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口裂け女 2006 日本
トルネード・フィルム
ストーリー  30年前に流行った都市伝説“口裂け女”の噂がまた広まってきた。隣町の小学生が実際に連れ去られ、緑川小学校でも女の子が連れ去られてしまった・・・
監督 白石晃士
出演 佐藤江梨子 加藤晴彦 水野美紀
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★ ★★★★ ★★★ ★★★
コメント  「ワタシ、キレイ?」は聞き間違いだった?!!!!な〜んちゃって。
 田舎でも流行る都市伝説。“口裂け女”は1979年頃から広まった。「ワタシ、キレイ?」の問いにはどうやって答えるのが良いか?などと真剣に議論していた方々もいることだろう。そして、長い鋏を持ってるとか、出刃包丁を持っているとか、武器も様々でありますが、デマに対する反応は小中学生がもっとも顕著だったろうし、恐怖心を煽るための謎めいた設定は見事というほかない。その恐ろしい伝説をようやく一本の映画として作り上げたのはホラー映画ばかり撮っている白石晃士監督だ。
 初めて聞いたとき、“口裂け女”が「ワタシ、キレイ?」という突然の質問をするという噂は疑問符がいっぱいだったのですが、映画ではこの台詞も含めて彼女に対する独自の解釈が見事なのです。なぜ児童ばかりを狙うのか・・・口裂け女は自分の子供に対する虐待を繰り返し、それが癖になってしまってる(?)。「ワタシ、キレイ」の台詞は・・・ちょっとした聞き間違いであり、彼女が正常な心を取り戻す唯一の瞬間だった。さらに、何度でも生き返る(憑依する)という設定が加わり、子供を持つマスクをしている女性に憑くという性質があるようでした。咳をすると憑かれてしまうんですよ・・・
 憑依するという設定のおかげで驚かされ、とにかく怖いシーンの連発です。母親が子供を守ろうとしても防ぎようがありません。なにしろ、自分が咳をしたばっかりに乗り移られるのですから。そして、残忍さも半端じゃない。長い鋏でチョキチョキ、グサッとやってしまいます。
 懐かしさや斬新さによって面白い映画ではあったのですが、如何せん脚本の細かい部分が良くなかったし、サトエリの演技がイマイチでした。人を刺し殺してしまったのに動揺もせず、教師という立場も忘れて、警察へも報告しない。度胸もあるようなのに、いざとなったら逃げることも忘れている。それ以前に教師に向いてないとも思われる(キューティハニーに変身すればいいのに)・・・加藤晴彦と水野美紀の演技のおかげでなんとかまとまっていたようです。
(2007.3)

口裂け女2 2008 日本
ジョリー・ロジャー
ストーリー  1978年に岐阜県で起こった連続殺人事件。養鶏場を営む沢田家に起こった悲劇と口裂け女の謎に絡めた作品。
監督 寺内康太郎
出演 飛鳥凛 川村ゆきえ 岩佐真悠子
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★
コメント  裁縫が得意なら、自分で縫えばいいのに・・・
 白石晃士監督の前作の記憶も薄れてきていて、自分の感想にあった“聞き間違い”が何だったのかも思い出せない今日この頃。最近のイオンシネマのラインナップが気になって仕方がないのです。ジョリー・ロジャーという配給会社・・・何だそれは?海賊版専門か?と不思議な感覚に包まれる。一応、トルネード・フィルムの関連会社であり、2007年に設立されたらしい・・・とまでは調べられたのですが、今後の動向にも注目。
 さて、そのジョリー・ロジャー配給のこの映画。続編のホラーだと思っていたのに、なぜだか1978年を舞台にしたホームドラマ風。そして養鶏場を営む沢田家の三姉妹の末っ子真弓(飛鳥凛)の純情初恋ドラマへと展開する。それが延々30分。『クローバーフィールド』のパーティシーン以上に前置きが長いため、すっかりホラー映画であることを忘れていた頃、突如として悲劇が起こる。三姉妹の長女幸子(川村ゆきえ)の、今で言う元カレが今で言うストーカー行為の末、真弓に硫酸をぶっかけ、母親をメッタ刺しにして殺害。父親(斎藤洋介)がその元カレを猟銃で殺してしまうのだ・・・
 この落差。小津風とはいかないまでも明らかに温かい家庭を描き、女子高生の淡い初恋でほんわかさせられた直後の出来事だったのです。哀れ真弓は当時の医学に見放され、お岩さんのように左顔面が爛れたまま。そして、口は耳元まで開いたのを粗雑な縫合で留めただけの処置であったのだ。拭けども拭けども家中に飛び散った血の跡は拭えず、近所からは好奇の目で見られ、あらぬ噂をたてられる始末。長女が結婚したばかりの幸せな家庭は、真弓だけがお粥を啜る食事風景に象徴されるように惨めな方向へと進むのでした・・・この事件だけでも泣けるのに、不幸は追い打ちをかけるように襲ってくるのです。
 女子高生連続殺人事件なんてのは後半になってから。それでもホラーというよりサスペンスものといった雰囲気。しかも展開はすべて読める。どうせならホームドラマや難病モノで終盤まで押し通すという手法の方が面白いのかもしれないし、低予算映画であることを逆手にとってホラーの定石を無視してくれれば、かなり評価できたのかもしれません。口が裂けるというシーンなんて前作と同じくエンディング近くだし、ホラー映画を期待している観客へのサービスに過ぎないというか・・・
 当時の高校生の細かな台詞などはもうひとつだったのですが、殺鼠剤とか伏線は効いている。また、特筆すべきは昭和の時代の再現。1978年当時の電化製品やその他小物にえらくこだわっているところがすごい。食卓では妙に存在感のある魔法瓶や、テレビなど。特に大きなテレビはカセットテープレコーダー付き!これにはしびれました。サイコホラー風のVFXや編集技術が霞んでしまうくらい、美術スタッフが優れていたのです。これも『ALLWAYS』の影響なのかな〜などと思っていたら、ジョリー・ロジャーは『ALLDAYS 二丁目の朝日』という映画を作っていました(笑)。そして、『口裂け女2』の監督である寺内康太郎氏の次回作はなんと『少林老女』!やられた・・・
(2008.4)

グッド・シェパード 2006 アメリカ
東宝東和
THE GOOD SHEPHERD
ストーリー  第二次大戦間近のアメリカ。イエール大学に通うエドワードは、FBIとの接触やサリヴァン将軍からスカウトされたことを機に、国の諜報活動に従事していく。
監督 ロバート・デ・ニーロ
出演 マット・デイモン アンジェリーナ・ジョリー アレック・ボールドウィン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  “グッド・シェパード”とは千昌夫の良き妻のこと・・・(うその情報です)
 CIAにはなぜ“the”をつけないんだ?と、いきなり命題を叩きつけられる予告編。“god”に“the”をつける奴なんていないからだよ!・・・ふと気になって、英和辞典で調べてみると、この映画のタイトル“THE GOOD SHEPHERD”そのものがキリスト(忠実な羊飼いだと言ったことから)の意味だと気づきました。“the”が付いてる・・・それはなぞなぞですか?と逆に質問をぶつけたくなってくるタイトルでした。ここでは日本語字幕の一部が“KGB”じゃなくて“KBG”になってたような気がしたことには触れずにおきます。
 さて、この映画、ぼんやりと観てたら『ゴッドファーザー』の世界とどこが違うのかわからなくなってきます。信頼と裏切りが交錯するマフィアの世界をCIAや対抗する組織に置き換えたような、ロバート・デ・ニーロだからこそ作り得た映画だったのかもしれません。ちなみに製作総指揮にフランシス・F・コッポラの名前もあるので、これは意図したものだったのでしょう。
 国家や組織に忠実な主人公がマット・デイモン。作戦が失敗に終わる現在(といっても1961年)の“ピッグス湾事件”で機密を漏洩したスパイ探しをする時間軸と、彼のイエール大学“スカルズ&ボーンズ”クラブ時代から第二次大戦を通して諜報活動する姿を描く軸が同時進行してゆきます。組織を優先させたがために家族が崩壊してしまう男の世界。不幸な死を遂げた父親の心と、自分の息子に対する思いの比較。史実を充分に調査検証し、リアルなアメリカの裏を描いていました。
 興味深いエピソードも多かった。特にアメリカに亡命したがっていたソ連のミロノフ(本物の方)の台詞はよかった。偽の情報を信じさせることがCIAの任務なので、ここのエピソードは信憑性があったと思う。キューバに関することも、CIAが大統領を説得したことだから、どこまでが真実なのかもさっぱりわかりませんが・・・
 裏切り者は誰だったんだ?!というミステリアスな部分も楽しめたし、『ゴッドファーザー』のような男の世界も楽しめた。しかし、とにかく長い(167分)。登場人物も多いので、これは誰だっけ?と混乱するかもしれない。そんなときは、「誰も信用するな!」という言葉を思い出して、マット・デイモンだけを信じたほうが良さそうです・・・

2006年アカデミー賞美術賞ノミネート
2007年ベルリン国際映画祭銀熊賞
(2007.10)

グッドナイト・ムーン 1998 アメリカ
COLTRI
STEPMOM
ストーリー  NY。女流カメラマンとして活躍するイザベル(ロバーツ)は弁護士のルークと同棲をはじめたが、先妻ジャッキー(サランドン)の間には2人の子供がいて、彼らはジャッキーになついていたのだ・・・
監督 クリス・コロンバス
出演 ジュリア・ロバーツ スーザン・サランドン エド・ハリス
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★ ★★★ ★★★★ ★★★
コメント  「エイント・ノーマウンテン・ハイ・イナフ」マーヴィン・ゲイ&タミー・テレル
 こんなに楽しくて悲しい曲はないなぁ。陽気なベンと多感なアンナの心がそのまま表れているようなイメージ♪
 いがみ合ったり、共同戦線を張ったり、ママとは受け入れられないイザベルだったけど、ジャッキーがガン治療を受けている事実を子供に告白してからがらりと変わった。彼女になら継母をまかせてもいい!そう考えるようになるプロセスがよかったかなぁ。
 ただ、この映画、長い!無駄なエピソードが多すぎるし、余計な起伏が感じられる。ジャッキーが死んでしまうまで描かなかったのは正解だと思うが・・・

1998年ゴールデングローブ賞女優賞ノミネート
(2008.5)

グッドナイト&グッドラック 2005 アメリカ
東北新社
GOOD NIGHT, AND GOOD LUCK
ストーリー  1950年代、全米でマッカーシーの赤狩り旋風が起こる真っ只中で、CBSのニュースキャスターが圧力にも屈せずジャーナリズムを貫き通す。
監督 ジョージ・クルーニー
出演 デヴィッド・ストラザーン ロバート・ダウニーJr パトリシア・クラークソン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★★ ★★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  国内に自由がないのに、他国に自由を与えるなんて無理だよなぁ・・・
 高校に入るまでは、マッカーシーとマッカーサーは同一人物だと思っていた。日本にも影響を及ぼした赤狩り旋風は、マッカーサーが行なったものじゃなく、マッカーシー上院議員が行なったと知った頃にはドナ・サマーの「マッカーサー・パーク」が流行っていたことを思い出します。そして、ハリウッド・テンの存在を知ったのは映画ファンになった数年前のこと。
 『真実の瞬間(とき)』や『マジェスティック』を観るためには知っておかないと理解できないかもしれませんが、この『グッドナイト&グッドラック』ではハリウッドをも襲った点には触れずに、アメリカ市民に広く襲いかかった事件を中心にしているので、ハリウッド・テンについては知らなくても大丈夫です。
 ある空軍中尉が不当な解雇宣告をされた事件を発端に、大手テレビ局であるCBSの人気キャスター、エド・マローが仲間とともにマッカーシーの不正を暴いていくストーリー。モノクロフィルムに加え、調査委員会のシーンやマッカーシーの演説などの実存フィルムを多用し、かなりリアリティ溢れる映像表現でした。音楽でも、何度となく挿入されるジャズシンガー、ダイアン・リーヴスのシーンがとても心地よかった。
 吹き出してしまいそうになったシーンもあったのです。ジョー(ロバート・ダウニーJR)にエド・マーローのガセネタを掴ませようとした男が、まるで永田某議員に偽メールを渡した西沢某氏の雰囲気だったのです(ほんとの姿は知りません)。そして、「マッカーシーがプールにジャンプして、マーローによって水が抜かれていたことに気付かなかった」という台詞には笑ってしまいましたよ。憎たらしい人物でしたけど、結末は結構お茶目でしたね・・・
 自由を謳っているのに不自由な国になりかけたアメリカ。今の日本も表現の自由が奪われようとしているのだから、ジャーナリズムこそが戦わねばならないのに・・・つまらない殺人事件ばっかり報道するなよ!

2005年アカデミー賞作品賞、主演男優賞、監督賞、脚本賞、撮影賞、美術賞ノミネート
2005年ヴェネチア国際映画祭男優賞、脚本賞
その他いっぱい
(2006.5)



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