キンキーブーツ | 2005 アメリカ/イギリス ブエナビスタ KINKY BOOTS |
|||
ストーリー | 田舎町の靴工場の跡取りチャーリー・プライス。婚約者の転勤を機にロンドンへ行くが、父の訃報が届き急きょ工場を継ぐことになる。しかし会社は倒産寸前。悪戦苦闘する彼はドラッグクイーンのローラと出会い、男性向けセクシーブーツに活路を見出すのだった・・・ | |||
監督 | ジュリアン・ジャロルド | |||
出演 | ジョエル・エドガートン | キウェテル・イジョフォー | サラ=ジェーン・ポッツ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | 冒頭、黒人少女が赤い靴を履いて踊る・・・バカ息子!!女じゃなかったのか・・・なんだかとても印象に残るオープニング。靴工場が舞台といえば『ジュマンジ』とか『エリザベスタウン』とかしか知らない・・・「結婚は一足の靴」などという父親の名言もあった。 大人になったローラはハスキーボイスでジャズやポップスを歌う。これがまた似合っていて、踊りはともかく迫力がある。 ブーツ作りは腕相撲など男女の偏見によるすったもんだがあって、なんとかミラノで発表するまでこぎつけた。しかし、ちょっとしたことでチャーリーとローラがケンカ。今までビジネスパートナーとしてやってきたのに、なんだったんだろ・・・ミラノのステージに彼女が来ない。まぁ、お決まりのベタな終盤ではあるけど、その後が良かった。ローラの言葉「工場は建物ではなく、人で成り立っている」。こんな社長の下だったらしっかり従業員もついていくはず。 恋愛部分はおまけといった感じで、これも好感が持てる。ビジネス上の恋愛・・・ローラに対する熱き想いさえあればいいんですよね。 2006年ゴールデングローブ賞男優賞(イジョフォー)ノミネート (2007.12)
|
キング 罪の王 | 2005 アメリカ メディア・スーツ THE KING |
|||
ストーリー | 海軍を除隊したエルビス(ベルナル)は亡き母から聞かされていた父親に会うためテキサス南部の小さな町にやってくる。父デビッドは牧師となり幸福な生活を営んでいて、エルビスは「家族に近づくな」と言われるものの娘のマレリーに近づいてゆく・・・ | |||
監督 | ジェームズ・マーシュ | |||
出演 | ガエル・ガルシア・ベルナル | ウィリアム・ハート | ペル・ジェームズ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ |
コメント | エルビス(ガエル・ガルシア・ベルナル)が選んだ仕事がピザの宅配でよかった・・・ハンバーガー屋だとバーガーキングになってしまうもん。 これは凄まじい復讐劇。いや、どこから復讐を思い立ったのかよくわからない映画なのです。独り身のエルビスは海軍を除隊した後、亡き母から聞かされていた父親に会うためテキサスの地を訪れるのですが、牧師となって新しい幸福な家庭を築いていた父親デビッド(ウィリアム・ハート)からは拒絶され、家族に近寄るなと釘をさされる。彼にとっては異母兄妹となる娘マレリー(ペル・ジェームズ)に一目惚れ(?)し、急速に接近し誘惑するのです。 この近親相姦ネタにしても、ほんとに惚れたから(もしくはやりたかった)近づいたのか、復讐のために近づいたのかはガエル君の表情からは読み取りにくい。無表情で恋愛や殺人をやりのけてしまう往年のアラン・ドロンさえ彷彿させるガエル君なのです。舞台となる地はテキサスの小さな町。父親のデビッドは牧師であるから、キリスト教でもプロテスタント。ブッシュの出身地であることからキリスト教原理主義であり、妊娠中絶には絶対反対の立場をとっているものと想像できるし、ひょっとすると、ブッシュ批判の映画であるとも思えるくらいです。とにかく16歳の女子高生を妊娠させることが主人公にとっては大きな復讐の一歩だったのです。 理解し難いところとして、牧師一家はアーチェリーで鹿狩りをして残酷にさばいてしまう描写もあるし、対する主人公も残酷な殺人を犯してしまうこと。善悪の区別をはっきりさせない映画であるともとれるし、世の中いい人がどこにもいないといった厭世主義的な映画とも思えるのです。家族の崩壊と再生を描いた温かい映画がある一方で、この映画のように一旦絆が失われたら取り返しのつかないことにもなるという教訓なのかもしれないが・・・ 『リトル・ミス・サンシャイン』でも名演技だったポール・ダノ君はバンドで活躍したり弾き語りをしたりして、歌でも大活躍でした。が、歌詞はキリスト教的で説教臭い内容。ダーウィンの進化論には猛反対という演説もしていたし、やっぱりキリスト教批判の映画なのかな・・・ (2007.3)
|
キングダム 見えざる敵 | 2007 アメリカ UIP THE KINGDOM |
|||
ストーリー | サウジアラビアの外国人移住地域にて爆破テロ事件が発生。FBIの仲間を殺されたフル−リーたち捜査員4名は現地に乗り込み5日間という期間で捜査を進める・・・ | |||
監督 | ピーター・バーグ | |||
出演 | ジェイミー・フォックス | クリス・クーパー | ジェニファー・ガーナー | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★ |
コメント | サウジで白昼堂々と爆破テロが発生・・・1時間後アメリカも昼だった。 オープニングではサウジアラビアとアメリカの歴史をさらっと勉強し、「テロには屈しない」ことを国としてではなく個人的な報復のように展開します。FBI捜査員たちは仲間が2人爆破事件に巻き込まれ殺されたことに怒り、リヤドに乗り込んで捜査することになったのです。『デスノート』の影響で海外の捜査を行うという設定になったのかどうかは知りませんけど、無理を通せば道理が引っ込む・・・そんなことは観ているうちに忘れてしまいます。 それよりも何故サウジアラビアとアメリカが同じ昼間だったのか?などと考えているうちに、「どうせアメリカ国民の多くはサウジアラビアがどこにあるかも知らないだろう」という製作者側の意図・・・しかもサウジはアメリカの時差の無い近隣国なのだというイメージを与え、友好関係というより、アメリカの大切な資源の地であることを強調しているのだろうと感じてしまいました。そして、「せっかく科学捜査技術を教えてやってるのに、銃を奪うとは何事だ!?」「銃を持たないのに防弾チョッキを着用させるとは何事だ!?」といった感情を抱かさせる見事な脚本に仕上がっているのです。 武器を持たないFBI。こうして彼ら4人の捜査官たちは善良な米国市民となり、対するテロリストたちの悪はさらに凶悪度を増していくような錯覚に陥ってしまう。元々王族は親米派だし、アメリカ側から平和的解決を主張しているようにも思われるのですが、終盤の銃撃戦によってそれさえも覆されてしまうのです。そのテロリストの本拠地である町の銃撃戦、そしてそこに至るまでのカーチェイスシーンはかなり迫力のあるものでしたが、ロングカットはほとんどない。見事な編集技術によって緊張感あるシークエンスを醸し出しているのです。 そんな迫力のある映像の連続だったのに、なぜだか冷めた目での鑑賞となりました。政府が関与してないので国策映画とは言えないにも拘らず、こうした熱血漢の登場を国が望んでいたかのようなヒーローもの。報復の連鎖をテーマにした映画が最近多くなってる中で、その断片しか描かれてないことに不満だったのです。しかし最後には、どちらの側にも悪意に満ちたような台詞を持ってきたことで、ストーリー全体、すなわちテロとの戦いそのものを皮肉ったものだったとわかり、愕然とさせられました。ど、どうすればいいんだ・・・ずっとこき下ろそうと考えていたのに。このやり場のない感情を・・・どんでん返しをこんな映画に使うな! (2007.10)
|
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||