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新暗行御史 2004 日本/韓国
クロックワークス
ストーリー  ジュシンという国の暗行御史(アメンオサ)と呼ばれる隠密要員は、悪政を糾弾し、庶民を救うという特殊任務を負っていた。国が滅びたため放浪していた暗行御史のムンスは砂漠でモンリョンに出会う。
監督 志村錠児
出演 藤原啓治 小林沙苗 宮本充
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★ ★★★★ ★★ ★★★
コメント  韓国版『北斗の拳』といった雰囲気なのか?と想像していたが、世界観、ストーリーは全く違っていた。最も違っている点は、「本当に強いのか?」と感じさせるところだ・・・
 いにしえの国、聚慎(ジュシン)に隠密要員である暗行御史(アメンオサ)は王の特命を受け、地方を巡り悪政を糾弾し、庶民を救うという特殊官吏であった。その国が滅ぼされ、目的を失った暗行御史の一人文秀(ムンス)が国を滅ぼした一人の男を追って旅をする・・・映像は、ターミネーターやマトリックスのCGをも思わせるアジアン・テイスト溢れるアニメだ。
 謎が多い主人公のムンス、強敵を蹴散らすほど圧倒的な強さを誇示するわけでもない。戦闘ではずるい手を使ったり、ちょっとひょうきんな態度も取ったりして、微笑ましかったりする。武器使うよりファントムソルジャー達を使いこなして敵を倒すのが得意の戦法で、「アメンオサだ!」と決め台詞を吐くと同時に印籠のようなモノを見せる。むしろ強いのは、山道(サンド)の春香(チュンヒャン)なのだが、言ってみれば、黄門様と助さん格さんのスタイルなのです。しかし、アメンオサとしての意地と見栄が邪魔して「助けるな!」と言ったりするので、可愛く見えるところもしばしば。
 悪い奴をこらしめたりもするが、何から何まで庶民を助けるというより、庶民に自分たちの力で悪領主を倒すように促したりして、民衆自らの手によって国を再興させるカリスマ的存在だったのではないでしょうか。「真実が見えにくくなっている」という言葉に表れているように、ヒーローによる一方的な正義を押し付けることのない、味のあるテーマが隠されているように思います。
 このアニメ映画はアメンオサとサンドの紹介と一つのエピソードだけで終わっているのでシリーズ化して何本も作られそうな予感がします。なので、ストーリーはそれほど面白いものではないのですが、キュートなヒロイン・・・しかも強く、美しく、泣き虫という惹きつけられるキャラのサンドのおかげで平均点まで上がりました。
 尚、韓国映画の『春香伝』にも出てくる暗行御史、登場人物の夢龍(モンリョン)、春香(チュンヒャン)も同じ名前で登場しますが、どの程度関連付けてあるのかはわかりません・・・勉強不足です。
(2005.2)

仁義なき戦い 1973 日本
東映
ストーリー  敗戦1年後の広島県呉市。ヤクザ抗争が勃発。広能(菅原)はムショ内で若杉(梅宮辰夫)を出会う。
監督 深作欣司
出演 菅原文太 松方弘樹 田中邦衛
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★ ★★★★ ★★★★ ★★★
コメント  オープニングの広島原爆、進駐軍の映像からはじまり、ヤクザの抗争、腕を切り落とす場面が恐ろしい。出所するために梅宮辰夫の自殺の真似や菅原文太の指詰めのシーン。
 広能は土井の組長を撃ち、また刑務所に入る。山守組の天下となったかに思えたが、まだまだ抗争は続く。ヤクザが死ぬときには必ず鳴る音楽のおかげでわかりやすいが、単にプロットを追うだけの展開なのでさっぱりわからなくなる。義理とか任侠とかいった世界よりも、血で血を洗う、残虐な殺し合いが続くだけ。壮大なやくざ大河物語のダイジェスト版を見ているような雰囲気なのだ。そして、山守組組長と菅原文太のみが生き残った。
 戦争と戦後の荒廃した社会。朝鮮戦争勃発による特需のおかげでヤクザも潤った。もう一つの戦争がヤクザ抗争によって描かれた・・・虚しい。
(2005.8)

仁義なき戦い 広島死闘篇 1973 日本
東映
ストーリー  昭和25年、広島では村岡組が台頭してきた。賭博場のいざこざで暴れた山中(北大路欣也)はムショで広能と出会う。3年後出所するものの大友会に袋叩きに遭うが・・・
監督 深作欣司
出演 菅原文太 千葉真一 梶芽衣子 村岡の姪
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★★ ★★★ ★★★★ ★★★
コメント  広能組を細々と立ち上げた菅原文太の元へ客人を預かってくれと山守が訪ねてきたが、資金不足の広能組。犬の肉まで食って貧しい暮らし。金のために義理のなくなった山守の頼みを聞くしかなかった。俳優では、成田三樹夫がヤクザっぽくていい味出してます。千葉真一よりも似合ってるかもしれない。川谷拓三がリンチにあうところが恐ろしいところだ。
 北大路と梶の純情恋愛モノという印象が残る。20年の懲役。大友勝利(千葉)が殺されたおかげで、やっと抗争が終結・・・と思っていたら、次の敵は警察・・・?昭和30年にようやく警察が活躍しはじめたということか。山中の自殺によって、彼が広島ヤクザの典型として語り継がれることになった。
(2005.8)

仁義なき戦い 代理戦争 1973 日本
東映
ストーリー  米ソ大国の代理戦争となる局地戦が激化。ヤクザ世界にも代理戦争が起こりつつあった昭和35年。村岡組の舎弟杉原が撃たれた。
監督 深作欣司
出演 菅原文太 小林旭 渡瀬恒彦
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★
コメント  広能は山守組に復帰。そこからは神戸の組とか何とかいっぱい出てきて、途中でわけがわからなくなった。しかし、この映画は米ソ冷戦を主軸とした国際紛争の対立関係の縮図になっている様子がよくわかる。やられたらやりかえす。兄弟杯。国のために命を張れ!なんて言われてもなぁ。
(2005.8)

紳士協定 1947 アメリカ
東宝東和
GENTLEMAN'S AGREEMENT
ストーリー  カリフォルニアの人気ライター、フィルは老いた母と幼い息子の3人暮らし。NYに移って編集長と話し合ったが、編集長の娘キャシーの提案で反ユダヤ主義の連載をすることになるが、自らユダヤ人と偽って書くことになった。。。
監督 エリア・カザン
出演 グレゴリー・ペック ドロシー・マクガイア ジョン・ガーフィールド
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★★★ ★★ ★★★★ ★★★
コメント  反ユダヤ主義という社会問題と真剣に向かい合う真摯なフィル。そして、結婚を前提としたキャシーとの恋愛。微妙にテーマが交錯し、どちらが本テーマなのかわからなくなってくる。パレスチナとシオニズムという当時の社会問題を提起し、黒人人種差別をも視野に含めた社会派ドラマとなっているのだ。
 反ユダヤ主義と闘う崇高な理念と行動に移すということが、ケンカの原因となるのだが、このテーマはそのまま現代社会にも通用しそうな問題だ。反戦を唱えても、こっそりと言うだけじゃダメなのであって、行動にうつさなきゃ・・・・と考えさせられた。

1947年アカデミー賞作品賞、助演女優賞(セレステ・ホルム、アン・リヴェール)、監督賞
同主演男優賞、主演女優賞、脚色賞、編集賞ノミネート
その他
(2005.2)

真実の瞬間(とき) 1991 アメリカ
朝日新聞社=ギャガ・ヒューマックス
GUILTY BY SUSPICION
ストーリー  1951年、赤狩りの真っ只中のロサンゼルス。売れっ子監督のデビッド・メリルは20世紀FOXのザナック社長から呼び出され帰国した。しかし彼を待っていたのは非米活動調査委員会であった・・・
監督 アーウィン・ウィンクラー
出演 ロバート・デ・ニーロ アネット・ベニング ジョージ・ウェント
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★★★ ★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  友人のみならず妻をも売ったラリー(クリス・クーパー)。共産党集会に顔を出したことがあるだけで罪人にされてしまったというハリウッド史上の汚点。デビッドは、ザナック社長が弁護士に相談するように忠告したことに従わなかったため、新作映画の仕事をほされてしまう。モンロー、ボギー、カザンと実名の映画人が多数登場する映画だ。この映画のあとに『マジェスティック』も作られ、ハリウッド・テンもかなり有名な話になったが、この映画は過去の汚点を告発する初の映画となったことが評価できるのだろう。
 ジョー(マーティン・スコセッシ)が共産党員で、ロンドンに逃げるからデビッドに映画の完成を託すシーンがひょうひょうとして面白い。もしかしてチャップリンを表してるのかとも思わせる。
 仕事をほされて、あちこち放浪、クリーニング屋でバイトもしていた。ようやく夫婦中もよくなって、久しぶりの仕事をもらったら、7日間で仕上げなくてはならない西部劇だったが1日で解雇される。ザナックからは監督を依頼されるが聴聞会で証言したらという条件付。そんな折、友人の脚本家バーニー(ウェント)がメリルの名前を出してもいいかと頼まれ・・・
 原爆反対しただけでも共産党員扱い。妻までもが疑われた上、帰国祝いのサプライズ・パーティまでもが共産党集会にでっち上げられた。もう委員会のやり方は無茶苦茶。多分、ロナルド・レーガンも一枚噛んでいたに違いない。当時のアメリカ政府の恐ろしさがわかる・・・「疑わしきは罪」ってことだ。

1991年カンヌ国際映画祭コンペ
(2005.5)

シン・シティ 2005 アメリカ
ギャガ・コミュニケーションズ
SIN CITY
ストーリー  シン・シティで繰り広げられる3人の男たちの復讐物語。
監督 フランク・ミラー、ロバート・ロドリゲス、クエンティン・タランティーノ
出演 ブルース・ウィリス ミッキー・ローク クライヴ・オーウェン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  髪の毛フサフサのブルース・ウィリス。彼が68歳になるというのに、別れた妻には子供ができる。若い嫁さんだったのね・・・
 全編モノクロをベースにパートカラーを加えた映画。トレイラーやカンヌレポートなどによって、ヴェールはかなり剥がされていたが、大スクリーンで観るとやはり迫力に圧倒される。原作者でもあるフランク・ミラーとロドリゲスの作品に対する夢と情熱が上手い具合に絡み合って、人気俳優たちも自然と集まってきた。
 本来ならばオムニバスのような構成なのですが、タランティーノも絡んでいるので、『パルプフィクション』のように時系列を無視した三つのエピソードの再構築と、ジョシュ・ハートネットのプロローグとエピローグによって、映画全体を引き締める。共通項はストリップ・バーの“ケイディ”「俺もワルだけど、おめーらもワルよのぉ」とでも言いたげな三人三様の表情がお見事!バーを一旦離れると、シン・シティに潜む“悪”はどこまでいってもなくならない、正義なんて存在しないんだという世界観が胸に突き刺さるように感じてしまう・・・狭心症になっちゃいそうだ。
 俳優に関しては予習をしていかなかったためオープニングのクレジットを見るだけで、覚えきれないほど有名俳優の多さに驚いてしまった。まず、ミッキー・ロークのメイクアップは信じられないほどの迫力。これには、体だけマイケル・クラーク・ダンカンを合成してあるのかと疑ってしまいました。そして、ベニチオ・デル・トロだっていつもと違う雰囲気だし、イライジャ・ウッドにいたっては眼鏡の白さだけが目立っていたし・・・俳優をコミックの世界に溶け込ませている手腕にも魅せられてしまった。男優陣では、ブルース・ウィリスが久しぶりにいい演技をしていたように思う。もう、タラ・ロドコンビとずっと行動を共にすればいいのに・・・
 注目していたのは、もちろん女優陣。殺人兵器ミホ役のデヴォン・青木のアクションとナンシー役のジェシカ・アルバにはもうめろめろ状態です。続編も3作目も作られるようだけど、彼女たちはまた登場するのだろうか。ちょっと楽しみ。
 この映画は好き嫌いがはっきり分かれる映画です。実際、何人か途中退場してました。残虐、グロ、人の死や痛みを全くわからない奴らばかりが登場するのです。暴力をスタイリッシュに描くことなんて許されません。子供には見せたくありません。有名俳優たちが出演していなかったら観なかったかもしれません。だけど、ちょっと好き・・・俳優のおかげ。

2005年カンヌ国際映画祭コンペ
(2005.10)

シンデレラマン 2005 アメリカ
ブエナビスタ
CINDERELLA MAN
ストーリー  1929年、ボクサーのジェームズ・ブラドックは骨折を隠し、試合に出場したためライセンスを剥奪される。一度は世界タイトル戦に挑戦したが、その後はおちぶれる一方だった彼は、世界恐慌の波にのまれ、家賃も払えぬ生活を強いられていた・・・
監督 ロン・ハワード
出演 ラッセル・クロウ レネ・ゼルウィガー ポール・ジアマッティ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  歯を落としちゃった・・・今度はマウスピースも落としちゃったよ・・・タイトル戦まで落としちゃったらどうしよう・・・
 「アカデミー賞最有力候補!」などというキャッチフレーズが付いてしまうと、ちょっと引いてしまうものだ。しかも実話である。一昨年の『シービスケット』を思い出してしまうし、オスカー俳優を揃えているところも賞を狙っている感が強い(注:馬じゃなくて人間ドラマです)。さらに、1930年代の世界恐慌によって、失業者が増大した時代設定。その上、『ミリオンダラー・ベイビー』と同じくボクシングの映画だし、主人公ジェームズ・ブラドックはアイリッシュなのです。しかし、映画はそういった先入観をもって観てはいけない・・・
 失業者が1500万人を超えたアメリカ。映画『シービスケット』では25%の失業率と言っていたほど酷い経済状態。鬱憤を晴らそうにも禁酒法によって、貧乏人には酒が飲めない時代だったのだ。ライセンスを奪われ、ボクサー生命を絶たれたジミー(ラッセル・クロウ)の一家も辛酸をなめる生活を強いられ、やがて電気も止められる。こうした大恐慌時代や失業者増大を描く映画が多くなってきているのは、歴史が繰り返すのじゃないかという不安、そして現代社会への警鐘の意味も含んでいるのではないでしょうか。「痛みに耐えろ」といった意味の台詞もあったように、似たような時代にならないかと心配になってきました。
 そして、アイルランド系のジミーのように移民が真っ先に職を失う。マイク(パディ・コンシダイン)もアイリッシュだったのだろうか、『イン・アメリカ/三つの小さな願いごと』と同じような役だった。ボクサーとして再びチャンスを掴んだジミーとは対照的に、マイクは労働組合を作ろうとして災難に巻きこまれてしまった。実は、シンデレラ・ストーリー、サクセス・ストーリーよりもこうした脇のストーリーに泣けてしまいまったのです。
 もうひとつは、マネージャーでもあるジョー・グルード(ポール・ジアマッティ)。ジミーの妻メイ(レネー・ゼルウィガー)が彼の豪華なアパートを訪ねたエピソードで涙してしまい、終盤まで涙が残らなくなってしまいました(実際はそんなに流してない)。力だけが全てではなく、彼のように親友を信じる男意気のような行動も未来を支えているのでしょうね。
 満点評価したかったのですけど、マイクのやろうとしていた労働組合の夢を崩されてしまったところに共感できずに減点。弱い人間にも生き残るチャンスを与えてほしい・・・
(2005.9)

人狼 JIN-ROH 1999 日本
バンダイビジュアル
ストーリー  敗戦から10数年。占領軍統治下において、反政府勢力と首都警が攻防を繰り広げる。
監督 沖浦啓之
出演 藤木義勝 武藤寿美 木下浩之
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★ ★★ ★★
コメント  要は、公安警察と全共闘の闘いをアニメ化したような雰囲気。設定は昭和30年代にドイツらしき国が・・・といったものだが、少女が手榴弾の紐を引いて爆発したり、痛々しい場面が続く。庶民の味方といったイメージはなく、騙し合いの警察側とゲリラ側の情け容赦ない戦い。人狼をテーマにしてるのは「赤ずきんちゃん」をモチーフにしたいがためか・・・考えれば、怖いストーリーだとは思うが、ゲリラが何のために戦っているのか不明瞭。

2000年日本映画プロフェッショナル大賞特別賞、第9位
(2005.7)












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