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おかあさん 1952 日本
東宝
ストーリー  クリーニング屋を営む福原家の家族。父が病院にも行かず働いていたため亡くなり、母と娘二人と甥がささやかながら生活を続ける。
監督 成瀬巳喜男 脚本:水木洋子
出演 田中絹代 香川京子 加東大介
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  オーソレミヨを唄う敏子のボーイフレンドのパン屋さん。せっかくデートにこぎつけたかと思ったら、妹と従弟もついてくる。リクレーションと言っていたが、クリーニング屋と引っ掛けてわけのわからないことを言っていた。
 戦争の爪痕が残る町並。今川焼屋の屋台でも働いていたお母さん。高度成長経済はまだまだ先だ。
 親戚に養子に出される妹の久子。もしかするとお姉さん敏子よりもお母さん想いの雰囲気。美容師を目指すおばさんの子を預かりながらも養子を出すのは辛かっただろうなぁ。
 全体的に父の死のシーンが前半なので、盛り上がりに欠けるような気もしたけど、ラスト、敏子(香川)の「おかあさん」を連呼するシーンには涙があふれてくる・・・不思議と親孝行したくなる映画です。
(2006.1)

おかえり 1995 日本
ビターズ・エンド
ストーリー  テープおこしの仕事をする妻ユリコ。塾で小学生を教える夫タカシ。平凡に暮らす夫婦であったが、ある日から妻の行動がおかしくなった。
監督 篠崎誠
出演 寺島進 上島美穂 小松正一
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★
コメント  「どこ行ってたんだよ?!」「え?見回りよ、見回り」と、不審に思いつつも、夫は妻を連れてピンポンダッシュすることで宥めようとする。組織に逆らっちゃいけないとか、誰かに見張られているといった妄想と、統合失調症のような症状。いきなり人の車を奪って走りまわったりすると、かなり怖いです。
 ラストはちょっと不思議。どっちの夢なのかさっぱりわからない。幻想的な風景の中でのエンディングはよかったのかどうか。だけど、低予算でここまで面白いものが作れるといういい見本だ。

1996年ベルリン国際映画祭ウォルフガング・シュタウテ賞
1996年日本映画プロフェッショナル大賞第6位
(2005.8)

おかしな関係 1984 アメリカ
Par=UIP
BEST DEFENSE
ストーリー  米軍がスーパータンクXM-10をクエート首長に売ろうとする。
監督 ウィラード・ハイク
出演 ダドリー・ムーア エディ・マーフィー ケイト・キャプショー
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★★ ★★
コメント  1982年のアメリカでのワイリー(ムーア)と1984年のクエートでのランドリー(マーフィー)を同時進行で描くので、最初はわかりづらい。とにかく“DYP”ジャイロという設計図のフロッピーをKGBを名乗る男からもらって、それが天才的な発明だともてはやされた。
 日本語版のカーペンターズや寿司バー。面白い設定はあるけど、1984年のドラマがクエート駐留米軍のイラク攻撃をコメディにしていることで、米軍士気高揚映画としか思えない。米ソ冷戦時代から脱却しようとしても、大国主義、世界の警察としてのアメリカが浮き彫りになってしまう。ラストさえ変えれば面白くなったかもしれないのに・・・残念。
(2005.6)

おかしな泥棒ディック&ジェーン 1977 アメリカ
COL
FUN WITH DICK AND JANE
ストーリー  突然会社をクビになったディック。妻のジェーンとともに高利貸しから金を借りようとローン会社を訪れるが、そこへ強盗が入る。難を逃れた二人だったが、彼女はどさくさに紛れて金をくすねていた。
監督 テッド・コッチェフ
出演 ジェーン・フォンダ ジョージ・シーガル エド・マクマホン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★ ★★ ★★ ★★
コメント  航空宇宙社社長チャーリーから直々にクビになったと宣告され、帰宅すると庭のプール工事をやっていた。工事の支払いは手形が不渡り。彼は投資の失敗で借金もかなりの額になってたようだ。仕事を探すもうまくいかず、ひょんなことから強盗することを思い立つ2人。
 リメイク作を観てるからだろうか、軽快さも感じられず、貧乏になったときの切羽詰った哀愁もナシ。なんといっても笑えるところが少ないのが残念だ。

リメイク:『ディック&ジェーン 復讐は最高!
(2007.10)

陸に上がった軍艦 2007 日本
パンドラ
ストーリー  原作・脚本の新藤兼人が自らの戦争体験・・・戦地に赴かなかった一兵卒の悲しくも可笑しい物語。証言者としての新藤兼人の映像と、彼の脚本を基にした再現ドラマからなる。語りは大竹しのぶ。
監督 山本保博
出演 蟹江一平 滝藤賢一 大地泰仁
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★
コメント  「今日はお祭りですが、あなたがいらっしゃらないでは、何の風情もありません」・・・一人の兵が前線に立つ前に妻からもらった葉書を新藤さんが見せてもらったのだという。
 召集令状を受けて32歳で広島県の呉海兵団に二等水兵として入隊した新藤兼人。配属されたところには100人の兵がいたが、終戦を迎えるときには6人に減っていた。直接前線に配属されなかったけど、志願兵というエキスパートと一般市民から召集された兵との違い。さらには、こんなことで戦争に勝てるのか?という愚かな訓練が浮き彫りにされる。召集されたときには「ああ、もうシナリオは書けないな」と思わせるほど、赤紙には逆らえない現実がある。
 多くの戦記モノがあるけど、弱兵の物語は少ない。数少ない邦画鑑賞歴の中では山本薩夫の『真空地帯』くらいだろうか。上等兵の命令も絶対だし、もっと上にも命令を出す人間がいる。兵宿舎のそうした上下関係のばかばかしさもさることながら、予科練の一等兵を受け入れるための掃除が重大任務だったという事実。
 敗戦色濃厚となった末期において“本土迎撃作戦”のための訓練がなされるのですが、その内容がまた可笑しい。食糧確保のための鯉の稚魚放流とか、模型の戦車に対して爆弾を投げる練習とか、靴を後ろ前に履いて撤退すると思わせる作戦だとか・・・馬鹿げた軍国主義の連中を今だからこそ笑って見れる作品に仕上げていました。
 玉音放送を聞いた瞬間にシナリオを書けると喜んだ新藤兼人。戦争には反対だということは誰も言わなかったけど、残された妻たちや、たまの再会が反戦を言葉なく語っている。今もなおきな臭い動きがあっても、誰も反対できないような体制作り、情報操作による真実の捏造なんてのは気をつけないといけないんだな〜としみじみ思います。
(2007.10)

お吟さま 1978 日本
宝塚映画=東宝
ストーリー  天正、千宗易利休(志村)が娘のお吟と自由貿易が許される泉州へとやってきた。キリシタン大名高山右近の元へ・・・
監督 熊井啓  原作:今東光
出演 中野良子 志村喬 中村敦夫
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★ ★★★ ★★
コメント  キリシタンの聖地を作り上げた高山右近(中村吉右衛門)に会いに行って「愛の告白」のようないい雰囲気だった前半。秀吉は三船敏郎。徳川家康との和解に不満なのか、朝鮮、明国への出兵も辞さないという凶暴めいた雰囲気。
 万代屋宗安に嫁いだものの右近への恋は冷めやらず、キリシタン禁令によって身を隠していた右近を探しに行く。お逃げくださいませ。やがて狂気の沙汰の秀吉は朝鮮征伐を決定し、後に将軍となる。吟に対しても求愛するが、かたくなに拒否した吟はやがて右近と北陸路への同行を頼む。
 時すでに遅し。自害してしまった悲運の吟。あまり緊迫感を感じられない中での切腹シーンはどうも納得できない。これじゃ秀吉が怒るのも無理ないぞ!でもさすが志村喬。ラストの切腹を申し付けられたときの表情は理不尽さと娘の死の悲しみの混ざった悲痛な顔がとてもいい。
 動きのない絵を淡々と見せられた気分でした。
(2007.1)

奥サマは魔女 1997 フランス
シネマパリジャン
UN AMOUR DE SORCIERE
ストーリー  ビル・ゲイツの再来と噂される青年実業家のマイケルが、フランスで若き魔女モーガンに誘われる。これは、悪しき魔法使いモーガンのようにならないように息子を普通の人間にするための儀式に必要な代理父にするためであった。。。
監督 ルネ・マンゾール
出演 ヴァネッサ・パラディ ジャン・レノ ギル・ベロウズ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★ ★★★ ★★★ ★★
コメント  内容が軽く薄っぺらであるが、ジャン・レノの悪役ぶりは似合ってますね〜。これだけは納得。
魔女を扱っている映画なのに魔法を使う場面が少なすぎるため、のめり込めない映画でした。
(2004.1)

奥さまは魔女 2005 アメリカ
SPE
BEWITCHED
ストーリー  魔女イザベルは普通の人間になって普通の恋をしたくなり人間界に降り立つ。ヒットから遠ざかっている俳優のジャックは『奥さまは魔女』のリメイクのため女優を探す・・・
監督 ノーラ・エフロン
出演 ニコール・キッドマン ウィル・ヘレル シャーリー・マクレーン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★ ★★★ ★★★ ★★
コメント  『奥さまは魔女』リメイク版のサマンサ役として選ばれたのは本当の魔女だった!という設定だったけど、ニコール・キッドマンの実年齢から考えると、若すぎると感じませんでしたか?実は彼女、本当に魔女で、若返りの魔法を使っているに違いありません。38歳ですよ!
 ゴルバチョフがダンスをやっていたという驚愕の事実を「何なら調べてみろよ」と軽く言われたため、ネットで調べてみたのですが見つかりませんでした。政治以外のミハイル・ゴルバチョフはノーベル平和賞を受賞しているし、グラミー賞まで獲っている。そして、ヴィム・ヴェンダース監督の『ベルリン・天使の詩』の続編にあたる、『時の翼にのって/ファラウェイ・ソー・クロース!』(1993)に出演しているらしい。もしかすると、この映画の中で踊っているのかもしれませんけど、残念ながら未見なので事実はわかりません。
 しかし、この映画、ニコール・キッドマンの鼻ピクピクとコミカルなマイケル・ケイン以外は楽しめませんでした。スクリーンの方から覗いて、何人くらいの観客が鼻ピクピクをやっているのか調べてみたくなりますね・・・
(2005.9)

オーケストラの少女 1937 アメリカ
Uni 劇場未公開
ONE HUNDRED MEN AND A GIRL
ストーリー  トロンボーン吹きのジョン・カードウェルは仕事がない音楽家。拾った財布のおかげで家賃を払い、楽団に雇われたと嘘をついてしまう。嘘に気づいた娘のパッツィは財布の持ち主フロスト夫人に気に入られ、失業中の音楽家を集めてオーケストラを作る約束をする。
監督 ヘンリー・コスター
出演 ディアナ・ダービン アドルフ・マンジュー アリス・ブラディ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★★ ★★★ ★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  フロスト夫人のスポンサー申し出は単なる酔狂だったのか?夫ジョン・フロストは出資を頑なに拒否し、失業者楽団は路頭に迷いそうになる。「有名な演奏家や指揮者を見つければ別だ」という言葉に対して、想像はつくが荒唐無稽の行動に出るパッツィ。
 レオポルド・ストコフスキーの演奏会、リハーサルも素晴らしいが、フロスト(ユージン・ポーレット)、フルートのマイケル(ミッシャ・オウア)やタクシー運転手(フランク・ジェンクス)などの脇役陣がプロットを引き締めている。有名な音楽家、指揮者に出演依頼するという後半のプロットは『かれらに音楽を』にも使われるが、こちらは新聞社の勘違いというサイドストーリーもパンチが効いている。かなりコミカルな展開なのも、飽きずに観られる。大不況時代に夢を見失った失業者たちに勇気を与えてくれる映画。アイドル映画と評されても仕方がないけど・・・

1937年アカデミー賞作曲賞
同作品賞、原案賞、編集賞、録音賞ノミネート
(2005.5)

オーケストラ・リハーサル 1978 イタリア/西ドイツ
フランス映画社
PROVA D'ORCHESTRA
ストーリー  古い寺院でのオーケストラ・リハーサル。TVのインタビューが始まったのだが・・・
監督 フェデリコ・フェリーニ
出演 ボールドウィン・バース クララ・コロシーモ チェーザレ・マルディニョリ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★ ★★★★ ★★ ★★★
コメント  元々はTV映画だったようだが、政治的だとして放映もピンチだったようだ。最初はふつうの音楽ドキュメンタリーのような雰囲気だったのだが、徐々に労働者としての楽団員がドイツ人指揮者に腹を立てて、巨大なメトロノームが出てきて鉄球で壁を壊す。
 資本家に搾取される労働者を表しているようだが、最終的には冷静になり、芸術家としての誇りを取り戻した。音楽はニーノ・ロータ、気持ちがいい。
(2004.12)

OK牧場の決斗 1957 アメリカ
PAR
GUNFIGHT AT THE O.K. CORRAL
ストーリー  元歯科医のドク・ホリデイ
監督 ジョン・スタージュス
出演 バート・ランカスター カーク・ダグラス デニス・ホッパー
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★ ★★★ ★★★★★ ★★★
コメント  西部劇には口笛が良く似合う。『荒野の決闘』ではワイアット・アープよりもドク・ホリデイのほうが力関係で上だった感があるが、本作では逆。ホリデイが子分のような雰囲気です。
 友情というより、忠誠を誓った子分のようなホリデイだった。そして決闘ではクラントン一家対アープ一家という構図になり、マフィアの抗争みたいに成り下がっている。ストーリー全体でも復讐に燃える男が浮かび上がってこなく、人物の相関図ばかりが目だってしまう。映像と演技力は元作に比べると断然いいのですが、脚色がダメなんですよね。
 西部劇として初めて映画館で観た映画です。当時観たときにも友情などはあまり感じなかったのですが、結局ホリデイはリンゴを殺したくて決闘に参加しただけのような気もする。。。

1957年アカデミー賞編集賞、録音賞ノミネート
(2004.4)

オー!ゴッド 1977 アメリカ
WB
OH,GOD!
ストーリー  スーパーの副店長ジェリー・ランダースは、ある日「神様に会え!」という手紙を受け取る。神に会ったジェリーは世を正すためにマスコミを利用せよと言われる。
監督 カール・ライナー
出演 ジョン・デンバー ジョージ・バーンズ テリー・ガー
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  「私に誓います」・・・この一言で大爆笑。畏れ多くて笑えないのが本当だが、ジョージ・バーンズですからね(笑)。古代アラム語の50の質問も良かった。
 突拍子もないことを言い出すと最初は誰も信じてくれないということを改めて認識せざるを得ない。しかし、寄付ばかり募る偽宗教家はもっと懲らしめられるべきだったような気もする。ジョージ・バーンズの爺さんになってからの映画はほとんど日本公開されていないのが残念であるが、他にも観てみたくなった。

1977年アカデミー賞脚色賞ノミネート
(2004.6)










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