見知らぬ人でなく | 1955 アメリカ UA=松竹 NOT AS A STRANGER |
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ストーリー | 熱心な勤労医学生ルーク(ミッチャム)。父親は飲んだくれで息子の学費まで盗んでしまう男。友人アルフレッド(シナトラ)や教授にも金を借りる始末。 | |||
監督 | スタンリー・クレイマー | |||
出演 | オリヴィア・デ・ハヴィランド | フランク・シナトラ | ロバート・ミッチャム | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★ | ★★ | ★★★★ | ★★★ |
コメント | 冒頭、いきなりの解剖実習のシーン。熱心なルークとアルは、ある看護婦のはからいで学生が見ることのできない手術まで見学させてもらう。 授業料納入に困ったルークは看護婦の1人クリスが貯金を持っていることを知り、彼女と結婚することにしたのだ。オールドミス、美人でもない、そんなクリスだったためにアルからも非難されるが、予定通りに結婚した。 ルークは「金で患者を区別する」ことに反対。それが原因でディートリッヒ教授の授業でも反感を食らう。帰宅しても医師の倫理で妻とケンカ。研修医にもなれないことになると威かされ、素直に謝り、なんとか研修医の道へ・・・ある日、交通事故の遺体が運ばれてくるが、それはルークの父親だった。などなど苦労しながらも開業医となった医学生たち。ルークは田舎町で貧しい患者を相手にするのだったが・・・ 診療所の物語になってからはルークの不倫とクリスの妊娠問題が中心。伝染病のことでパニックも起こすが、どうも普通のメロドラマになってしまったのが痛い。医者の尊厳、間違いを犯すことを恥とする潔癖さもラストでの診療所院長のオペミスで最後のよりどころが妻クリスであることに気づくというもの。展開速すぎ・・・ 1955年アカデミー賞録音賞ノミネート 1955年英国アカデミー賞男優賞(フランク・シナトラ)ノミネート (2006.7)
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ミスター・アーサー | 1981 アメリカ WB ARTHUR |
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ストーリー | 何一つ不自由のない豪勢な暮らしを続けているアーサー・バックは、ある日父親から政略結婚を命ぜられる。断れば財産を失うのでしぶしぶ承知するが、そんなとき夢中になる女性が・・・ | |||
監督 | スティーヴ・ゴードン | |||
出演 | ダドリー・ムーア | ライザ・ミネリ | ジョン・ギールグッド | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★★ | ★★ | ★★ | ★★★★ | ★★★ |
コメント | 映画も観てないのにサントラレコードを買ってしまった大学時代。もちろんクリストファー・クロスに夢中になったからだが、ストーリーについては興味もない映画だった・・・狂ったように高笑して金をちらつかせてのナンパ・・・実は娼婦だったというオチもつくが、それほど金満ライフのいやらしさを見せつけてくれる。 ネクタイを万引きしているリンダ(ミネリ)を目撃。追いかけてきた警備員とのやりとりが面白いけど、助けたアーサーもどうして一目惚れしてしまったのか・・・いつもヘベレケになってるんだから、そんな感じの女はいただろうに・・・ 7億5千万ドルの価値はあるのか?(笑) コメディなんだろうけど、それほど笑えず、やっぱりストーリーも設定も面白くない。いかれたアーサーの演技が光ってるだけ。執事のギールグッドの演技もいいんだけど、 1981年アカデミー賞助演男優賞(ギールグッド)、歌曲賞Arthur's Theme: 同主演男優賞、脚本賞ノミネート 1981年ゴールデングローブ賞作品賞、男優賞、助演男優賞、歌曲賞 1981年ラジー賞主題歌賞ノミネート Comin' Home To You その他多数 (2009.2)
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Mr.ビーン カンヌで大迷惑?! | 2007 イギリス Uni東宝東和 MR. BEAN'S HOLIDAY |
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ストーリー | ビーンはくじ引きで一等賞を当ててパリ〜カンヌの旅をすることになった。列車でカンヌ映画祭の審査員親子と行き違いがあって、とんでもない方向に進むが・・・ | |||
監督 | スティーヴ・ベンデラック | |||
出演 | ローワン・アトキンソン | エマ・ドゥ・コーヌ | ウィレム・デフォー | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | 世界32カ国でNO.1獲得したが日本じゃ無理だった・・・ 劇場版の前作『ビーン』はドタバタすぎて乗り切れなかったけど、今作品は笑えました。むしろTV版のようなショートコントを繋ぎ合せたようなノリになっていて、何度も笑わされ終いには笑いすぎて涙がこぼれました。それでも日本版は気を使ったのか、予告編で見られたビーン迷惑がなかったことが残念。 ビーン氏がくじ引きでパリ〜カンヌへの旅行を当てたことから始まるのですが、まず破壊的なシーンがない・・・これはまじめに作ってるぞ!と予感させられるスタートです。ショートコントをいくつもこなし、ゆったりとしたペース。パリからカンヌへはまるでロードムービーでした。絶えずビデオカメラで風景や人物を撮りまくりのビーン氏。目的地がカンヌ映画祭だけあって、オチも見えてしまいますが、そんなことは全く気にならないほど笑えました。 映画祭審査員の親子を巻き込んで、ビーン氏が息子の誘拐犯であると報道されるものの、本人は全く気がつかない。さらに盛り上げてくれるのが、映画祭に出品する監督ウィレム・デフォーなのであります。途中、戦争映画をまともに撮ってると思わせるけど、コンペティションではなんとも眠い作品「プレイバック・タイム」を上映・・・ それにしても珍道中を盛り上げてくれる子供ステパン(マックス・ボルドリー)がとてもいい。ロシア語しかわからないこともあって、パントマイムの変なおじさんによくついてきてくれた。共演の女優エマ・ドゥ・コーヌの居眠り運転もすごかったぞ!とにかく笑わせてくれたビーン映画。本当にグラシアス! (2008.1)
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Mr.ソクラテス | 2005 韓国 エスピーオー MR. SOCRATES |
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ストーリー | 不良少年ドンヒョクは謎の組織によって誘拐、監禁される。そこで組織の手先となって警察に送り込まれるため、受験勉強を強制されるのだった。ついに受験に勝ち抜き、刑事として採用されるのだが・・・ | |||
監督 | チェ・ジノン | |||
出演 | キム・レウォン | カン・シニル | イ・ジョンヒョク | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | 拷問のような過酷な勉強態勢。どことなく『タイガーマスク』に出てくる虎の穴を刑事という設定に置き換えたような。 警察官になっても交通課の巡査。これじゃダメだと組織は脱獄犯を捕まえ、ドンヒョクの手柄にするなどの徹底ぶり。捜査課の刑事になっても、彼が元チンピラだったおかげで手柄をあげる。班長(イ・ジョンヒョク)にも気に入られ、宿敵の検事が囲っている悪人テチュンを捕まえることに協力してくれと頼まれる。徐々に刑事の使命に燃えるドンヒョク。これも受験勉強で得た人生観のおかげ・・・といっても倫理の教科書に載ってた程度のもの。 テチュン逮捕に向けて班長と二人乗り込む。ドンヒョクを育てた悪徳弁護士も一緒だ。班長を撃ち混乱させるドンヒョク。結局、ドンヒョクに罪を着せるため弁護士が他の奴らを殺してしまう。しかし、最後にとったドンヒョクの行動は衝撃的! 弟をダシに使ったり、服役中の親父(オ・グァンノク)に何度も面会するサブストーリーも面白く、最後には弟も改心させる。「悪法も法なり」ソクラテス・・・正当防衛のことだけか? (2007.10)
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ミスター・ベースボール | 1992 アメリカ Uni=UIP MR. BASEBALL |
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ストーリー | 現役大リーガーのジャックは疲れが見えてきたため、日本の中日ドラゴンズにトレードされる。最初は快調に飛ばしていたものの次第にスランプに陥るようになった。 | |||
監督 | フレッド・スケピシ | |||
出演 | トム・セレック | 高倉健 | 高梨亜矢 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★ | ★★ | ★★★ | ★★ |
コメント | 通訳ネタがまず面白かったのですが、それがずっと続くと飽きてくる。 中日ドラゴンズが契約したのはCMモデルになるところまで。CMならば選ばせてくれるんだろう?とプライドもあるジャック。スパイク・リー監督でナイキのCMを撮ってるという元同僚の言葉を聞いて、自分のCMのなさけないこと・・・(笑) ストーリーで唸らせるのがジャックの恋人となったヒロコが内山(高倉)の娘であったという点だけ。日本文化に馴染まないで面白い行動をとる小ネタなんてそれほど面白いわけではないんだし、途中からどうでもよくなってくる。 (2006.7)
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ミスト | 2007 アメリカ ブロードメディア THE MIST |
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ストーリー | のどかな田舎町を襲った雷雨。人々は非常食を買い求めスーパーマーケットに集まるが、不気味な霧が店を襲う。 | |||
監督 | フランク・ダラボン 原作:スティーヴン・キング | |||
出演 | トーマス・ジェーン | マーシャ・ゲイ・ハーデン | ローリー・ホールデン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | ノーム、気をつけろっ!外は濃霧だ! “tentacle”って“触手”という意味だったのか。と、高校時代に“テンタ”とあだ名された友人を思い出してしまいました。序盤から凄い怪獣(といっても触手だけ)が登場するものだから、息切れするんじゃないかと心配しつつも、怪獣のみならず群集心理を巧みに描いた内容に圧倒されるのです。巨大タコのパニック・・・になると思っていたけど、タコのみならず、巨大生物が次から次へと・・・ 『クローバーフィールド』と同じく、霧の中には何がいるのかわからない期待と恐怖。それに、終始一般市民の目線で描かれるところにも共通点がありました。しかしこの『ミスト』では、とにかく生き残るために奮闘するという典型的な展開以外に、一人の狂信的な女性のためにスーパーマーケットに閉じ込められた人々が洗脳され、人為的二次災害とも言うべき精神パニックが描かれています。ひょっとすると、こちらの方が怖いかも・・・ この狂信的女性カーモディをマーシャ・ゲイ・ハーデンが好演。たまたま予言したことが当たったものだから、自ら神と交流できる預言者と称し、霧の中の何かに生贄を捧げることまで主張する。パニックに陥った人々が彼女に傾倒していく光景は社会の縮図を見ているかのようです。実際に窮地に立たされ希望を失くしたら、神にすがりたくなるかもなぁ・・・ 巨大クリーチャーの恐怖と群集心理の恐ろしさを味わいつつ、銃を持ってる人が少ないことに安堵し、意外な人物が活躍することに興奮する。そして生きるためのわずかな希望を“霧からの脱出”に賭ける人たちに祈りをこめる。もう少しだ。頑張れ・・・そして、観客をも異世界へと運んでくれるかのようにラストドライブにおけるBGMが心地よく、我々はデヴィッド(トーマス・ジェーン)に運命を託すようになるのです・・・あ、ダイダラボッチだ・・・違う・・・ スティーヴン・キングの原作とは全く違うという衝撃のラストシーン。賛否両論ともなりそうな結末でしたが、個人的にはこの無常感に1ポイントアップ。希望と絶望は紙一重なんだと、何やら教訓めいてもいて、『ロミオとジュリエット』くらい後世に語り継がれそうな悲劇でありました。 今日の英単語:tentacle expiation sacrifice (2008.5)
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水のないプール | 1982 日本 東映セントラルフィルム |
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ストーリー | クロロホルムを使って若い女性を犯すという実際にあった事件を元に再構築。地下鉄職員の内田は退屈な日々を過ごしていたが、痴漢から救った女性や彼の子供の昆虫採集からヒントを得る・・・ | |||
監督 | 若松孝二 | |||
出演 | 内田裕也 | MIE | 中村れい子 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★ | ★★ |
コメント | クロロホルムの買い方のテクニックまで詳細にしちゃヤバかろう・・・ 単純で女の裸がたっぷり登場する割にエロ度は低い。おいおい、そりゃヤバいだろうなどと冷静になっていたことや、死姦と同じだろうと感じられると、裸が単なる物体にしか思えなくなるからです。 クロロホルムの最初の実験台はMIE。しかし、窓から注射針で吹き込んで、どれくらい眠っているのかを確かめるだけ。最後までMIEや同居人の水のないプールで戯れる女に手を出さない内田。痴漢から救って、いつまでも“いいおじさん”でいたかったのだろうか。 特異な犯行として、強姦が終わると、洗濯や食事の用意までする性癖。徐々にエスカレートはするものの、タモリが店主のカメラ屋からポラロイドカメラを買って撮りまくる習慣が身についただけだ。相手はとにかく失神しているので、色気もくそもないためか、自己満足の世界に浸っているのだ。 案外豪華なキャストと特別出演の面々。それでもチョイ役ばかりで、結局は暴れん坊の内田裕也のはまり役ぶりが目立った作品だった。全体的に静かなシーンが多くて抑揚がない。観客も同時にクロロホルムを嗅がせられるような効果を狙ったものなら文句もないが・・・ 金沢映画祭青いオトコまつり(2007.9)
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水の中のナイフ | 1962 ポーランド 東和 NOZ W WODZIE A KNIFE IN THE WATER |
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ストーリー | 裕福な階級の夫と若い妻が道に飛び出してきた青年を乗せ、ヨットで二日間を過ごす。 | |||
監督 | ロマン・ポランスキー | |||
出演 | レオン・ニェムチック | ヨランタ・ウメッカ | ジグムント・マラノウッツ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | けばけばしいメガネをした妻クリスティーナの姿はどことなくロボットのように見えるんだけど、ヨットの上では官能的な魅力満開。冷え切っている夫婦のようでもあり、夫の監視がきついだけのような気もする。ところどころにクリスティーナが19歳の若者に惹かれていく様子がうかがえるけど、決定打がない。しかしヨット遊びも終わろうとしていたとき、それは起こった。夫が嫉妬からなのか、若者を殴って海に落とし、若者はブイの陰に隠れる。絶妙な三人の心理描写。 ヨットの上の出来事というと『太陽がいっぱい』も思い出してしまうが、映画から感じられる空気がまったく違う。心のやりとりをそれとなく楽しんで、雰囲気を楽しむほうがいいのかな・・・ 1963年アカデミー賞外国語映画賞ノミネート 1962年ヴェネチア国際映画祭国際映画評論家連盟賞 1963年英国アカデミー賞作品賞ノミネート (2008.4)
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ミス・ポター | 2006 イギリス/アメリカ 角川映画 MISS POTTER |
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ストーリー | ピーター・ラビットを生んだビアトリクス・ポターの物語。1902年のロンドン。上流社会で育った32歳になるビアトリクスは持ち込んだ絵がウォーン兄弟の会社から出版されることとなった。 | |||
監督 | クリス・ヌーナン | |||
出演 | レニー・ゼルウィガー | ユアン・マクレガー | エミリー・ワトソン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
コメント | ハリー・ポッター作者の伝記映画だと思ってた・・・ ピーター・ラビット生誕の地とでも言うべきイングランド湖水地方。豊かな自然と広大な農場、余生はこんな場所で過ごしてみたいと思わせる映像でした。1902年、イギリスは産業革命の影響で次々と開発による自然破壊が進んでいた時代。ビアトリクス・ポターの第二の夢でもある自然保存がナショナル・トラストによって守り続けられたおかげで、こうした映像を撮ることができたのでしょう。 絵に描いたピーター・ラビットと仲間たちが動き出す。それはビアトリクスが物語を創作中であったり、悩んでいるときなどに可愛らしく動くのです。普通ならば人間嫌いの孤独な女性かと捉えてしまうのですが、彼女はそうではない。随分と社交的だし、自らの夢を追求するためには妥協なんてしない性格。動物は友達なのです。ビアトリクスが乗り移ったかのように、レニー・ゼルウィガーの演技が彼女の心を伝えてくれるかのようでした。 ユアン・マクレガーもエミリー・ワトソンもまぁ良かったのですが、ミス・ウィギンを演じた人も気になる存在。ビアトリクスの監視役であるかのような女中さんでしたが、独身同盟を貫いたのでしょうか。その後が気になってしょうがないのです。そして、昆虫採集が趣味だった弟バートラムが大人になってから登場しないのも気になったのです。まだ続けていたのでしょうか・・・ ポターについては何も知らなかったけど、封建的な時代なのに身分違いの恋を貫こうとする姿勢や、主義主張を曲げない自立した女性の先駆的存在だったこともわかりました。なにより、自然を愛するテーマは今年の映画にとても多いし、今日的なテーマを彼女は一世紀も前から頑張ってたんですよね〜 2006年ゴールデングローブ賞女優賞ノミネート (2007.9)
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