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7月24日通りのクリスマス 2006 日本
東宝
ストーリー  
監督 村上正典
出演 中谷美紀 大沢たかお 佐藤隆太
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★ ★★★ ★★★ ★★★
コメント  王子様ランキングの第4位に甘んじてしまったホセ・ロドリゲス。1位はやっぱりアンソニーなのか、それともテリーか・・・
 パラパラマンガが映画で用いられると、その手作り感によって温かくなります。リルケ詩集に王子様を追いかける少女のパラパラマンガを描いた佐藤隆太は、恋心をよせる中谷美紀の様子を確認したいがために小日向文世の店に通う。「逆の結末のほうが多いよ」などと自分をアピールするものの、なんとなくあきらめムード。大沢たかおには敵わないや・・・劇団ひとりにだったら勝てるのに・・・と、内心思っていたかもしれません。
 夢に恋する女性を演ずる中谷美紀。どことなく『嫌われ松子の一生』のキャラとかぶってしまい、なんだか悲しい結末をも想像させるのですが、佐藤隆太の言葉に現実を見つめ直し、相手の目を見るようになりました。乙女チックな恋の行方。劇中マンガの「アモーレ・アモーレ」はいがらしゆみこの描き下ろしのようでしたけど、思わず「キャンディ・キャンディ」を思い出してしまいました。
 髪はボサボサでメガネっ子。「やっぱり笑顔が一番似合うよ」などと少女漫画の典型的なパターンでせめてきますが、売れっ子照明技師も仕事がなくなるなどという現実味溢れるシチュエーションもあり、観る者からすれば、早く目を覚ませよと中谷美紀を応援したくなってくる内容でした。YOUの台詞に「MOTE期突入だね」などというのもありましたけど、彼女は公務員だろうし、今の時代、放っておいても縁談はあるような気もします。
 上野樹里も出演しているし、その他登場する俳優も最近見た人ばかり。ストーリーが特別良いわけでもないし、リスボンの7月24日通りと長崎の町の雰囲気が似ているという設定だけが面白い映画でした。パラパラマンガの描き加えも良かったです。
(2006.11)

7月4日に生まれて 1989 アメリカ
Uni=UIP
BORN ON THE FOURTH OF JULY
ストーリー  46年7月4日に生まれたロニー。スポーツマンに成長した高校時代のロン(トム・クルーズ)は、ある日学校にやってきた海兵隊の特務曹長(トム・ベレンジャー)の言葉に感銘をうけ、64年海兵隊に入隊する・・・
監督 オリヴァー・ストーン
出演 トム・クルーズ ウィレム・デフォー レイモンド・J・バリー
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  戦争ごっこ、野球、レスリング・・・普通に成長したヤンキー青年ロニー。早く入隊して共産主義を阻止したいと望むばかり。67年には軍曹になり、ベトナム前線にいた・・・そこで発見した非戦闘農民の虐殺死体を発見し、動揺している隙にベトコンの攻撃を受ける。パニックに陥ったロニーは味方を射殺。
 68年、負傷したロニーは下半身不随となってブロンクスの海兵隊病院にいた。人間扱いしてくれないと思いこんだロニー。国はベトナム関係の予算削減。そうした状況でも脚を切断せずに退院。家に帰ると、弟トニーが反戦運動に参加していたり、時代の流れについていけないロニー。久しぶりに会ったドナともプロムの思い出を語りたかったのに、彼女もまた反戦運動を。
 メキシコに旅行に行き、チャーリー(デフォー)という男に会い売春婦をあてがわれ、荒んだ心が変わった。自分が誤射したウィルキンソンの遺族を訪ね謝罪する・・・そして共和党大会を前にした反戦デモに参加して、帰還兵として反戦を訴えるロニー。
 ベトナム帰還兵による戦争後遺症もこれくらい自然で、一般的兵士を扱ってるとストーリーに入りやすい。ただ、戦争の描写は弱いし、全体的に悲惨さも伝わらない演出。トム・クルーズのリハビリ姿だとか、チンコが勃たないことを強調した姿、やけっぱちになる雰囲気が良かっただけに残念。『プラトーン』で描いたからもういいって感じの・・・弱さが。

1989年アカデミー賞監督賞、編集賞
同作品賞、主演男優賞、脚色賞、撮影賞、作曲賞、音響賞ノミネート
1989年ゴールデングローブ賞作品賞、男優賞、監督賞、作品賞

(2008.10)

七人のマッハ!!!!!!! 2005 タイ
ギャガ・コミュニケーションズ
BORN TO FIGHT
ストーリー  国家特殊部隊の刑事デューは麻薬王ヤンを逮捕するが、隊長のリーダムロンを失ってしまう。落ち込んでいたデューに対し、妹ニュイが励まそうとスポーツ慰問に誘うのだが、国境の村で麻薬王解放を要求する武装ゲリラに村人とともに襲われる・・・
監督 パンナー・リットグライ
出演 ダン・チューポン ゲーサリン・エータワッタクン ピヤポン・ピウオン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★ ★★★★★ ★★★ ★★★★★
コメント  タイ全土からトップアスリートを集めたノースタントのアクション映画。何が凄いって、本編の半分以上が麻薬ゲリラと村人たちの戦い。アドレナリンが上昇しまくり。
 ストーリーは単純すぎるほどだけど、それがまた潔い。サッカー、ラグビー、体操、テコンドーなどスポーツに精通した若者がそれぞれの特技を生かしたアクションで悪者をやっつけていく。村人だってそうだ。父親を殺された少女、片足の青年、そして爺ちゃんだって・・・。怒りに身を任せるとこれほどまで強くなるのか。
 核ミサイルまで持ち込んでいたゲリラ。ヤンを救出したらバンコクを核攻撃する計画まであったのだ。ほんの少しのCGによる核爆発シーンもかなりリアル。トラックやバイクを使った危険なシーンもエンドロール時にはかなり危険だったことが窺える。死人が出てもおかしくないぞ!
 父親を虐殺された少女の泣き叫ぶシーンで心が痛んでから、国家を聴いて戦う意思表示をした村人と慰問スポーツチーム。デュー刑事がいたおかげもあったが、最初からすごく盛り上がっていたな。それでもかなりマシンガンの犠牲になってるし、甘いものではないことが伝わってくる。見終わっても、この興奮がしばらく収まりそうにない・・・
(2008.2)

七福星 1985 香港
東映
夏日福星 TWINKLE TWINKLE LUCKY STARS
ストーリー  バタヤビーチに到着した一行。重要人物マーが殺され、秘密書類を香港に送ったとフラワー刑事に告げた。手紙の宛先である香港の女性ウォンが狙われる恐れがあるため彼らの家に匿われることに・・・
監督 サモ・ハン・キンポー
出演 ジャッキー・チェン ユン・ピョウ サモ・ハン・キンポー
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★★ ★★★ ★★★
コメント  1945年広島に原爆投下・・・20世紀の大きな事件の紹介・・・しかし、これが映画には全く関係ない(笑い)
 それにしても酷いストーリー。コミカルな部分とアクションしか見るべきところがないのだ。女にもてない5人組(サモハンやエリック・ツァンンたち)とカッコいい刑事3人組(ジャッキーやユン・ピョウ)とが全く別グループ。
 悪役には倉田保明がいて、ジャッキーやサモハンとの死闘もすごいけど、彼がスナイパーとしてトイレで張ってるときに、女優のウォンが入ってくるシーンがいい。咄嗟に盲目の振りをしてそのままおしっこしちゃうのだ。
 ペプシが協賛していてやたらと目立っているし、銃撃シーンでは必ず弾切れになる。ストーリーは無いようなものだけど、なんだかのめり込んで見てしまう映画。ウォン(なんという女優だ?)の透け透けシーンも魅力的・・・
(2008.1)

シッコ 2007 アメリカ
ギャガ・コミュニケーションズ=博報堂
SICKO
ストーリー  国民の健康保険の大半は民間の保険会社に委ねられている。そのため、高い保険料などが障壁となって、実に約4700万人もの国民が無保険の状態にあるという。
監督 マイケル・ムーア
出演 マイケル・ムーア    
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★   ★★★   ★★★★
コメント  逆から読むと愛着のわくタイトル。
 かつては医療関係のお仕事に従事したことがあるため興味のある映画でした。アメリカは先進国では唯一公的な国民皆保険制度を持たない国。アメリカへ旅行に行って、海外旅行者保険が切れたら大変なことになることがわかりました。国民は民間の医療保険に加入し、多くがHMO(Health Maintenance Organization)というへんてこな組織が医療機関やカバーできる病気を選定してしまうという・・・ややこしそうです。とにかく、患者の既往歴とかをチェックし、この病気には保険が利かないなどと、患者にとっては不利な制度。
 保険会社も病院も利潤追求が最大の目的。あれこれ理由を見つけて患者を拒否すればするほど有能な医者ということになるらしい。まぁ、日本でも生命保険なんてのはそうだけど、患者にとっては負担がどうこうよりも、命がかかっている問題なわけですから・・・。日本では病院が救急患者を受け入れてくれないことが新聞を賑わすのですが、アメリカではこれが常識なんですね。
 今回のマイケル・ムーア監督。まずはカナダに行って、医療費がタダだったことに驚く。イギリスに飛んでも、HNSの制度に驚く。そしてフランスでも・・・。そういえば、日本も患者負担金がどんどん増えてきてますが、老人医療費の高騰を理由に医療費を抑制するだけの医療行政に問題があるのでしょう。国庫負担率を下げ、公共事業費ばかりに予算を使うという・・・。国立病院ってのも無くなっちゃいましたからね〜小泉行政改革のおかげで。「官から民へ」などというスローガンが突き進めば、そのうち日本の保険もアメリカ型になりそうで怖いものがあります。
 映画ではヒラリー・クリントンが国民皆保険を訴えるシーンもあったりして、政治色の偏りがある内容なのか?と思わせたりするのですが、その夫人も現在は医療保険組織から巨額の献金を受けていて、全く口にしなくなったとか。日本では医療費の大部分を占める薬剤費が同じような傾向があり、厚生官僚の美味しい天下り先となる製薬メーカーから巨額の献金を享受する政党の存在。ほとんど同じ構造です。
 イラクに出稼ぎに行く父ちゃんのエピソードとか、最初はどことなく反米的なテーマも見受けられたけど、監督としてはアメリカ人に観てもらいたい映画なので、きっちりまとめているところがえらい。病気になったらキューバへ行こう!なんて言えないですもんね。
(2007.10)

失楽園 1997 日本
東映
ストーリー  仕事も家庭もしっくりこなくなった久木はカルチャースクールの書道講師をしている倫子と知り合う・・・
監督 森田芳光 原作:渡辺淳一
出演 役所広司 黒木瞳 星野知子
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★  ★★★ 
コメント  メリハリのなさ。単なる中年オヤジの願望の表れ。これなら川島なお美主演のTVドラマのほうがスタイリッシュで見ていられる。邦画が堕落してしまった象徴的な映画だとも言えるのかもしれない。
 エロすぎて見てられないって人も多いようだけど、黒木瞳のデビュー作で同じ渡辺淳一原作『化身』のほうがもっとエロい。あれは本当にやってるかもしれない・・・
 不倫がバレてしまってからの会社の態度とか、会社の歯車にすぎず一人が死んでも変わらないなんてところは辛辣だと感じるのに、単なる台詞だけなのが惜しい。心中するに至る二人の心変わりにしてもつかみ切れないところが痛いなぁ・・・美しいなどといった表現すら使いたくないような。

1997年日本アカデミー賞主演女優賞、新人俳優賞(高瀬比呂志、木村佳乃)
同助演男優賞、助演女優賞、監督賞、脚本賞、音楽賞、撮影賞、照明賞、美術賞、録音賞、編集賞ノミネート
(2008.10)

シー・デビル 1989 アメリカ
Ori=WB
SHE-DEVIL
ストーリー  醜女のルース(バー)の夫で会計士のボブ・パチェット(ベグリー)は、妻と共に出席したパーティで、人気女流作家メアリー・フィッシャー(ストリープ)にひょんなことから急接近する・・・
監督 スーザン・シーデルマン
出演 メリル・ストリープ ロザンヌ・バー エド・ベグリー・Jr
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★ ★★★ ★★★★  ★★★★
コメント  夫の浮気にすぐに気づいたルース。メアリー御殿なんて沈んでしまえ!と独白調に語る。なんで結婚したんだよと聞きたくなる・・・
 最初は夫の料理にネズミの死骸を入れるといった悪戯だったのに、シーデビルと罵られた後は家を燃やす・・・ドライヤー、たこあし配線、電子レンジにスプレー・・・大爆発(笑)。それからメアリーの家に子供たちとともに乗り込む。嫌がらせは子供たちにまかせ、老人ホームに預けられていたメアリーの母親をけしかけ、マスコミに過去を暴露させる・・・
 ホームでの看護師としての職は失うが、同僚とともに人材派遣会社を設立。夫の会計事務所に美女を送り込んだり、失敗すると、顧客の口座から不正にパチェットの口座へ・・・ここまでくると犯罪。
 浮気の代償はきつすぎ。結局25万ドルの罰金と18か月の実刑。女の執念は怖い。まぁ、笑える話なんだけど、浮気中の男にとっては怖い話なんだろうな。

1989年ゴールデングローブ賞女優賞(ストリープ)ノミネート
(2008.10)

実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち) 2007 日本
若松プロダクション=スコーレ
ストーリー  鬼才・若松孝二監督が、改めて連合赤軍と向き合い、若者たちが何に突き動かされ、どのような葛藤を経て“あさま山荘”へと至ったかを、視点を内部に置き、徹底検証していく実録ドラマ。(allcinema)
監督 若松孝二
出演 坂井真紀 ARATA 並木愛枝
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★  ★★★★★
コメント  「お前だけなぜ早く釈放されたんだ?」「黙秘を貫いたからさ」「カツ丼食べたんだろ?」「ちょっと談笑しただけだよ」「・・・。それは黙秘じゃない!よし、総括だな!」「いや、煮カツだったよ」
 山梨や群馬の山中にベースと呼ばれるアジトを構えていた連合赤軍。たしか山梨県ではソースカツ丼が主流で、店で“カツ丼”と注文するとソースカツ丼が出てくる。などと“総括”の意味を把握しきれないまま見ていると、久しぶりにカツ丼を食べたくなってしまいました。
 あさま山荘事件といえば、小学校の頃、学校の先生が「歴史的事件だから見ておくように」と授業中にテレビ中継を見せてくれた記憶があります。また、学生運動といえば、家でニュース映像を家族で見ながら「父ちゃん、ぼくも東大入って学生運動するよ」と言ったのに「ダメだ」という応えが返ってきた記憶があります。あのとき「頑張れ」という一言があれば、今頃東大卒の肩書で一流商社でバリバリに働いていたかもしれません。
 小泉純ちゃんも大好きな映画『突入せよ! あさま山荘事件』では警察側の一方的な視点で描かれていたため、当時のニュース映像を流したほうが迫力あると思ってしまうくらい、まったく面白くない出来映えでした。それを観た若松孝二監督が「もう少し若かったら映画館に爆弾を投げ込んでいた」と言わしめたほどだったのです。
 映画は3時間10分。赤軍派と革命左派の主義主張もわからぬまま、そして遠山演ずる坂井真紀にも注目しつつ、そして重信房子って美人だなぁ〜と思いつつ、時間の経過が心配になる前半。しかし、終わってみると3時間を感じさせないほど集中してしまった。ベースでの総括とか死刑による仲間の惨殺には目を背けたくなるし、いつしか自分も総括させられるんじゃないかと恐ろしくなってくる。個人を共産主義化だとか、革命的になれとか、多数の逮捕者を出しながら、残り少ないメンバーの最後の足掻き。早く終わってくれと願いつつも、見届けてやろうという気にさせてくれるのです。
 理想は高く掲げているけど、所詮はただの殺人集団だろ!などと単純に捉えることもできるのですが、当時の社会情勢を考えると、現代に欠けている若者の崇高な心理が羨ましくもある。自分だったら・・・粛清はごめんだし、多分、逃亡か無傷で逮捕される道を選ぶのかも。あさま山荘事件は映画のかなり後半になってから。放水、催涙弾、鉄球という警察の猛攻。それに家族からの呼びかけという心理攻撃。耐えられない。外では佐々が笑ってるんだろうな・・・
 シネモンドの客層はなぜだか20代、30代くらいの人が多かった。もちろん赤軍に共感するためではなく、あの事件あの時代は何だったのかと知りたがってる人が多かったのだろうと想像できる。なんだか映画館の空間を共有できてうれしくなった。
(2008.6)



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