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超立体映画 ゾンビ3D 2006 アメリカ
トルネード・フィルム
NIGHT OF THE LIVING DEAD 3D
ストーリー  ロメロ監督の原点でもある『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』をご丁寧に3Dにしたリメイク作品
監督 ジェフ・ブロードストリート
出演 ブリーアナ・ブラウン ジョシュア・デローシュ シド・ヘイグ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★ ★★★ ★★ ★★
コメント  飛び出すゾンビ!
 とんでもないオバカ・ゾンビ映画を期待していたのに、ロメロ作品の単なる粗悪リメイク作品でした。しかも『ゾンビ』という日本語タイトルを冠しているのにも拘わらず、内容は『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』なのです。
 21世紀に入って、走るゾンビが主流になりつつある昨今。ゆったりとしたゾンビの動きには恐怖感が全く感じられなくなってるのも原因なのでしょうか。登場人物もゾンビと戦うというよりは戯れてるといった雰囲気で、金のかかった自主制作映画を楽しんでいるような・・・。それはそれでいいのですが、主人公のバーバラはケータイも使ってるし、襲われる一家もゾンビ映画をのんびり鑑賞しているという、あくまでも現代の設定。得体の知れない恐怖感を醸し出す古典作品とはかけ離れていることも失敗なのでしょう。
 脚本においてものんびり感は否めず。ゾンビに襲われつつあるのに、「カレンにも知らせたほうがいいかな?」「だめよ、怖がらせるだけよ」などと悠長な会話をしているなど、危機管理がなっていないのです。一家は違法にマリファナを栽培していたこともあって、警察にも知らせたくないらしく、見ていてもイライラさせられる・・・。早く死んでください!と文句をつけたくなってくること間違いなし。
 そんなひどい内容のなかにも面白い点はありました。シド・ヘイグが演ずるマッドサイエンティストのような葬儀屋の息子。なんだかよくわかりませんでしたけど、『ゾンビーノ』のようにゾンビを飼ってるんです。「ふふふ。あんたにも死んでもらって、ゾンビとして世話してやるよ」と狂気をむき出しにするのですが、ゾンビマニアなのか腐った皮膚フェチなのか意味不明です!でも、ひょっとすると介護問題を真摯に取り上げた映画だったのかもしれませんけどね・・・
 さて、目玉である3Dはどうだったのでしょうか。青と赤のセロファンの立体メガネをかけて、色褪せた映像をとことん見せられたわけですが、立体感はあるものの飛び出るのはタバコの煙だったり握った拳銃だったり、とにかく怖いモノが飛び出てきません。銃弾がスローモーションで飛び出すシーンもあった割に、ショック死する人が出るとまずいので斜めに飛び出しちゃいます。また、B級ホラーらしくセックスしているカップルもいるので、もしややばいモノが飛び出してくるんじゃないかとビクビクさせられもしました。
(2008.1)

ゾンビーノ 2006 カナダ
ショウゲート
FIDO
ストーリー  かつて黒い霧が地球を覆いゾンビが大量発生し、ソンビ戦争も長きに渡り行われた。ゾムコン社が開発した首輪がゾンビの食欲を抑制し、飼いならすことができるに至った・・・
監督 アンドリュー・カリー
出演 キャリー=アン・モス ビリー・コノリー ディラン・ベイカー
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★
コメント  ダメ!人間を食べちゃダメ!
 ブラックなファンタジーなのか、ファミリー向けホラーなのかよくわからない。映像も白黒フィルムに着色したような雰囲気で、ティム・バートンぽいカラー。50年代を舞台にしたほのぼのゾンビ映画だけど、人権問題や銃社会批判など、風刺も散りばめた作品でした。いくらゾンビがいるからと言って小学生にまで射撃訓練させるんだから、カナダ産映画ではあるけど、アメリカを意識したものなのでしょう。
 主人公は小学生のティミー(クサン・レイ)と飼い慣らされたゾンビのファイド(ビリー・コノリー)。お母さん役が板についてきたキャリー・アン・モスはゾンビとティミーが仲良しになったことや、夫(ディラン・ベイカー)が家族を大切にしないものだから、徐々にファイドに対して心を開いていくところが良かった。ゾンビの知能なんて高いものじゃなく、扱いは犬と同じくらい。「ああ、これは犬なんだ」と思って見れば、とてもわかりやすい内容です。
 それにしても、ゾンビが大量発生したことにより第二次大戦を通り越して“ゾンビ戦争”が起こっていたみたいだし、首輪を開発したゾムコン社が政治・行政を代行してるかのような、『ロボコップ』のオムニ社のような存在なのです。50年代だとさすがにハイテクは未熟であり、ゾンビをおとなしくさせる首輪も叩くと壊れるお粗末なシロモノ。そして、世間では家族の葬式を出すのに金がかかりすぎて、多くの死者はそのままゾンビになるという・・・。ティムの父ちゃんは家族全員の葬式ローンで首が回らないほど(でも、ゴルフはするのね・・・)。
 ゾンビ映画は夜という設定が怖さを増長するものですが、ほとんど昼間だというこの映画。おとなしいゾンビが豹変するシーンは迫力あるけど、普段は人間と一緒に暮らしている。笑わせてくれるシーンもいっぱいあるし、特にセクシーゾンビにぞっこんのテオポリスさんが好きだ。
(2007.12)



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