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1955 イタリア/フランス
泰西=新外映
IL BIDONE
ストーリー  聖職者に扮した男アウグストは画家くずれのピカソとチンピラのロベルトとともに善良な農民を騙して小銭を手に入れる。
監督 フェデリコ・フェリーニ
出演 ブロデリック・クロフォード リチャード・ベースハート フランコ・ファブリッツィ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  ある犯罪者がこの土地に遺体と宝物を埋めた。宝物は土地の所有者に帰するが、そのためには故人のミサを執り行うため50万リラが必要だ・・・などと、宝物に目がくらむ小市民を巧みに騙す詐欺。次に狙うは長屋住まいの人に対する公営住宅の詐欺。
 一仕事終わった大晦日、アウグストの古き友人リナルドが近づいてくる。彼は相当な金持ちでパーティに招待された。ひと騒動があって、ピカソの妻(ジュリエッタ・マシーナ)は夫の職業に疑いを持ってしまう・・・
 アウグストにも大学に進学する娘がいる。そしてピカソも若くして幼き娘が。それが裏稼業を続ける上での障害となっていた。いったんは逮捕され出所後にまた聖職者の詐欺を働くことになったアウグストだったが、そこの農家には18歳になる小児麻痺の娘がいて、彼の心が曇ってしまったのだ。仲間には「金は返した」と言うものの靴の底に隠していたアウグスト。仲間に投石され崖の下に落ちてしまった・・・
 心動かされたのなら本当に金を返せばよかったのに・・・と思うが、その矛盾が彼の人生そのものだったのかなぁ。マフィアとは違い、銃撃じゃなく投石、殴る、蹴る。犯罪モノにしては庶民から金をくすねとる小悪党ども。人間の良心に問いかけるところが好きだ。ラストシーンも唐突でシュール。崖から這い上がって終わりFINE
(2008.7)

崖の上のポニョ 2008 日本
東宝
ストーリー  海辺の町の山の一軒家に住む保育園児の宗介は家出してきた金魚のポニョを助ける。一旦は魔法使いの父親に連れ戻されるが妹たちの力を借りて再び人間界へ・・・
監督 宮崎駿
出演 山口智子 長嶋一茂 天海祐希
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★
コメント  帽子は小さくなってしまったけど・・・いいのか?
 映画やアニメがことごとくパチンコキャラとして使用されているのにジブリだけは頑なに拒否している姿勢は評価できるのですが、なぜかポニョの顔がデフォルメされるとパチキャラの玉ちゃんに思えてしまいました・・・いかんいかん。
 最近の宮崎アニメは意味不明の部分が多かったり、謎は謎として観客に委ねてしまう傾向があるのかな〜などと考えてしまう。4年ぶりとなる今作もアンデルセンの『人魚姫』がモチーフであるとわかっていながら、5歳児のように純真な心で観ることができない悲しさ。なぜ地球を崩壊させ(?)て海中心の世界にしなければならないのか。なぜ古代魚なのか。なぜ『魔法のマコちゃん』じゃいけないのか・・・等々と悩みつつも、3DCGアニメに疲れた現代人にとっては優しい人間の手による作画に心奪われていきました。
 怪しげなフジモトという男から逃れて上陸したさかなの子。崖の上の一軒家に住む園児宗介が助けた途端、“波”のような巨大魚が彼を襲う。『となりのトトロ』のように子供にしか見えないという設定の巨大魚でしたが、海底のゴミとともに描かれると『ゴジラ対ヘドラ』のヘドラに見えてしまうのだ。と、妄想にとりつかれていると、フジモトは天本英世氏をモデルにしてるんじゃないかと疑ってしまう。同じように、マックロクロスケのように蠢くフナムシの群れが小さな王蟲に見えたのも固定概念に縛られていたためかもしれません・・・
 幼児向けの映画だったんだな・・・などと諦めるつもりが、ゴミ公害だとか、温暖化による海面上昇だとか、色々思いめぐらせていると、ふと子供を旅立たせることがテーマだったんじゃないかと疑ってしまいました。評判の悪かった『ゲド戦記』。だけど、ポニョを人間界に出してやってもいいんじゃないかと考えなおすフジモトは息子を独立させる決意をした宮崎駿監督本人に思えてしょうがない。そうやってストーリーを見てみるとと、デボン紀の古代魚なんてのは監督の原点を思い出させようとするメタファーだったのかもしれません。親子の確執、そして試練を乗り越え全て受け入れているメッセージ。それとも自身の過去との決別か・・・
 過去作品を彷彿させるのは、まず軽四のカーアクションや水没する町で『カリオストロの城』。崖の上の家が浮かんだ様子が『未来少年コナン』の“のこされ島”。巨大魚もそうだが、ポニョの本名“ブリュンヒルデ”は『太陽の王子ホルスの大冒険』の悪魔グルンワルドとヒロインのヒルデの名前。古代魚や虫が『風の谷のナウシカ』。なぜだか『トトロ』以前の作品が多いことにも意味がありそうだ。
 やはり不満なのは声優。長嶋一茂なんてのは『トトロ』の糸井重里並だし、所ジョージにもがっかり。『アルフ』のときはよかったのに・・・

(2008.7)

影武者 1980 日本
東宝
ストーリー  戦国時代。家康の野田城攻めの折り、鉄砲で撃たれこの世を去った武田信玄。弟信廉は信玄死すの報を打ち消すため信玄の影武者を立てる・・・
監督 黒澤明
出演 仲代達矢 山崎努 萩原健一
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★
コメント  うん、やっぱり映画館で観たかった。こんな迫力ある戦闘シーン。 以前にもテレビで見ようとしていたんだけど、終盤を覚えてないってことは眠ってしまったいたんだなぁ・・・
 冒頭からこんがらがりそうだったけど、武田信廉自信が影武者であったため、意味深な会話になっていました。孫の竹丸を本当の孫であるかのように徐々に信玄に同化していく様子。ただ、伝わりにくい。

1980年アカデミー賞外国語映画賞、美術監督・装置賞ノミネート
1980年カンヌ国際映画祭パルムドール
その他多数
(2008.7)



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