SAYURI | 2005 アメリカ ブエナビスタ=松竹 MEMOIRS OF A GEISHA |
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ストーリー | 貧しい漁村に暮らす千代は姉とともに身売りされ、千代は芸者の置屋に引き取られる。女中として働く千代は、ある日“会長”と呼ばれる男に親切にされ、もう一度逢いたいと願っていた・・・ | |||
監督 | ロブ・マーシャル | |||
出演 | チャン・ツィイー | 渡辺謙 | ミシェル・ヨー | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | 『北の零年』では小百合を裏切った渡辺謙。ここで名誉挽回するのか?! 日本文化や日本人の心、はなまちのしきたりなど、「ハリウッドが描いた日本なんて虚構の世界だ」と批判する日本人も多いのだろう。多分、監督もスタッフも出演者も皆十分に納得していたのでしょう。しかし、映画を観る日本の一般庶民にとっては、芸者の世界なんて夢のような世界。多少嘘があろうとも、おかまいなしなのです。所詮、ファンタジーの世界なのですから・・・ とりあえず予習のつもりでロブ・マーシャル監督の『シカゴ』を観直してから臨みました。もしかしたら共通点が見つかるんじゃないかと思ったのですが、同じ年代という時代設定の他には カメラのフラッシュくらいだったでしょうか、音も映像もかなり似てましたよ(当たり前ですが)。また、主人公役(『シカゴ』ではゼルウィガー)の内面を表現するための陰と陽。コン・リーの存在も絡んできて、重厚さを増していたように思います。 この映画にはいくつものサプライズがありましたけど、まずは冒頭から日本語でのスタートです。「字幕版を選んだはずなのに・・・」といきなりのサプライズでした。そして相撲シーン。役所広司の言う「叩き込みが得意」だという小兵の登場です。しかし、彼の大相撲での成績を調べてみると、新入幕以降359勝の内、叩き込みが決まり手となっているのは2勝しかありません。それよりも「八双飛び」や「猫だまし」といった独特の小技を紹介してもらいたかったような気もします。また、インタビュー番組にて工藤夕貴が「意地悪な役だから」と言ってたと思うのですが、全く意地悪じゃないんですよね。これもひとつのサプライズに繋がりました。 アジアは一つ、国際的な見方をしなければいけないと思いながらも、第二次大戦のシーンになってみると、「中国人女優たちはどういう思いで日本人を演じていたか」と考えてしまいました。「なぜ日本人女優を使わないのか?」という理由も、アジアは仲良くしなければならないなどといったところにあるのかもしれませんね(妄想ですが)。なにしろアジアン・ビューティ、アジエンスなのですから・・・(わけわかりません)。 蛇足:コン・リーはGong Li と表記することを初めて知りました。ゴンちゃんだったのね。 (2005.12)
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サヨナラCOLOR | 2004 日本 ザジフィルムズ |
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ストーリー | 想い続けた高校の同級生未知子が子宮ガンで入院した。医師正平は自分のことを覚えていないことに愕然とするが、なんとか思い出してもらおうと四苦八苦する。 | |||
監督 | 竹中直人 | |||
出演 | 竹中直人 | 原田知世 | 段田安則 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★ | ★★★ |
コメント | 同時期に公開の『さよならみどりちゃん』という映画もあるが、竹中直人がそれを撮るとシャレにならなくなってしまう・・・かつてのアイドル木之内みどり・・・ 何はともあれ、竹中監督のロリコン心が炸裂した作品であろう。40代以上の男性のアイドルだった原田知世をヒロインに使い、『スウィングガールズ』で惚れた水田芙美子を援交女子高生として起用した。それでも、他のロリコン監督とは一線を画し、アイドルであろうがヨゴレとして使う手腕は見事なものだ。 時代の流れは純愛モノ、難病モノがもてはやされていることを感じとっていたのであろう。ヒロインは子宮ガン、主人公は医者である。しかしそこは竹中流。主人公は、冴えない独身医師であるものの居酒屋の女将というマッサージ専門であるかのような愛人もいるし、女子高生に援交を申し込まれたりと、ちょっと軽いノリの性格の持ち主であるが、深刻な悩みもかかえているといった設定と工夫を凝らしてある。高校時代の話をすることによって、自分のことを思い出させようと努力するが、ストーカーもどきのしつこさと濃いキャラが露呈したりして、苦労しまくっている。 ヒロインにしても、同居人は浮気っぽいカリスマ・ファッション・デザイナーだ。見舞いにも頻繁に来るわけではなく、隙あらばヒロインと別れようと考えてもいる奴だ。文字にしてしまうとイケメン俳優を想像してしまうが、これがなんと段田安則なのだ!おまけにファッションはサイケ(死語?)。60〜70年代にタイムスリップしたのかと感じてしまいました。 主役級以外の俳優の演技指導不足だと感じるし、無駄にゲスト出演俳優が多い。忌野清志郎や中島みゆきなどはうれしくなるけど、三浦友和、大谷直子、風吹ジュン、内村光良は無駄なところじゃないでしょうか。 しかし、伏線は上手い。便所のエピソードや八手の葉っぱ。賛否両論あるかもしれませんが、最も印象に残るシーンは海岸での放尿シーンでしょう。女子高生役の水田芙美子が各エピソードを見事に紡ぎ、ノスタルジックな内容に華を添えていたような気がする。 (2005.10)
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さよなら、クロ | 2003 日本 シネカノン |
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ストーリー | 1960年代、松本市。一匹の黒い犬が高校に住み着いて、12年間学校とともに生きた。 | |||
監督 | 松岡錠司 | |||
出演 | 妻夫木聡 | 伊藤歩 | 井川比佐志 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★ | ★ | ★★ | ★★ |
コメント | 犬の物語だと思っていたら、犬は味付け程度であり、妻夫木と伊藤のラブストーリーだった。まず前半の仲良しグループの話が途中で終ってしまう。神戸くん(新井浩文)も死んだのかどうかわからないまま・・・いきなり10年後から再スタート。『卒業』『明日に向かって撃て』から『ロッキー』へと変化する。 とにかくクロと人間との交流が少ない。校舎からすると、伊藤が自殺するって言っても2階か3階から飛び降りることだ。変な箇所が多すぎる。誰かが言ったように大往生なんだから、製作側の人たちは「死で感動させるのは難しい」ということを理解しなきゃだめだ。 2003年日本映画プロフェッショナル大賞5位 (2004.11)
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さよなら子供たち | 1987 フランス/西ドイツ シネセゾン AU REVOIR LES ENFANTS |
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ストーリー | 1944年、ナチ占領下のフランス。カトリックの寄宿学校に疎開しているジュリアン・カンタン。ある日、ジャン・ボネという風変わりな少年が転入してくるが、次第にライバルとなる・・・ | |||
監督 | ルイ・マル | |||
出演 | ガスパール・マネス | ラファエル・フェジト | フランシーヌ・ラセット | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | 身なりからしてイジメラレっ子の典型的キャラのジャン。頭もいい・・・図形の証明問題を一緒に考えてしまった。それにしても、頭がいいはずのカンタンはユダヤ人について名にも知らない。フランスがどういう状態におかれているのかも知らないのか、カトリックの教えが偏りすぎているのか・・・豚肉を食べないことがいけないのか・・・微妙な少年の心のはずが、純粋であったり無かったりという奇妙な設定はよくわからなかった。 そして裏切り者だけはゲシュタポに密告する術を知っているという悲劇的な結末。こうなってくると途中の不自然さが吹っ飛んでしまうくらい衝撃的だ。淡々とエピソードを連ねていく途中にはチャップリンの映画鑑賞と夜の外出禁止というものしか残らなかった。 ヨーロッパでは賞をかなり獲得しているのにアメリカではイマイチという結果は、ユダヤ人の扱い方がそっけなく、見方によっては反ユダヤの性質も含んでいると取られたからであろうか?よくわからない。校長先生が捕らえられたのはユダヤ人をかくまったから・・・ 1987年アカデミー賞脚本賞、外国語映画賞ノミネート 1987年ヴェネチア国際映画祭金獅子賞 その他 (2005.1)
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サヨンの鐘 | 1943 日本/台湾 松竹 |
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ストーリー | 台湾原住民である高砂族。武田巡査は先生でもあり、医者でもあり、土木監督でもあり、蕃社をまとめるのに大忙し。日本帝国軍のために召集令状が届き・・・ | |||
監督 | 清水宏 | |||
出演 | 李香蘭 | 近衛敏明 | 大山建二 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★ | ★★★ | ★★ | ★★ |
コメント | 日本の領土であった台湾。帝国軍のためにも命を張って日本を救う高砂族。国策映画でもあるのだが、ストーリーは李香蘭(山口淑子)演じるサヨンの悲劇だ。この映画を台湾の原住民が観ると、実話を元にした悲しい映画となるところだが、民主主義国家の日本においては幾分戦意高揚映画として映る。 アヒルや豚を追いかけて生活の糧とする小さな村。子どもたちが元気に走りまわり、昭和18年という時代を感じさせない雰囲気でもある。村の青年に次々と召集令状が届き、部族の踊りで祝う村人たち。このときの音楽がとても神秘的でいい雰囲気であった。悲しい表情を誰も見せないところが国策映画の所以。ストーリーも全く面白くない。 しかし、帝国軍映画としてもっと酷い内容かと思っていたら、意外と映画っぽい作りだったことにびっくりでした。 (2005.11)
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さよなら、さよならハリウッド | 2002 アメリカ 日活 HOLLYWOOD ENDING |
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ストーリー | 2度のオスカー受賞した監督ヴァル・ワックスマンも今は落ち目。そんな時、元妻であるプロデューサー、エリーから『眠りなき街』というリメイク作品の監督を推薦される。順調に契約書を交わしたものの、クランクイン直前に心因性の失明におそわれる・・・ | |||
監督 | ウディ・アレン | |||
出演 | ウディ・アレン | ティア・レオーニ | マーク・ライデル | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | これじゃフェリーニになっちゃうよ。 自虐的パロディは健在だったし、今回は映画界の内幕や製作過程をも楽しめるし、終始クスクスと笑える雰囲気となった。「スピルバーグが見にくるかもしれない」「安息日には来ないよ」などといった映画関係者ネタも多く、映画ファンなら確実に笑えるところでしょう。また、プロデューサーと製作会社、監督・俳優とエージェントなど、思わず膝を叩いてしまうほど納得する場面もありました。劇中劇というか、映画の製作過程を暴露するかのような映画はこれまでもありましたが、監督が失明してしまったらどうなるのか?という、ある意味、実験的な内容でもあったかと思います。これには、ベートーベンも最後には耳が聞こえなかったという屁理屈で対抗するアレンも面白かったです。 ハリウッド映画くらい目が見えなくても平気だ!というくらい、ニューヨーカーの監督は誇りが高い(これも自虐的か?)。元妻エリー(ティア・レオーニ)とは不倫の末逃げられたという過去のため、ビジネスとケンカが交互に飛び出す会話。しかし、徐々にエリーへの思いが甦ってくる監督ヴァル。息子との確執や元妻への愛といった、愛をテーマにしたものかと思っていたら、ラストの落ちで大爆笑に誘われてしまうのです。しかし、この映画をカンヌ映画祭のオープニング作品にするんだから、ウディ・アレンの度胸もたいしたものです。フランス人の反応を知りたいところだ・・・ (2005.7)
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さよならをもう一度 | 1961 アメリカ UA GOODBYE AGAIN |
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ストーリー | パリ。内装デザイナーのポーラは付き合って5年になるロジエと未だ結婚に踏み切れないでいる。ロジエは他にも遊んでいるようだが、互いに干渉しない約束。そんなとき金持ちの御曹司弁護士フィリップ(パーキンス)の家の仕事を紹介されて・・・ | |||
監督 | アナトール・リトヴァグ | |||
出演 | イングリッド・バーグマン | イブ・モンタン | アンソニー・パーキンス | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★ |
コメント | この映画出演の前が『サイコ』であるアンソニー・パーキンス。金持ちのボンボンで明るそうな性格なのに、なぜか精神を病んでるような翳りも見える。彼は25歳の弁護士。ポーラ(バーグマン)は40歳だ。3人がバーで知り合ってからも、どんどん接近するフィリップはどことなくストーカーぽくも感じるが、「ブラームスはお好き?」という台詞で真剣さが窺える。 浮気中のロジェのおかげで孤独を感じるポーラ。ついにフィリップと結ばれるが、付き合っていてもロジェのことが忘れられない。I'm too old!と自ら身を引く・・・ 年上の女性に恋焦がれる若者と、許すことができる大人の恋。 1961年カンヌ国際映画祭男優賞(パーキンス) (2006.10)
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さよならみどりちゃん | 2004 日本 スローラーナー |
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ストーリー | 大好きなユタカと結ばれたOLのゆうこ。しかし、直後に恋人がいると告げられる。 | |||
監督 | 古厩智之 | |||
出演 | 星野真里 | 西島秀俊 | 松尾敏伸 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | 「なんばしょっとか〜乙女よ!父チャン、情けなかぁ〜」という、武田鉄矢の説教が聞こえてきそうな映画。 星野真里といえば、どうしても「3年B組金八先生」の金八娘というイメージが沁みついてしまっている。その娘がとうとう脱いで、大胆なセックスシーンを演じてしまうのです。これはもう星野真里のための映画。だらしなくて、軽すぎる男の西島秀俊はあくまでも添え物にしか思えないくらいだ。 リアルで切ない恋愛映画といえば聞こえがいいが、普通にドロドロした恋愛の修羅場なのである。それを主人公のOLゆうこ(星野真里)が一途な愛を信じてるがゆえに、醜い争いごともなくドラマの枠に収まっている。脚本における会話のキャッチボールがとても自然で、星野真里の多彩な表情とともに揺れる心が伝わってくる。ただ、なぜこの男を好きになったのかという点だけは不明だ・・・ 女好きのダメ男ぶりは「狙った女には必ず言う」という台詞や、「真希を狙ってる」「真希と寝た、処女だったよ」などと平気でゆうこに告げるところに表れる。雰囲気はソープ嬢のヒモのようなのだ。ここに坂本金八が登場すれば、男を殴って娘を連れ帰るところだろう。そういった大人が存在しないことが恋愛の不条理さを増幅する。唯一の救いは、バイト先のスナックの客たちだけだ。歌が下手くそな客は優越感を生んだのか、仲間意識を育んだのか・・・ユーミンの「14番目の月」を歌う姿で清々しくなれるものの、普通の大人になれるかどうか心配になってしまう。 「俺の妹かもしれない」などの伏線も活かせ切れず、「みどりという彼女がいる」と宣言したことの真意も不明のまま。ストーリーもそれほどダイナミクスを感じられないのですが、疾走シーンや大胆演技の星野真里の魅力によって満足のいくものとなりました。 (2005.11)
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