案山子 KAKASHI | 2001 日本/香港 マイピック |
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ストーリー | 行方のわからない兄のアパートを訪ねた吉川かおる(野波)は奇妙な一通の手紙を見つける。それは高校時代の同級生宮守(柴咲)からのもので、唯一のその手掛かりで村を訪れる。 | |||
監督 | 鶴田法男 原作:伊藤潤二 | |||
出演 | 野波麻帆 | 柴咲コウ | グレイス・イップ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★ | ★★ | ★★★ | ★ |
コメント | 古来、害虫を追い払うために作られた“嗅がし”。やがて霊魂をも追い払うようになり、“案山子”と呼ばれるようになった。 案山子の祭りをやってるらしいが、何も怖くない。ちょっとだけ排他的で村人がおかしいだけの映画だ。兄ちゃんはみつかったけど、宮守泉の呪縛から逃れられなかった。兄ちゃんは火を放ち、カカシ泉と心中してしまうのだ。多くのカカシが人間に変わるところは不気味だったけど、それだけ。 野波麻帆がなかなかよかっただけにわけのわからない共同脚本が残念です。 (2006.6)
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輝ける女たち | 2006 フランス ムービーアイ LE HEROS DE LA FAMILLE |
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ストーリー | キャバレー“青いオウム”のオーナー、ガブリエルが死んだ。マジシャンで活躍した息子同然のニッキーはその息子ニノと娘マリアンヌに伝え、マリアンヌの母も葬儀に出席・・・ | |||
監督 | ティエリー・クリファ | |||
出演 | ジェラール・ランヴァン | カトリーヌ・ドヌーブ | ミヒャエル・コーエン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★ |
コメント | 皆が愛するガブリエル。“青いオウム”では女装して司会。さすがに歳を感じたのか、一人寂しく海で入水自殺。 遺言ではほとんどの財産が孫にあたるニノとマリアンへ。老朽化しているキャバレーも再建するか、売って相続税を支払うか・・・ゲイのニノは会計士をやっているので損得勘定が速い。キャバレーで歌っているレア(エマニュエル・ベアール)を口説こうとするニッキ。そこへ現れるニノの母親でもある元妻アリス(ドヌーブ)が現れたり・・・ ハリウッド作品だと家族再生の物語になるであろう設定。ところがさすがにフランス映画は一癖も二癖もある。ゲイである息子なんてサプライズでもなんでもなく、むしろ最も普通だったりするところがおかしい。 一番の見せ場はエマニュエル・ベアール。ようやく口説き落としたニッキだったが、実はアメリカで活躍してた頃、寝たことがあったというのだ。「もう一度口説かれたくて・・・」などと言う彼女がとてもキュートだったりする。 (2007.9)
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輝ける青春 | 2003 イタリア 6時間6分! 東京テアトル LA MEGLIO GIOVENTU |
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ストーリー | 1966年から2003年までの37年間をカラーティ家を中心に描く。4人兄弟のうち仲の良かったニコラとマッテオ。 | |||
監督 | マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ | |||
出演 | ルイジ・ロ・カーショ | アレッシオ・ボーニ | アドリアーナ・アスティ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | 夏休み。ジョルジアという少女に出会ったニコラとマッテオ。旅の途中、彼女を田舎まで送り届ける。1966年のワールドカップ中継を見ながら北朝鮮を応援する神経なんてのも、学生運動気質を表しているのか、ちょっと意外。ニコラの一人旅。船でアメリカ人のベトナム脱走兵と知り合うなど、この青春時代の旅が後々までの彼らの人生に影響しているかのよう・・・ 医者になったニコラの妻が赤い旅団に加わって拘留されてしまったり、警官になったマッテオが自殺したりと後半はかなり家族が揺れる。 長い。とにかく長いけど、家族の歴史を語り、感情移入しまくるためには丁度いいとも言える。事件なんかが断片的だということも、それ自体が歴史そのものであることを表しているのだと思うけど、後半の暗さを考えるともうちょっと工夫が欲しいところ。でも終盤になっての母親と娘サラの抱擁シーンはぐさりとくる。 2003年ヨーロッパ映画賞監督賞、男優賞ノミネート (2006.12)
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角砂糖 | 2006 韓国 エスピーオー LUMP SUGAR |
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ストーリー | 済州島の牧場で育ったシウン(イム・スジョン)は幼い頃に母を亡くしたこともあり、母馬“将軍”の忘れ形見“雷(チョンドゥンイ)を可愛がった。シウンは騎手学校に入ることになったが、父親が学費のために雷を売ってしまったのだった・・・ | |||
監督 | イ・ファンギョン | |||
出演 | イム・スジョン | ユ・オソン | パク・ウンス | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | 鞭を持たずに出走?そんな無茶な・・・と考えるのは競馬について無知なだけか・・・ 韓国初の女性騎手の映画。そんなに泣けないだろうとなめてかかっていましたけど、中盤と終盤の2回も泣かされてしまいました。ヒロインのイム・スジョンは『アメノナカノ青空』や『箪笥』などでも好演してましたけど、3ヵ月の乗馬特訓と5ヶ月もの馬との共同生活を経ているらしく、この映画にかける意気込みが凄い。どちらかというと、馬に泣かされたんですけどね・・・ 済州島にある、一応国営の馬牧場。亡き母親の愛馬“将軍(チャングム)”が生んだ子馬に“雷(チョンドゥンイ)”と名付けた少女シウン。生活を共にし、愛情の注ぎ方も家族同然だった彼女は父親に内緒で騎手学校の試験を受け合格してしまう。しかし、学費捻出のために父親はチョンドゥンイを手放してしまったのだ。 厩舎にはいい調教師も悪い調教師もいて、悪い方は状態の良くない馬であっても平気で馬主に売ってしまうし、レースでは騎手に平気で八百長させるのです。そんな悪環境の中、2人の女性騎手は万年ビリといった状況。調教師とケンカしたことで嫌気がさして、宿舎を飛び出してしまったシウンだったけど、売られて2年以上経っていたチョンドゥンイとの再会により再びジョッキーへの夢を追い求める。 『夢駆ける馬ドリーマー』では「この子は甘党よ」などと言って、ダコタちゃんは勝手にアイスクリームを食べさせていましたが、この『角砂糖』ではタイトル通り角砂糖を食べさせるのです。もしかすると、鼻血の原因はこの角砂糖が原因じゃなのか?と邪推してしまったほど。まぁ、ドーピングテストには引っ掛からないんでしょうけど、いいのかな・・・ とにかく動物映画には弱い。『マリと子犬の物語』の予告編だけでも泣いてしまうほどなので、この映画ではチョンドゥンイの鼻血に負けないほど鼻水じゅるじゅるです。完璧かというとそうでもなく、年配のジョッキーの落馬や、八百長の事実をもうちょっと掘り下げてもらいたかったところ。高給取りのジョッキーや、金持ちの馬主など、貧乏人が出てこないってところも物足りない・・・こうなりゃ馬券を買って金持ちになってやる〜〜! (2007.9)
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隠された記憶 | 2005 フランス/オーストリア/ドイツ/イタリア ムービーアイ CACHE |
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ストーリー | TVキャスターのジョルジュの家に送り主不明のビデオテープが届けられた。 | |||
監督 | ミヒャエル・ハネケ | |||
出演 | ダニエル・オートゥイユ | ジュリエット・ビノシュ | モーリス・ベニシュー | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
なし | ★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★ |
コメント | 自宅前の盗撮映像。防犯カメラのゆな雰囲気だが、送り主は何を目的にしているのかさっぱりわからない。映画の始まり方が無言状態なので、そうした恐怖を倍増している。 見逃しちゃダメだ!と思いつつもパソコンを触りながらの鑑賞となってしまい、何か見落としているのかもしれないが、そんなことはどうだっていい。息子を誘拐されたと思い、自分の過去の罪を思い出して疑心暗鬼になるジョルジュ。その罪の意識が問題となるだけ。具体的な描写もなく、会話だけの判断となってしまうが、黒人に対する後ろめたさはかなり見受けられた。 男に呼ばれて、その場で首切り自殺されるシーンがショッキングなだけに、後半がどうしてもだるくなる。最後のロングショットの2シーンによってビデオの隠し撮り犯人は未だ健在だと暗示して、非日常の恐怖を描き出す手法は凄いと思う。けど、つまらないんです。 2005年カンヌ国際映画祭監督賞 2005年LA批評家協会賞 外国映画賞 2005年ヨーロッパ映画賞作品賞、監督賞、男優賞、編集賞 その他 (2006.12)
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隠し砦の三悪人 | 1958 日本 東宝 |
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ストーリー | 戦の跡、又七と太平は秋月の金の延べ棒を見つけ、そこへ現れた真壁六郎太とともに山名経由で早川領へ抜けることに決めた。 | |||
監督 | 黒澤明 | |||
出演 | 三船敏郎 | 千秋実 | 藤原釜足 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | 黒澤映画初のシネマスコープ。いきなりコミカルな演技によって二人が『スターウォーズ』のC3POとR2D2に見えてくる。強欲な狂言回しの二人が最後まで笑わせてくれ、対する姫(上原美佐)が人間の醜さを知っていくところが対照的。そして最初から圧倒されるエキストラの数!大きなスクリーンで観たかったな〜と思わせる。 金をどこに隠したか、という小手先のプロットで驚かすよりも、練りに練った脚本、そして田所兵衛(藤田進)との槍決戦シーンや真壁(三船)の本物の流鏑馬よりも迫力ある馬上の殺陣。ごまかしが一切ない映像力だった。 リメイクでは田所兵衛のゲイネタとも思えるやりとりが逆に面白かったけど、全体的に面白さは互角。「裏切り御免」と捨て台詞を吐く田所のシーンが気持ち良かった。 (2008.9)
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隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS | 2008 日本 東宝 |
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ストーリー | 黒澤映画のリメイク | |||
監督 | 樋口真嗣 | |||
出演 | 松本潤 | 長澤まさみ | 椎名桔平 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | 『スターウォーズ』に影響を与えた黒澤オリジナル。今リメイク作は『スターウォーズ』のダースベーダーに影響された? 実はオリジナルをしっかりと観ていないので比較もできませんが、アイドルが出演している娯楽時代劇とすれば、なかなかいい仕上がりになっていたように思います。『日本沈没』の出来の悪さもあったので、観に行くのもためらっていたのに、気になってしょうがない。と、怖いもの見たさでついつい・・・ 森田リメイク版『椿三十郎』なんてのは織田裕二の背伸びした感じが浮いてしまったけど、今回の阿部寛が演ずる真壁六郎太はさりげない動きがミフネを感じた。あぁ、オリジナルでは三船敏郎が演じているんだな〜とわかったくらいだ。残念なのは雪姫(長澤まさみ)と金堀の武蔵(松本潤)に隠れてしまっていたこと。これじゃ六郎太が隠し砦の“砦”だ。すると三悪人というのは他の三人のことなのかな?などと、結局誰が悪人なのかわからずじまいの鑑賞となりました。 樋口監督ということもあり、CGやアクションを楽しめるのかと思っていたけど、冒頭の秋月城炎上以外はそれほどでもありませんでした。それよりも、残虐なシーンや民が苦役を強いられているシーンが効果的で、平民の心を理解してゆく雪姫に感情移入してしまう。「民の心を知らねば再興もできぬ」という言葉も印象的でした。そんなこんなで十分楽しめたのですが、最後の音楽によってガクッ・・・ BS2の黒澤特集を楽しみにしているのですが、このオリジナル作品放映は9月まで待たねばならない。その際には雪姫の魅力の違いや関所の男色役人(高嶋政宏)の違いをチェックしたいものです。 (2008.5)
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影 | 1956 ポーランド ヘラルド CIEN |
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ストーリー | 列車から飛び降り惨死した男を病院に運んだカップルは、そこの医師にから不可解な事件の話を聞かされる。 | |||
監督 | イェジー・カヴァレロヴィチ | |||
出演 | ズィグムント・ケンストウィッチ | タデウシュ・ユラシュ | イグナーチ・マホフスキー | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | 戦争中、活動家たちがナチ協力者を憎むような会話している中、表では「人狩りだ」と叫ぶ群集。逃げる仲間たち・・・ 最終的にカップルが目撃シーンの裏側へと繋がる上手い編集方法!これにはゾクっときてしまいました。 (2007.2)
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陰日向に咲く | 2008 日本 東宝 |
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ストーリー | 台風12号が接近する東京。ギャンブルから足を洗えないバス運転手の青年と、母が恋したコンビの相方を探す女性弁護士、崖っぷちアイドルを応援する青年、大ぼら吹きのカリスマホームレス“モーゼ”と人生を投げだしホームレスの世界に入る男。一見、無関係ながらも妙な縁で近づいていく・・・ | |||
監督 | 平川雄一朗 原作:劇団ひとり | |||
出演 | 岡田准一 | 宮崎あおい | 塚本高史 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★ |
コメント | 『木更津キャッツアイ』の岡田准一と塚本高史、『純情きらり』の宮崎あおいと三浦友和、『釣りバカ日誌』の西田敏行と平山あや。一見、関係ありそうな彼らが微妙に繋がらない・・・ 『純情きらり』では宮崎あおいに振られるという劇団ひとりが原作の映画。ギャンブルから足を洗えないバス運転手の岡田准一と、かつて漫才コンビを組んでいた母が恋した相方を捜す宮崎あおいの2人を軸に、それぞれの登場人物が終盤になって繋がりが出てくるという群像劇の手法はなかなか見事なものでした。 どこか日の当たらない人たちを描くということで、身につまされる思いになるのではないかとビクビクしながらの鑑賞となったわけですが、まずはパチンコ依存症の岡田准一を見ていてグサリ。パチンコの機種を見て、これは去年の梅雨頃のロケだとわかってしまうところが痛い。サラ金にまで手を出してる人も知っているのでかなりリアルに感じてしまいます・・・借金してまでやっちゃダメですよ・・・ 後光が差しているかのような“モーゼ”を演じていたのは西田敏行。神は神でも貧乏神じゃないのか?とつっこみたくもなるのですが、『釣りバカ日誌』、『椿山課長の七日間』、『憑神』、それに『自虐の詩』(堤幸彦監督)と“ツ”で始まる映画が多かっただけにツキがなくなるんじゃないかとちょっと心配でもありました。まぁ、そのツキの無さは岡田准一のパチンコにも影響してやめる決心をさせることになるのかもしれません。 三浦友和の住む家は桃の木があった。桃と聞いて真っ先に山口百恵を思い出したりもするのですが、彼は桃の名産地でもある山梨県塩山市(現甲州市)出身。“塩山桃源郷”が有名なところです。そのためか、彼の桃の木を見つめる姿が妻を想ってか、故郷を想ってかわかりませんけど、ぴたりとハマっていました。 サブストーリーみたいな感じではあったけど、崖っぷちアイドルの平山あやを一途に応援する塚本高史のエピソードがとてもよかった。咄嗟の判断でケータイをかけるシーンや荒らしのような書き込みシーンが特に印象的。毎日納豆を食べて血液をサラサラにしなければいけないな〜などと感じてしまったドロ・・・『キサラギ』ももう一度観たくなったドロ・・・ (2008.1)
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陽炎 | 1991 日本 松竹 |
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ストーリー | 昭和初期、熊本にて一人の女胴師が体を張って家を守る。 | |||
監督 | 五社英雄 | |||
出演 | 樋口可南子 | 仲代達矢 | 荻野目慶子 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★ | ★★ | ★★★ | ★ |
コメント | 親がわからない女の子りんをやくざの親分が養女にした。立派にやくざの娘となったりんは熊本に帰り、やくざ家業を継ぐ。 樋口可南子や荻野目慶子、その他大勢の女優がみんな脱いでいる映画。この時代の邦画は五社監督作品をはじめ、女優がみなヘアヌード写真集に繋がるものが多いようだ。まるで写真集を売るための映画という雰囲気で、映画そのものも中味が薄い割りに大作風のつくり。 それでも俳優の演技はなかなか熱が入っていた。特に高品格!『麻雀放浪記』での演技を思い出させるような渋い爺ちゃんだ。 それにしても、この博打ってルールがよくわからん。花札のようでありトランプのようであり、どちらが勝ったのかさっぱりわからない。 おりんの義弟一太郎が恋人(荻野目)と心中に見せかけ殺される。「悪党ども、往生しなっせ!」と爆弾を投げ込むシーンが凄かった。しかし、すごいのはここだけ。いつのまにか樋口可南子に惚れていた仲代達矢も最期に見せ場を作ってくれるものの、正義感を振りかざすおりんには「賭博やること自体がいけないんだよ」と教えてあげたくなりました。 1991年日本アカデミー賞助演女優賞、音楽賞、撮影賞、照明賞、美術賞ノミネート (2006.9)
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