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大帝の剣 2006 日本
東映
ストーリー  家光の時代。オリハルコンでできた“大帝の剣”、“闘神の独杵鈷”、“ゆだの十字架”の三種の神器を持つ者は世界を操ることができるという。その剣を持っている万源九郎が豊臣の血を引く舞に出会い・・・
監督 堤幸彦  原作:夢枕獏
出演 阿部寛 長谷川京子 宮藤官九郎
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★ ★★★ ★★ ★★
コメント  鬼が島は金沢にあったのか・・・
 なぜか地球上に存在していた金属オリハルコン。“大帝の剣”、“闘神の独杵鈷”、“ゆだの十字架”という三種の神器も誰が作ったかわからないのに存在していた。ついドラゴンクエストを思い出してしまうのですが、実はギリシア・ローマ時代から使われていた言葉であり、銅系の金属だとかアルミニウムだとか様々な解釈もあるようですが、今では“真鋳”を表す言葉として使われている国もある。
 時代は徳川三代将軍家光の時代。豊臣家再興を企てる真田雪村と豊臣の血を引く舞(長谷川京子)たちはオリハルコンの三種の神器を求め加賀へ向かい、加賀でも豊臣家根絶を狙う徳川家がそれを発掘しようとしていた。醜い権力争いと宇宙からやってきた二つの生物。それに大帝の剣を携えている主人公の万現九郎(阿部寛)が歴史大活劇を盛りあげるはずだった。だけど・・・
 やはり痛かった長谷川京子の演技。真田に仕え彼女を守る宮藤官九郎がお笑いキャラなのかまともなキャラなのかわからないほど中途半端で困ってしまう。笑えるキャラに徹していた大倉孝二やまともなのに面白いキャラ本田博太郎がよかっただけに演技面では惜しい作品となりました。などと普通に観ていただけではなく、大浴場で一糸纏わぬ姿で対決する杉本彩の胸に髪の一部が張り付いていて見えないようにしていた努力に感心したりもした。
 全体的なストーリーも子供向けだし、大人が満足するのは難しいのかもしれないけど、阿部寛や竹内力がでかい男に見える特殊効果など映像面ではアッと驚かされる。“でかい男”という観点だけ注目してみても、撮影方法が気になってしょうがなくなる映画なのかもしれません。また、鑑賞後に「あ・れ・れ・れ・れ〜」とか「おもしれ〜」という台詞をつい口にしてしまうので要注意。
(2007.4)

大統領の陰謀 1976 アメリカ
WB
ALL THE PRESIDENT'S MEN
ストーリー  ウォーターゲート事件の真相を突き止め、ニクソンを失脚させた2人の新聞記者の実話。
監督 アラン・J・パクラ
出演 ダスティン・ホフマン ロバート・レッドフォード ジェイソン・ロバーツ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★★ ★★★ ★★★★ ★★★
コメント  民主党本部があるウォーターゲートビルに不法侵入して盗聴器を仕掛けようとした5人の男が逮捕され、新人記者のボブ・ウッドワード(レッドフォード)が慎重に裁判を傍聴する。犯人のうち1人がCIAと漏らしたことから次々と電話作戦で調査するのです。同じく新人記者のカール・バーンスタイン(ホフマン)ももくもくと仕事をこなしてゆく。
 全体的には盛り上がりもないし、史実を淡々と描き続ける。ドキュメンタリー映画でも良かったのではないかと思えるほどの再現ドラマに徹します。日本人にとっては馴染みも薄い事件かもしれないし、アメリカ人にしか受けないのでしょう・・・60年代、70年代は二大政党も凄い戦いがあったんだなぁ〜と痛感します。

1976年アカデミー賞助演男優賞(ロバーツ)、脚色賞、美術監督・装置賞、音響賞
同作品賞、助演女優賞(ジェーン・アレクサンダー)、監督賞、編集賞ノミネート
その他
(2007.2)

大統領のカウントダウン 2004 ロシア
シナジー=エイベックス
LICHNYY NOMER   COUNTDOWN
ストーリー  スモーリン大佐はチェチェンに捕らえられ、モスクワでの爆破テロに加わったと偽証させられた。このビデオが公にされ、ロシア政府の権威が失墜する・・・
監督 エヴゲニー・ラヴレンティエフ
出演 アレクセイ・マカノフ ルイーズ・ロンバート ジョン・エイモス
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★★
コメント  劇場占拠のシーンとかクライマックスの爆破シーンなど、ロシア軍が全面協力してくれただけあって、かなりの迫力。しかし、完全にプロパガンダ映画。ロシアまでアメリカナイズされてどうすんだよ・・・「テロに屈しない」だなんて、てめーはブッシュか小泉か!
(2007.1)

ダイハード3 1995 アメリカ
FOX
DIE HARD: WITH A VENGEANCE
ストーリー  サイモンと名乗る男からマクレーン刑事を名指しで呼び、爆弾予告の強迫電話がかかる。
監督 ジョン・マクティアナン
出演 ブルース・ウィリス ジェレミー・アイアンズ サミュエル・L・ジャクソン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★ ★★★★★ ★★★ ★★★
コメント  殺されそうな男がいる!と警察へ電話するように促すサミュエル・ジャクソン。「サイモンセッズ」のゲームに翻弄されるジョン・マクレーン刑事。
 地下鉄でのすごいアクションシーンが前半に出てくることも驚きだったが、犯人像を調査するうち、1作目の『ダイハード』で死んだハンス・グルーバーの兄であることがわかる。もちろん、無差別殺人が趣味のテロリストじゃなくて、金塊狙いの大泥棒。小学校の爆弾危機という大芝居に踊らされて、その隙に大量に輸送するというもの。
 それにしても爆発が凄すぎる!船の爆発は、ありゃ死ぬでしょう、普通。

1996年MTVムービーアワード アクションシーン賞ノミネート
(2006.5)

太陽 2005 ロシア/イタリア/フランス/スイス

SOLNTSE  THE SUN
ストーリー  1945年終戦前後の昭和天皇を描く・・・
監督 アレクサンドル・ソクーロフ
出演 イッセー尾形 佐野史郎 桃井かおり
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★ ★★★★ ★★★★ ★★
コメント  お、チャーリーだ。チャーリーなんだからチョコレートをプレゼントしちゃえ。
 天皇ヒロヒトは雲の上の存在。いくら人間宣言したからといっても、地方を訪れたならば泊まった宿は最高級ランクに格付けされるし、訪れた場所は代々語り継がれる。天皇が来県すると決まったら道路は急ピッチで整備される。そのうえ、日本の象徴であるわけだから、沿道には多くの人が日の丸の旗を振って現人神を拝み、中には感激のあまり卒倒するおばあちゃんも出てくる始末だ・・・
 そんな人間天皇をロシア人監督が描き、形態模写、一人芝居を得意としたイッセー尾形が演ずる。口をモゴモゴさせたかと思えば、いつのまにか張りのある声を発する。口の動きと発声が微妙にズレているところなんて、いっこく堂の腹話術も顔負けなのです。時折とぼけたような表情を見せ、「あっ、そう」を連発する。しかし、英語は堪能な上に他の外国語でも大丈夫だという才能も見せるし、特にナマズを中心に生物学の知識も豊富なのです。今で言うとオタクっぽい性格のためか、ナマズ戦闘機に本土が攻撃される夢まで見てしまう・・・
 真珠湾攻撃も彼が決定したものでなければ、戦争を止める機会を逸してしまったのも彼のせいではない。などと、日本国民を愛し、平和を愛したと表現していたが、どこまでが真実なのかはわからない。最終決定権は天皇にあるので、強く発言すれば、最悪の事態も防げたのかもしれないのです。そうできなかったのも、ヒロヒトがどことなく弱腰で、ひきこもりがちな性格のためだったようにも感じました。
 日本で公開されることが危ぶまれていたくらい、衝撃的事実を含んだものかと思っていたのですが、それほどの魅力は感じられませんでした。そりゃ、バリバリの右翼の方が観たら抗議行動に出るかもしれないなぁ・・・くらいのものでした。また、生物の勉強をなさってるシーンで書記官(?)の方が居眠りしちゃいましたが、それほど周囲に睡魔を振り撒くお方だったのかもしれません。そのせいかところどころ見逃してます。すいません・・・
(2006.10)

太陽娘と社長族 1958 日本
新東宝
ストーリー  「結婚するのは絶対に金を持ってる人」と誓いを立てた3人娘。飛行場でジョーというフランス人に声かけられたあと、小金持ちそうな田口と出会い泊まるホテルを紹介するが・・・
監督 小森白
出演 久保菜穂子 瀬戸麗子 小畑絹子
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★ ★★ ★★
コメント  水着モデルショーやすくすく石鹸のCMというお色気たっぷりの映画。
 ストーリーを追うのも面倒臭くなってきたけど、みながヌードになって生活する「太陽の村」という怪しい場所が出てきて面白くなってきた。コロンビア・トップライトがサマにならないギャグで進行役みたいに登場するのが印象的。
 コメディとしても、お色気モノとしても、犯罪モノとしても全て中途半端。だけど最後に大金の入ったトランクを見せ、「こんなモノでしあわせになれるんだったら、君たちにあげるよ」などというシーンにはスカッとする。
(2007.3)

タイヨウのうた 2006 日本
松竹
ストーリー  七里ガ浜に住む雨音薫はXP(色素性乾皮症)という病気のため太陽に当たると死んでしまうかもしれない。彼女は夜明けにサーフィンを楽しむ高校生藤代孝治を好きになってゆくが・・・
監督 小泉徳宏
出演 YUI 塚本高史 岸谷五朗
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★★
コメント  Aadd9−E−Bm7−Dadd9♪
 この出だしのコードがとても心地よい。しかもAadd9にしなければ、雨音薫(シンガーソングライターYUI)による透明感溢れる歌声にマッチしないのです。ストロークの気だるさからも察することができるように、ギターの腕前はそれほど上手いとは思えないのですが、絶妙なアクセントを含んだコード進行からしても作曲は天才的。気持ちがいいほど余韻たっぷりに涙を誘う映画でした。しかも試写会帰りに車でFMを聴いていると偶然にも「good-bye days」が流れるものだから、感動のあまりこっそりとボリュームを上げすぎてしまいました・・・ごめんなさい。
 泣けるかどうかなんて音楽好きの者にとっては愚問です。横浜でのストリートライブのシーンでもう涙腺決壊ですよ。『スウィングガールズ』でいきなり仲間が楽器を買って参加したりするシーンや、古くは『ベニイ・グッドマン物語』でライオネル・ハンプトンが突如セッションに加わるのと同じ効果なのです。理屈抜きで音楽心を動かされ、慟哭にも似た叫び声を心の中で上げてしまいました。
 難病もの、純愛もの、プロモーションビデオもの、等々とベタすぎると一蹴することは簡単なのですが、10代の頃にギターを手にした経験のある人ならばわかるはず。Fのコードが難しいとつまずいたあの頃を思い出すに違いありません。とは言っても、彼女は五線譜に音符や歌詞を書き留めることをしない天才肌のミュージシャンですから、素直に歌声に聞き入るだけでも満足できることでしょう。
 映画そのものは、音楽映画にしては間がありすぎる点や斬新さがないといったマイナス部分もありますが、まだ25歳の監督ということなのでこれからも十分期待できる人なんでしょうね。役者としては主人公二人よりも岸谷五朗がとても良かった。逆に麻木久仁子はバラエティ番組の司会者に戻ってもらいたいくらいでした・・・
 雨音薫の病気は色素性乾皮症(XP)。治療法も確立していないのに難病指定されていないそうです。この映画がヒットすることによって、難病指定への運動が起こったりすると、映画の力を感じることができると思うのですが・・・また泣いてしまいそうです・・・
(2006.6)

ダーウィンの悪夢 2004 オーストリア/ベルギー/フランス
ビターズ・エンド
DARWIN'S NIGHTMARE
ストーリー  アフリカのビクトリア湖では外来種である肉食のナイルパーチが何者かによって放流されて以来、魚加工業は潤ったが貧困層はますます酷くなるばかり・・・
監督 フーベルト・ザウパー
出演 パイロット 売春婦 工場長
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★ ★★★★ なし ★★★★
コメント  半年で村人の一割以上が死んでいる?
 このドキュメンタリー映画がマスコミで紹介されてから観たくてしょうがなかった。「ショッキングだ」とか「おぞましい!」とか「とにかく観ておくべきだ」などと言われると、無知のまま一生を終えるのではないかという危惧さえおぼえたものだ。しかし、マスコミが騒ぎ立てるほどの作品だったかと訊かれるとそうでもなかったような。社会問題を勉強するにはいい映画だった・・・といったところか。
 期待していたのは「風が吹けば桶屋が儲かる」といった、外来種である肉食魚ナイルパーチの放流によって引き起こされる壮大な食物連鎖の悪循環が描かれるのではないかということでした。たしかに前半では魚加工業・輸出業が潤い、それに伴って失業者の増大、ストリート・チルドレン、エイズ、ドラッグの蔓延といった荒んだビクトリア湖周辺地域の現状が映し出されていました。しかし、こうした社会問題は世界中どこでもあることであり、この事実に驚嘆するようであれば自国の悲惨な現状を知らないことの裏返しなのかもしれない。日本だって格差社会が大きな問題となっているだけに、他人事ではないはず・・・公開時のマスコミの騒ぎ方を思い出してみると国内の問題を棚上げしてアフリカに目を逸らさせようとしていただけのような気もしてきます。
 さすがに後半に入ると、ヨーロッパからやってくる加工魚の輸送機が空荷でやってきていたわけではないと判明する。しかも工場建設のための援助の見返りに利益のためだけにアフリカを食い物にしている悪の構造も描かれていて、ナイルパーチだけが原因ではなかったこともわかってくる。もっと突っ込んだところまで描けば、さらに凄まじい作品になったんでしょうけど、タンザニアにとってもヨーロッパ諸国にとっても都合が悪いのだろうし、このあたりが限界なのかもしれません。
 片目をアンモニアガスで失った女性、片足を失った少年、暴力の絶えない日常。金がないためナイルパーチの美味しい部分を食べられない村人。そして、日本へもこの魚が輸出されているといったことなどが印象に残ります。終盤になると、戦争論みたいな部分もあったりしましたが、グローバル経済や無策の政府に関することとともにもうちょっと突っ込んでもよかったかもしれません。

2006年アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞ノミネート
2006年セザール賞最優秀初監督作品賞
その他いっぱい
(2007.4)



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