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ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ 2007 日本
日活
ストーリー  親友の能登(三浦春馬)のバイク事故のおかげでますますネガティブに生きることとなった高校生山本陽介(市川)。ある晩、公園でチェーンソー男と闘っている女子高生を目撃し・・・
監督 北村拓司
出演 市川隼人 関めぐみ 浅利陽介
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★ ★★★★ ★★★ ★★★
コメント  ホラー映画の皮をかぶったバカ映画ではなく、ホラー映画の皮をかぶった青春映画だった?
 オープニングはいきなり不自然な時代劇風となっていて度肝を抜く。なにしろお江戸セットに高校生、それにチェーンソーを振り回す黒頭巾の大男。これはオバカ映画に違いない!と早くもウキウキ態勢に突入となるのです。
 主人公の高校生・山本陽介には市川隼人。成績も最悪なら、何かを成し遂げなければと気が焦るばかりで、ついつい堂々と万引きしてしまう始末。これがオーストラリア産牛肉だったら単なる精神的病によるものと片づけられそうなのに、盗んだのは高級和牛8400円分なのだ。本当にバカ・・・バカを演じたら天才的な市川隼人だ。そんなバカが目撃したのはチェーンソー男と戦う女子高生・雪崎絵里(関めぐみ)。助けようとするものの、逆に助けられ、おまけに化け物にも逃げられてしまうのだ。
 毎夜同じように戦う絵里の手伝いをした後は、学生寮に戻って渡辺(浅利陽介)と一緒にくつろぐ時間だ。カメラ、絵画、小説、バンド、と開花しない芸術家気取り。ネガティブな山本とは異なり、何かを追い求めてる姿は対照的でもあるが、人生の目標を探すべくもがいている点では同じなのです。「根性がない」と自己弁護するのが口癖の山本。学校の先生(板尾創路)も言うように「今の若者は反抗しようとしない。反抗したって変わらないことを知っている」と、引きこもり傾向にある若者気質を言い当てている。
 オバカ映画だと思っていたのに、実は青春映画だった・・・。市川、関の2人が自転車2人乗りなどという構図が象徴するように、ちょっぴり淡い恋心、そして悩める高校生像がメインとなっていました。それでもチェーンソー男との戦いは何度も登場し、バカっぷりも発揮しています。市川がカメラの一脚を武器にし、関は木刀、窓ふき棒、ゴルフクラブと次々武器を変えていくところが面白いのです。手裏剣しか相手に当たらなかったですけど・・・
 で、そんな青春映画なのにチェーンソー男登場ってのはいったい何だったのだ?ファンタジー映画のように夢や妄想ととらえてもいいのかもしれないし、大切な人の死(ちなみに市川の友人・三浦春馬は最初から死んでいる)がもたらした、解き放たなければならない呪縛のようなものだったのか。彼ら心に巣食う闇のメタファーとしての存在が最初は大きく感じられるものの、次第にそれが越えるべき壁としか思えなくなってくるのです。
 どちらかというと小説向きの精神的世界だったのに、CGやアクションなど、映像も頑張っていました。なぜだか彼らの寮や部室(?)が好き・・・というより、自分の趣味にも当てはまるような小物ばかり。パソコンの画面にあったDAWソフトは何だ?と凝視してしまいました・・・
(2008.1)

NEXT -ネクスト- 2007 アメリカ
ギャガ・コミュニケーションズ
NEXT
ストーリー  ラスベガスでフランク・キャデラックという芸名でマジックをしているクリス・ジョンソンは2分先の未来を予知できる能力を持っている。ある日、運命的な女性リズに出会うが、核兵器テロを追うFBI捜査官に爆破計画阻止を依頼され・・・
監督 リー・タマホリ
出演 ニコラス・ケイジ ジュリアン・ムーア ジェシカ・ビール
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★ ★★★ ★★★ ★★
コメント  マジックで
 SFアクションではあるけど、タイムパラドクスに集中力をそがれてしまい、色々と考えてしまいました。2分先の未来予知は途切れてしまったらどうなるのか?現在の映像と未来の映像が混在するのか?2分の間に違う行動をとったら、また予知しなくては辻褄が合わなくなるのでは?などなど・・・現実なのか2分先の未来なのか?と、軽い混乱状況にありましたが、クリス・ジョンソン(ニコラス・ケイジ)がダイナーでリズ(ジェシカ・ビール)に声をかける際の様々な手段を想像しているシーンでほんわかムードとなりました。
 3週間前に別れたというリズの元カレがストーキングする光景を見ると、日本の民法にある6か月の再婚禁止期間を批判したジュリアン・ムーアまで思い出してしまう。「アメリカでは3週間でも新しいカレを作ってもいいのよ」とFBI捜査官である彼女がダイナーに乗り込んでくるんじゃないかと2分先の光景を予測してみましたが、あいにくそんな予知能力は発揮されませんでした。
 アクションシーンもさることながら、クリスが運命の女性リズを口説くという部分が面白い。「車で寝るよ」などと、ニコちゃんらしい控え目な態度とマジシャンの得意技で口説き落す。これがセロくらいだったら、やっぱり女性はよろめくんだろうけど、マギー司郎だったらどうなんだろう?と、ニコちゃんの顔が一瞬、モト冬樹に見えてしまう・・・一緒にネクストしよう!とモト冬樹が言い出しかねない・・・いや、すでにこっそりマジックを練習しはじめているに違いない。
 おいしいアクションシーンは予告編で出しつくしていたし、残るははリズが助かるかどうかという緊迫感のみ(核兵器テロなんて危機感がまったくないほど)。今までは自分に襲いかかるピンチだけを知りえた予知能力も、彼女が現れてからもっと先の事態も予知できるようになったクリス。どうなるんだ??と手に汗を握らせておいて、いささか反則気味である“ちゅど〜ん”級のオチが用意してあったとは・・・
(2008.4)

ネゴシエーター 1997 アメリカ
ブエナ
METRO
ストーリー  交渉人のスコットは新しいパートナーに交渉術を教えるという任務を与えられた。
監督 トーマス・カーター
出演 エディ・マーフィ マイケル・ラパポート マイケル・ウィンコット
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★ ★★★★ ★★★ ★★★
コメント  18人を人質にとった銀行強盗。SWATが狙撃準備をしている状況下で、スコット・ローパーが交渉を買って出る。ドーナツを持って・・・すぐに銃を使ったことはちょっと納得できないが、卒のない交渉術だ。
 かつての相棒が宝石強盗の捜査中に殺され、犯人コーダを追い詰める。中盤の街中でのアクションが凄い!これは映画館で観たかったところだ。とりあえず逮捕したが、逆恨みされ、スコットのガールフレンドである新聞記者が狙われる。襲ったコーダのいとこは死んでしまうが、腹の虫がおさまらないコーダは脱獄し、執拗に彼女を狙うのだ・・・
 彼女の部屋で発見した紙に包んだモノ。コーダを捕らえるときに見た人質の切り落とされた耳がまたあるのではないかとハラハラさせられる。まじでびびった・・・
 邦題にあるネゴシエーター(交渉人)はあまり意味をなさない。主役のエディ・マーフィの職業が交渉人であるというだけで、プロットにはさほど影響していないのだ(ちょっとだけ訓練のシーンはある)。話術よりもむしろアクション中心。『ビバリーヒルズ・コップ』シリーズのような爆裂トークは無きに等しい残虐な犯人コーダ(ウィンコット)が印象に残る。
(2007.1)

猫の恩返し 2002 日本
東宝
THE CAT RETURNS
ストーリー  女子高生ハルはトラックに轢かれそうになってる猫を助けた。その猫は猫の国の王子ルーンであり、彼女を招待することになった。
監督 森田宏幸 原作:柊あおい
出演 池脇千鶴 丹波哲郎 岡江久美子
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★ ★★★ ★★ ★★★
コメント  プレゼントの包みの中はネズミか!恩返しといっても猫の好物ばかり。挙句の果ては王子様の嫁さんにすると言ってきた。猫の国なんぞには行きたくないハルは事務所に行けと言われ、白い大きな猫について行く・・・
 事務所には『耳をすませば』のバロンもいた。展開は『不思議の国のアリス』のような映像で迫る。
(2005.8)

猫目小僧 2005 日本
アートポート=松竹
ストーリー  会社倒産により福島県久路土村に引っ越してきた藤崎一家。腹を空かせた猫目小僧が娘まゆかと息子浩と仲良くなるが、村では妖怪ギョロリが50年ぶりに復活して大惨事を巻き起こす・・・
監督 井口昇
出演 石田未来 田口浩正 竹中直人
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★ ★★
コメント  肉玉の恐怖!しかし、臭いことといい、色形といい、どう見てもあれはうん○だ。
 もしかするとスカトロマニア、唾液マニア、エログロSFマニアに発信した映画なんじゃないかと思えました。妖怪である猫目くんの特殊能力が彼の唾液にあるという設定から薄々気づいてました。まずは引っ越してきた藤崎家の小学生の息子浩のぜんそくを治してしまい、娘まゆか(石田未来)の左頬の痣を治してしまうのです。浩にはアクロバティックに唾を口の中に入れ、まゆかには濃厚なキスシーンであるかのように舐めて痣を消し去った・・・この時点ですでに唾液マニア・舐めマニアは大喜びのはずです。
 さらに物語が進むと、人間を肉玉に変えてしまうという臭くて気持ち悪くて恐ろしい造形のクリーチャーが登場する。ゾンビのように次から次へと感染して増えていくのですが、増殖方法がうん○のような肉玉を食べさせるというもの。ここでスカトロファンは大喜び。しかし、普通の観客ならドン引きです。もうエロなのかホラーなのか、ひょっとするとコメディなのかわけがわからなくなってくるのです。
 序盤、猫目くんの登場はほのぼのとした田舎の風景に溶け込んでいましたが、一方では肝だめしバカップルが妖怪ギョロリの封印を解いてしまったので大惨事になってしまいます。まるで『となりのトトロ』にゾンビが登場するかのようなアンバランス。役者がそれぞれ下手なので、学芸会チックなノリで不思議空間を楽しめるのです。顔の痣のためにいじめられていたまゆかが、痣が完治してから同級生の態度も変わり、好きな男性とも恋に落ちる。表面的な醜さと心の優しさという両面が人の態度をどう変化させるのかも興味深いところでした。
 30年ほど前、TVでも「猫目小僧」を放映していましたが、「ゲゲゲの鬼太郎」人気に便乗した手抜きの紙芝居アニメといった印象があります。今回の実写化では完璧なかぶりものにしたという潔さは好感持てるし、B級ゾンビ映画をリスペクトしているところも評価できるのかと思います。しかし、人々の恐怖の表情が全くなっていない。脇に徹した津田寛治でさえお粗末な演技。田口浩正が主役級の役だから期待していたのに・・・まともな演技はつぶやきシローだけだったかもしれません。
(2006.9)



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