五月のミル | 1989 フランス シネセゾン MILOU EN MAI |
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ストーリー | 1968年、五月革命のフランス。母が亡くなった家族を中心に、葬儀に集まった人々の人間ドラマを描いたの。 | |||
監督 | ルイ・マル | |||
出演 | ミシェル・ピッコリ | ミュウ=ミュウ | ドミニク・ブラン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★ | ★★★ | ★★ | ★★ |
コメント | ブルジョワの世界である。相続権のないカミーユの言葉がいちいちうざったい感じがした。食卓の話題は行われいる五月革命と財産分与の話題だ。遺言によると、遺産は意外にも使用人アデルにも分与されることが決まり、小さな騒動になる。 ストの影響で葬儀屋までもが休むといった設定や暴動に怯えて逃げ回る親族などは面白いのだが、全体的にブルジョワの日常を表現したドラマに過ぎず、登場人物の心までは描ききれていない。というより、個人の我の強さが、後半になって革命の対象となる体制側となり個性がなくなってしまう。ピエールとアデル以外は革命に怯えるブルジョワの団体となり、監督・脚本家の反革命の思想と脳天気さだけが残ったような気がするのだ。ま、一番の問題点は死者への哀悼がほとんど感じられなかったところと、主人公ミルの描写が薄かったことでしょうね。 とにかく、自分の知らない親族が集まって馬鹿騒ぎをする光景を傍観するという状況を想像すれば、この映画の雰囲気が伝わります(笑) 1990年英国アカデミー賞外国語映画賞ノミネート (2004.8)
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故郷 | 1972 日本 松竹 |
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ストーリー | 瀬戸内海に暮らす石崎一家。砕石運搬船で働いていたが、故障という憂き目を見ることとなった。高度経済成長期の波にのまれ、やむなく引越しせざるをえなくなった家族だが・・・ | |||
監督 | 山田洋次 | |||
出演 | 井川比佐志 | 倍賞千恵子 | 笠智衆 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | 石崎夫妻が『家族』と一緒なので続編なのかと勘違い。珍しいことに、渥美清が最初から目立っている。彼が登場するとドラマになるけど、その後はドキュメンタリー風の映像が続く。船の仕事を辞めて、普通の労働者になる心理描写は上手いが、『男はつらいよ』の合間をぬってこうした作品を撮るのも大変だったろうに・・・実験的作品としか思えなかった。 (2005.11)
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国姓爺合戦 | 2001 中国/日本 日活 英雄・鄭成功傅 |
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ストーリー | 1644年、清の勢力に圧された明王朝はもはや福建が抵抗するばかりとなり、台湾をオランダに奪われてしまった。そんな中、鄭成功は国姓爺を名乗る事を許されるが、幼なじみの軍人も弁髪にし、清に下っていた。 | |||
監督 | ウー・ツーニウ | |||
出演 | チウ・マンチェク | シィ・ミン | トウ・チークオ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★ | ★★★ |
コメント | 弁髪やいやだなぁと感じていたが、みんなですると見映えがするなぁ。明という漢民族の王朝も文芸ばかりが目立っていて、軍事力は弱いのか・・・東洋史ではそんな印象しかなかったが、さすがに最期は骨のあるリーダーがいたのですね。 ラストの砲撃はすごい迫力でした。かなり血なまぐさい・・・ (2004.10)
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告白 | 1969 フランス/イタリア WB L' AVEU |
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ストーリー | 1952年、チェコ。共産党外務省に勤務するジェラールは無実の罪で逮捕され、自白を強要される。 | |||
監督 | コンスタンタン・コスタ=ガヴラス 原作:アルトゥール・ロンドン | |||
出演 | イヴ・モンタン | シモーヌ・シニョレ | ガブリエル・フェルゼッティ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★★★ | ★★ | ★★★★ | ★★★ |
コメント | かなり記憶力がよくないと、長い時間の尋問にはやられてしまうんだろうな。トロツキストかどうか、米国スパイのフィルドとの関係、うっかりすると間違った調書を書かれてしまう。元々は同志であるため、内輪での裁判・粛清という方法なのだろうか、日本の特高の拷問に比べると肉体的拷問というより精神的拷問である。急進的なスターリン主義と書記長のミスの隠蔽工作による弾圧であったが、民主主義とはかけ離れた国家や大国主義のソ連を痛烈に批判している。 とにかく政治メッセージが強く、東欧の歴史を知らないとさっぱり理解できない映画だ。拷問時におけるイヴ・モンタンの演技力は素晴らしいものがあるが、娯楽の映画としては全くだめだ。チェコの社会主義における過去の汚点を自虐的に描いた点や1968年ソ連侵攻まで描いた点は評価できる。 (2004.8)
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子熊物語 | 1988 フランス 東宝東和 L' OURS THE BEAR |
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ストーリー | カナダ、ロッキー山脈。親が死んだ子熊が冒険するの。 | |||
監督 | ジャン=ジャック・アノー | |||
出演 | チェッキー・カリョ | ジャック・ウォーリス | アンドレ・ラコンプ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★★ |
コメント | 小熊の夢の世界まで表現してあった!なんとなくカエルやハチ、毒キノコの夢を見ていそうだから面白い。北海道旅行で熊牧場へ行った時に見た小熊も人間っぽい声を出していましたけど、みんなそうなのでしょうか。最初は吹替えで人間がアフレコしてるのかと思ったほど・・・ この映画、最初は泣きそうになっちゃいました。いきなり親が死んじゃうんだもん。それにしても、ピューマには弱いのか・・・熊ちゃん。犬にも負けそうだったぞ。 「最大の悦びは殺すことではなく、生かすことである」というラストのテロップも冴えています。 1989年アカデミー賞編集賞ノミネート 1988年セザール賞監督賞 (2005.11)
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コクーン | 1985 アメリカ FOX COCOON |
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ストーリー | フロリダ。クルーザーを27日間、別荘を26日間借りる男と女。ジャック・ボナー(グッテンバーグ)船長とともに海底の未知なる物体を引き揚げる。そして彼らの正体はアンタリア星人。100世紀前にアトランティス大陸沈没とともに取り残された仲間を救うためだったのだ・・・ | |||
監督 | ロン・ハワード | |||
出演 | ドン・アメチー | スティーヴ・グッテンバーグ | ターニー・ウェルチ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | 老人ホームの元気なじいちゃん3人組。別荘のプールに潜入して泳ぐことが楽しみだったが、不思議な物体が沈められたプールで泳ぎ出すと更に元気になった。回春効果抜群の卵。ネリータペレロンタと説明されても頓珍漢なグッテンバーグは『ポリス・アカデミー』のキャラそのもののような気がした。そりゃ、ラクエル・ウェルチの娘のセクシーさの前にはメロメロになってしまいますがな。 老人が大挙してプールに入ったおかげで、コクーン“繭”の中のアンタリア星人は息も絶え絶えになってしまう。Industrial Light & Magic によるSFXの加減が大袈裟過ぎず、老人の演技に溶け込んでいる。 最後には“死”とは何ぞや?といったテーマとともに、老人たちはアンタリア星に連れていってもらう。不老不死。すでに不老ではないけど、そこまでして生きていたいかという心の葛藤まで描けなかったところが残念だ。そして、「一緒に行くか?」という展開も唐突すぎた。もしかして、仲間を殺されたので復讐するために騙して連れていくのかと考えてしまった・・・ アメチーがなぜオスカーを取ったのかよくわからなかった。むしろ老夫婦を演じたヒューム・クローニンとジェシカ・タンディ。元夫婦だというところにも哀愁を感じてしまう。 1985年アカデミー賞助演男優賞(アメチー)、視覚効果賞 1985年ゴールデングローブ賞作品賞ノミネート (2006.1)
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コクーン2/遥かなる地球 | 1988 アメリカ FOX COCOON: THE RETURN |
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ストーリー | あれから5年。宇宙に飛び立った老人達が異星人とともに地球へ戻ってくる。目的は、近く海底地震が起こるので残されたコクーンを救出することだ・・・ | |||
監督 | ダニエル・ペトリ | |||
出演 | ドン・アメチー | スティーヴ・グッテンバーグ | ターニー・ウェルチ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★ | ★★ |
コメント | 前にも増して老人の元気さを強調する内容。注意深く見ると、足元がふらついている場面もあるので痛々しかったりする。まぁ、地球上では歳を取るから、細かな演出だったのかもしれないけど・・・また、研究所で開けられたコクーンのアンタリア星人は包帯をぐるぐる巻きした人間だということがよくわかる。彼が弱ってきてからのSFXは良かったけど。 この映画単体で観るとワンポイント上がりそうだけど、続けて見るとつまらない。「子供より長生きしちゃいけない」というのが自然の摂理にかなってるのに、それでも行こうとする老人。なんだかわかんない。グッテンバーグも今まで心から愛する人ができなかったという設定も、なんだか違ってるような気がする・・・ (2006.1)
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午後の五時 | 2003 イラン/フランス 東京テアトル A CINQ HEURES DE L'APRES-MIDI |
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ストーリー | タリバン政権崩壊の後、女性にも学校が開放されたアフガニスタン。ノクレはアフガニスタンの女性大統領になりたいと訴える。 | |||
監督 | サミラ・マフマルバフ | |||
出演 | アゲレ・イザイ | アブドルガニ・ヨセフラジー | ラジ・モヘビ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | 主人公ノクレの持っている傘とブルカの色がアフガンの空と融合して、とても映えていた。舞台となった土地の建物には米軍が空爆によって残していったと思われる爪痕が痛々しく写り、荒涼とした砂漠とパキスタンからの難民や、水がなく地雷が埋まっている現実を再認識させてくれます。。しかし、大統領を夢見る少女がブルカをめくり上げた時の笑顔に一縷の希望が見出せるのだ。 午後の五時という悲しい詩と、馬に人間と同じように話し掛けるお父さんの対比が物悲しさを醸し出すうえ、ライバルであったミナや身内の爆死がまるで日常茶飯事であるかのような描写。大統領を目指すという溌剌とした元気の出る映画かと思っていたら、とんでもないしっぺ返しを食らってしまう。これが現実なんだと訴えるようなドキュメンタリータッチの作風がいきなり現われることにとまどってしまい、全体としてはバランスが悪い。しかし、今後も期待できる女性監督だと感じました。 見所は、「エンジニアになりたい人は?」の問いに何人もの生徒が立ち上がり、また座る・・・もぐらたたきゲームそっくり。 2003年カンヌ国際映画祭審査員賞 (2004.9)
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午後の遺言状 | 1995 日本 日本ヘラルド 近代映画社 |
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ストーリー | 蓼科の別荘にやってきた老女優森本蓉子。別荘を管理するのは農婦の豊子(音羽)。蓉子の友達牛国登美江が遊びにやってくる。 | |||
監督 | 新藤兼人 | |||
出演 | 杉村春子 | 音羽信子 | 朝霧鏡子 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | 留置所からの脱獄囚が現れ、老人性地方症の登美江が撃退してしまう。警察に表彰され、最後の食事を楽しんだ後、牛国夫妻は旅立つ。 娘朱美の父親は、実は森本であると衝撃の告白を受け、戸惑う蓉子。朱美の結婚が近いということで実の父を告白するかどうかで議論する二人。2日後に足入れの儀式があるというので、帰りたくなった蓉子も見学に行く。この儀式が笑える。 冒頭で登場する、“棺おけの最後の釘を打つ石”が最後まで伏線となっているところがストーリーを綺麗にまとめている。途中までは、ボケと老人の死についてばかりが強調されているような気がしていたので尚更だ。唐突な出来事と揺れ動く老人たち。時折笑えるエピソードで和ませてくれた。 音羽信子が遺作。杉村春子も2年後に死亡。朝霧鏡子も4年後に死亡。そんなことを考えてると、元夫である新藤監督は予期して作った映画だったのだろうかと、ふと考えてしまう。 1995年日本アカデミー賞作品賞、助演女優賞、監督賞、脚本賞、特別賞 1995年ブルーリボン賞作品賞 (2005.12)
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こころの湯 | 1999 中国 東京テアトル=ポニーキャニオン SHOWER[米] 洗澡 |
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ストーリー | ターミンは知的障害をもつ弟アーミンからもらったハガキによって、北京の銭湯を経営する父リュウのもとへ帰ってきた。 | |||
監督 | チャン・ヤン | |||
出演 | チュウ・シュイ | プー・ツンシン | ジャン・ウー | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | リズミカルなマッサージ、「オー・ソレ・ミヨ」を歌う男。こおろぎの相撲ゲーム。暖かくなるようなシーンが多い。常連客に対しては、肩を治したり、アドバイスを与えたり、夫婦仲の危機を救ったりと、とても人情派のリュウ父さん。女風呂はないんかなぁ〜などと余計なことまで考えてしまった。 親孝行しなければと「ちょくちょく帰ってくるよ」と言ったときには、リュウは死んでしまった。いい映画なんだけど、細かなエピソードが多く、家族の絆のテーマが弱くなってしまったかもしれない。 (2004.9)
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