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スナイパー 2002 カナダ/ドイツ
メディア・スーツ=アースライズ
LIBERTY STANDS STILL
ストーリー  高校生の銃乱射事件で娘を殺されたジョーが銃メーカーの社長夫人を携帯で足止めしビルの一室から狙いを定めた。携帯の電池が切れると仕掛けた爆弾が爆発するというオマケ付きで・・・
監督 カリ・スコグランド
出演 ウェズリー・スナイプス リンダ・フィオレンティーノ オリヴァー・プラット
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  銃社会アメリカ。自由という名の元に銃を持つ権利も与えられている。『ボーリング・フォー・コロンバイン』でその社会問題を痛感させられた後に観るとリアリティを増します。
 復讐の鬼となったスナイパー、自称ジョーは怒りの矛先を銃メーカーの社長夫妻に向けたのだ。ラストはどうあれ、重いテーマを警察や大統領の汚職も絡め、見事なサスペンスタッチで仕上げてくれました。
 善良な市民からテロリストのごとき残虐な犯人へと変貌を遂げる社会問題を痛烈に描き、一般市民をも巻き込む矛盾を感じつつ複雑な気持ちにさせてくれました。麻薬を平気で買っていく警官や汚職だらけの人間模様もあって、どうしてもジョーには同情してしまうのであるが、最初の売人はどこへ行ったのか?という疑問や、リバティと単なる浮気した男ラッセル(マーティン・カミンズ)の扱いのおかげで不満も残る。
 それでも面白かった・・・満足。
(2004.5)

スナッチ 2000 アメリカ
SPE
SNATCH
ストーリー  宝石業者から一個のダイヤモンドを盗んだフランキーはNYのボスのもとへ届ける途中、ロンドンでダイヤを狙う男たちの罠にはまり監禁されてしまう。
監督 ガイ・リッチー
出演 ベニチオ・デル・トロ デニス・ファリナ ヴィニー・ジョーンズ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  ブタの餌に関するヨタ話が最高!なんでこんなに笑わせてくれるんだ。(日本語吹き替え版)。それと、八百長ボクサーのブラッド・ピット。
 正月の深夜番組だもんでカットされまくりだったので、もう一度見たいぞ!
(2009.1)

砂と霧の家 2003 アメリカ
ギャガ・ヒューマックス
HOUSE OF SAND AND FOG
ストーリー  夫と別れたキャシーが暮らす海辺の一軒家。ある日突然、警察と郡の役人がやってきて税金の滞納を理由に家を差押えられ、即刻競売にかけられた。それをイランから亡命して数年になるベラーニ大佐の家族が転売目的で落札して住むことに。。。
監督 ヴァディム・パールマン
出演 ジェニファー・コネリー ベン・キングズレー ロン・エルダード
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★ ★★★★★ ★★★★★ ★★★★
コメント  「この場合、善意の第三者には罪は無く、しかし返済はしなければならないのか?」などと法律問題に悩まされ、「ザ・ジャッジ」「生活笑百科」などの法律番組を思い出してしまう。そう言えば「行列のできる法律相談所」では紳介が降板したのかな・・・紳介と言えば暴力問題・・・暴力と言えば主人公のキャシーは暴力で夫と別れて・・・そして、暴力と言えばガンジーの非暴力思想を思い出すなぁ・・・『ガンジー』と言えば、ベン・キングズレー・・・繋がった。
 映画は、美しい海と夕焼けが見える一軒家。ガンジー、いや、ベラーニ大佐とその家族は海を眺める度に故郷のテヘランから見えるカスピ海を思い出す。普通に平和に暮らしたいと願いつつも、他者を受け入れないことで悲劇が生まれてしまうという、観ている者もやり切れない気持ちにさせられるのだ。キャシーだって同じで、夫と別れてからは職にも就けず、家の中も荒んでしまっている。この映画の素晴らしい点は、このキャシーとベラーニの中心人物に交互に感情移入させられるところでしょう。見事に誘導されていきますヨ。霧につつまれる家の映像は、あたかも彼らの心のように他者からは見えづらく、善と悪を併せ持ったキャラクターを見事に表現していました。
 家の所有権はどちらのモノになるんだ?というサスペンス仕立てでストーリーは進むが、他人を信じる事ができないキャシーによって徐々に悲劇へと向かう。誰かが死ぬだろうと予測は出来るのだが、その死ぬ運命にある人物は・・・と、悲しい運命に涙を誘う展開。しかし、感情移入の点で、終盤は「どっちもどっちだ」と冷ややかな見方しかできなくなり、ちょっとだけ減点でした。
 移民問題、DV問題、法律問題と考えさせられるところは多かったが、“督促状を見落とす事のないよう、郵便物には必ず目を通す事!”という教訓も感じた・・・DMや引き落としの請求書もチェックしなきゃ・・・それと、禁煙の問題もね♪

2003年アカデミー賞主演男優賞、助演女優賞(ショーレ・アグダシュルー)、作曲賞ノミネート
2003年NY批評家協会賞助演女優賞
2003年LA批評家協会賞助演女優賞
その他
(2004.11)

砂時計 2008 日本
東宝
ストーリー  両親の離婚により母親と一緒に島根県の町に引っ越してきた杏。大悟(池松壮亮)や藤、椎香に元気づけられていたが、母親(戸田菜穂)が自殺してしまう・・・
監督 佐藤信介
出演 松下奈緒 夏帆 井坂俊哉
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★
コメント  お兄ちゃんとアンちゃん。て、紛らわしい・・・
 『天然コケッコー』につづいて島根と東京を往復する夏帆。田舎娘がよく似合う。『うた魂』ではコミカルな表情に徹していたためか、ちょっと引き気味で見ていたのですが、こうしたキャラはとてもいい。純情そうでありながら、キスだけはあっけらかんとしているという・・・
 さて、この映画。過去と現在、そして未来を砂時計のモチーフとして学生時代と大人になった主人公たちの想いを描いてあるのですが、そのままの姿を捉えるよりも、心の闇の部分もクローズアップさせている。ひねくれた見方をすると、男女の恋愛模様とは別にサイコ・ホラーの要素が浮き彫りにされているのです。
 明るい田舎といった風景とは裏腹に、島根県特有の神々しさや神秘的な一面が隠されていて、離婚したとか異性に振られたという傷ついた心に闇が忍び込んでくるような。そして統合失調症、徘徊、自殺・・・これらは周りの者にも少なからずダメージを与えてしまうのです。母親(戸田菜穂)、藤(塚田健太)、椎香(岡本杏里)、そして主人公杏(松下奈緒)。みんなコールタールの中に沈んでいく・・・そしてリスカ。黒い雨合羽を着た男たちの不気味さや血のイメージなど、ホラー要素が満載だった。
 そんな異様さもあったのですが、対照的に力強いほど深い愛を描いていたので、インパクトはありました。特に仁摩サンドミュージアムという博物館(○ンコ博物館とはえらい違い)の世界一の砂時計が希望や未来を感じさせ、過去にこだわらない男の潔さも魅せてくれた。この終わり方もいい。もっとドラマを続けるとなると、また逆さまにしなくちゃいけないからなぁ・・・
 
(2008.4)

砂の器 1974 日本
松竹
ストーリー  迷宮入りと思われた蒲田駅の殺人事件。二人の刑事の執念と悲しき宿命が交差する・・・
監督 野村芳太郎 原作:松本清張 脚本:橋本忍、山田洋次
出演 丹波哲郎 森田健作 加藤剛
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★★ ★★★★★ ★★★★★ ★★★★★
コメント  金沢コミュニティ映画祭にて・・・
 中学生の頃、ハンセン病や社会派サスペンスの意味も知らずに映画館へ観に行った。丁度推理小説が面白くなってきた年頃でもあり、江戸川乱歩ファンから脱皮したかったこともあって大人向けの推理小説にチャレンジしたかったのです。その映画がデジタル・リマスター版として甦った。リピートといっても30年ぶりの鑑賞になるのです!
 当時はまだ差別語として確立していなかったため、“ライ病”と堂々と言っており、同じ年に公開されたスティーヴ・マックィーン主演の『パピヨン』でもライ病と字幕に書かれていた。中学生にはその病気の重さが当然理解できるはずもなく、単にサスペンスとしての楽しみかたしかできなかったものです。しかも同級生は誰も観てない・・・
 石川県の風景も登場するので、劇場内ではざわざわし始めました。「あれは山中温泉よ」などといった声も聞こえてくる。島根県の出雲亀嵩などは実際の地名なのに、石川県は上沼郡大畑村という架空の地名なのだ。車は白山方面へ進み、親子の故郷となる村に到着するのですが、多分岐阜県白川郷だろう。
 大人になってから観ると、なぜこうも感動できるのでしょう。巡礼のような迫害された親子の旅。この旅のシーンが何の説明もなく、加藤剛が交響曲「宿命」を指揮するシーンとオーバーラップし、彼の生きた人生の苦悩と父への想いが音楽の中に溶け込んでくるのです。真っ赤な夕陽の背景を基調として、立ち寄る先でいじめられる親子。ノスタルジーを通り越して、美しい日本の風景の中でも弱者を虐げる心の醜さが浮き彫りにされる。そうした過酷な親子の前に現れる聖人のような男。この辺りで涙腺が緩みっぱなしへ・・・
 そして体が震えるくらいに号泣させられたのは加藤嘉の演技。息子に会いたいけれども「知りません」と言うしかない心の葛藤と止めようのない慟哭。劇場でしか味わえない悲しみの空気を感じました。
 残念なのは、丹波哲郎と森田健作。彼らの二人だけの会話はなぜか全てアフレコっぽい。一本調子の大霊界男と、声が裏返りそうな「吉川くん」男。そのままの録音だとかなり聞き取りにくいのでしょう。そして“順風満帆”だと思うけど“じゅんぷうまんぽ”とおっしゃった刑事。それでも、島田陽子の初々しいヌードのおかげで加点すると、満点になってしまいます。
(2005.11)

砂の女 1964 日本
東宝
ストーリー  昆虫採集が好きな教師が砂丘を訪れ、砂の穴の中にある家に住む未亡人宅に泊めてもらうことになった。そこはさながら蟻地獄のようであり、脱出もままならない・・・
監督 勅使河原宏  原作:安部公房
出演 岡田英次 三井弘次 岸田今日子
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★ ★★★★★ ★★★★ ★★★★★
コメント  高校時代、国語の山下先生が薦めていた安部公房作品。そのためか、この映画は見たことがあった(テレビでだと思う)。
 部屋の中、食卓の上には傘がさしてあるし、砂世界に住む未亡人岸田今日子の喋る虫の話だとかは奇妙きわまりない。3日しか休暇を取ってないのに、明日には帰れないようなことも言われるし・・・砂まみれになった岸田今日子の裸体も美しい。
 1日、2日と経っても砂の穴から抜け出せない。やがて男は女と関係を持ってしまい、ずるずると過ごしてしまう。村人にはなんだかハメられたという思いにもなり、そのまま現状に甘んじるかのように・・・
 何週間も経った頃、そのころ雨が降ってなかったのに水桶の中に水が貯まっていた。この科学的な発見のため研究に没頭する主人公。そして女は妊娠して苦しんでいる。村人がようやく降りてきてくれて、逃げ出すチャンスもできたというのに・・・彼のとった行動が!
 不条理の世界。それに慣れてしまうと普通の感覚さえ失ってしまう。ラストは軽い冗談のような気もするけど、穴の世界が現在多くの日本人が住んでいる所なら、と考えると鋭い社会風刺になってるのかもしれない。

1964年アカデミー賞外国語映画賞ノミネート
1964年カンヌ国際映画祭審査員特別賞
1964年ブルーリボン賞作品賞、監督賞
1964年キネマ旬報ベストテン1位
(2007.2)

スニーカーズ 1992 アメリカ
Uni=UIP
SNEAKERS
ストーリー  ハイテク技術でセキュリティシステムの不備を証明する集団“スニーカーズ”。NSAからの要請により天才数学者が作ったブラックボックスを盗みだすが、それは世界を転覆させかねない究極の暗号解読機だった・・・
監督 フィル・アルデン・ロビンソン
出演 ロバート・レッドフォード シドニー・ポワチエ ダン・エイクロイド
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  おたずね者のビショップ(レッドフォード)や元CIAのクリース(ポワチエ)、後ろめたいことがある5人の仲間。故リバー・フェニックスやデヴィッド・ストラザーンもとにかくかっこいい。そしてかつてビショップのパートナーだったリズ(メアリー・マクドネル)も加わってブラックボックスを奪うことに成功。しかし、天才数学者が殺されたことから、NSAが偽物だったと知る面々。そしてビショップはハメられる。
 かつてビショップの仲間だったのに一人だけ投獄されたコズモ(ベン・キングズレー)が首謀者。貧富の差を無くすという考えは偉大だけど、どうも世界を征服したいような思想だ。箱さえあればどんな暗号でも解読でき、銀行資産を思うがままにできる。結局は箱の争奪戦。『ミッション・インポッシブル』とか『オーシャンズ11』のようなチームプレーが面白い。笑えるシーンもかなりあるので飽きさせないのだ。
 メンバーは深く掘り下げてないけど、一人一人の見せ場が均等に用意されてるところがいい。中では盲目のストラザーンが最も美味しい役だったな。レッドフォードは結構ドジだったし。
 エイクロイドの政府陰謀説は面白い。月面着陸やケネディ暗殺がすべて嘘だって・・・

ロバート・レッドフォード ビショップ
シドニー・ポワチエ クリース
ダン・エイクロイド マザー
リヴァー・フェニックス カール
デヴィッド・ストラザーン ホイッスラー
メアリー・マクドネル リズ
ベン・キングズレー コズモ

(2008.6)

スネーク・アイズ 1998 アメリカ
ブエナ
SNAKE EYES
ストーリー  アトランティック・シティの巨大カジノ。ボクシングの試合が始まって、リングサイドにいた国防長官が狙撃された。間近にいた汚職刑事リックが目撃するが、真犯人を追及するため奔放する。
監督 ブライアン・デ・パルマ
出演 ニコラス・ケイジ ゲイリー・シニーズ ジョン・ハード
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★ ★★★★★ ★★★★★ ★★★★
コメント  冒頭、ボクシング試合会場であるドーム前の中継から、リングサイドでの狙撃直前シーンまでの長回し映像。ここだけでもうワクワクしてしまう。このシーンだけでもリハーサルが大変だったであろうと色々想像してしまう。
 悪役ばかりのゲイリー・シニーズだから、ほとんど想像もついてしまうストーリーだが、それよりも凝ったカメラワークが何箇所も出てくる。巨大ホテル部分の天井からの撮影、それが部屋をひとつひとつ映していく様子、ここが印象的。基本は、狙撃事件のあった試合前を思い出す構成で、それぞれ陰謀が渦巻く中で徐々に真実が晒されてゆく。
 ニコラス・ケイジとゲイリー・シニーズがホテル内で移動する緊迫シーンも好きだ。謎の女性を演ずるカーラ・グジーノもいい感じだ。デ・パルマはやはり黒髪の女性が好きなのか。
 ラストはちょっと失笑気味の展開となったが、どんどんボロが出てくるゲイリー・シニーズの表情がなんともいえないくらいいい。一躍ヒーローとなったケイジも汚職刑事としての告発されるという急展開も面白い。
(2005.9)

スネーク・フライト 2006 アメリカ
ムービーアイ
SNAKES ON A PLANE
ストーリー  ハワイで殺人事件を目撃したショーン(フィリップス)は悪党のエディ・キムに狙われる。FBIのフリンが彼に証人になってもらうためにLAに送るのだが、その機上で大量のヘビが発生する・・・
監督 デヴィッド・R・エリス
出演 サミュエル・L・ジャクソン ジュリアナ・マーグリーズ ネイサン・フィリップス
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★ ★★★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  俺も噛まれた!吸ってくれ!
 拝啓。デヴィッド・リチャード・エリス監督。いつも良質のB級映画をありがとう。『デッドコースター』『セルラー』そして今作品。どれもこれも満足です。このままの路線を続け、いつまでも一流のB級監督であり続けてください。B級の楽しみ方。それは思いっきり突っ込んで思いっきり許しちゃうこと。面白ければいいんですから・・・
 俳優陣だって、サミュエルLジャクソン以外全く知らないし、ヘビたちだって、コブラやガラガラヘビ以外知りませんよ。その大量のヘビは気持ち悪いんですけど、そんな嫌悪感よりも良く出来たCGにうっとりしてしまいました。意外とヘビ博士も面白かったのですが、やっぱり予想通り3G'sの太っちょ二人が笑わせてくれました。また、『フラガール』を観て以来、レイをかけられることに憧れを抱いておりましたが、もうそんな夢は抱いたりしません。
 序となる部分をあっさり描き、観客が望んでるパニック部分を早々と見せてくれたし、緊張感が高まり、血圧がどんどん上がっていき、頂点に達した直後の安堵するところでドド〜ンと笑わせる。見事な流れでした。実は『乱気流』みたいなラストになると思ってたのですが、ゲーマーが人々を救うという展開にしたわけですね。また、犯罪者側の描写をかなり少なめにするとか、大胆な構成は気軽に見られる条件だったと思います。
 『ユナイテッド93』や『フライトプラン』が公開された年に敢えてこのような映画を作った勇気にも敬服してしまいます。B級映画の意地?なのでしょうか。回りに媚びることなく娯楽に徹する姿勢は尊敬に値しますよ。なんてったってソニーピクチャーズでもないのに、プレステ2の宣伝してるんだから・・・これからの活躍も期待しております。敬具

(2006.10)




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