1936年の日々 | 1972 ギリシア 劇場未公開 MERES TOU 36 |
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ストーリー | 『旅芸人の記録』の前編と位置付けた作品。右翼軍事政権が誕生した背景を描く。ソフィアノスが部屋にたてこもったまま・・・ | |||
監督 | テオ・アンゲロプロス | |||
出演 | コスタス・パウロウ | ヤニス・カンディラス | ヴァンゲリス・カザン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★★ | ★★★★ | ★★ | ★★★ |
コメント | かなりわかりづらい。とにかく何でも銃殺刑。終わり方もシュールだ。 (2005.10)
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選挙 | 2006 日本/アメリカ アステア CAMPAIGN |
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ストーリー | 川崎市議補欠選に自民党公認候補として立候補した山内氏。彼の選挙活動に密着したドキュメンタリー。 | |||
監督 | 想田和弘 | |||
出演 | 山内和彦 | 妻 | その他 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | なし | ★★ | なし | ★★ |
コメント | 山内和彦、東大卒、40歳。東京に住んでいたが、自民党からの要請で、“よりマシな候補”として川崎市議補欠選挙に立候補することにした。 彼に密着したドキュメンタリーではあるけど、“選挙運動の裏まで見せた史上初のドキュメンタリー”という謳い文句はさほど感じられなかった。選挙後にTVで特集を組んだような番組もあることだし、目新しい事実はない。ただ、山内氏がポロリと本音をこぼしたり、愛車の軽4で寝泊りしたりする悲哀さは充分に伝わってくる。 政党の公認を取り付けることができたということで、「まぁ、当選するでしょうけど・・・」などと勝ち戦だと確信していて、諸先輩方の力添えに対して恥じぬ行動を取ることに必死な様子。保育園の運動会でのラジオ体操、ただ名前を連呼することに執心する様子、ディベートよりも顔と名前を売ることが選挙運動の骨格となっているのです。好感の持てる人物だっただけに、「有名になってから立候補したかった」などという言葉には俗物さも感じ取れ、財産を擲ってまで賭した意気込みまでうそ臭く感じてしまいます。 小泉自民党が大勝した2005年。追い風ということもあって、小泉純一郎、川口より子、それにタレント議員の面々の街頭応援演説に人が群がること群がること。他の候補者の映像も映し出されたけど、これじゃ楽勝だな〜などと思ってしまいます。ただ、その楽勝さの裏には、次回の統一地方選挙には、応援してくれた先輩議員がライバルとなってしまうジレンマもあったりして、タテ社会の柵に苦悩する面も・・・ 映画には海外向けの英語字幕もついていて、英語の勉強としても役に立つように思います。欧米人から見ると、多分、不思議に思われるであろう日本の選挙の実態。“体育会”などという言葉が“military”と訳されていたので、幾分皮肉も込められているのだろうけど、監督が同級生であるということもあって、それほど批判性は感じられなかった・・・もっと悲哀の部分を強調してもらいたかった。 “妻”と“家内”の使い分けエピソードは面白かったけど、それなら「山内一豊の妻」というギャグをかましてくれたほうが・・・ (2007.7)
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潜在殺意 | 1996 アメリカ 劇場未公開 THE RICH MAN'S WIFE |
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ストーリー | 若き妻ジョージーの夫トニーには愛人がいるが、再生のチャンスも期待してバカンスへ出かける。夫は殺されるが、嫌疑は妻ジョージーにかけられる・・・ | |||
監督 | エイミー・ホールデン・ジョーンズ | |||
出演 | ハル・ベリー | クリストファー・マクドナルド | ピーター・グリーン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★ | ★★ | ★★★ | ★★ |
コメント | ハル・ベリーにもクライブ・オーウェン演ずる愛人がいた。夫は身代金を入金するために出かけていき、そのまま数発の弾丸を撃ち込まれて即死。そんな折、相棒の男コールが現れる。 犯人もわかっているのに、協力しようとする愛人までもを疑い、結局彼を死なせてしまうジョージー。何もかも疑心暗鬼に陥ってしまう追いこまれた心理劇はぞっとするが、クライブ・オーウェンが可哀想すぎるでしょ・・・それに、モンタージュとかカット割りの編集とか、かなり下手くそなような・・・ 全てはジョージー本人の証言なので、ラストの友人の証言には・・・閉口。悪女伝説だったのね。 (2006.2)
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戦場のアリア | 2005 仏/独/英/ベルギー/ルーマニア 角川ヘラルド JOYEUX NOEL |
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ストーリー | 1914年のクリスマスイブ、5か月続いたフランス北部デルソーの前線。数十メートル離れて作られた塹壕。フランス側にはスコットランドの援軍があり、バグパイプを持ち込んでクリスマスを祝ってる。ドイツ側には花形テノール歌手ニコラウス・シュプリングと妻のアナが皇太子の御前で歌い、前線へと向かった・・・ | |||
監督 | クリスチャン・カリオン | |||
出演 | ダイアン・クルーガー | ベンノ・フユルマン | ギョーム・カネ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | 第一次大戦下のクリスマスに実際に起こった物語。バグパイプで盛り上がるスコットランド兵たちをよそに、フランス兵は偵察を送る。ドイツ軍の塹壕ではクリスマスツリーが飾られるのだ。ニコラウスが「きよしこの夜」を歌い、スコットランドのバグパイプが伴奏をつける。やがて1日限りの休戦を提案する両軍だった・・・ 前線各地で英独仏の兵士が親交を結んだ。イブだけではなく、翌25日にも遺体を葬ったり談笑したり、サッカーに興じたりと奇跡は起こったのだ。司令部の意志に反して、前線の兵士はあくまでも人間的。激しい戦争の中でのひと時の休息ではなかったようだ。敵が悪魔であるかのように攻撃を続けるのは敵を知らないから・・・相手も同じ人間なのだと彼らは知る。国のために無理強いされているだけの一兵卒なのだから。 聖夜を交歓するシーンがメインになる映画だと思っていたけど、ちょっと外れてしまった。英独仏の言葉が飛び交い、意思疎通できる者もいれば、言葉が全く通じない兵士もいる。キリスト教というひとつの宗教のおかげかもしれないが、現代の異宗教国家の戦争だったらどうなるんだろう?安息日に攻撃する酷い奴らもいることだし・・・ 2005年アカデミー賞外国語映画賞ノミネート 2005年ゴールデングローブ賞外国映画賞ノミネート 2005年セザール賞作品賞、助演男優賞(ダニー・ブーン)、オリジナル脚本賞、音楽賞、美術賞、衣装デザイン賞ノミネート (2007.12)
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戦争のはじめかた | 2001 イギリス/ドイツ シネカノン BUFFALO SOLDIERS |
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ストーリー | 1989年、西ドイツの米軍基地。腐りきった軍内部の書記係レイ・エルウッドは新しく赴任したリー曹長に反感を持ち、娘をデートに誘う。 | |||
監督 | グレゴール・ジョーダン | |||
出演 | ホアキン・フェニックス | エド・ハリス | スコット・グレン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ |
コメント | 「戦争は地獄だが、平和は退屈でしょうがない」 元々は事件を起こしたため仕方なく兵役についたエルウッド。モルヒネを仕入れヘロインに精製して夜はヤクの売人。遊んでいるときにジャンキーが死んでも、戦死扱いに協力する上官のバーマン大佐(エド・ハリス)もすごくクール。昇進しか頭にないためか、夫人をエルウッドに寝取られている・・・ 演習中にタンクを暴走させ人が死んでも、トラックを奪い武器を確保して核基地に隠したりと、やることは無茶苦茶だ。上官の娘をデートに誘って仕返しするなんてストーリーはありがちな青春ドラマのようだけど、一方の昇進を焦るバーマンがとんでもないアイデアを将軍に上申し、リー将軍はエルウッドをだんだん憎むようになる。 悲惨な核爆発こそ起こらないものの、いつ内部から爆発するかわからないほど腐っている人間関係。「最高のバカと最低のバカ」しかいない軍隊。ラストの収束へ向うプロットは規律を正す人間の賢さを訴えているようであり、スカっとしないのも事実だが、ベトナム戦争時にはもっと悪いことをやったというリーの独白が不気味だ。 戦争がいかにして起こるかという方法論よりも、平和なときでも戦争は起こっているという哲学的なことを訴えているようで、それほど感慨深いものではなかった・・・ (2006.1)
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センチメンタル・アドベンチャー | 1982 アメリカ WB HONKYTONK MAN |
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ストーリー | ナッシュビルのC&Wオーディションを受けるため、甥のホイットとドライブするレッド。メンフィスまでのロードムービーだ。 | |||
監督 | クリント・イーストウッド | |||
出演 | クリント・イーストウッド | カイル・イーストウッド | ジョン・マッキンタイア | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | ナッシュビルまで行く金がない。ホイット(イーストウッドの息子。今はジャズ・プレーヤー)はレッドにギターを習うが、飲んだくれで起こりっぽいレッドはなかなか上手く教えてくれない。ドライブに出かけたけど、ブタバコに入れられて脱走。家に戻るが、子供のホイットに酒を飲むなと念をおし、じいさんも連れて再出発。 ギターは上手いが歌は下手なイーストウッド。ハチャメチャだし、子供(と言っても、車を運転してるし、子供じゃないかも)に娼宿で筆おろしさせてるし・・・ 金のためとはいえ、やらせの強盗。そして女を旅に加える・・・しかし歌がムチャ下手!面白いキャラなんだけど、イーストウッドが嫌ってるし・・・妊娠したと騒ぎ出すし・・・ それでもレコーディングにまでこぎつけたイーストウッド。歌以外にもギター、ピアノの腕が光りますね。そしてすぐに咳き込んでしまうという事実・・・実はずっと前から結核だったのだ。最後はちょっと悲しい。 ラスト、甥のホイットと、最後には愛してると言われたメイが「歌って金を稼げばカリフォルニアに帰れる」とか会話しながら歩いていると、カーラジオからレッドの歌が聞こえてくるのだが、それに気づかない二人・・・なかなかいいエンディングだ。歌は下手だけど味がある! 1982年ラジー賞主題歌賞ノミネート (2005.11)
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千と千尋の神隠し | 2001 日本 東宝 SPIRITED AWAY |
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ストーリー | 両親とともに引越する10歳の千尋。不思議の町に入り込んだ家族。両親は豚にされ、千尋はさらに深くへ進み、名前を取られてしまう。 | |||
監督 | 宮崎駿 | |||
出演 | 柊瑠美 | 入野自由 | 夏木マリ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★ | ★★★★ |
コメント | バブルがはじけていっぱいつぶれたテーマパーク。その残骸の一つがこの町だ。『もののけ姫』なんかに比べると、かなりテーマ性は薄くなってるので、大ヒットした理由もよくわからないままのめり込んでしまう。とにかく序盤で両親ががつがつ食って豚にされたことが「欲」というものを戒めようとしている気がしてならない。 なにしろ、吉原遊郭のような、特殊入浴風俗のような、不思議な風呂屋。初めて観たときには、子供向けと思わせておいて、ソープ嬢にさせられる不運な少女の物語だと思ったくらいでした。なにかとこじつけると、これは資本主義社会の醜い部分を描いたものであるとも思えるし、湯婆婆による独裁的巨大企業に迷い込んだ少女の成長物語ともとれる。名前と奪ってしまい、個人の価値や権利を全て企業の犠牲にさせる。最下層の者は奴隷並に扱われる封建体制の国なのだ。これを突き詰めていくと、ハクの存在なんて他国の王族を拉致して洗脳された人間のように思えるし、湯婆婆は世界侵略を押し進める大国主義の独裁者なのかもしれません。 そんな設定の奥深さを子供たちにはわからないように、仕事に対する千尋の成長ぶりを描いた作品にするいつもながらの手腕にもビックリです。カオナシや湯婆婆などというキャラが印象深いけど、三つの頭が凄かった・・・・置物にほしいくらい。 カオナシというのは株で大儲けした成金なのかなぁ。電車に乗ったときに、搾取され続けて廃人と化した労働者の影みたいな人たちを見て、心が優しくなったのかもしれません。 2002年アカデミー賞長編アニメ賞 2002年ベルリン国際映画祭金熊賞 2001年日本アカデミー賞作品賞 その他いっぱい (2007.2)
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セントラル・ステーション | 1998 ブラジル ヘラルド CENTRAL DO BRASIL |
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ストーリー | リオデジャネイロ中央駅。代書業のドーラの元へ、息子を連れた女性が現れる。夫への代書を頼んだ直後に女性は事故死してしまい、残された少年ジョズエをしょうがなく預かるドーラだったが、そのうち彼の父親探しを一緒に・・・ | |||
監督 | ウォルター・サレス | |||
出演 | フェルナンダ・モンテネグロ | マリリア・ペール | ヴィニシウス・デ・オリヴェイラ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★★ |
コメント | 大酒飲みで暴力亭主。そんな夫でも戻ってきて欲しいと願う手紙を、最初は無視するドーラだったが、同室の女性イレーニがなぜだか気になってすぐに出せと頼む。2度目。再び頼まれるても、人生相談は受けつけない。暴力を食らってしまうのがオチだと考えたドーラ。少年ジョズエは鋭い感性を持っていた。ドーラが手紙を破り捨てるのではないかと思ったのだ。 それにしても、文盲率がかなり高くないと代書業なんてできない・・・これがブラジルなのか。殺人事件も日常茶飯事。殺伐とした巨大な駅構内でようやくドーラは親切心を見せたかと思われた。しかし、彼女はジョズエを里親紹介所に売り飛ばしたのだ。かなり悪人のドーラ。鬼のように見えた。しかしイレーニが「あれは里親紹介じゃなくて臓器を売りさばく売人だ」と言って、心が変わる。 金もバスの中に忘れてしまって、ヒッチハイクでジョズエの父親の住所へ向かう2人。ジョズエが万引きしたのを叱咤するドーラだったが、自分ももっと万引きして、ジョズエには「買った」と嘘をつく。嘘吐きだけは治らないドーラだ・・・ 最初のヒッチハイクで仲良くなったトラック運転手。万引きをかばってくれたのに、ドーラに迫られて逃げてしまう・・・ちょっと笑った。やがて探り当てた家は引っ越した跡。新住所を頼りに父親の家に辿りつくがそこも出ていった跡。しかし、ジョズエの兄にあたる二人が登場して・・・優しい兄。ブラジルでもリオのような都会ではなく、優しい人々の住む小さな町。父が残した手紙を読むドーラはまた嘘をつくが、今度はいい嘘。「父は戻ってくる」と信じた兄と同様、ジョズエもドーラも父を信じるようになる・・・2人の兄に囲まれて眠るジョズエとこっそりとリオに戻るドーラには温かな血が戻ってきたようだ。悪い奴らには気をつけてくれと願わずにはいられないシーンでした。 1998年アカデミー賞主演女優賞、外国語映画賞ノミネート 1998年ベルリン国際映画祭金熊賞、女優賞 1998年ゴールデングローブ賞外国映画賞 その他いっぱい (2006.5)
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千の風になって | 2003 日本 シネカノン |
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ストーリー | 演劇に情熱を燃やす夫と、妊娠で悩む雑誌の女性記者・紀子。彼女はある時、人気ラジオ番組のコーナー“天国への手紙”の記事を書くよう命じられる・・・ | |||
監督 | 金秀吉 | |||
出演 | 西山繭子 | 伊藤高史 | 南果歩 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★ | ★★★ | ★★★ | ★★ |
コメント | 新井満の歌も有名になった。 映画は三つのオムニバスをはさみ、一組の夫婦が悩みに打ち勝つストーリー。 最初は小児ガンで息子を失った母親(南果歩)と、家族の再生の物語。 2話目は学校でイジメに遭い不登校となった女子高生が行き場のない怒りを母親にぶつけ、その暴力が母を死に追いやってしまった話。 3話目は柿の収穫を始めた農家で最後まで夫の死を看取った話。 なぜだか、どの話も感情移入できず、泣くこともできなかった。映画のつくりは非常に真面目に作ってある印象もあり、パッと見たら出来栄えも良さそうな気がするのです。ラジオ局に投稿された手紙をそのまま素直に再現ドラマ化したような・・・もしかすると、映像化しないで朗読だけのほうがよかったんじゃないかとも思う。 それでも真に迫る部分もあった。3話目の吉村実子。死に際の夫(綿引勝彦)の足が冷たいので、自分の胸を曝け出して暖めるというシーン。60歳にもなろうかというおっぱいを出す大胆さのおかげで、胸が熱くなる一瞬だった。 (2007.9)
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