スカーレットレター | 2004 韓国 シネカノン THE SCARLET LETTER |
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ストーリー | ある写真館の主人が頭を割られて殺された。事件を担当したギフン刑事は被害者の妻ギョンヒを容疑者とみて捜査を進めるが、自身の不倫関係であるスヒョンも妊娠したとして悩みが増える・・・ | |||
監督 | ビョン・ヒョク | |||
出演 | ハン・ソッキュ | イ・ウンジュ | オム・ジウォン | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | 「6小節目はトゥー・ファイブにしてくれる?」と、イ・ウンジュがお願いした後の演奏。見事に2-5進行になっていた! (マックの方は文字化けの可能性有り) 冒頭の注意書きだけで泣きそうになってしまいました。なんとか涙腺を引き締め、物語に集中する。すると、いきなりの殺人事件である。刑事はハン・ソッキュだ。現場は被害者が経営する写真館ということもあり、どうしても『八月のクリスマス』を思い起してしまう。例の低音で「ハハハ」とだるそうに笑うとそのまんまなのだ。 事件の方は、現金受け渡し現場に現れた容疑者や、セルフヌードのフィルムの現像依頼をする舘ひろし似の男の登場。正直言って、こちらの事件の方はヒネリも無く、単なる嘘吐き合戦の様相を見せていた。しかし、重要なテーマの一つである「妊娠-中絶」が、登場する女性全てに共通してくるのです。また「血と狂気」「不倫」等々、言いたいことが山ほどあって重要なテーマがぼやけてしまうといった欠点もあったようです。 しかし、冒頭にも書いたように、この映画の設定や構成の点で音楽を語らないわけにはいきません。二人の中心女性カヒ(イ・ウンジュ)とスヒョン(オム・ジウォン)が、クラブ歌手兼ピアニス対チェリストという対比も面白い設定ですし、コード進行がストーリーの起承転結と上手く喩えてあるような気がします。台詞に出てくるトウー・ファイブ(U-X)とはコード進行の重要なパターンなのです。和音の基本は1度(トニック)4度(サブドミナント)5度(ドミナント)、T−W−X−Tの進行が一般的ですが、それに変化を持たせるため代理和音やUm7-X7のコードの挿入してトニックやサブドミントへ解決するといった手法がとられます。安定した響きに解決するために、不安定なドミナントコードからトニックコードへと解決することが物語でいう結にあたるとも思われ、細かな展開をトゥー・ファイブによってアレンジできるのではないでしょうか。 そうなってくるとトランクのシーンは明らかにドミナント。いくつかの回想シーンがトゥー・ファイブにあたり、不安定要素・意外な展開をトニックへと解決していくのです。殺人事件と不倫問題の絡みはソナタ形式なんだと捉えてみても面白い。 (2005.10)
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スキージャンプ・ペア 〜Road to TORINO 2006〜 | 2006 日本 ファントム・フィルム |
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ストーリー | 量子力学の権威、原田正敏はランデブー理論に基づきスキージャンプ・ペアを科学的に立証し、オリンピック正式種目にするまでのモキュメンタリー映画。 | |||
監督 | 小林正樹 | |||
出演 | 谷原章介 | アントニオ猪木 | ガッツ石松 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★ | ★★★ | ★★ | ★★★ |
コメント | 「ゲンコですかぁ〜!?」「いや、ビンタです!」「1、2、3、チャラ〜〜ン」 “ランデブー理論”により、スキージャンプ・ペアを科学的に立証した量子力学の専門家・原田正敏。ずっと子供に恵まれなかったけど、やがてジャンパーに育つ双子を授かったのも、このパピコ理論のおかげなのでしょうか。とにかく彼が悲劇・苦難の連続のため、NHKのドキュメンタリーとしても視聴率が稼げそうな番組に仕上がっていました。 要となるジャンプのシーンは完全CGでしたけど、それほど違和感を感じない。思いっきりクソ真面目な顔でナレーターを務める谷原章介のおかげでしょうか、それとも原田教授のおかげでしょうか、すんなり受け入れられました。しかし、テンションの高い時に観なければ心底笑えないかもしれません。案の定、アキ・カウリスマキや『ベルリン天使の詩』で笑ってしまい、周りの若い人たちとはポイントがずれてしまいました。もしかすると、アントニオ猪木が好きじゃないせいかもしれません。ええ、もちろん昔から馬場派なので・・・ 日本における擬似ドキュメンタリーとしては、TVドキュメンタリー番組を意識した作りになっているため、『ノロイ』なんかと比べると構成やナレーション、そして発想の奇抜さは秀でたものがありました(チューチューアイスはしつこかったですけど)。どうでもいいことですが、これを“モキュメンタリー”として扱うかどうかは、舟木、八木、荻原といった実際の選手を登場させているので疑問符が打たれるかもしれません。彼らがどれくらいギャラをもらっているのか気になってしょうがなかったし。まぁ、OK牧場でしょう。 (2006.2)
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好きだ、 | 2005 日本 ビターズ・エンド |
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ストーリー | 17歳の女子高生ユウは同級生のヨースケを淡い思いを抱いていたが、彼が好きなのは大切な男性を亡くしたユウの姉。その姉が事故で入院してしまってからは、二人は17年間会わずにいた・・・ | |||
監督 | 石川寛 | |||
出演 | 宮崎あおい | 西島秀俊 | 永作博美 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★ | ★★ | ★★★★ | ★★ |
コメント | 暗い室内と田舎の風景。何度もアクセントで青空が挿入されるが、人物は全て逆光なので影絵芝居を観てるような気分に・・・ 監督は『tokyo.sora』の石川寛。その前作においても台詞はアドリブのドキュメンタリータッチ映像でしたが、この映画でも後半は似たような作り。人物の暗さを強調して、時折田舎の懐かしい雰囲気を醸し出す。主人公たちは笑顔も見せ、他愛ない会話も高校生らしくてほのぼのしてるというのに、この暗さはどうしたものか・・・ ユウ(宮崎あおい)の姉が大切な男性を亡くしたばかり。ユウが想いを寄せている同級生のヨースケはその姉のことが気になっている。野球部を辞めたばかりの彼が堤防でギターを弾き作曲している姿は好感が持てるのに、下手すぎて耳障りな点はギリギリ許せる範囲。自動販売機でエロ本を買うのも微笑ましい。しかし、何だろう、この展開は・・・ほとんど中味がないストーリーと言っても過言じゃないくらいの薄っぺらさ。キスは簡単にするのに「好きだ」という言葉を発することができないことがテーマなのだろうか・・・ アドリブの会話が多いとなると、その薄っぺらな脚本は原稿用紙にすれば1枚で済むくらいなのかもしれないけど、よく考えてみると、ユウの周りの人間は次から次へと不幸に見舞われていくのです。もしやユウは魔性の女か?!そんな脚本なら、「死亡、キス、死亡、キス、死亡・・・」と書けば済むんじゃないのか・・・ううむ。 そんなヘンチクリンなストーリーであっても、宮崎あおいと17年後の永作博美は良かった。特に、あおいちゃんが勢いでキスをして、涙を流すまでのシークエンス!もう絶妙の演技。最高です。嗚呼、それだけにもったいない映画だ・・・ (2006.6)
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スクラップ・ヘブン | 2005 日本 オフィス・シロウズ=シネカノン |
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ストーリー | 警察といっても庶務課のデスクワークばかりの粕谷シンゴは、ある日バスジャック犯のバスに乗り合わせ、そこでテツとサキに知り合う。3ヶ月後テツと再会し、復讐請負業をはじめることに・・・ | |||
監督 | 李相日(リ・サンイル) | |||
出演 | 加瀬亮 | オダギリジョー | 栗山千明 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | 「復讐するということは誰かが傷つくものだ」「痛いことを想像できないバカが多すぎる」・・・なんだかパク・チャヌクの映像をそのまま台詞で代弁したような・・・ 痛いよ、そりゃ。でも実際に映像化して観客に訴えないと理解できないバカがいるんですよね。どちらかというと、痛さよりもトイレの汚さの方が痛烈に伝わってきたのですが、これはメッセージじゃないんですよね(汗)。メッセージといえば、「いい誘拐と悪い誘拐」といった『復讐者に憐れみを』の台詞も思い出してしまうし、復讐すれば誰かが傷つくという当たり前のことをも教えてくれる。児童虐待母親に対する、一見爽やかであるかのような復讐にだって、どこかに痛さが伴ってるはずだ。 冒頭からオダギリジョーが死んでしまう?といった展開に戸惑いながらも、その“一度死んだ人間”と再生の道を歩もうとしていた彼が、クソみたいな人生は嫌なんだと復讐請負業を持ちかける。誘われた粕谷シンジ(加瀬亮)は庶務課でのデスクワークに明け暮れる警察官。ロクな勇気も持ち合わせてないのに捜査1課に転属願いを出し続けているが、環境さえ変われば性格も変わると淡い期待を持っているのだろう。彼の性格が現代のやる気のない若者を象徴しているのかもしれないし、オダギリジョー演ずるテツは、シンジのような性格の人たちの憧れや想像の産物なのかもしれない。サキ(栗山千明)だけは異質のような気もしますが、薬剤師という職業はかなりリアルで、彼女の性格もありがちなのでしょう。リアルと言えば、マーブルチョコ(?)を分包機に入れるなんて、機械を試運転するときに実際にする人いますよね・・・ かなり社会派の内容もあり、最初に出てくる「ストーカー殺人の未然防止」というテーマから始まり、世の悪を根絶するためには対症療法だけでは限界があると訴えていると思います。さすがに少年犯罪については語られていませんが、「痛みを想像できないバカ」は人を傷つける子供にだって多い。どこまで訴えたいのかはわかりませんけど、シンジの理解度がそのまま観客の理解度につなげようとしていたのかもしれません・・・ しかし、この映画には欠点もありました。ソフトな復讐の充実感がテツの父親の死を契機に徐々にエスカレートする際、心理変化が捉えづらいところ。拳銃強奪という意図がそれまでの彼の考えとリンクしなかった。むしろ「世界を一瞬で消す・・・」といった厭世観のほうがわかりやすいとなると、勘違いしてしまう過激な人も生まれそうな予感が・・・ (2006.1)
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スクールデイズ | 2005 日本 ファントム・フィルム SCHOOL DAZE |
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ストーリー | 元子役で活躍していた相沢晴生も今は普通の高校生。そんな彼が再起をかけて人気ドラマの「はみだし!スクール☆デイズ」のオーディションに応募する。見事合格した彼はドラマの中の熱血教師に影響され、そのうち現実とドラマの区別がつかなくなっていく・・・ | |||
監督 | 守屋健太郎 | |||
出演 | 森山未來 | 金井勇太 | 忍成修吾 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★ |
コメント | ドラマと現実が区別つかなくなる設定といえば『ベティ・サイズモア』だ。 鈴木清順や石坂浩二のゲスト出演などという驚きの序盤。エマニエル坊ややエドワード・ファーロングを引き合いに出すなんてのも面白いが、実際子役で人気が出たら、大人になってからが大変だ。宮脇康之のように・・・ 金八先生のパロディのようなドラマ。晴生はドラマでも同じ名前のせいか、ドラマでも現実でもイジメられっ子だ。ドラマのほうではいつまで経っても高校生役の山本太郎もいるけど、笑わせるキャラ田辺誠一、田口トモロヲ、松尾スズキなどがもっといい。 階段落ち、レイプなど体当たり演技も良かったし、かなりシリアスな展開となってイジメ問題も深く掘り下げていた。しかし最後は現実面でイジメ役の彼女を刺してしまうという後味の悪い終わり方。コメディ路線をずっと続けたほうがいいのになぁ・・・ 一番良かったのはドラマの最初のシリーズで高校生が子供を産んでしまったという金八先生シリーズのパクリ。そこで誕生した赤ちゃん役だったという設定で、しかも父親がそのまんま鶴見辰吾。そして母親がTV「高校聖夫婦」で彼の相手役だった伊藤麻衣子なのだ。 エンドロール後のワンカットはイマイチか。 (2006.12)
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助太刀屋助六 | 2001 日本 東宝 |
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ストーリー | 17歳で上州から江戸へ向かった男は敵討ちを助太刀したことから、その日から助太刀を生き甲斐に生きてきた。故郷へ帰り、幼馴染の太郎と会うが・・・ | |||
監督 | 岡本喜八 | |||
出演 | 真田広之 | 鈴木京香 | 村田雄浩 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★ |
コメント | 「お前、字は書いたことあるか?」「恥ならかいたことが・・・」 ちょっと変わった時代劇。スピード感やテンポの良さは全く感じられないが、庶民感覚と笑える会話が素敵だ。岸田今日子のナレーションが一番おかしいんですけどね。音楽は全編山下洋輔のJAZZ(しかもまともなJAZZ)。 いつもは仇討ちの助太刀をする助六だったが、間に合ってるようだったので、棺おけ屋にいたオヤジ片倉(仲代達矢)と話をして逆の助太刀を申し出るが、断られた。しかし、仇討ちされたオヤジこそが助六の父親だった。 又仇がご法度だという矛盾を鋭くつく内容ではあるが、ストーリー自体は単純だったし、父親だったと気づいた微妙な心理変化がないので、単純なコメディにしか思えないのが残念。そういえば、こどもの頃に「仇討ちってのは永遠に続くなぁ〜」と考えたっけ・・・ (2005.4)
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スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ | 2006 日本 東映 |
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ストーリー | アングラサイト「エノラゲイ」に予告された時間まであと3日。NYに住む少女に特命刑事の指令が下った。聖泉学園に潜入して、その予告が何なのか突き止めるのが任務だ。 | |||
監督 | 深作健太 | |||
出演 | 松浦亜弥 | 石川梨華 | 岡田唯 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | 漏れも楽しかったよ。 滝川市の小六女児イジメ問題では因果関係を認めない教育委員会。そんなの現場の教師が一番よく知ってるんだろうし、釈明するならするで、堂々と出て来い!などと憤りを隠せない今日この頃。この映画では先生も一緒になって特定の生徒をいじめているのです。観ているとヨーヨーを持ってこの高校に乱入したくなってくる・・・ 単純に悪い奴らを懲らしめるような内容ではなかった。イジメ問題に加え、爆弾テロ、ネット上の違法サイトの問題、さらに無用の長物と思われるお粗末な公安など、社会問題を痛烈に批判したような部分もあった。サイトを作ったのは誰だ?!と謎を解いていく前半と、イジメに遭った女子生徒の微妙な心理状態など、興味深い展開に手に汗にぎってしまいます。 もともとが無茶な設定なのですが、急に特命刑事になって潜入捜査しろと命ぜられてヨーヨーが上手くなるはずがない。などといったツッコミをかわしたかったのか、最初はとても下手なヨーヨーのあやや。だけど、これが素敵。自分の投げたヨーヨーが頭に当たり気絶するところなんて最高でした。 以前のテレビシリーズも全くと言っていいほど見てないのですが、斉藤由貴がこんなかたちで特別出演してくれるとなぜだか嬉しくなってきました。だけど彼女が出演してることは伏せておいたほうが楽しめたかもしれません。どんな役なんだ?とシリーズを知らない人でも想像できちゃいますもん。 それにしても、竹内力はすごい!「力」とだけ書かれていたら安岡力也と間違えそうになるくらい、こんなに太ってたっけ?とビックリしてしまいます。しかも親子丼です。あややはカマトトぶって、知らないと言ってましたけど、明らかに親子丼です(意味不明)。 ラストの戦いが『キル・ビル』を意識したような激しいアクション。時限爆弾のタイマーが起動して、残り3分の間に敵を蹴散らし、友人も救わなければならない。ウルトラマンでもこんな芸当はできません。大丈夫なのか・・・下手くそなヨーヨーで・・・がんばれあやや! (2006.10)
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スコア | 2001 アメリカ 日本ヘラルド映画 THE SCORE |
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ストーリー | 金庫破りの達人ニック(デ・ニーロ)の信条は危険を冒さずひとりでやることだった。そんなある日、盗品ブローカーのマックス(ブロンド)から報酬400万ドルの仕事をもちかけられるが、それには内部事情に詳しいジャック(ノートン)と組まなければならなかった・・・ | |||
監督 | フランク・オズ | |||
出演 | ロバート・デ・ニーロ | エドワード・ノートン | マーロン・ブランド | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★ |
コメント | ピアノを燃やすところで「もったいない」と感じてしまった。これじゃ金庫破りなんかはできないな。やはり、エドワード・ノートンのように心身障害者をずっと装って、その計画のためだけに生きるくらいの決心がほしい。ロバちゃんはどちらかというと雇われ金庫破りだ。 かなり税関の金庫にこだわりがあり、とてもスピーディーな展開とは言えない。ラストのどんでん返しまではかなり眠くなるぞ・・・掃除夫のじいちゃんがキョトンと置いてけぼり食らっているところと、デ・ニーロが「OK、byebye」とノートンの物真似する台詞が最高。 (2005.6)
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