楢山節考 | 1958 日本 松竹 |
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ストーリー | 山奥の村。69歳になるおりんは昨年嫁に死なれた49歳の息子辰平と孫のけさ吉を養っていた。息子の後妻を探すおりん。70歳になると姥捨の楢山参りが待っている。玉という嫁も決まり、あとは静かに冬を待てばよいのであるが・・・ | |||
監督 | 木下恵介 | |||
出演 | 田中絹代 | 高橋貞二 | 望月優子 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | オープニングの松竹のロゴから「グランドスコープ。」の文字。 歯が33本。年の割には歯が丈夫な老人おりん。自分が捨てられにゆく楢山祭だというのに、妙に明るい。家族の会話でもその話ばかりだ。「夏に楢山へ行ったら、草や木など食べるものがいっぱいあるから冬がいいよ」などと平気で論ずる孫。しかし、一番山に行きたがってるのはおりん本人なのだ。 食糧難。多分、年貢に取られて苦しい農民たち。出発前の講釈はなかなか不気味でよかった。出発前に隣の又やんもじいさんを連れていくのだが、じいさんは暴れて逃げ出したりして、迫真の演技。ついに辰平がおりんを担いで山へ向かう・・・このBGMがずっと津軽三味線で辰平の心情を見事に表していた。幻想的な風景の中、おりんは岩の前で即身仏になるかのように黙って座る。 ラストには現代の「おばすて駅」が登場。現実味を帯びたエンディングがなんとも切ない。 (2006.5)
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楢山節考 | 1983 日本 東映 |
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ストーリー | 信州の雪深い山村。元気に働くおりんだが今年楢山入りを迎えようとしていた。 | |||
監督 | 今村昌平 | |||
出演 | 緒方拳 | 坂本スミ子 | あき竹城 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★ |
コメント | 木下作品と違ってセックス描写がリアル。シーンのつなぎ目に小動物のカットを織り込んで、人間の生と性を対比させている。 けさ吉も嫁をもらうとはりきって、あまやの娘松と子供を作る。しかし芋の盗難事件が発覚して松までもが一家の罪人と一緒に埋められてしまう。この残酷でもあるシーンもリアルだ。あき竹城がでっかいおっぱいをブランブランさせているシーンとか倍賞美津子に女を教えてもらう左トン平が熱演(?)だ。 リアルさと生と死の対比を上手く表現している点では木下版よりも凄いのだが、ラストのシークエンスの面白さではかなわない。 1983年カンヌ国際映画祭パルムドール 1983年日本アカデミー賞作品賞、主演男優賞 1983年ブルーリボン賞主演男優賞 (2006.6)
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ナルニア国物語 第1章:ライオンと魔女 | 2005 アメリカ ブエナビスタ THE CHRONICLES OF NARNIA: THE LION, THE WITCH AND THE WARDROBE |
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ストーリー | 第二次世界大戦中のロンドン。疎開したペベンシー家の子供たちは不思議なタンスを通ってナルニア国へ出てしまう。白い魔女が人間の子供を欲しがっていたが、住人であるタムナスが連れ去れてしまう。 | |||
監督 | アンドリュー・アダムソン 原作:C・S・ルイス | |||
出演 | ウィリアム・モーズリー | アナ・ポップルウェル | スキャンダー・ケインズ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★ | ★★★★ | ★ | ★★ |
コメント | 『E.T.』のドリュー・バリモアをも思い出させるルーシーちゃん。一人だけアフレコ感が溢れていました。 子供向けだとは聞いていましたけど、子供に見せたら戦争好きになっちゃいそうです。アメリカではこうやって国民の戦争アレルギーを無くしていくのかもしれません。こんなことなら大胆に大人向けに変更して、血なまぐさい戦闘シーンと残酷なシーンを盛りこんでしまったほうが良かったような気もします。 サンタクロースに武器をもらうまではファンタジーとして素晴らしい出来。せっかく「戦争は醜いものだ」という台詞があるのに、正しいことに使っているのはピーター兄ちゃんが氷に剣を刺したところだけだったかもしれません。しかも、現実に戻ればドイツ軍から空襲を受けているのです。大戦における屈辱や連合国の戦意高揚といった勧善懲悪ものと捉えると、50〜60年代にはこうした内容もいいのかもしれませんけど、今の時代には合わない物語です。 理解不足もあるかもしれませんが、そもそも白い魔女がなぜ悪人なのかわからない。魔法を使える者はすべて悪なのか?なんたって、美味しいお菓子を出してくれるんですよ。貴重な存在じゃないですか。極端かもしれませんが、イランを悪の枢軸と主張するブッシュと何ら変わりないのではないでしょうか。また、子供をわざわざ戦わせなくても彼等だけでも充分なのに、敢えて戦わせるストーリー。美男美女を起用しなかったことで、普通の子であっても戦争の英雄になれることを訴えたかったのかもしれません。 なんだかんだ言っても、CG技術やオスカーも獲得したメイクアップ技術。迫力ある映像は『LOTR』には及ばないものの充分楽しめました。そして、前半ののんびりした展開のおかげで子供たちが着ていた毛皮のコートはナルニアの住人たちのものじゃないのか?という疑問も残りました。 2005年アカデミー賞メイクアップ賞 同視覚効果賞、音響賞ノミネート 2005年ゴールデングローブ賞音楽賞、歌曲賞ノミネート その他 (2006.3)
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ナルニア国物語 第2章:カスピアン王子の角笛 | 2008 アメリカ ディズニー THE CHRONICLES OF NARNIA: PRINCE CASPIAN |
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ストーリー | 伝説のペベンシー兄妹の王・女王によって平和がもたらされたナルニア国も1300年の時が過ぎ、人間であるテルマール人の侵略により絶滅の危機にあった・・・ | |||
監督 | アンドリュー・アダムソン 原作:C・S・ルイス | |||
出演 | ベン・バーンズ | ジョージ・ヘンリー | ウィリアム・モーズリー | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★ | ★★★★★ | ★★★ | ★★★★ |
コメント | 戦争は大人になってから。 『LOTR』並に上映時間が長いとヘルニア国物語になりそうですが、前作と比べるとストーリー構成もしっかりしているし、大人を経験している4兄妹の性格や演技も落ち着いているので鑑賞も苦痛ではありません。さらにオマケのオリジナル・オカリナが欲しくなって記念コンボを買ってしまい、オカリナがいつ登場するのかと楽しみにしていました・・・角笛しか出てきませんでしたけど・・・ 先日観た『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』の感動が冷めやらぬうちの鑑賞だったので、ミラース夫人の垂れ目具合が石野真子に見えてしまったり、角笛によってチューバを持った市原隼人を想像してしまったり、巨大な落とし穴に落ちたのは佐々木蔵之介のような気がしたりしました。すでに心の中では“ナルニア軍とテルマール軍の1300年戦争”と名付けてしまってます・・・スケールが違うってば。 何がよくなったんだろ?新たなヒーローであるカスピアン王子(ベン・バーンズ)がポイントだったのかもしれないし、4兄妹が未だ子供のままだけど大人を経験していることから、戦争描写も自然に受け止められたのかもしれません。また、王位継承に絡む醜い内輪もめや、それに絡んで“王は一人じゃない”ことに驚くミラースが面白かったこともあるし、スーザン(アナ・ポップルウェル)の「戦わずに・・・」などといった台詞に肯いたためかもしれないし、ただ、侵略される前に先手を打つ策を採ったのはいただけなかったけど・・・ 4兄妹の中ではピーターよりもエドマンドの成長が良かった。精神的にも肉体的にも大人になってると感じたのですが、何より白い魔女に対する恨みを発散させたところがいい。きっと美味しい食べ物にもつられなくなったことでしょう。一方、メインのカスピアン王子は森の中を駆けているとき木にぶつかるところが素敵でした。ルーク・スカイウォーカーですか? 脇キャラでは白い魔女を復活させようとしたドワーフのニカブリクを演じたワーウィック・デイヴィス。よく見かけるな〜と思っていたら、『スターウォーズ』から『ハリーポッター』まで多くのファンタジー映画に出演しているんですね。メインのドワーフであるトランプキンよりもインパクトありました。 (2008.5)
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