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世界 2004 日本/フランス/中国
オフィス北野=ビターズ・エンド
THE WORLD
ストーリー  北京の“世界公園”。同僚から姐さんと呼ばれるほどベテランのダンサー、タオは警備員のタイシェンと付き合っているが、北京から出ることへの戸惑いと同じく結婚にも消極的だ・・・
監督 ジャ・ジャンクー
出演 チャオ・タオ  チェン・タイシェン  ワン・ホンウェイ 
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★ ★★★★ ★★ ★★
コメント  狭い世間、狭い世界。しかし、そうした世界公園も広大な中国の中にあった。
 基本はタオとタイシェンの恋愛関係を軸に回りの人たちの喜怒哀楽が絡んでくる物語。数年後に控えた2008年の北京オリンピックに向けて、巨大なテーマパークの宣伝を兼ねているようにも思えるし、現代中国の心理をも象徴しているともとれる。しかし、人間関係はドキュメンタリータッチで捉えながらも定点カメラのロングショットも多いし、編集による切り返しやモンタージュなどはほとんどなく、誰が喋ってるのかもわからないほどの後向きの構図のおかげでわかりにくかった。こうした背景映像を重視した作風はテオ・アンゲロブロスのイメージにも似ていますが、決定的に違うのは細かいカット割りが多いことだ。
 「これがアートなんだよ」などと言われると返す言葉も見つからなくなるが、もっと内面を抉る描写がほしいところ。自分の服に火をつけたシーンは凄かったが、結局どうなったのかわからずじまい。ラストの二人はどうとでも解釈できますが、未来あふれる世界を描き出すには暗すぎる。同僚の結婚式の乾杯シーンがよかっただけに残念だ。
 タオの元彼に嫉妬するタイシェンだが、浮気もしている。工場で事故死した若者のエピソードは唐突すぎる。貧しい人々を描くにはもっと別の方法もあると思うのですが、それよりも、日本が作ったというところに作為的なものを疑ってしまいたくなる・・・ラストの『東京物語』も・・・
(2006.3)

世界残酷物語 1962 イタリア
東和
MONDO CANE
ストーリー  世界中の残酷な風習を集めた映像。
監督 グァルティエロ・ヤコペッティ
出演      
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★★ ★★ ★★★★ なし ★★★★
コメント  美しい音楽「MORE」がBGMとして使われると、残酷描写が和らいでくる。実際に人間は動物を食べるのだから不自然ではないこと、そう考えると残酷な行為も残酷でなくなるから不思議だ。基本はドキュメンタリーであるが、人間の風習に関してはちょっと眉唾の部分も・・・
 原爆による影響で島に住めなくなった鳥の映像を見ると、むしろ人間批判しているような内容を描いたり、一方では生きている喜びを感じる人間賛歌の映像もある。犬を食べる台湾と犬を人間と同じように埋葬するアメリカ。マニアックな芸術に対する風刺もあったり、人間の愚かしい部分をも冗談っぽく訴えてくる。
 最後のエピソード、飛行機が飛ぶのを眺めるアボリジニの映像は、未開の現地人に対する憐れみととるべきか、ただ現実を訴えているだけなのか・・・疑問に感じることも多い。しかし、モンド映画の原点として、エポックメイキングな映画であった事実により評価できる。

1963年アカデミー賞歌曲賞ノミネート
(2005.11)

世界中がアイ・ラヴ・ユー 1996 アメリカ
アスミック
EVERYONE SAYS I LOVE YOU
ストーリー  
監督 ウディ・アレン
出演 アラン・アルダ ドリュー・バリモア ウディ・アレン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★ ★★★ ★★★★ ★★★
コメント  ゴールディ・ホーン、ナタリー・ポートマン、ジュリア・ロバーツ、エドワード・ノートン、ティム・ロスと豪華キャストのミュージカル。
 ラブコメ風かと思いきや、やはりウディ・アレンであった。かなりのドタバタミュージカル(笑)ま、笑えるからいいんだけどさ。ウディ・アレンとジュリア・ロバーツのひと時恋なんて、ツッコミ入れてあげたいです(ひそかに自己満足してるな・・・と)。
 あと、ドリュー・バリモアって男に騙されやすいタイプの役が多いのかな?

1996年LA批評家協会賞助演男優賞(エドワード・ノートン)
(2004.1)

世界で一番パパが好き! 2004 アメリカ
東芝エンタテイメント
JERSEY GIRL
ストーリー  業界広告マンだったオリーは、妻ガートルードが出産の際亡くなり、娘を一人で育てようとするが記者会見の失言によりクビになってしまう。故郷ニュージャージーに戻った彼は、父を手伝い、ビデオ店店員のマヤと知り合うが・・・
監督 ケヴィン・スミス
出演 ベン・アフレック リヴ・タイラー ジョージ・カーリン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★ ★★ ★★ ★★★
コメント  前半がどうしようもなく寒いギャグと力のないベン・アフレックの演技によって、ラジー候補もしょうがないかなと思わせたけど、フレッシュ・プリンス本人が登場してから盛り上がった!
【ネタバレあり】
 ケヴィン・スミス監督がベン・アフレックと組んだ5作目の映画。公式ページの写真を見ると、ピーター・ジャクソンやマイケル・ムーアに似ている巨漢監督なのですが、この映画を作ったキッカケも娘が誕生したことが要因と言ってるくらいで、「仲間内で楽しく作ろう」といった雰囲気が出ています。アフレックの親友マット・デイモンも出演してるし、ウィル・スミス本人も登場するという和気藹々感。アフレックと破局前のジェニファー・ロペスはまずまずの演技で、子役のラクエル・カストロは名演技!・・・ダコタ・ファニングよりも子どもの素直さが表現できるし、彼女のほうが絶対にいいですね(単にダコタ嫌いなだけかも・・・)。
 娘の学芸会に参加するというメインテーマとビデオ屋店員との恋物語。予定調和で単純な構成のターニング・ポイントがウィル・スミスとの会話だったから、映画ファン向けの内容なのかもしれない。『アイ、ロボット』ネタや『MIB』ネタも面白かった。あのミュージカル『スウィーニー・トッド』も最高だ!
 やはり評価が高くないのは、脱力系の演技とさえないギャグ。後半には盛り返すのだけど、マイナスポイントは高かった。映画館の客層を様々で、中学生くらいの女の子がかなりいたけど、下ネタは平気だったのか?

2004年ラジー賞主演男優賞、助演女優賞、スクリーンカップル賞ノミネート
(2005.3)

世界でいちばん不運で幸せな私 2003 フランス/ベルギー
アルバトロス
JEUX D'ENFANTS
ストーリー  ジュリアンとソフィーは小学校からの同級生。ソフィーはポーランド移民でいじめられ、ジュリアンの母は癌に冒されている。二人はブリキの缶を交換するためにお互いに無理を言うゲームを始めるが・・・
監督 ヤン・サミュエル
出演 ギョーム・カネ マリオン・コティヤール ジェラール・ワトキンス
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★★ ★★★
コメント  酷い映画を観た時に「地雷を踏む」などと面白い表現があるけれど、この映画は「核弾頭を踏む」くらいの気持ちで観ないと駄目かもしれない。
 映像、カメラワーク、編集、俳優の演技は平均点以上。監督のセンスは凄いものがあると感じたが、内容はとんでもない実験的ストーリーであり、ジュリアンとソフィーが繰り広げる無茶苦茶な交換イタズラには呆れかえってしまった。前半では、こどもらしく、憎めないようなイタズラもあるのだが、ゲームのスタートが運転手のいないバスを動かすというもので、いきなり観客に「このまま観るか?観ないか?」とケンカを売っているような気がしたのだ。上映開始後5分でこの挑発である・・・ここで帰っては金をドブに捨てるようなものだ。この二人を殴りつけたくなる衝動を押さえながら(そう、前半では拳を握っていたと思う)、ガマンして鑑賞したのだ。
 大人になってからのゲームは他人に迷惑をかけることもなく、彼らの普通の愛憎劇のような気もした。ソフィー以外の女をナンパ、ジュリアン以外の男と寝る、このあたりは許そう。「人様に迷惑だけはかけるんじゃないよ」というおばあちゃんの遺言が聴こえなくなる部分でもあるのだ(どこのおばあちゃんだ?)。ただし、ジュリアンの車のトランクにあった死体?首吊り?ここだけが意味不明だった。
 こうして、良識という踏絵が映画館の客席の下に置かれ、二人の恋愛ゲームだけを楽しめるとしたら、犯罪までをも容認してしまうことになりそうな心理テスト映画。あのままコンクリートで固められなければ、恋愛ゲームはさらにエスカレートして、高層ビルの一つでも爆破してしまいそうな勢いだった。正直言って、ラストはホッとした。
 素直な感想としては批判的な観点なのだけど、もしかすると、これが全て反面教師の映画なのかもしれないと感じたし、“周りの人を幸せにする”内容の『アメリ』と対極をなすかのごとく“周りの人を不愉快にする”実験的映画にチャレンジしたととらえれば、すごいことだとも思った・・・これは有り得ないか・・・
(2004.12)

世界の中心で、愛をさけぶ 2004 日本
東宝
ストーリー  朔太郎の婚約者律子が突然失踪した。台風29号が猛威をふるう中、律子が自分の故郷である高松空港にいることを知った朔太郎は後を追うように飛び立つ・・・亜紀の思い出の残る土地へ・・・
監督 行定勲
出演 森山未來
大沢たかお
長澤まさみ 柴咲コウ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★ ★★★★★ ★★★ ★★★★
コメント  多少年代は違うのだが、ウォークマンが高価なため買えなかった世代だ。1986年の時代考証、特に小道具・小物のディテールがすごい(夢島と朔太郎の部屋)。緻密に計算された背景なのだ。また、キャスティングの妙が光る作品であり、誰が見ても森山、大沢の二人が同一人物とわかるようになっている。高校時代の朔太郎(森山)の純朴な雰囲気はとても上手く表現されているし、亜紀(長澤)の大胆な頭のおかげで涙誘われます。
 原作は未読なため違いはわからないのだが、現代の描写がイマイチのような感じでした。台風が来ているという時系列がおかしいことと、思わぬ人間関係を感動的に仕上げていないことも要因の一つだろう。それでも高校時代の二人の純愛はたくましく、観ていて気持ちのよい演技でした。
 見所は、『小さな恋のメロディ』と『ローマの休日』へのオマージュ。『ドラゴン怒りの鉄拳』も期待していたのに・・・

2004年日本アカデミー賞助演女優賞(長澤まさみ)、撮影賞、照明賞
2004年ブルーリボン賞助演女優賞、新人賞(森山未来)
(2004.5)

世界の涯てに 1996 香港
エース・ピクチャーズ
天涯海角 LOST AND FOUND
ストーリー  遺失物調査を仕事にしているチョンは裕福な家庭に育った女ラムから依頼を受ける。
監督 リー・チーガイ
出演 金城武 ケリー・チャン マイケル・ウォン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★ ★★★★ ★★★ ★★★
コメント  「見つからない探し物はない」というのが信条。そんな男に「希望」を無くしたのと無理難題をふっかけるラムだったが、目的の人物はスコットランド人のテッドという男だった。
 白血病の彼女は父親譲りの頑固者。父の会社は港湾関係で、そこに働く船乗りのテッドが優しい言葉に心やすまるのだ。彼の祖先はバイキングであり、かつては「世界の涯て」という美しい場所を求めるようになったとか・・・
 ナーハウチョンというモンゴル名を使う金城武だったが、人口が少ないとか、遊牧民とか、そんな意味が隠されていたのだろうか・・・それとも姓と名が一緒だということに意味が??
 細かなエピソードの末、ラムは倒れる。彼女はずっと白血病であることを隠していたのだ。そして彼女は旅立つ・・・近しい者の骨を埋めるための「世界の涯て」へ。スコットランドの自然が壮大かつ幻想的。
 ラストがイマイチ。結局は子孫を残すという希望はわかるけど、金城武と結婚して、子供を産んで、そして亡くなった・・・幽霊になって出てこなくてもいいのに・・・
(2006.11)

セクシー地帯(ライン) 1961 日本
新東宝
ストーリー  女に書類をすられ、スリの仲間に間違えられた吉岡。彼は急遽大阪への転勤を言い渡される。婚約者の滝川令子は会社の特殊接待要員で森川部長とも関係があるため、彼に頼み込むのだが、その晩、令子は殺され、吉岡が指名手配される・・・
監督 石井輝男
出演 吉田輝雄 三原葉子 三条魔子
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★ ★★ ★★ ★★
コメント  高度経済成長時代に入っているにもかかわらず、「月給が安い」という台詞が何度も出てくる。そんな中での特殊接待要員はいい稼ぎになる。腕に付けたダッコちゃん人形が素敵だ。
 綺麗で何気ない顔しているのに魔性の女の三条魔子がいい雰囲気だが、三原葉子はスリっぽくない。恋人が殺され、しかも嫌疑がかかってるというのに、スリを追いかけるというのもわけがわからない。そして事件の核心部分に迫るという都合のよさ。最も不自然なのは、婚約者が殺されているのに冷静な男吉田輝雄だろう。そして、拳銃を怖がらない一般市民の代表二人ってところか。プロットのみで勝負してますね。
 クロッキーは絵のヌードモデルを描いて指名する制度。三原葉子や他のモデルも腋毛が生えていて色っぽかった。

白線秘密地帯 シリーズ第1作
黒線地帯 シリーズ第2作
黄線地帯(イエローライン) シリーズ第3作
火線地帯 シリーズ第5作
(2005.4)

セクレタリー 2002 アメリカ
ギャガ・コミュニケーションズ
SECRETARY
ストーリー  内向的で自傷行為癖のあるリー・ホロウェイは姉の結婚式を機に精神病院を退院した。自立のために弁護士事務所に秘書として就職することになったが、
監督 スティーヴン・シャインバーグ
出演 マギー・ギレンホール ジェームズ・スペイダー ジェレミー・デイヴィス
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★ ★★★ ★★★★ ★★★
コメント  今の時代、パソコンを使わずにタイプライターだけというのは、ミスを修正できないから結構辛いかもしれない。次第に弁護士に惹かれていき、しつけにも従順になっていくリー。やはり想像通りSMチック内容になっていった。
 登場人物も少ないし、マギー・ギレンホールがどんどんSMに目覚めていく様が面白かった。それにしても、この弁護士は変態だ。

2002年ゴールデングローブ賞女優賞(コメディ・ミュージカル)ノミネート
2002年インディペンデント・スピリット賞新人脚本賞
2003年MTVムービーアワード ブレイクスルー演技賞ノミネート
(2005.7)







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