きを置かないという特徴は、続けて鑑賞すると印象が薄れてくるという欠点もあるような気が・・・
(2007.1)

いちばんきれいな水 2006 日本
アミューズソフトエンタテイメント=博報堂
ストーリー  11年間眠り続けている姉がいる12歳の夏美。誕生日が近くなった夏休みのある日、写真家の叔母真理子が南米で事故に巻き込まれ、両親が急きょ現地へ向かい、彼女は留守番することになったが・・・
監督 ウスイヒロシ
出演 加藤ローサ 菅野莉央 カヒミ・カリィ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★ ★★★★★ ★★★ ★★★
コメント  いきなり目覚めたいばら姫の姉。自分の手を見て驚愕することはありませんでしたが、『キル・ビル』よりも長く眠っていたので、世界最高記録となった!
 小学校6年の夏美(菅野莉央)は塾でも特進クラスで1番の成績だ。算数の問題は一桁の四則演算ばかりだったけど、すごいと思ったのは“塾”という漢字をスラスラ書けることです。姉の愛ちゃん(加藤ローサ)の看病もそつなくこなし、両親だって安心して留守番をまかせることができる優等生。だけど、留守中にお姉ちゃんが目覚めたという異常事態に病院へ連絡しなかったのは手抜かりでした。中身が8才の姉に振り回されることだって避けることができたのに・・・
 最も心配していた加藤ローサの小学生になりきる演技も無難にこなしていたようだし、ストーリーだってしっかりしたファンタジーでしたが、台詞と台詞の行間を埋めるような演出が物足りない感じ。それに、いい表情を出して演技していたのは妹夏美だけだったかもしれません。しかし、それらの不満を全てカバーしてくれる綺麗な水の映像。そして、一見して怪しげな外国人に対しても、素直な心で接する愛ちゃんのピュアな心が水に溶け込んでしまうかのようでした。
 メガネフェチが流行した反動なのでしょうか、「メガネを取ったほうが可愛いよ」・・・といった映画が『ただ、君を愛している』『7月24日通りのクリスマス』と、なぜか最近続いている。何かが変化する女性心理を上手く描いているとは思うのですが、「もしかするとコンタクトメーカーが資金援助しているんじゃないか」と疑ってしまうのはピュアな心が欠けている証拠です。
 叔母の真理子(カヒミ・カリィ)も怪しげなカメラマンでしたが、「犠牲になってもいい」などと言ったときにはドキリとさせられました。彼女の優しい心がほんの少しの奇跡をおこしてくれたところにホロリ・・・ブラジルまで行って、ほんとに死んでしまったんじゃないかと誰でも考えてしまうところにストーリーの面白さがあった。
 愛ちゃんが起きていた3日間。きっと真理子さんが起こした奇跡。冒頭に出てきた工場の廃材をバックに写した小さな手。ダイヤモンドリングも光っていたけど、こんなに深い意味があったとは。
(2006.11)

いつか誰かが殺される 1984 日本
東映
ストーリー  実在するかしないかを親族の前で賭けた財閥夫人。
監督 崔洋一  原作:赤川次郎
出演 渡辺典子 古尾谷雅人 尾美としのり
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★
コメント  どうでもいいくらいつまらない映画だった。バイクを乗りこなし、テーマ曲よりも劇中で歌う雰囲気がよかった渡辺典子。コンピュータオタクの尾美としのりがよかった。
(2006.5)

いつか晴れた日に 1995 イギリス/アメリカ
COLTRI
SENSE AND SENSIBILITY
ストーリー  19世紀初頭イングランド。ダッシュウッド家の主人が死に、妻と3人の娘が残された。息子ジョンに全ての財産を譲ったおかげでじょせいたちにはほとんど残されなかったのだ・・・
監督 アン・リー  原作:ジェーン・オースティン 脚本:エマ・トンプソン
出演 エマ・トンプソン アラン・リックマン ケイト・ウィンスレット
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★
コメント  遺言により、ほとんど遺留分も残されない、息子に全財産が渡るのが当然とされた時代。使用人も20人くらいいるくらいの財産だ。三女マーガレット(エミリー・フランソワ)は隠れてばかりだったが、彼女が一番可愛い。
 ジョンの妻ファニーの陰険な性格に比べ、3人の慎ましく美しい姉妹愛が眩しいくらい。ファニーの弟エドワード(ヒュー・グラント)もいい性格だったけど、いつものヒューらしくひょうきんすぎてついていけない。なんでルーシーと結婚なんだよ!と思っていたら最後にどんでん返しがありました。
 ケイト・ウィンスレットもいい演技でした。

1995年アカデミー賞脚色賞
同作品賞、主演女優賞、助演女優賞、撮影賞、音楽賞、衣装デザイン賞ノミネート
1996年ベルリン国際映画祭金熊賞
1995年ゴールデングローブ賞作品賞、脚本賞
その他いぱい
(2007.2)

いつも上天気 1955 アメリカ
MGM
IT'S ALWAYS FAIR WEATHER
ストーリー  大戦後、仲の良い兵が帰還する。テッドは恋人に振られるが3人はいつまでも友情が続くと信じ、10年後に同じバーで会うことを誓う。
監督 ジーン・ケリー スタンリー・ドーネン
出演 ジーン・ケリー ダン・デイリー マイケル・キッド
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★
コメント  テッド、ダグ、アンジー。ゴミ箱のフタを利用したダンスが素敵。戦争が終わったとうかれ気分だったせいもあって、バーのマスターは戦友なんて1ヶ月もすれば忘れてしまうと言って、3人は反発する。それぞれの人生を過ごしながら10年後の10月11日を迎える。
(2006.6)

いとこのビニー 1992 アメリカ
FOX
MY COUSIN VINNY
ストーリー  南部アラバマでドライブ中の少年二人。コンビニでツナ缶の代金を払い忘れ警察に捕まった。罪を認めたのはいいが、容疑は殺人だった。弁護士をママに探してもらおうとするが、いとこのビニーが弁護士だと聞いて・・・
監督 ジョナサン・リン
出演 ジョー・ペシ ラルフ・マッチオ マリサ・トメイ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  ビル(ラルフ・マッチオ)は『ベストキッド』から変わってないほどの下手な演技。6週間前に弁護士になったばかりのビニー(ペシ)であったが、大学を卒業して司法試験に落ちまくったほど。初めての法廷で、報酬もなし。大丈夫なんだろうかとずっと不安に・・・
 自白の強要や事件前後だけの証言の数々。普通ならば簡単に冤罪へと導けるような気もするのだが、予審においてはビニーの法廷侮辱罪。毎回200ドルの保釈金で拘置所をから出る始末だ。泊まった宿では睡眠妨害。婚約者リサ(トメイ)が騙された金など問題が山積み。ビルの友人は愛想をつかし、公選弁護人に頼んでしまう・・・
 判事には経歴詐称で敏腕弁護士だと印象つけたかったが、徐々に化けの皮をはがされ、何度も窮地に立たされるビニー。自分が偽証罪に問われようともいとこを救いたい一心で、不慣れな法廷を乗り切ろうとする。
 観客をもヒヤヒヤさせるおまぬけぶりと機転の利いた婚約者リサがいいテンポにしてくれる。検事がちょっと弱いけど、彼も元弁護士。無実の者に罪を着せたくない正義感も併せ持つ男でよかった。
 アラバマでの滞在によって色んな事柄が全て伏線となり反証材料になる面白さ。圧巻は証人席に座ったリサで、家族全員が整備士でありカーマニア。タイヤ痕だけでどんな車かわかってしまう。スカッとする映画でした。

1992年アカデミー賞助演女優賞(トメイ)
1993年MTVムービーアワード ブレイクスルー演技賞
(2006.3)



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