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クイック&デッド 1995 アメリカ
COLTRI
THE QUICK AND THE DEAD
ストーリー  寂れた西部の町リデンプション。女ガンマンのエレンがやってきて勢いで早撃ち大会に参加することになった。
監督 サム・ライミ
出演 シャロン・ストーン ジーン・ハックマン ラッセル・クロウ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★ ★★★★ ★★★ ★★★
コメント  町のボス、ヘロッド(ハックマン)が主催する競技会。一日一回の勝負で勝つと飲食無料、優勝すると馬車から奪った金12万3000ドルだ。クセのある者ばかりが参加。まるで漫画。
 伝道師のラッセル・クロウがいきなり首吊りのピンチ。エレンが参加すると宣言して彼を助ける。賭けに負けてヘロッドの息子(レオナルド・ディカプリオ)と寝てしまったエレン。なんだかわけがわかんない。勝ち残ったときもコート(クロウ)と寝ちゃうし、やっぱり色気が必要なのね。
 豪華俳優を使ってライミワールドを展開。頭を撃ち抜かれた男はチープだったけど、最後にヘロッドの腹に風穴をあけて、影に穴があいてる映像は笑える!

(2008.10)

偶然の旅行者 1988 アメリカ
WB
THE ACCIDENTAL TOURIST
ストーリー  息子の死のショックから立ち直れずにいる旅行ガイドブックのライターをする主人公が、妻と別居などを通して、やがて出会うペットショップの訓練師との恋に落ちていく・・・
監督 ローレンス・カスダン
出演 ウィリアム・ハート ジーナ・デイヴィス キャスリーン・ターナー
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★ ★★★ ★★★★ ★★★
コメント  夫メーコンへの愛は残っているが息子を失った夫婦の性格の違いが原因で別居。「一緒に悲しんで落ち込みましょうよ」と言わんばかりの妻サラ(ターナー)。なんだか仕事をする男の立場からするとウィリアム・ハートに共感してしまう。淡々と旅行ガイドブックを書くための旅行をする雰囲気も痛いほどわかるのだ。
 ミュリエル(デイヴィス)の性格もよくあるタイプ。同じように離婚経験者ということもあってか、かなり積極的な性格に感じる。それでも彼女に息子がいることがネックとなって一線を越えられない微妙な関係。
 よりを戻すメーコンとサラだったけど、ここでも彼女の性格は戻ったまま。「1年の間、誰かと寝たんじゃないかと心配じゃないの?」というセリフは息子のときと同じだ。この性格のぶつかりあい。パリへ取材へ行く際に偶然を装ってメーコンと機内で鉢合わせするミュリエルだったけど、サラのようにキレることない大らかさがいいなぁ。男をも犬のように調教するんじゃないかと思ったけど、逆に仕えたいような態度だっただろうか・・・

1988年アカデミー賞助演女優賞(ジーナ・デイヴィス)
同作品賞、脚色賞、作曲賞ノミネート
1988年ゴールデングローブ賞作品賞、音楽賞ノミネート
その他
(2008.8)

グーグーだって猫である 2008 日本
アスミック・エース
ストーリー  吉祥寺に暮らす天才漫画家・小島麻子は15年連れ添ってきた愛猫サバを亡くし、新作も手つかずでいたがペットショップでアメリカンショートヘアのグーグーと出会う・・・
監督 犬童一心 原作:大島弓子
出演 小泉今日子 上野樹里 加瀬亮
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★★ ★★★★
コメント  あなたに会えてよかった・・・
 犬童一心は犬好きなのかと思っていたけど、大島弓子好きだったのですね。今回の『グーグー』が自主映画時代を含めて3本目の大島弓子作品になるらしいです(『メゾン・ド・ヒミコ』も触発された作品という)。予告編からは完全な動物映画なのかと想像してしまいましたが、明らかに人間視点の映画。自身も闘病生活を乗り越えた経験もあるらしく、大島弓子の自伝的作品にも感じられる以上に、人間と動物の共存とか、自然、地域のコミュニケーションを大切にしているような温かい作品でした。
 吉祥寺に住む天才漫画家・小島麻子(小泉今日子)は愛猫サバの死によって仕事が手に付かなくなった。ナオミ(上野樹里)やアシスタント(森三中)たちも失職するなどといった切羽詰まった悲壮感はなく、どことなく楽天的。彼女たちを囲む市井の人たちもスローライフを楽しんでいるかのようで、ゾウの花子の飼育係山本浩司、楳図かずお、そしてどこにでも登場する謎のおじさんも本業よりも人とのつきあいを楽しんでいる。
 東京にもこんなに緑の多い地域があるんだと改めて住みたくなるような吉祥寺。メンチカツなど食文化だって盛んそうだし、金さえあればいつでも森三中になれそうだ。だけど、ナオミは大阪弁を喋ってたようだし、静岡や小豆島に帰るといったセリフもあったし、麻子や母(松原智恵子)は北陸の言葉を喋っていたし、みな地方から出てきていたんですね。アメリカ人ナレーターもいるし、吉祥寺に住む人よりも地域をメインにした映画とも言えるかもしれません。地元のイントネーションが聴けたのにはびっくりでしたが、これが東北の言葉じゃなくてよかった。もしそうだったら“グーグー”の由来が“ズーズー”になってしまいそうで・・・
 観終わって感じるのが、ストーリーの中核となる飼い猫はグーグーじゃなくてサバだったってこと。よほど愛着が湧いていて、麻子の心の大部分を占めていたのだろう。プラトニックながらも発展しつつあった恋も「グーグーを預かって」という言葉で締めくくられたし、死神の最後の計らいにも集約されていた。この一番の泣かせどころでキョンキョンの「あなたに会えてよかった」が聴けたなら満点だった・・・とはいえ、映画の終わり方はとても前向きで、癒し系映画にふさわしいものでした。
 『いぬのえいが』の「ねぇ、マリモ」をも彷彿させられますが、動物への愛情は普遍的なものであると感じます。マンガ的な展開になったり、時代があちこちに飛んだりしてわかりづらかったりと、映画的には完成度が落ちるのかもしれません。だけど、犬童監督の大島弓子へのリスペクトが感じられることで満足。
(2008.9)

クワイエットルームにようこそ 2007 日本
アスミック・エース
ストーリー  28歳のフリーライター、佐倉明日香は、ある日目覚めると、見知らぬ白い部屋でベッドに拘束されていた。
監督 松尾スズキ
出演 内田有紀 宮藤官九郎 蒼井優
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★ ★★★ ★★★ ★★★
コメント  優ちゃんが良かった?
 もちろん蒼井優の自然な演技にはいつも見入ってしまいますが、今回は大いに笑わせてもらった徳井さん。そして、宮藤官九郎や保護者の振りをする金原さん(筒井真理子)の2人にも笑わせてもらいました。笑いじゃないほうの演技ではサエ(高橋真唯)もよかったです。芥川賞候補にもなったという小説を松尾スズキ自身が脚本・監督をつとめた映画。マルチクリエーターの才能を発揮しています・・・
 それでも見終わったときには単なるコメディとしてしか印象に残らず、群像劇だとか『カッコーの巣の上で』などといったイメージは全く伝わってこなかったかも。女子専用閉鎖病棟なんだから、どちらかといえば『17歳のカルテ』を思い出してしまいました。
 松尾スズキの作品や、俳優として登場する映画はなぜか面白い人が多い。この映画の主人公である内田有紀にしても、周りが面白い人間ばかりだという設定だ。オーバードーズで自殺未遂扱いされてしまうが、本来自殺願望があったと匂わせることで、つまらない人生でも面白く生きていこうとするテーマがあったように思えます。閉鎖病棟の患者は個性豊かで面白いはずなのに、娑婆に出るときには彼女たちを忘れ去らねばならないジレンマもあり、ちょっとは勇気を与えてくれるような映画でした。
 ただ、その程度か・・・と思ってしまうのも事実。家族と疎遠になったり、身近な人が亡くなったりと、不幸の連鎖をも思わせておきながら、実は自業自得のような性格の者もいる(内田有紀や大竹しのぶ)。どうせならもっとコメディ色を強くしたほうが後味はいいだろうし、病気に関しても同情的にならずに済む。かなり笑えたのに、もっと笑いたかったというのはゼイタクなのでしょうか・・・と、ゼイニクを落とさねばと気づく自分がいる・・・
(2007.11)

空軍大戦略 1969 イギリス
UA
BATTLE OF BRITAIN
ストーリー  フランスを制圧したナチス・ドイツがイギリスを標的にした。当初は沿岸の空軍基地だけだったのが、攻撃目標をロンドンに移す・・・
監督 ガイ・ハミルトン
出演 ローレンス・オリビエ マイケル・ケイン ロバート・ショウ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★ ★★★★★ ★★ ★★★
コメント  スペイン空軍や他の国の協力によって本物に近い戦闘機を再現。スピットファイア、メッサーシュミット、ハイケル、ハリケーン・・・戦闘機マニアが喜びそうな映画。
 ストーリーは史実を基に淡々と描かれ、のんびりした英軍と血気盛んなナチスが対照的。人物に関しても、ドラマ性がほとんどないドキュメンタリーのよう。特にクリストファー・プラマーの夫妻のドラマがありそうで、ほとんどないところも肩透かし。こうなりゃ、空中戦を楽しむしかないな・・・てな感じ。
 ドイツ軍が撤退したのはポーランド人などの活躍が大きかった。パラシュートで脱出して畑に落ちたポーランド人が農民に殺されそうになるシーンには笑った。「グッド・アフタルヌーン」なんてドイツ語みたいに聞こえるし。
 結局は『バルジ大作戦』と同様、燃料不足が原因ってことですな。
(2008.6)

グアンタナモ、僕達が見た真実 2006 イギリス
クロックワークス
THE ROAD TO GUANTANAMO
ストーリー  パキスタンで結婚式に参加するため訪れたパキスタン系イギリス人3人が無実の罪でグアンタナモに2年間収監された。
監督 マイケル・ウィンターボトム マット・ホワイトクロス
出演 アルファーン・ウスマーン ファルハド・ハールーン リズワーン・アフマド
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★★
コメント  9.11以降、アフガン侵攻したアメリカがテロリストの容疑者をキューバのグアンタナモ基地に収容している。映画では700人以上収容されて、たった10人しか起訴されていなかったらしい。しかも皆無罪だった・・・
 イギリスから結婚する友人のため集まった4人の若者。結婚するアシフ、友人のローヘル、シャフィク、ムニール。せっかくパキスタンに来たのだから隣国のアフガニスタンの様子を見ておこうと思ったことがとんでもないことを引き起こしてしまった。首都カブールでは米軍の空爆、紛れもない本物の戦争があった。一般市民の住宅地まで攻撃され、混乱極める中、トラックで移送され、北部同盟に捕らわれる・・・途中、離れ離れになったムニールは攻撃され死んでしまったのであろう・・・
 米軍による尋問「アルカイダなんだろ」が何度も繰り返され、自白を強要する。やがてグアンタナモに送られ、同じことの繰り返し。独房ではヘビメタを聞かされ手枷足枷されるという拷問にも耐え、2年が経過。ビンラディンのビデオを見せられ映ってるのはお前だ!と責められる。しかし、ビデオの日時はイギリスにいたと証明できたことが彼らを救ったのだ。
 アメリカ国内法も通用しないキューバ領地内。とにかく敵を、犯人をでっち上げておかないとメンツが傷つけられるアメリカ。テロリストなんて誰でもいいんだ。などと尋問する馬鹿な将校を見ていると、同時多発テロはアメリカの自作自演だったと疑ってしまいそうになる。
 Mウィンターボトム監督作品のドキュメンタリー風ドラマにはいつも違和感を感じていたが、これは実際の彼らのインタビューを交えての再現ドラマのため、リアリティが増している。悲惨な空爆後の状況も映し出されていたけど、3人が無事であることの安心感もあり、本当に憎むべき対象が誰なのかも明確だ。

2006年ベルリン国際映画祭銀熊賞
2006年ヨーロッパ映画賞作品賞、監督賞ノミネート
2006年インディペンデント・スピリット賞ドキュメンタリー賞
(2007.10)



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