クライング・フィスト | 2005 韓国 東芝エンタテインメント CRYING FIST |
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ストーリー | ||||
監督 | リュ・スンワン | |||
出演 | チェ・ミンシク | リュ・スンボム | イム・ウォニ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | この二人の男、闘わせたくない。祈る想いで拳を握りしめる。どうせなら“猫いらず”と“ゴキブリ団子”で闘ってくれ! かつてはアジア大会で銀メダルを獲得したことがあるのに、事業に失敗し落ちぶれてしまった男カン・テシク(チェ・ミンシク)。妻にも愛想をつかされ、何もかも失い、生活費を稼ぐために街中で“殴られ屋”をやっている。一方、ケンカに明け暮れ、カツアゲも日常茶飯事の若者ユ・サンファン(リュ・スンボム)。手っ取り早く金を稼ごうと高利貸しを襲ったところ、運悪くその爺さんが死んでしまい、5年の実刑。少年院内でボクシング部に入り、やがてテシクと闘うことに・・・ 普通のボクシング映画というと、一方の人間ドラマを丁寧に描いて感情移入させるものですが、この映画では両者とも均等にドラマを描いているのです。この実験的ともいえる点でもハリウッド映画によくある典型的なプロットとは一線を画しているし、何しろ二人の男がパラレルに映し出され、まるで2本のボクシング映画を観ているような気にさせられるほどの満足感。たしかに、細かな設定や時系列は端折り気味で、「このカットにはどんな意味が?」などと疑問に思えるところもありました。まぁ、これは二人の人生を2時間で収めるのですから、多少のことはしょうがないし、二人とも考えるよりも手が先に出てしまうタイプなので、荒削りであるだけその粗暴な性格も伝わってきたのかもしれません。 もちろん、年代的にはチェ・ミンシクを応援したくなるのですけど、肉親の死に直面したり未来を掴み取る目的で闘っているリュ・スンボムのドラマのほうが泣けてきました。公開時コピーの「過去と闘え。未来と闘え。」という言葉もグサリと響いてくるのです。二人とも実在のモデルがいるらしいのですが、実際でも全く別のボクサー人生。闘わせたくなんかありません。 二人の中心人物以外でもいい演技がいっぱいありました。サンファンの祖母やテシクが知り合ったそば屋の店主。重いシーンが多かっただけに、それぞれ別の映画にした場合、観終わったら立ち上がれなくなるくらいに打ちのめされていたかもしれません。もちろん肝心のボクシングシーンでも、ラストの新人王戦ではリアルの打ち合いと演技の割合が8:2くらいの壮絶な撮影だったらしい。プロ並の特訓までしたというのだから、この試合の迫力は本当に凄かった。 惜しいと思ったのは、二人のウェイト。どう見てもチェ・ミンシクの方が重いように思えるのです(ともにスーパーライト級)。そして、プロとしての実績がないのだから、40歳超えてるとダメなような気も・・・(韓国での条件はわかりません) (2006.7)
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暗くなるまで待って | 1967 アメリカ WAIT UNTIL DARK |
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ストーリー | 突然に麻薬組織による犯罪に巻き込まれてしまった盲目の人妻。 | |||
監督 | メル・ファーラー | |||
出演 | オードリー・ヘプバーン | アラン・アーキン | リチャード・クレンナ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★ |
コメント | ほとんど自室での惨劇を描く。元が舞台劇らしいので、その雰囲気もよく伝わってくる。盲目であるオードリーの過剰とも思えるほどの雰囲気は逆にリアルに感じる。「今、わたしを見てる?」という夫サムに対する言葉が上手い伏線になっていてよかった。 (2006.8)
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クラッシュ | 2004 アメリカ ムービーアイ CRASH |
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ストーリー | クリスマス間近のロサンジェルス。様々な“衝突”の連鎖によって人々の運命が狂ってきた。 | |||
監督 | ポール・ハギス | |||
出演 | サンドラ・ブロック | ドン・チードル | マット・ディロン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★★ |
コメント | やっと見れた。オスカー授賞式が発表されてから観ると、最後の「中国人め!」という台詞をアン・リーがどう感じたのか興味あるところです・・・ それにしても、これはストーリーを追うのが大変。人間関係を書きとめるのも困難。誰がどの人種で・・・なんて把握するのは不可能に近い。と、自分の記憶力の弱さを露呈してしまうかのような映画でした。何が原因でどう連鎖してしまっているのかなんてどうでもいいことなのかもしれませんが、黒人2人組が車を盗むところから事件が始まりました。 人種も雑多なLAでは誰もが偏見を持っている。黒人・白人の対立だけではなく、プエルトリコ系、中国系、アラブ系等々、冒頭から中盤まではこの差別発言が飛び交って重くなる一方でしたが、やがて逆恨み・復讐、交通事故、等々些細なことから徐々に大きな繋がりを持つようになっていきます。唯一人種偏見の無さそうなライアン・フィリップでさえとんでもないことをやってしまいます。そうした重苦しい雰囲気の中でも、「透明マント」の話を信じた錠前屋の娘が一時の清涼剤となって心温かくなり、マット・ディロンだって警官の職務を全うするといった本来あるべき人間の姿を見せてくれて、ストーリー全体を引き締めてくれました。 結局、人種差別などの偏見を持った表面的には醜い人間であっても、本質的にはみな繋がりたい!人間らしさがあることを訴えたかったのでしょう。しかし、皮肉にもライアン・フィリップのような逆のパターンもあるので注意しなければなりません。なんだか考えさせられます。 そんな温かな人たちが多いのに、サンドラ・ブロックとブレンダン・フレイザーだけは浮いていました。ひょっとすると、この夫婦のように人間らしさを取り戻せないでいるアメリカ人が一般的なのかもしれませんけど、早く人の痛みをわかってもらいたいと思っていたら、階段から滑り落ちちゃいました。ブレンダン・フレイザーはトレジャーハンターだったり、その昔は原始人をやってましたから、この映画の役はちょっとピンときませんでした。 2005年アカデミー賞作品賞、脚本賞、編集賞 同助演男優賞、監督賞、歌曲賞ノミネート その他色々 (2006.5)
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クレイジー・イン・アラバマ | 1998 アメリカ 劇場未公開 COL CRAZY IN ALABAMA |
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ストーリー | 1965年、13歳になるピージョーの目線。ルシール叔母さんが夫を殺し首を切って逃げた。祖母は子供が多いことに困り、検死官のダブ叔父さん(デヴィッド・モース)の元に預ける。 | |||
監督 | アントニオ・バンデラス | |||
出演 | メラニー・グリフィス | ルーカス・ブラック | ミート・ローフ・アディ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | タブ叔父さんはルシールの兄さん。彼女が逃亡するものの見つけて凝れ以上犯罪を犯さないように!と願う。保安官はかなり悪で、ルシールを捕まえたかった。そして彼は徹底した黒人差差別主義者で、プールの暴動で黒人少年を殺してしまう。しかも目撃者はピーター・ジョーだけ。アラバマでは黒人に選挙権が与えられず、集会、デモが頻繁に行なわれていたのだ。 ピージョーは何者かに右目を撃たれた。保安官を脅かした直後の出来事だ。民権運動は静かに幻想的に続けられ、プールに皆が飛び込んで少年を弔うシーンが印象的だ。そして、保安官に付きまとわれながら片目の写真が雑誌に載りヒーロー扱いされるピージョー。キング牧師とも握手を交わす。 ルシールの逃亡劇が交互に挿入されるが、クライムムービーとコメディになっている。ハリウッドで女優になりたいという夢を追い求め、トントン拍子に『奥様は魔女』でサマンサの恋敵役をもらう。 最後には法廷劇となるが、「テイラーを殺したのは保安官だ!」と叫ぶピージョーが感動的。しかし、判決もコメディっぽい雰囲気だし、全体的にもバランスが悪い感じでした。 1999年ヨーロッパ映画賞世界的功績賞 1999年ラジー賞主演女優賞ノミネート (2006.5)
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グレイス・オブ・マイ・ハート | 1996 アメリカ uni=UIP GRACE OF MY HEART |
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ストーリー | 50年代末、フィラデルフィアからNYへ歌手を目指してやってきた、エドナ・バクストン。時代は男性コーラスが大流行。契約したレコード会社には同じタイプの歌手がいたためレコードを出せない。デニースと名前を変えて作曲家の道を目指す・・・ | |||
監督 | アリソン・アンダース | |||
出演 | イレーナ・ダグラス | マット・ディロン | エリック・ストルツ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | シンガー・ソングライターの名を欲しいままにしたキャロル・キングがモデル。 似たような歌手がいるだけで、歌手として売り出すことができない。エドナは作曲もできることから、まず作曲家として曲を提供するのはどうだともちかけられた。ティーンエイジャーの出産といったテーマも取り上げたため放送禁止にもなったりするが、やがて順調にヒットを飛ばし、共作者のハワードと作曲活動を続ける。 結婚、出産と普通の女性としての生活も表現していたけど、色んな実験、シェリルと組んでアイドル歌手の作曲させられたりする中、夫ハワードの浮気現場を目撃してしまう。そして離婚、新しい恋もするが曲が書けない。社会問題や自分の生活を曲に投影してばかりじゃ、だめなのかなぁ。 『みんなのうた』にも見られるモキュメンタリー映画と捉えるにはモデルがはっきりしすぎているので正しくないのかもしれませんけど、わざわざ映画のためにオリジナル曲を作ったということがすごい。ビートルズだってパロディっぽく作られてるし(笑) なんだか最終的にはジェイ(ディロン)と付き合うのですが、ジョンとヨーコみたいな雰囲気になってしまった。そしてジェイの水死。生きる支えを失って、女友達と農耕コミュニティのようなところで生活もする。 最後には悲しみも乗り越えて復帰するのですが、伝記ではないので物語としては単調すぎることがマイナス。だけど音楽だけは最高♪ (2006.5)
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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲 | 2001 日本 東宝 |
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ストーリー | 春日部に誕生した20世紀博。そこはしんのすけの両親が過ごした大阪万博やウルトラマンといった懐かしい世界のテーマパーク。しかし、そこの主催者イエスタデイ・ワンスモアはとんでもない計画をしていたのだ。 | |||
監督 | 原恵一 | |||
出演 | 矢島晶子 | ならはしみき | 藤原啓治 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | 70年の大阪万博には行けなかったという苦い経験。しかしテレビっ子であったため、ウルトラマンや魔法使いサリーなんてすぐに溶け込んでしまう。夕日銀座なる町並が『ALWAYS3丁目の夕日』の大ヒットに繋がったんではないかと思えるほどだし、今年のレトロブームはこのアニメ映画の影響だったのかもしれない。 「明日の朝迎えにいきます」という台詞だけ残した20世紀博のテレビ番組。次の朝、大人たちは皆回顧主義に陥り、こども時代の行動をする。そして集められた20世紀博では匂いによって大人たちを支配する。夕日という懐かしさを喚起するアイテムを使って・・・ 子どもだけは昔を知らない。未来を諦めたかのような現実逃避の大人たちと違い、未来が心配でならない子供たち。サトウココノカ堂のビルに立て篭もっていたしんのすけたちだったが、バスを乗っ取り逃げる・・・ここでもカーアクションは懐かしのアクションもの映画のようだ。 イエスタデイワンスモアのリーダーはケンとチャコ。父ちゃんの足の臭さによって野原一家は正気に戻り、彼らの計画を打ち砕こうとするのだった。 夢と希望が溢れていたとされる高度成長経済時代。現代のように夢がなくなったのは誰のせいなんだ。しかし、現代の邦画が象徴する回顧ブームが当然来るものだと予言していたかのような内容には恐れ入る。 (2006.9)
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黒いチューリップ | 1963 フランス/イタリア/スペイン ヘラルド LA TULIPE NOIRE |
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ストーリー | 1789年、フランス革命前夜。貴族たちをこらしめる“黒いチューリップ”と呼ばれる怪盗。庶民の味方で黒仮面なんてのは『ゾロ』そっくり。 | |||
監督 | クリスチャン=ジャック | |||
出演 | アラン・ドロン | ドーン・アダムス | ヴィルナ・リージ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | 恐れおののいていた貴族たち。黒いチューップはギヨーム伯爵ではないかと相談する。 犯行の予告に必ず黒いチューリップを一輪置いておく。黒ずくめで黒仮面という出で立ちはむしろグリーンホーネットの雰囲気かもしれない。愛馬はヴォルテール。相棒はブリニョル。 頬に傷をつけられ、公の場に出られなくなったので弟ジュリアンを呼ぶ。これがそっくり!というか一人二役なので当然だ。そのそっくりな顔を利用して、公爵家の集まりへの代役を頼むのだが、公爵夫人の愛人でもあるギヨームは弟に楽しんでこいと士気を高める。 笑えるのは、頬を傷つけた本人ラムーシュ憲兵隊長に傷つけたこと。意外とアクションですごかったのが、カロリーンが馬に飛び乗るところとか・・・ 結局、市民とともに革命に協力するのが弟のジュリアン。後半になると兄であるギヨーム=黒いチューリップは何も活躍しない。だけどジュリアンが投獄されたことを知ると、助けに向かう。だが兄ギヨームは捕まって絞首刑に・・・ アラン・ドロンの一人二役だが、左頬に傷があるかどうかで判断つくので何とかわかるようになっている。 (2006.6)
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クロウ 飛翔伝説 | 1994 アメリカ 日本ヘラルド THE CROW |
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ストーリー | 墓場から蘇った不死身のヒーロー、エリック。1年前恋人シェリーが暴行されともに殺されてしまったのだ。 | |||
監督 | アレックス・プロヤス | |||
出演 | ブランドン・リー | アーニー・ハドソン | マイケル・ウィンコット | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★ | ★★★★ | ★★ | ★★★ |
コメント | 人は死んだら霊界へ魂を運ばれるが、あまりにも残酷な死に方だと、その不条理を正そうと魂が戻される。 ダークファンタジー。『シザーハンズ』のジョニデのようなメイクアップだったので、目新しさは感じられなかったけど、アクションがあるので別の楽しみがある。バットマンシリーズも暗かったが、これはもっとすごいなぁ。何しろブランドン・リーの遺作だし、死んでも愛し続ければ結ばれるといった奥深いテーマもある。決して正義のために戦うんじゃなくて、単に復讐だけですもん。現代では復讐の連鎖というテーマが多いけど、80年代、90年代はこれが当たり前だったのだ。相手の記憶を盗むという発想も面白いし、少女サラの設定もいい。それに最後には不死身でなくなるところにも良心が見られる。 それにしても悪の組織の人間って、なんでこんなに多いんだ。 (2006.6)
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黒猫館に消えた男 | 1956 日本 新東宝 |
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ストーリー | 有馬家の当主が黒猫に怯える。甥の宇津井健は行方不明になった父親と妹の居所をも知りたかったが、ある研究に没頭する。 | |||
監督 | 毛利正樹 | |||
出演 | 宇津井健 | 宮城まり子 | 益田キートン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★ | ★ | ★★ | ★ |
コメント | 実験中に器具が空中浮遊する。なぜだか拳銃まで持っている宇津井健だったが、それも浮かんでしまう・・・ 黒猫の恐怖というよりは透明人間の物語。一応、遺産相続に絡んだサスペンスものの形式を取ってはいるが、殺し屋の二人組がどうみてもコメディアン。弁護士と真一郎(宇津井)と妹の三つの鍵が揃わないと屋敷に眠る財宝を開けられないとか。 最後はドタバタコメディと化してしまってる・・・なんだこりゃ。 (2006.11)
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クローンズ | 1996 アメリカ COLTRI MULTIPLICITY |
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ストーリー | 現場監督のダグラスは忙しくて家族サービスもできないのに、妻が働くと言い出して子育てもすることに・・・そこへ友人の遺伝科学者がクローンを作らないかと持ちかける。 | |||
監督 | ハロルド・ライミス | |||
出演 | マイケル・キートン | アンディ・マクダウェル | ハリス・ユーリン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★ | ★★ |
コメント | クローン化するときの実験室の機材がいい加減で面白い。昔ながらの実験室的映像のなかにコーヒーのサイホンみたいなものがあったりして・・・ クローンが出来上がった直後というのは、映画のようにどっちが本物かわかりませんね。記憶まで移植するというのは無理だと思うけど・・・ ドタバタ気味になるのは3号が登場してから。女を連れ込んだり、だんだん節度がなくなってくる・・・まぁ、コメディだからわかるんだけど。 それにしてもラストの大団円みたいな終わり方も問題あり。クローンの倫理上の問題点やダグラスのIDの問題点などを全て無視するから、SFファンが怒りまくりそうな展開だった。漫画という雰囲気ではクローン人間の話は無理がありすぎますよね。 いってみれば、仕事や私生活が極度に忙しい人間がクローンを欲しがってみてもそれなりに苦労があるよ!ということを言いたいだけの映画だったようです。 (2006.9)
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