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2番目のキス 2005 アメリカ
東京テアトル
FEVER PITCH
ストーリー  2003年、ボストン。数学教師のベンは子供たちを連れて会社見学に行き、リンジーと知り合う。
監督 ボビー・ファレリー、ピーター・ファレリー
出演 ドリュー・バリモア ジミー・ファロン ジャック・ケーラー
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★
コメント  松坂大輔の入団が決まった今日本公開すれば、もっとヒットしたであろう映画。
 なぜか今年は数学にまつわる映画が多い。この映画の主人公リンジー(ドリュー・バリモア)は数学好きの憧れの会社でビジネスコンサルタントとして成功した女性。恋のお相手は数学教師ベン(ジミー・ファロン)である。と、今年の映画の共通項を思い浮かべながら観ていると、それほど重要なテーマではなかったようです。それよりも、すべては「バンビーノの呪い」だったということです・・・
 この映画は同一原作のコリン・ファース主演『ぼくのプレミアライフ』という映画に続いての映画化作品だそうですが、そちらはサッカーでアーセナルの映画。アメリカ版である今作はレッドソックスの映画なのです。教師のベンは伯父さんの形見であるシーズンチケットをもらい、23年来ホームでの試合を欠かしたことがないくらい熱狂的なレッドソックスファン。日本で人気のあるNYヤンキースとは巨人・阪神のようにお互いライバル意識が強いチームがこのボストン・レッドソックスなのです。
 オフシーズンに出会った二人。ずっと独身で通したベンには何か秘密があるんじゃないのかと友人に疑われ、探りを入れてみると「単なるレッドソックスファン」ということがわかっただけ。リンジーはかなり心が広いので、家族に紹介したいのにフロリダキャンプに行くベンを責めたりしない。一緒に開幕戦を観に行って、“球場の家族”とも知り合い、進んで野球の知識を得ようとしたり、理解のある女性なのです。だけど、シーズンも優勝戦線に加わる時期となると、彼のその熱狂ぶりについていけなくなってしまう・・・
 実際の2004年におけるレッドソックスの活躍を映画に溶け込ませて、見事なプロットに仕上げていました。開幕戦始球式にはスティーヴン・キングが投げる映像もあるし、ドリュー・バリモアとジミー・ファロンの小ネタがとても面白い。もちろん、最後には泣けてきちゃうのです。
 原題は「FEVER PITCH」なのになぜこんな邦題が?と疑問に思いつつ、「25年目」「50回目」よりはドリューの魅力が格段にアップしていることに驚かされます。DVDが予定より早く発売されているせいなのか、映画館を一人で占領してしまいました。レッドソックスファン必見!
(2006.12)

日本のいちばん長い日 1967 日本
東宝
ストーリー  ポツダム宣言受諾から玉音放送に至る敗戦の日本。御前会議、政府と軍部、8月14日の長い一日が始まった・・・
監督 岡本喜八  脚本:橋本忍
出演 宮口精二 戸浦六宏 笠智衆
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  この期に及んで本土決戦を潔しとする軍部。敗戦という言葉さえ知らなかった日本だけに素直に受け入れることはできなかったのであろう。国民が知り得なかった史実が終戦前日に壮大なドラマとして存在したのだなぁ、と改めて思う。
 前半部分はやや単調で、偉いさんたちがなんとか玉音放送にこぎつけるためのドラマ。陛下がマイクに向かってしゃべることや録音にするか生放送にするかだけでも議論が続く。長い一日が終わった・・・とクタクタになった政治家たち。しかし、そこからが近衛師団を中心とした馬鹿げた決起ドラマが始まるのだ。
 素直に敗戦を認めるか、本土決戦にて潔く玉砕するか・・・録音が放送されれば全てが終わってしまうという軍部の足掻き。“国体の維持”という言葉がやたらと耳に残るが、下の者たちは何もわかってなかったんだろうな。まずは近衛師団長の首を斬り、命令系統を捏造した青年将校たち。宮内省に押し入り録音盤を探し、無いとわかると鈴木首相(笠)宅を襲撃。その間、陸軍大臣(三船敏郎)が切腹。NHKまで襲撃され、脅されるアナウンサーの加山雄三の表情も見事なもの。
 全体としては真面目すぎるくらい史実を追ったドラマであり、面白味には欠けるのだが、終戦の二日間に絞った内容は画期的だし、歴史を勉強するには最適。特に狂った軍国主義の亡者がいつの時代にも現れるということがよくわかる。兵士として参加した者1000万人(日本男児の4分の1)、そのうち戦死者200万人、一般国民の死者100万人。
(2007.12)

日本以外全部沈没 2006 日本
クロックワークス=トルネードフィルム
ストーリー  2011年、地球のマントルが異常な活動をし、アメリカ大陸が沈没してしまう。続いて全世界が沈没して日本だけが残ってしまう。難民が溢れかえり、日本は移民だらけで人口は5億人。やがて、馴染めない外国人を国外追放する法案まで可決され・・・
監督 河崎実 監修:実相寺昭雄
出演 小橋賢児 柏原収史 松尾政寿
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★★ ★★ ★★★ ★★★
コメント  目玉、目玉・・・って西川きよしやがな。怒るデ。
 『太陽』が日本公開されて騒がれるよりも、この『日本以外全部沈没』が公開されるほうが危険だ。『日本沈没』が韓国で大人気となった理由のひとつは「日本人が恐怖に震える姿を見ると快感」だということらしい。その全く正反対の今作品を表面だけしか見ないのなら、かなり反発を食らうはず。しかしフタを開けてみると、やっぱりパロディ中心であり、政治や世界情勢の風刺も子供向けだったのが残念。それでも安泉純二郎首相(村野武範)、石山防衛庁長官(藤岡弘、)、それに米・露・中・韓のVIPがオバカな演技をしてくれるので楽しい映画となっていました。
 他国の人間と共存するのが苦手である排他的な日本人。難民なんて受け入れたくないのが本音だ。無茶苦茶な法案も通してしまうし、ユダヤ人を虐殺したナチスのような映像もある。そんな醜さを持った日本人に媚びを売る懸命な外国人たち。表だけ見ると、特権階級になった日本人から見た哀れな外国人を楽しむ人もいるのかもしれないけど、珍しくなくなった外国人を奴隷のように扱う傲慢さなどを風刺した裏の姿も読み取らなければならないのです。
 堅苦しいことは抜きにして、実は思いっきり笑った映画でもありました。ぷちブルースや目玉目玉のシュワちゃんやオスカー俳優のジェリー・クルージングには大いに笑わせていただきました。デーブ・スペクターの一発オヤジギャグにも笑えるし、北の将軍様にも驚きました。
 監修が実相寺昭雄ということもあって、怪獣特撮は最高です(注:オバカ映画として最高)。『電エース』って何じゃ?と思っていたら、変身する電一(南郷勇一)は河崎実監督その人じゃありませんか!全く、つまらない映画ばかり作っていてもしっかりと自虐的に利用できる監督はさすがです。ちなみにこの『電エース』はOVとして発売されてるようです(中川翔子たんも出演してるもよう)。今までこの監督の映画は『いかレスラー』しか観てないと思ってたけど、『実写版まいっちんぐマチコ先生 THE MOVIE Oh! コスプレ大作戦 』もTVで見てました・・・
 
(2006.10)



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