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銀色の髪のアギト 2005 日本
松竹
ストーリー  森が意志を持って町を襲うようになった未来。アギトたちは森の奥で300年前の女性トゥーラを見つける。
監督 杉山慶一
出演 勝地涼 宮崎あおい 古手川裕子
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★ ★★ ★★
コメント  森を守ろうとした銀髪の男が過去に戻そうとする軍隊好きの男に倒されそうになる話?最後にはチルドレンまで生まれてくる・・・
 もちろん政治ドラマではない。多分、自然破壊をなくそうというメッセージも含まれているアニメなのでしょう。しかし、主人公のモチベーションも弱く、過去の過ちについてもよくわからない。単純に映像や音楽だけを楽しめばいいアニメなのかもしれないし、ポスト・ジブリに名乗りをあげたかっただけなのかもしれない・・・
 良作アニメの寄せ集めという意見もかなり多いようですけど、ここでは宮崎アニメに限定して考えてみたいと思います。まず自然破壊というテーマや世界観においては、もちろん『風の谷のナウシカ』とそっくりな設定。森の底にしか生命の源である“水”がない。中立都市の人々はその水を汲み上げるのが日課となっているのです。また、シュナックや部下ジェシカの鎧も似ている。
 『天空の城ラピュタ』からは、森との境界線で番をしてる爺さん、過去から来た少女トゥーラとの出会い、終盤の火山の中など・・・トゥーラという名前も海賊のばあさんドーラから取ったものかもしれません。『未来少年コナン』からは、トゥーラを抱きかかえて走るアギト、列車越しにみつめあう二人、親友カインはジムシーの性格にそっくりだ、などなど。『もののけ姫』からは、アギトの手が不気味な木になるシーン。『ハウルの動く城』からは、戦闘シーンや要塞が歩くシーン。森の番人みたいなゼールイ・ベールイ(?)の目は『となりのトトロ』に違いない(貞子という説も)。そして意外なところで、ヨルダというネーミングは『太陽の王子ホルスの大冒険』のヒルダからかもしれないし、銀色の狼から強化体の銀髪が生まれたのかもしれない。また、「なぜこんなところに列車が?」と思えるのは『千と千尋の神隠し』と一緒だ・・・
 中にはこじ付け気味のものもありますが、“の”の字を入れてタイトルまで雰囲気を似せているほど宮崎アニメに多大なる影響を受けていることは明白です。しかし一方、決定的に違う点では「飛ばない」ことで浮遊感を味わえない、虫が出てこない、グロい部分がないことが挙げられます。ストーリーにおいても、平和のために軍隊は必要であるかのような考え方ではジブリ作品の域に達しないでしょう。なぜ昔の世界に戻してはいけないのかもわからないし・・・
(2006.1)

金色の嘘 2000 イギリス/アメリカ/フランス
シネマパリジャン
THE GOLDEN BOWL
ストーリー  20世紀初め、イギリス上流界。二組の夫婦の物語。
監督 ジェームズ・アイヴォリー
出演 ユマ・サーマン ケイト・ベッキンセイル ジェレミー・ノーサム
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★ ★★
コメント  なんだかとても面白くない。途中からボーっとしてしまって・・・

2000年カンヌ国際映画祭コンペ
(2007.2)

銀河鉄道999 1979 日本
東映
ストーリー  機械の体欲しさにスラム街で盗みを働いていた星野鉄郎はアンドロメダ行き超特急“銀河鉄道999”の乗車券をくれるというメーテルについていった。
監督 りんたろう 原作:松本零士
出演 野沢雅子 池田昌子 田島令子
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★
コメント  TVシリーズよりも大人の顔つきで、ちょっとだけ男前になってしまった星野鉄郎の顔だったけど、始まってみると違和感もなく、恋するという設定にも無理がないような気がする。もちろん劇場での鑑賞だったけど、アニメの劇場版としては当時一番良かったと思う。
 母親を殺されたことで機械伯爵への復讐といったテーマは薄くなり、メーテルと旅することによって成長する主人公の物語。途中知り合う海賊や、エメラルダス、キャプテン・ハーロック。そしてエメラルダスの恋人トチローの存在がなんとも豪華。トチローなんて存在は作者そのものだろう?などと思われるけど、どことなく西部劇チックだ。
 劇場版を初めて観たときに最も驚いたのはもちろん惑星メーテル。TVシリーズも最終目的地へは行ってない頃だったので、この衝撃度はでかかったものです。少年が大人の女性に憧れる多感な時代。男ならば必ず泣けるような・・・そんな映画でした。
(2007.1)

銀河ヒッチハイク・ガイド 2005 アメリカ/イギリス
ブエナ
THE HITCHHIKER'S GUIDE TO THE GALAXY
ストーリー  無数の宇宙船が地球を破壊した。冴えないイギリス人のアーサー・デントだけが生き残ることとなった。15年来の親友フォードが彼を助けるのだが、彼はベストセラー「銀河ヒッチハイクガイド」を編集する異星人だったのだ。
監督 ガース・ジェニングス
出演 マーティン・フリーマン サム・ロックウェル モス・デフ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★ ★★★★★ ★★★ ★★★★
コメント  “42”がとても神聖な数字に思えてくるけど、ロトくじの数字じゃないのか?
 ヴォゴス星人に追われ、ヒッチハイクで辿り着いたのはうそ臭い大統領。しかもフォードのいとこだから不思議だ。それに気になっていた女性トリシアとも再会するし・・・
 いじけむしロボットのマーヴィンもいいし、ゼイフォード(ロックウェル)大統領の二つ首も凄かった。こりゃ仮装大賞に参加すりゃ優勝だぞ。フォード演ずるモス・デフは『16ブロック』で鬱陶しいほど喋っていたけど、この映画では何かと頼りがいのある異星人だ。
 最初からアーサーの家がバイパス工事のために取り壊されるが、その直後に地球が銀河のバイパス建設のために壊されるとかブラックジョークが冴えている。ヴォゴス星人なんてのは公務員的な性格だし、色んな皮肉がとてもいい感じ。
 惑星がどうやって生まれたのかもわかったし、人間がネズミを実験してたんじゃなくて、ネズミに実験されてたのね・・・・それにしても最後の地球再生のシーンがとても素敵!
(2006.12)

金玉満堂/決戦!炎の料理人 1995 香港
アスミック
THE CHINESE FEAST
ストーリー  あるレストランで料理人対決が行なわれていた。妻ビンが出産するという事態となりリウは途中棄権するが間に合わず彼女は出ていった。5年後、ヤクザの甥サン(チャン)が料理人になることを志し・・・
監督 ツイ・ハーク
出演 レスリー・チャン アニタ・ユン ケニー・ビー
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★
コメント  山口百恵がカナダへ行ってしまった・・・この時代の香港でもアイドルだったのか。巨大なナマズが2万ドル。下手クソな歌、バイク二人乗りで疾走、山口百恵と三浦友和になってわけのわからない寸劇。
 ライバルの紹介という因縁めいたものであったが、とりあえず働いた店のボスが倒れ、料理店荒しのような奴等に料理対決を挑まれ、かつてのチャンピオンのリウを助っ人に頼む。
 つまらない。これだったらTVチャンピオンの大会のほうが感動できる。
(2006.4)

キングコング 1976 アメリカ
東宝東和 PAR
KING KONG
ストーリー  インドネシアから石油会社の船に密航した動物学者のジャック・プレスコット。霧につつまれた島に石油採掘調査に向かう途中、漂流した女優ドワンを救助する。
監督 ジョン・ギラーミン
出演 ジェフ・ブリッジス ジェシカ・ラング チャールズ・グローディン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★★ ★★★★★ ★★★ ★★★★★
コメント  高校時代に映画館で観たときの感動は忘れられない。ひょっとすると、映画館で初めて号泣したのはこの映画かもしれないのだ。しばらくキングコング・ブームが続き、サンシャイン60にも実物大のコングが飾られていたものだ。
 『ディープ・スロート』のおかげで助かった女優。チラリと見える裸体の美しさは高校生にとってはかなり目の保養となった。「インカ帝国を発見したのはコルテスじゃなくピサロだ」などという台詞にも世界史を勉強する身には記憶に残った。もちろん「ニューヨーク大停電の9ヶ月後にベビーブームが起こった」という会話はずっと記憶に残る。
 高い砦の中で原住民たちの怪しげな儀式を発見するが、未曾有の大油田発見か!と躍起になる石油会社スタッフたち。「コング コング」と雄叫びを上げる様子には興味はなく、ジャックだけが巨大な猿を予言していた。ドワンは原住民にさらわれ、キングコングが彼女を掴んで島の奥へと帰ってゆく・・・このときの原住民の踊りも神秘的で印象に残る。
 クライマックスでは、今は亡き世界貿易センタービルに登るキングコング。途中、ツインタワーのもう一方へ飛び移るという曲芸も見せてくれる。そして悲しい結末。金儲け主義の大企業への風刺と軍批判の思想が伺えるところも素敵だ。

1976年特別業績賞(視覚効果)
同撮影賞、録音賞ノミネート
1976年ゴールデングローブ賞新人女優賞
(2005.11)

キングコング2 1986 アメリカ
松竹富士
KING KONG LIVES
ストーリー  世界貿易センターで死んだキングコングが大学研究所で生きていたという設定。しかし昏睡状態が続き人工心臓移植が必要なうえ、輸血が必要だった・・・そこへボルネオで雌のコングが見つかったという連絡が・・・
監督 ジョン・ギラーミン
出演 リンダ・ハミルトン ブライアン・カーウィン ジョン・アシュトン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★★ ★★★ ★★
コメント  当時の続編モノには無理のある作品が多かった。それでも宣伝はかなりセンセーショナルだった記憶がある。
 クレーンで運んだ人工心臓がガタっと落ちそうになるシーンなど、意味もなくハラハラさせられる手法。しかし、その後はそれほど昂揚感があるわけでもなく、なんとなくコミカルに展開していくような・・・また、医師であるリンダ・ハミルトンと冒険家(?)の男が関係を持つのが早すぎるため、彼らに感情移入することもできない。
 軍隊とコングとの衝突や、谷間でハンターたちが爆破させる視覚効果もチープなもの。序盤の特撮技術がかすんでしまうくらいなのです。
 ストーリーにしたって、せっかく感動した前作を冒涜しているし、安易にレディー・コングを登場させることも馬鹿げている。はい、二匹とも死にました・・・けど、赤ん坊が生まれましたのでハッピーエンドです!と言われてもねぇ〜。それに、音楽も『未知との遭遇』にどことなく似ているところがどうもひっかかる。
 ちょっとだけ良かったのは暗に軍隊批判をしているところかな。

1986年ラジー賞視覚効果賞ノミネート
(2007.10)

キング・コング 2005 ニュージーランド/アメリカ
UIP
KING KONG
ストーリー  1930年代のNY。野心家の映画プロデューサー、デナムは主演女優にドタキャンされ、新たな女優を探していた。
監督 ピーター・ジャクソン
出演 ナオミ・ワッツ ジャック・ブラック エイドリアン・ブロディ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★ ★★★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  大きな山をひとまたぎ〜♪とやってきたキング・コング。驚愕のVFX、壮絶な恐竜との戦い、そして1933年のオリジナル『キング・コング』への深い愛情をも感じとれるが、観終わった直後の感想は「長かった・・・」であった。
 オリジナル作品はSFXの先駆け、後世の怪獣映画へ多大な影響を与えたエポックメイキングな映画だった。個人的には最初のキングコング体験が『キングコング対ゴジラ』という亜流作品だっただけに、『キングコング』(1976)が衝撃的でした。オリジナルも子供の頃にテレビで観たのですが、さすがに大スクリーンでの迫力が忘れられない1976年版の方が好きなのです。戦う相手が大蛇だけという欠点は確かにあるものの、メッセージ色も強く、ウンチクも満載、ジェシカ・ラングも良かった。ついでを言うと、『キングコング2』は最悪。『マイティ・ジョー』(リメイクじゃないけど)はまぁまぁでした。
 そんなこんなで待ち焦がれたPJ版『キング・コング』。髑髏島へと漂着するまでが冗長で眠くなったことを除けば最高のコング映画です。CGであることを忘れさせるくらいの緊迫したアクションの連続。PJの『ブレインデッド』を彷彿させるくらい次から次へと恐竜や巨大虫に襲われるシーンが圧巻です。特に気持ち悪かったのは巨大ムカデ!これは夢にまで出てきそうなほど不気味です。
 キングコングの動きは『ロード・オブ・ザ・リング』のゴラム役アンディ・サーキス(船員の役も演じている)のモーション・キャプチャー。本物のゴリラっぽい動きを感じるとともにゴラムの動きにも似ていると誰もが思うでしょう。ピョンピョンと飛び跳ねるように快活に動き回る姿は臨場感あふれていました。また、恐竜V-REXとの対戦ではアン・ダロウ(ナオミ・ワッツ)を右手、左手と移し変え、しかも足でも器用に掴んだりします。エンパイア・ステート・ビルを登るときもそうですが、片手で見事なアクションをします。思わず自分の足の指も動かしてみたくなるほどでした。ボケ防止にいいんですよ・・・
 この映画を観る前に予習は必要ありません。むしろ、キングコングと名のつく映画は観ない方がいいです。それでも何か観ておきたいのなら、『スクール・オブ・ロック』『戦場のピアニスト』『マルホランド・ドライブ』『ブレインデッド』をオススメします。そして、鑑賞時にはリカちゃん人形を持参して、握りしめながら観ると感情移入しやすいと思いますよ。
(2005.12)

キングス&クイーン 2004 フランス
boid
ROIS ET REINE
ストーリー  巴里で画廊を営むバツ2女性ノラは最初の夫との間にできた子エリアスがいたが、新しい恋人にはなつかず、3番目の恋人になついていたため彼を養子として引き取ってもらいたかった・・・
監督 アルノー・デプレシャン
出演 エマニュエル・ドゥヴォス マチュー・アマルリック カトリーヌ・ドヌーヴ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★ ★★ ★★★★ ★★
コメント  6年間一緒に過ごしたイスマエルはヴィオラ奏者。しかし身内の誰かが謀って精神病院送りにさせられた。徐々に本当に自分が精神病なのではないかと疑い始める恐怖感を描きつつ、元妻がエリアスを引き取ってほしいと訴えてきたりと入院させられても忙しい。病院内でも心を許せる女性もできるが、そんな簡単にはベッドインしない。彼がまともであると確信したのがこのあたりからだったのですが、150分もの長尺ではダレてきてしまった。
 一方、ノラの父親がガンに冒され、死期が迫っている。彼を預けてあった寄宿舎から連れ戻し、イスマエルの元へ向かう緊張感のあるシーン。コミカルな部分も多いけど、笑いづらい内容だった。

2004年セザール賞主演男優賞
同作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞、有望若手女優賞、脚本賞ノミネート
2004年ヴェネチア国際映画祭金獅子賞ノミネート
(2006.9)

禁じられた遊び 1951 フランス
東和
JEUX INTERDITS
ストーリー  1940年6月、空襲により両親を失った少女ポートレットは少年ミシェルと出会い家に連れて行ってもらう。
監督 ルネ・クレマン
出演 ブリジッド・フォッセー ジョルジュ・プージュリー シュザンウ・クールタル
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★ ★★★★★
コメント  南仏の田舎町。自然豊かな場所であっても容赦無く襲いかかるドイツ空軍。子犬も死んでしまい、途方に暮れるポートレット。都会育ちの彼女は田舎での生活は慣れないことばかり。寝かせようとしてもミシェルの名前を連呼する。
 犬の死体を埋めて十字架を立てる行為。お祈りすら知らないポーレットはミシェルに習い、墓を作ることに興味を覚えた矢先、ミシェルの兄ジョルジュが死んでしまう。馬に蹴られたことが原因だったらしいが、重体だとは誰も考えていなかったのだ・・・
 死体を埋めるには友達を一緒に埋める。フクロウが捕まえていたモグラ、隣の家のひよこ、ハチ、ミミズなど小動物を次々埋葬する二人。兄の葬式で霊柩車の十字架を盗んだりする。純粋であるがゆえのこと。
 ドレ家とグアール家は不仲。ミシェルの姉は隣の戦地から戻ってきた息子と恋仲。ミシェルの父親はどことなくコミカルで笑えるシーンも多い。
 孤児院に引き取られそうになる場面で、「ミシェル」という一般的な名前を聞くポーレット。思わず辺りを見回すがミシェルはいない。切ない・・・

1954年アカデミー賞原案賞ノミネート
1952年アカデミー賞名誉賞
1952年ヴェネチア国際映画祭サン・マルコ金獅子賞
1952年NY批評家協会賞外国映画賞
1953年英国アカデミー賞作品賞
その他
(2005.12)



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