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寝ずの番 2006 日本
角川ヘラルド・ピクチャーズ
ストーリー  上方落語界の重鎮、笑満亭橋鶴が亡くなる寸前から、家族や弟子たちの噺家らしい艶笑話が始まる。
監督 マキノ雅彦  原作:中島らも
出演 中井貴一 木村佳乃 木下ほうか
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★★ ★★ ★★★ ★★
コメント  山中温泉に混浴露天風呂はない。
 キネ旬映画検定においても重要な人物となっているマキノ省三監督。その孫にあたる津川雅彦がマキノ名義で挑んだ初監督作品だ。伊丹十三作品にも伊丹夫人宮本信子とともに名コンビを組んでいたときが最も輝いていたように思いましたけど、とにかく色んな映画、テレビに出まくっている津川雅彦。う〜ん、どうなんでしょう。
 物語は上方落語界の重鎮といわれる師匠、一番弟子、おかみさんと立て続けに亡くなってしまう。その通夜での思い出話が中心となる。最初に亡くなった橋鶴師匠は監督本人か?と、注意深く見ると兄さんの長門裕之でした。年配のほうから順に亡くなるという自然の法則に逆らわない運命はそれほど悲しくならないし、通夜の席上で艶話をすることにしても故人の名誉に関るほどではない内容。むしろ、故人の武勇伝のような話で盛り上がるのは嫌悪感もわいてこないのではないでしょうか。つまり、小ネタばかりで、心に響くものが何もない・・・
 不思議なことに、連続して一家から葬式を出すということは実によくある話。それぞれ共通の親戚や知人がいると、香典による出費がかさむものであります。知人が次々と死んでいって、いざ自分の番になると知人も少なくなり、香典がほとんど入ってこないということになり、しかも死んでしまうのだから自分には全く金が入らない・・・長生きすると全くメリットがないというオチまでついてしまいます。それこそ、幽霊になって天井の隅から自分の通夜を覗きたくなというものです(な、わけないか・・・)。
 大学時代のクラブ・コンパ(合コンじゃなく)を思い出してしまうほど宴会ネタが多く、「あぁ、当時に見ていたら、確実に使えるネタなのに・・・」などと、今の大学生がうらやましく思えてきました。ちなみに大学は“そそ”じゃなくて“べべ”と呼ばれる地方でしたが、色んな呼称を覚えた時代でもありました・・・
 良かった俳優は、ベテラン・バイプレーヤー笹野高史と高岡早紀。普通の家族なのか、上方落語一門なのかよくわからない演技や設定はテレビドラマの域を越えないような気もしました。もっともテレビじゃ放映できない下ネタばかりでしたが・・・
 
(2006.5)



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