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ガーダ −パレスチナの詩− 2005 日本
バイオタイド
ストーリー  パレスチナに住むガーダという女性にスポットを当て、彼女の見たイスラエルとの戦争を描いたドキュメンタリー。
監督 古居みずえ
出演 ガーダ ナセル  
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★   ★★★★   ★★★★
コメント  報復の連鎖を断ち切りたい!と切に願います。
 一人のパレスチナ女性ガーダを中心に描いたドキュメンタリー映画。彼女が独身の頃から映像を撮り続け、結婚や出産をも映像化するほど視点がガーダになっている。パレスチナ・ガザ地区が古い慣習にしばられている町。それに反発するかのような彼女の結婚観、職業観、そしてイスラエルに対する考え方が切々と伝わってくるのです。そのガーダを人生観を変えてしまったのも監督古居みずえさんらしいのですが、舞台挨拶付きの上映を観なかったことが悔やまれます。
 一人の女性にスポットを当てただけで、彼女の親族がイスラエルの攻撃によって死んでしまう現実が浮き彫りにされたり、意味不明の乱射攻撃に晒される現場をも経験してしまうという危険な地域。近所の人はイスラエル軍の駐留に対して投石というささやかな抵抗。いつ殺されるかわからないという緊迫した状況であっても隣近所支え合って生活していかねばならないのです。
 教師という職業を選らんだこともあって、彼女は人生の目標をパレスチナ女性の苦難の歴史を本にすることに決める。1948年にお祖母さんが経験した故郷を追われた悲劇。国境に生きる農家の生き様。イスラエル建国の日からパレスチナ受難の日々が続いてきたことを書き連ねていく決心をしたのです。
 日頃、ナチスに虐待されたユダヤ人の映画ばかり観ていると、ユダヤ人によるパレスチナ人の虐待が信じられないというのが率直な感想で、認識が甘く、とても恥ずかしかった。ガーダ自身もイスラエルが憎いというよりも、「アメリカが悪い」と言っていた印象が強く残ります。また、彼女が平和を求める切なる声も字幕では「たたかう」という言葉で表現していましたが、実際にはstruggleと言っていたので安心しました。考えてみると、生きていくことは全てたたかうことなのだろうと思います。と、職業訓練と再就職でたたかってるkossyが書いてみました。
(2006.9)

片腕カンフー対空とぶギロチン 1975 台湾(香港)
松竹
ONE-ARMED BOXER VS. FLYING GUILLOTINE
ストーリー  『片腕ドラゴン』の続編。18世紀、鷹爪拳道場の主催で異種武道大会が開かれた。弟子を片腕ドラゴンに殺されたギロチン使いの老人が片腕の男を抹殺に来る。
監督 ジミー・ウォング
出演 ジミー・ウォング カム・カン ドリス・ロン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★
コメント  『キル・ビルvol.1』の栗山千明の武器のモデルとなった、タランティーノが愛するB級カルトカンフー映画だ。オタク心をくすぐる内容に納得できる武道大会。インド、タイ、日本と、中国以外の国からも参加した武闘家たちがすごいのだ! ムエタイの使い手の悪役もいいが、ゲーム・ストリート・ファイターを思わせる、手が伸びるインド人がいい。
 『片腕ドラゴン』は映画館で観ていたが、これは観なかった・・・悔やまれる(笑)
(2004.10)

ガタカ 1997 アメリカ
COLTRI
GATTACA
ストーリー  ビンセントは母体から生まれた不適合者。事故に遭い車椅子生活の男になりすまして、宇宙局ガタカに入社する。ジェロームとなったビンセントは夢であった宇宙飛行士になるはずだったが・・・
監督 アンドリュー・ニコル
出演 イーサン・ホーク ユマ・サーマン ジュード・ロウ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  試験管ベビーが一般的となっている近未来。弱点となる遺伝子は全て排除して、いわゆるエリートばかりを育て上げる社会。画一化された顔や人の判断基準をDNAに求め、病気や寿命などが生まれたときから決まっている。安定した社会になりそうだが、個性がなくなる分、生きる上での目的や余暇の楽しみなど感じなくなりそうだ。
 土星の惑星タイタンを目指す飛行計画。打ち上げ反対の上司を殺した犯人は誰なのか?という展開で、不適合者であることがバレることを恐れたビンセントが苦悩する。血液検査ばかりなので他に方法がないのかと考えてしまった。重要なのは心臓病を患い、寿命をとっくに過ぎているビンセントが夢を追い求めて実現に手が届くという一途な部分。ユマ・サーマンだって心臓病なのだから、ラストに彼女にも急展開があれば最高だったかも・・・
 それでもラスト、ジュード・ロウの行動に微笑まずにはいられない。

1997年アカデミー賞美術賞ノミネート
1997年ゴールデングローブ賞音楽賞ノミネート
1998年ジュラルメール・ファンタスティック映画祭審査員特別賞
(2005.6)

かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート 2006 香港
ギャガ・コミュニケーションズ
DRAGON TIGER GATE  龍虎門
ストーリー  孤児が行き着く龍虎門。そこで育ったタイガーは、マーが率いる悪の秘密結社と争うことになった。そこの強い用心棒ドラゴンは彼の生き別れた兄だったのだ。やがて巨大組織“羅刹門”に道場破りされた龍虎門のタイガー、そしてターボ。ボスを殺されたドラゴンも復讐に燃え・・・
監督 ウィルソン・イップ
出演 ドニー・イェン ニコラス・ツェー ショーン・ユー
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★★ ★★★ ★★★
コメント  タイガーがニコラス・ツェー。そしてフラっと現れたターボがショーン・ユー。ドラゴンもそうだし、皆長髪。3人並ぶとジャニーズ系のグループのようだ。アクションは結構いける。ワイヤーアクションもわざとらしくてB級感も全開となる。そしてラスボスのいる建物や、マーの師匠の住む塔とか、CGも全開でゲームの世界のようだった・・・元は漫画であるため、マーベルコミック映画のようなオープニングもおかしい。
 ストーリーはかなりわかりにくかった。というか、ターボの存在が不自然すぎる。それに暴力団にしたって、いっぱいあるようだったし、つかめないぞ。タランティーノも絶賛してしまいそうな映画なだけに惜しい。
 悪役で出演しているリー・シャオランは『中国の植物学者の娘たち』でも妖艶な雰囲気だったけど、この映画でもほんのり色気を振りまいてくれた。『至福のとき』や『最後の恋、初めての恋』にも出演していたドン・ジェはちょっと普通の女の子になった感じ・・・残念。
(2008.2)

ガチ☆ボーイ 2007 日本
東宝
ストーリー  北海道の大学生五十嵐良一は事故で“高次脳機能障害”を患っていて、一晩眠ると全てを忘れてしまう。彼が学生プロレスに惹かれ、プロレス研究会に入り練習するが、商店街のデビュー戦でガチンコ勝負となり勝ってしまう・・・
監督 小泉徳宏
出演 佐藤隆太 サエコ 向井理
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★★
コメント  ただのプロレス映画だと思っていたら・・・やんごとなき青春映画だった。
 一晩眠ると以前の記憶を失くしてしまう大学生五十嵐(佐藤隆太)。これだけの設定を見ると、記憶障害を扱った映画『50回目のファーストキス』と似ている。朝起きると、天井や壁には「日記を見ろ」という自筆の文字が何枚も貼ってあり、“明日の僕へ”と書かれた数冊のノートに目を通す。毎朝同じことの繰り返し・・・
 根本的に『50回目〜』と違う点は、自ら日記や写真を整理し、自分の過去の行動を理解し役立てようとしている性格だ。高次脳機能障害の原因となる事故以前の記憶は忘れることもなく、新しく記憶ができないだけ。したがって、事故直前に感動したこと、恋心を持った人を追い求めて行動するのだ。普通の社会人として働くことができないことも理解しているし、そのため家族にも一生迷惑をかけ続けることになることも承知している(これも毎朝確認)。だからこそ、学生時代に思い切って好きなことを・・・
 五十嵐の熱き想いは理屈抜きで伝わってくるのです。一日しか記憶できない、だから毎日が一生懸命、アザが、筋肉痛が、カラダだって記憶する。毎日が彼にとっての一生の出来事。ガチンコではない学生プロレスであっても、生きる証しのためにガチンコとなってしまうのだ。しかも弱々しいレスラーのマリリン仮面。観客だってそんなひたむきさに夢中になってしまうのです。
 プロレス研究会“HWA”の他の部員も個性的で飽きさせない。序盤の展開はすべっていたので心配したけど、さすがはウケを狙うのが主目的である学生プロレスだから、彼らのお笑い精神がそのうち自然に思えてくる。できればもう少し笑いたかったのですが、記憶障害の視覚効果の物足りなさと同様、作り手もガチンコで臨んでいたことが若々しさを感じさせてくれているので逆に良かったのかもしれません。
 HWAの中では安全第一主義のレッドタイフーン奥寺(向井理)やHWAを去ったドロップキック佐田(川岡大次郎)が印象に残るし、五十嵐の妹(仲里依紗)がとても良かった。時折、向井理が瑛太に見えて、仲里依紗が上野樹里に見えてしまったのですが、そんなことを考えているうちに部室がSF研究会に見えてくる・・・
(2008.2)

喝采 1954 アメリカ
PAR
THE COUNTRY GIRL
ストーリー  フランク・エルジンはかつてミュージカル俳優として成功していたが、舞台演出家バーニー(ホールデン)によって主演に抜擢される。
監督 ジョージ・シートン
出演 ビング・クロスビー グレイス・ケリー ウィリアム・ホールデン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  子どもを自らの不注意で死なせてしまった過去のため、飲んだくれで落ちぶれてしまっていたフランク。プロデューサーは過去の俳優を起用するなんてと大反対。
 なんとか短い契約期間で劇出演を承諾することになったが、妻ジョージー(ケリー)が衣装係や舞台裏にまで口を出すほど神経質になった。二人とも再生の道を模索している。地方公演初日もさんざんな批評で落ちこんでしまうが、酒場で酔っ払うと歌手とデュエットしてしまうほど。このシーンがなかなか素敵です。
 後半の意外な展開。フランクの絶頂期の台詞のことや、まさかバーニーとジョージーがキスするなんてことも・・・NY公演では代役を使うかどうするかと葛藤があるのに。立ち直るのにはまわりの協力がどうしても必要だったフランクと、彼を立ち直させるために自分を殻に閉じ込めていたジョージー。突然の求婚に迷ってしまう・・・
 ラストは余韻を残すいい終わり方。二人の行く先を凝視しないと間違えてしまいそうだ。

1954年アカデミー賞主演女優賞(ケリー)、脚色賞
同作品賞、主演男優賞、監督賞、撮影賞、美術監督・装置賞ノミネート
1954年NY批評家協会賞女優賞
1954年ゴールデングローブ賞女優賞
その他
(2006.2)

合唱ができるまで 2004 フランス
バップ=ロングライド
LES METAMORPHOSES DU CHOEUR
ストーリー  パリ13区のアマチュア合唱団が本番のミサ・コンサートに向けて行う練習の風景。
監督 マリー=クロード・トレユ
出演 クレール・マルシャン こども おとな
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★ ★★★ なし ★★★
コメント  「アニス・デイ」「グレゴリオなんとか」・・・こどもたちと、ティーンネイジャー、そして大人のパートそれぞれの練習風景。最初から上手い子なんて少ないけど、独特な練習法が面白かった。とくに子供たちを教える場面では、輪になって一つの音をリレーしていく発声法が楽しそう。
 各パート、ソリストをどういう基準で選んだのかはわからなかったけど、上手くない男の子をソリストに仕立てたのは見事。周りの子がサポートしたりして、これこそ合唱の醍醐味なんだと気づいてしまう。
 この手のドキュメンタリーは最近多くなってるのかもしれないけど、エンディングのコンサートは盛り上がらない。一番良かった部分は、全員が集まってのリハーサルシーンだった。
(2007.7)

勝手にしやがれ 1959 フランス
新外映
A BOUT DE SOUFFLE
ストーリー  警官を殺してパリに逃げてきたミシェルはアメリカ人の恋人のところにころがりこんだ。
監督 ジャン=リュック・ゴダール
出演 ジャン=ポール・ベルモンド ジーン・セバーグ ダニエル・ブーランジェ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★ ★★★★ ★★★ ★★★
コメント  ヌーベルバーグの旗手として・・・映画文法をことごとく打ち破った・・・などなど、ゴダール評価が高い。面白い手法の映像は確かに多いが、男女の会話で突拍子もない展開が多いところが納得いかない。話題が急展開する会話のやりとりにこだわらないほど親密な仲の会話という設定なのかもしれないが、脚本を読んでみたい気がする。車窓の風景だって飛び飛びなのだから、会話も途切れるようにしてあるのか・・・
 恋人を束縛しない自由な男女の関係がそのまま映像に表したのか、自由な編集、自由な構図が軽さを強調して、邦題をつけた人の気持ちも窺い知れるような。難しく考えないで済むけど、学ぶことが何もないような。
 微妙な男女の関係。男が殺人犯として追われていることを知ったときには刑事の質問にも「知らない」と答え、表情を変えずに電話で密告。ちょっと理解できなかったが、通報したことをミシェル本人にも伝えるパトリシアだった。
 映画史を考えると、ターニングポイントとなった映画ではありますが、現代の視点から見ると、画期的なものが感じられないのはしょうがないことか。当時の人たちの目で見ることができないことが残念でならない。

1960年ベルリン国際映画祭監督賞
1961年英国アカデミー賞女優賞ノミネート
(2006.4)

鬘 かつら 2005 韓国
SPE
THE WIG   SCARY HAIR
ストーリー  白血病に冒されたスヒョンは化学療法のためすっかり髪の毛が抜け落ちら。不憫に思った姉ジヒョンはカツラをプレゼントするのだが、彼女のカツラを借りた友人が不可解な死を遂げる・・・
監督 ウォン・シニョン
出演 チェ・ミンソ ユソン ミンス
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★ ★★ ★★★ ★★
コメント  姉のジヒョン(ユソン)は事故が原因で喋れないという設定はなかなか良いと思ったし、スヒョン役のチェ・ミンソが本当に断髪して坊主頭になるという本気度も凄い。しかし、ストーリーがあまりにもあっけない。怖いシーンもあることにはあるが、効果音に騙されている気がした。最も怖かったのはジヒョンの事故のシーンだったし・・・
 カツラをつけることによって元気になっていく、その姿だけでも怖いのに、何かを味付けしなくてはならないと思ったのでしょうか・・・幻覚での幽霊が中心にしてある。友人の死だって、わけわかんない。
 元婚約者のギソク(ミンス)がゲイだったことが判明した時点でどうしようもなくなる。その相手がいじめにあって殺されたのが元凶。姉の元カレに積極的にアタックする妹はどうかしてるんじゃないかと思うほど。そして、「髪の毛は記憶を吸って伸びる」などと、ちょっと怖い話でもあるけど、映像的には怖くないのだ。あぁ・・・
 『羅生門』の話じゃないけど、死人の髪の毛を使ったかつらなんて怖いです。まぁ、実際は人毛なんだし、有り得ない話じゃない。それでも思い出すのは『若草物語』で金のために髪の毛を売ったお姉さんの美談。
(2007.10)

ガートルード 1964 デンバーク
劇場未公開
GERTRUD
ストーリー  魅力と才能にあふれるオペラの女性歌手ガートルード。愛こそが人生のすべてだと信じる彼女は、やがて、決して満たされることのない男性たちとの関係に別れを告げて、魂の孤独へと身を投じる・・・
監督 カール・T・ドライエル
出演 ニーナ・ペンス・ローデ ベント・ローテ エッベ・ローデ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★ ★★★ ★★ ★★★
コメント  大臣になろうとしている夫と別れ、どうのこうの・・・そして外では愛人と逢引きである。一体何がどうなっているのか、かなり自由奔放な関係なのか?とにかく主人公のガートルードには夫がいて、ピアニストの愛人がいて、故郷に戻った詩人の元恋人がいる。相手にもそれぞれ何人もの愛人がいて、それを好きな女性の前でも隠さない。
 人生には青春と愛しかない・・・天真爛漫そうな台詞だけど、政治に関わる夫から逃げたかっただけなのか。真に愛している人とずっと一緒にいたいだけなどと言っても、男の愛が信用できないのなら、また同じことを繰り返すと思う。
 元が舞台劇なのだろうけど、求愛する男が横を向いてしまっている構図などは、意図的なものなのかよくわからない。とにかくボソボソと喋るガートルードがいったん歌いだすと、その声量に圧倒され、音楽面では面白くないストーリーに花を添えた感じ。


1965年ヴェネチア国際映画祭イタリア批評家賞、新鋭評論家賞
(2008.1)








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