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ドーン・オブ・ザ・デッド 2004 アメリカ
東宝東和
DAWN OF THE DEAD
ストーリー  看護婦アナはいつも通り一日を終えた。翌朝寝室のドアが開かれると近所の娘ヴィヴィアンが異様な姿で睨みつけていた。。。ロメロ『ゾンビ』のリメイク作品。
監督 ザック・スナイダー
出演 サラ・ポーリー ヴィング・レームズ タイ・バーレル
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★ ★★★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  これは怖いゾンビだ!何と言っても動きが速いのである。ノソリノソリと忍び寄るゾンビの恐怖感も捨てがたいのだが、普通の人間よりも速いので追いつかれ襲われる恐怖感はたまったものじゃない。オリジナルの方はかなり笑えるゾンビも多かったのに、これはみんなシリアス。ゾンビたちも躊躇無くトラックに飛び込んでいったりして、人間らしさのカケラもないのだ。
 後半の装甲バスのシーンでは、気持ちよいくらいのアドレナリンが放出されるほど激しく血みどろの死闘が繰り返され、観ている者も戦いに参加しているような気分になってしまいます。難点を挙げれば、登場人物がどんどん増えていくこと。名前が覚えられません。
(2004.5)

敦煌 1988 日本
東宝
ストーリー 11世紀の中国。宗と西夏の争いを中心に文化遺産を守りぬいた男の歴史ロマン大作。
監督 佐藤純弥
出演 佐藤浩市 西田敏行 中川安奈
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★
コメント  井上靖の原作を読んでいたのでストーリーはわかりやすかった。ちなみに映画を観たのは試写会で、中川杏奈が挨拶していた(ような気がする)。歴史の戦争ものというのは武力中心になりがちであるが、文化遺産を後世に残すという文科系的ロマンがそこにあった。シルクロードで敦煌が発見されてから様々な妄想が生まれ、この作が完成したのだと思うが、どことなく手塚治虫の世界に似ているかもしれない。

1988年日本アカデミー賞主演男優賞(西田敏行)、監督賞、撮影賞、照明賞、美術賞、録音賞、編集賞、新人俳優賞(中川安奈)、特別賞
(2004.1)

どん底 1957 日本
東宝
ストーリー  ゴーリキイの同名戯曲をモチーフに江戸時代末の長屋を描いた群像劇。
監督 黒澤明
出演 中村鴈治郎 山田五十鈴 香川京子
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★ ★★★ ★★★★ ★★★
コメント  ドンスクドンドン♪ 長屋のメンバーがアカペララップで盛り上がる。
 基本的なストーリーよりもそれぞれの役者が粋な台詞を吐くシーンがとてもいい。日頃、時代劇というと華やかな部分しか見ていないけど、庶民の暮らしはこんなもの。傾いた建物、合宿所のような佇まい。それでも懸命に生きているところがいい。
 左卜前の存在をどう捉えるか・・・亀の甲より年の功というセリフに象徴されている仙人のような人物だったんだろうけど、最後まで画面にいなかったことから考えると、庶民のために神が遣わせた人物だったのだろうか。
(2008.9)

どんてん生活 1999 日本
スローラーナー
HAZY LIFE
ストーリー  開店前のパチンコ店。フリーターの町田努とリーゼント頭の南紀世彦(山本)は知り合った。
監督 山下敦弘
出演 山本浩司 宇田鉄平 康李丹
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★★ ★★★★ ★★★ ★★★
コメント  南紀世彦は自宅のアパートへ努を誘い、裏ビデオのダビングの仕事を頼む。
 ストーリーとしては、パチンコをしたあとにただ語り合うだけの青春ものの雰囲気がある。万引きしたり、店員を殴り殺すという妄想をしたり、ダラダラ生活している大学生やフリーターの心の中そのもの。1億落ちてたらいいなぁ・・・と会話に必ず出てくる生活はリアルだ。
 日本のカウリスマキと呼ばれるほどの才能はここから始まる。ただし、この作品は20代の人間像が中心となり、かつてはだらしない生活をしていた年配の人がアナクロとして楽しむ以外は、若者限定の観客向け。まだ観る者の立場まで考えていない監督が才能の片鱗を見せただけの映画だと思う。
(2005.7)

冬冬(トントン)の夏休み 1984 台湾
フランス映画社
A SUMMER AT GRANDPA'S 冬冬的假期
ストーリー  台北の小学校を卒業したトントンは夏休みに母が入院したため、妹のティンティンとともに田舎で開業医をしている祖父のもとで過すことになった。
監督 ホウ・シャオシェン
出演 ワン・チークアン リー・シュジェン グー・ジュン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★
コメント  小学校の卒業式。中国語の「仰げば尊し」を大合唱して始まる・・・ 「男は15歳で出国禁止だから来年日本のディズニーランドへ行く」などという台詞もあった。
 旅には若い叔父さんも付き添っていたが、恋人と一緒に彼女の実家のある家で途中下車し、寂しく兄妹で目的地へ。駅前にいた少年たちとは、ラジコンカーとカメを交換することですぐに仲良くなったトントン。そこからは友達との遊びがメイン。時として祖父に叱られ、勉強や音楽を教えてもらう場面も・・・
 強盗に殴られて運び込まれた怪我人を見て「犯人を知ってる」と言ったトントン。叔父さんが妊娠させた娘の問題とか、子供が口を出すことではないけど、大人の世界を垣間見てしまったトントン。
 子供たちの間では、妹ティンティンに着いてくるなといったら、電車に轢かれそうなところを風変わりな女に助けられたりとか・・・かなり危険なシーンだったぞ。名前はハンズ、精神障害だけどティンティンとは気が合うようだ。
 ノスタルジーを感じる小さな映画であるはずなのに、事件が多く起こることが難点。叔父の結婚や逮捕とか、ティンティンとハンズのことも扱い方が小さすぎ。最後には痔になった叔父さんも意味不明だし、車で帰宅するシーンで「赤とんぼ」を流すなんて日本を意識しすぎ?
(2008.2)

トンネル 2001 ドイツ
アルシネテラン
DER TUNNEL
ストーリー  1961年東西ドイツを分ける壁が出来た。水泳選手のハリーは何とか西へ逃亡できたが、残してきた大切な人を脱出させるためにトンネルを掘る計画を立てる・・・
監督 ローランド・ズゾ・リヒター
出演 ハイノ・フェルヒ ニコレッテ・クレビッツ セバスチャン・コッホ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★ ★★★ ★★ ★★
コメント  実際にあった話なのだから、しょうがないとは思うけど、つまらない。多少の緊張感はあるんだけど、心に訴えてくるものがない。巨大な再現ドラマといった雰囲気があるなぁ。
 ベルリンの壁に関しては、脱出よりも崩壊によって再会するドラマの方が絶対に感動する。
(2005.1)

トンマッコルへようこそ 2005 韓国
日活
WELCOME TO DONGMAKGOL
ストーリー  1950年、朝鮮戦争が激化する中、連合軍は民間人をも無差別攻撃し始めた。3人の北の兵士、2人の南の兵士、そして1人のアメリカ人もが負傷して山奥の不思議な村“トンマッコル”に辿り着く・・・
監督 パク・クァンヒョン
出演 シン・ハギュン チョン・ジョヨン カン・ヘジョン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★★ ★★★★★ ★★★★★ ★★★★ ★★★★★
コメント  でかいイノシシにはスローモーションがよく似合う。
 敵に見つからないようにと傷ついた仲間をも撃ち殺した北の兵士たち。逃亡兵となって森で自決しようとしていたところを衛生兵によって助けられた南の兵士。そして飛行機が墜落して九死に一生を得たアメリカ兵。それぞれが山奥のトンマッコルの村へ辿り着く。不思議な白い蝶によって邪悪な者から守られたかのような、純粋な心で武器も持たない平和な村。戦争とは無縁であり、手榴弾なんて誰も見たこともなさそうだし、銃を向けられても手を上げるのは博識のキム先生だけだったりする。
 久石譲の音楽効果も相まって、宮崎アニメの実写版のような雰囲気に包まれた作品。製作者側も確実に見ているだろう宮崎アニメがところどころにオマージュされているかのよう。『もののけ姫』に出てくるような幻想的な村の入り口。『風の谷のナウシカ』のような墜落機の残骸。雨の中、若いテッキがバカ女と呼ばれていたヨイルに手ぬぐいを差し出すシーンで『トトロ』を感じてしまいました。宙に明かりを浮遊させる幻想的な夜のシーンでは小栗康平監督の『埋もれ木』を思い出すのですが、これも宮崎アニメにあったのかな。
 戦争が起こっていることを忘れさせてくれるような理想郷。現実的ではないにしろ、武力によらない南北統一の夢をも感じさせ、ファンタジーでありながら戦争の愚かさを痛烈に批判した作品だと感じられます。しかし、映画は無情にも平和なまま終わることはありません。連合軍が遭難したスミス大尉を捜索する名目で村を攻めてきたとき、村人がとった行動に思わず涙。さらに、その村を守るために彼らのとった行動にまた・・・ここでは怒りと復讐心にまかせて最後の1人を殺さなかったというストーリーが光っていました。
 敵対していた役を演じるシン・ハギュンとチョン・ジョヨン、2人の俳優の名演とともに、“兄貴”と呼ばれたイム・ハリョンが渋い演技でした。こんな村があってもいいのにな〜などと軽く妄想してしまいますが、こうした平和な村を作るのか現実的な課題なのかもしれません。だけど菜食主義じゃ辛いかも・・・
ポップコーンも忘れずに。
(2006.10)



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