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ラフ ROUGH 2006 日本
東宝
ストーリー  
監督 大谷健太郎 原作:あだち充
出演 長澤まさみ 速水もこみち 阿部力
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★★ ★★ ★★
コメント  わたしがこの寮の管理人の渡辺えり子だ!がっはっは。わたしの裸婦像でも描いてくれるか?がっはっは。ほら、みんな笑え笑え。ラフだよ!ラフ(laugh)!
 英語“rough”の意味を正しく使ってるのかどうかはnativeの人に聞かなければわかりませんが、もし“乱暴な”の意味に捉えたら、それは春子ちゃん(安藤なつ)にとっては座右の銘になるに違いありません。しかも、この言葉がタイトルになるほど活躍してません・・・
 原作が『タッチ』と同じくあだち充の作品で、東宝のアイドル長澤まさみが主演だなんて全くの商業主義的な映画だったんですね。原作漫画は読んだこともないので仲西さん(阿部力)にばかり注目してしまいましたが、映画的には苦しいリハビリシーンがほとんどなかったので復帰したときには驚いてしまいました。しかもヒロイン二ノ宮亜美(長澤)が1年間練習にこなかったところを見ると彼の看病に明け暮れていたと想像できるのですが、それでも大和(速水もこみち)のことが気になるってのもどうかと思います。仲西さんを主人公にしたら絶対に泣ける映画だったのになぁ・・・
 ストーリーはともかく、水の映像がとにかくいい。飛び込み台と子ども時代の回想シーン。それに水飛沫がSF映画のように3D感を与えてくれました。「思い出した!」なんてところのシーンでは『千と千尋の神隠し』を連想してしまいましたが、「実は僕の名前はヤマトタケルノミコトだった」なんて言い出すんじゃないかと余計なことが頭を過ぎりました。
 水泳選手ということで、後姿が逆三角形の俳優をよく選んだと思いましたが、演技面では水泳選手っぽくない市川由衣が一番良かったんじゃないでしょうか。また、長澤まさみのお父さんが松重豊、お祖父さんが田中要次なんてナイスなキャスティングです。そして、渡辺えり子の娘役に第6回東宝シンデレラガールに選ばれた黒瀬真奈美が起用されてますが、なんと長澤まさみにそっくりです・・・来年あたりには二人が姉妹として映画に登場しそうです。
 
(2006.8)

ラヴァーズ&ドラゴン 2004 香港
劇場未公開
小白龍情海翻波  THE WHITE DRAGON
ストーリー  殿下に憧れる普通の女子大生ハクフォンが宮中の老婆から力を授かり、都を守る羽目になってしまった。
監督 ウィルソン・イップ
出演 セシリア・チャン フランシス・ン アンディ・オン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★
コメント  設定は中国大陸なのだろうけど、見たこともない民族衣装だ。女子十二楽坊でお馴染みの民族楽器によるバンド。乗ってきたと思ったら、彼女はジミヘンよろしく琵琶をぶちこわす。おかげで演奏会では優勝し、殿下の目に止まるのだ。大学の校長が殺され、正義のおばさんも“トリの羽根”にやられてしまう・・・瀕死のおばさんがハクフォンに力を授ける・・・
 次の日、おでこに大きなニキビができ、不思議な力を身に付けてしまった。おばさんはスズメの巣のおかげで生きていたが、力を返せなくなってしまったのだ。こうして義賊シューバクロンになった彼女。盲目の強敵“トリの羽根”の存在を知るが、最初に挑んでも負けてしまった。日をおいて再戦するもまた敗れ、足を骨折したが、情けでトリの羽根の小屋に囲われることとなった。
 壮大なワイヤーアクション炸裂!かなり大きなクレーンなのかもしれない。そして中盤以降は2人が同じ小屋で過ごし、徐々に心を打ち解けるようになる展開。ハクフォンの好きな男が自分が殺す相手だとわかり、葛藤する2人。力を無くせば殺さずに済むと考えたトリの羽根は背中のツボを刺してもらい一瞬だけ彼女の顔を見ることができたのだ。しかし、力を失った彼は町に出て嬲り者にされる・・・そしてハクフォンと殿下ティリョンは婚約。
 殿下を殺そうとした罪で処刑されそうになるトリの羽根。しかし、「友達を助けたい」とばかりにハクフォンが殿下の兄と闘う。結局はその兄が皇帝の座を得たいがために仕組んだ策略だったのだ。
 ティリョンは時期皇帝の座を約束され、ハクフォンをあきらめ、彼女を都を守る戦士として雇うことになった。寛大なはからいとハクフォンの最後の言葉に思わず感動してしまった。しかし、まともな作りだともっといい映画になっただろうに、前半の時代ものとコンピュータ用語が全く笑えなく全体を通すと残念だった。
(2006.11)

ラブいぬベンジー はじめての冒険 2004 アメリカ
東芝エンタテインメント
BENJI: OFF THE LEASH!
ストーリー  
監督 ジョー・キャンプ
出演 ニック・ウィテカー クリス・ケンドリック クリスティ・サマーヘイズ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★★ ★★★★ ★★ ★★★★
コメント  最初は「デブいぬベンジー」じゃないのか?と思っていたのですが、ストーリーが進むにつれ、愛くるしさ全開となりました。
 初代のベンジーからは30年も経ってしまったこのシリーズ。21世紀に復活させたのはベンジー映画ならこの人と言われるほどのジョー・キャンプ監督。今回の話は、映画監督がベンジー映画を撮るためにベンジー役の犬を探しているという設定です。
 人間の主人公コルビー少年は、胡散臭いブリーダーの父親の下で家庭内暴力、虐待されるという悲惨な生活を送っています。とてもペットショップとは思えぬずさんな管理。日本においても放置し餓死させた繁殖業者が告発されたり、管理不行き届きのドッグパークの事件などと、かなり話題になっているネタでもあります。そんな父親がある売れ筋の繁殖犬が雑種の子供を産んだことに腹を立てて、毛色の違うチビ(のちのベンジー)を捨ててしまうことから始まります。
 ベロンチョ(シャギー)という捨て犬も加わって、動物保護管理局の人たちと追いかけっこ。この保護管理局のおとぼけコンビがまた面白いのです。よゐこが吹替えを担当しているのですが、彼らの関西弁が冴えていました。ドジっぷりは『ホーム・アローン』の泥棒コンビみたいだったけど、彼らの会話全てがまるでクーポンマガジンのCMのような雰囲気で笑わせてくれるのです。
 ベンジーの母犬は多産が原因で病気になってしまうのですが、このあたりから涙腺がやばくなって、どうしても自分の家の犬が死んだことを思い出してしまいました。子宮に膿がたまるという病気も、あきらめたように横たわってる姿も同じで、つい重ねて見てしまう。母を思う子の気持ちは人間も犬も同じ。そして、父親の傲慢さからチビを守るために、迷った末にコルビー少年から出た台詞などは涙を流さずにはいられません・・・いい話だ・・・
 フィンチおじいさん(声:永井一郎)がベロンチョの里親になるところも素敵でした。犬が自分の友達に里親を紹介するんですから、人間の知恵を遥かに超えています。
(2006.11)

ラブソングができるまで 2007 アメリカ
ワーナー
MUSIC AND LYRICS
ストーリー  80年代のポップス界のアイドル・アレックスは今や落ちぶれていたが、カリスマ歌姫コーラから新曲を依頼され再起をかける。作詞が苦手な彼はたまたま観葉植物の手入れに来ていたソフィーに才能を見出す。
監督 マーク・ローレンス
出演 ヒュー・グラント ドリュー・バリモア ハーレイ・ベネット
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  エロとブッディズムの融合。コーラ最高♪
 冒頭からいきなり80年代のミュージックビデオで攻めてくる。映像は70年代をも感じさせるのですが、音は80年代ポップスそのもの。当時のニュー・ロマンティック・バンド“PoP!”ヒュー・グラントはボーカルとキーボードを担当し、YAMAHAのDX7と当時発売されたばかりのROLANDのD-50を弾きこなしていました。やがて落ちぶれていったポップスターのアレックス(ヒュー・グラント)はカリスマ歌姫コーラ(ヘイリー・ベネット)から作曲を依頼され、偶然アルバイトに来ていたソフィー(ドリュー・バリモア)に作詞の才能を見出し、数日でコーラの新曲を作り上げるのです。
 ギターを弾くシーンなら見たことあるけど、ヒュー・グラントがピアノの弾き語りをするシーンには驚かされたし、デモテープを作る際の多重録音も本格的だったのでびっくりです。PCによるシーケンサーにキーボードで基本のピアノ譜を作り、ベースギターを弾き、リズム音源を入れ、最後にはボーカルを録音する作業。そして二人の作曲と作詞の共同作業を懐かしく感じてしまい、ほこりをかぶっているQX3を久しぶりに動かしたくなってきました・・・
 『ドリームガールズ』でも同じ曲の全く違ったアレンジを楽しませてもらいましたが、この映画のテーマ曲である「愛に戻る道」も凄かった。バラード調のデュエットソングがどうしてシタールやファズギターのイントロ付きのエキゾチックサウンドに変化するのか・・・コーラのセンスが光ります。終盤のMSGのコンサートでは大仏の巨大オブジェをバックに、彼女は腰をクネクネさせながら魅せてくれるのです。真面目な仏教徒が観たら卒倒しそうな踊りの連発。インド人が多数出演しているので問題なかったのかもしれないけど・・・
 音楽は、コーラも楽しめるのですけど、アレックスもなかなかいい。特に落ちぶれた元アイドルである自分を自虐的に切なく歌う「僕と踊って」などはミュージックビデオの「恋は突然」と同様にインパクトがありました。ワム!風の曲もあったし、リラックスにこだわったり、音楽の小ネタも豊富。音楽は歌詞も大事なんだと痛感した映画でもありました。
(2007.4)

ラブドガン 2004 日本
リトル・モア
LOVED GUN
ストーリー  両親が心中してしまった孤独な少女観幸。両親が死んで殺し屋に育て上げられた男。観幸は両親の心中の原因となった愛人を殺してほしいと依頼するが・・・
監督 渡辺謙作
出演 宮崎あおい 永瀬正敏 新井浩文
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★ ★★★
コメント  医者という設定の野村宏伸がかなり変態チック。治してあげるからと宮崎あおいに迫る中、殺し屋たちがやってくる。
 お前の父親を殺したのは俺だ!!とか、バカなことを言っても反応がイマイチ。日本の中で、あれだけ小さな世界で殺し屋がひしめく設定自体無理があるのだけど、そのあたりを差し引いてみても「殺す」「殺さぬ」という言葉に重みがない。拳銃に名前「あきら」なんて付けるところなんかは面白いんだから、弾丸が出てくるスローモーションはやめてくれ・・・
 低予算で頑張って、しかも一流の俳優を起用しているのにも拘らず、ストーリーが全く面白くないのは致命的。
(2006.8)

ラブ★コン 2006 日本
松竹
ストーリー  高すぎる身長が原因で振られたことのある小泉リサと低すぎる身長のため振られたことのある大谷敦士。舞戸学園へ入学早々、二人は“学園のオール阪神巨人”と呼ばれるほどの名物となるが・・・
監督 石川北二
出演 藤澤恵麻 小池徹平 玉置成実
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★ ★★★ ★★ ★★★
コメント  ちゃんとした大阪弁しゃべりぃや!などと台詞の下手さに腹を立ててしまった序盤でしたが、終わってみると満足してた・・・
 序盤では、ネタはいいけど下手な漫才師がやってるようなカップルにツッコミを入れたくてしょうがなかったのですが、ストーリーが進むうちに純情だった学生時代を思い出し、ほのぼの感溢れるラブコメに涙腺まで刺激されました。
 脚本は鈴木おさむ氏。聞いたこともない人だったが、森三中の大島美幸と結婚している放送作家らしい。お笑いの世界が好きらしく、オール阪神・巨人が登場したり、南海キャンディーズも出演していたりする。また、日本映画の脇役ファンの方にも納得の豪華脇役陣。ヅラネタオンリーの温水洋一、カラオケ映像で登場するバンド海坊主の寺島進、真の脇役森下能幸、極めつけはハードゲイ・アニキを演ずる田中要次だ!
 ストーリーは別冊マーガレットのコミックが原作なので、昔ながらの純情な少女漫画パターンかもしれない。長身女性とちび男の漫才向きコンビが徐々に恋心を抱いて、告白しても冗談にされてしまうといった内容。関西芸人を目指してもいいような性格の二人なのですが、「キュン死ムービー」とか「胸キュンはじめました」とかいったキャッチコピー通りに乙女チックな展開へと変化する過程も微笑ましかったです。
 告白のすれ違いも膠着状態になった頃、副担任にマイティー(谷原章介)が登場します。やっぱり歯は光ってました。そういえばポップな色彩の映像も『嫌われ松子の一生』と似ているかもしれません。「よろしクィ〜〜ん」といった決め台詞と取り巻きのチアリーダーが何ともアメリカンテイストなラブコメでした。

(2006.7)

ラブファイト 2008 日本
東映
ストーリー  いじめられっ子の稔は幼稚園時代から幼なじみの亜紀に守られてきた。高校一年になったとき、その亜紀に勝ちたいがために寂れた大木ボクシングジムに通う稔。しかし、亜紀もボクシングにハマってしまう。
監督 成島出
出演 林遣都 北乃きい 大沢たかお
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★
コメント  パンチがキマってる!というより、パンチラがキマってる!
 「チャンピオンになった者にはいじめられたいた奴が多い」とか「ボクシングはケンカやスポーツというより会話」とか、なかなか参考になる台詞も多かった。大沢たかおプロデュースの映画。彼はジョー大木という寂れたボクシング・ジムの経営者を演じているのですが、老眼がはじまった中年のジム会長がピタリとハマっていました。その大沢たかおも、林遣都も、北乃きいも、かなりボクシングの練習をかなり積んでいるようだったし、きいちゃんに至ってはバレエや回し蹴りの練習もハードだったと思う。
 スパーリングシーンでは邦画にしては珍しいくらいカット割りにこだわってたように感じたし、動きのあるシーンはほとんどハンディカメラのようで躍動感があった。撮影に関しては文句のつけようもないくらいだったのに、照明がなぜか気に入らなかったり、会話のやりとりもなぜかのめり込めない(大阪弁だからというわけではなく)。これも、“殴りあうことが会話なのだ”というテーマの一環なのか、とにかく言葉が足りないといった不器用さを隠せないキャラばかり。
 これまでのボクシング映画やボクシング漫画を振り返ってみるとわかるように、主人公のボクサーは貧困や複雑な家庭事情などの要因によって、とかくハングリー精神を求められるものが多い。しかし、この映画にはハングリーなんてものは一かけらも存在しない。しかも時代を反映して、ダイエットも可能なボクササイズを取り入れているほどなのだ。“ボクシングはケンカの道具じゃない”といった従来の定番台詞なんてものもない・・・むしろ推奨しているようにも思えるくらいだけど、なぜか嫌悪感は抱かせない。
 入門したばかりの者にいきなりバンデージを巻くとかサンドバッグを叩かせるといった展開に違和感を覚えたためか、順番はおかしいような気もする。やっぱり、ストレッチ、ロードワーク、なわ跳び、シャドーだろうなぁ。とは言っても、スパーリングの怖さのため逃げ出した過去のある者には批判する資格はありません・・・
 見どころは林遣都が桜井幸子に抱きしめられるシーンとか、北乃きいが大沢たかおにキスされるシーン。唇を重ねるだけだと思ってたのに、大人のキスにメロメロになっていく様子が凄いんです。空港の近くにある穴場・・・やっぱりデートコース。
(2008.11)



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