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椿三十郎 1962 日本
東宝
ストーリー  社殿で上役の不正を暴こうと密談していた9人の若侍。そこへこっそり聴いていた三十郎。
監督 黒澤明 原作:山本周五郎『日々平安』
出演 三船敏郎 仲代達矢 小林桂樹
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  『用心棒』で作り上げられた三十郎のキャラクター。体力勝負のシーンよりも知的戦略の面が冴えている。リメイク版ではそうした固定イメージがないことから、すんなりと三十郎のキャラを楽しむことができなかった。どちらかというと伊織(リメイクの松山ケンイチ)が浮きたっていたように思う(オリジナルでは加山雄三)。
 城代家老は“馬ヅラ”の言葉通りの伊東雄之助。藤田まことでもピッタリ合ってたのに、さすがにこれにはまいった。
 ラストの室戸との対決は一瞬の勝負だったがものすごい血飛沫。ビックリするぞ。「本当にいい刀は鞘に入ってる」という言葉も妙に印象に残るようになってるなぁ・・・
(2008.5)

椿三十郎 2007 日本
東宝
ストーリー  黒澤作品をリメイク。
監督 森田芳光
出演 織田祐二 豊川悦司 松山ケンイチ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★ ★★★
コメント  城代家老睦田(藤田まこと)の夫人は白木万里がいいと思う・・・
 “天衣無縫”という言葉によってキャスティングされただけのような気もする中村玉緒。だけど、好きじゃない。黒澤映画『影武者』で降板させられた経緯のある勝新太郎。どういった思いでこの黒澤リメイクに臨んだのかは想像しかねるけど、織田裕二がどこまで三船敏郎の演技を真似できるかを見届けていたのかもしれません・・・。最後に藤田まことが登場することによって、「おめーさんの怨み晴らしてやったぜ」という台詞が思い浮かび、まさか勝新の怨みを?などと余計なことを考えてしまったのは、パチンコのやりすぎのためです・・・。
 実は黒澤映画はそれほど観ていない。このオリジナル作品も見たことないはずだと思い込んでの鑑賞でしたが、途中から記憶が甦ってきました。それよりも織田祐二が喋る度に三船敏郎が被ってしまい、そんな印象を残すほど研究していたんだと、別の意味で感心してしまいました、お見事!
 森田芳光監督も最近はハズレが多かったので、ここらで大博打を打って出たと思わせる巨匠監督のリメイク。オリジナル脚本をそのまま使用するのだし、ストーリー的には問題もない。それでも失敗だと感じるのはキャスティングなのでしょう。特に豊川悦司。似合わない。彼の登場するシーンは、もしかして笑ってもいいのか?と、周囲の観客をもチェックしてしまったほどです。もし、キャスティングが先に決まっていたのなら、それに合わせてセリフを手直ししても良かったのではないかと感じました。まぁ、藤田まことはピッタリでしたが・・・
 オリジナルを知らない世代が楽しむには丁度いいのかもしれない。見たことすら忘れているので比較はできないけど、俳優のイメージとかけ離れていることさえ我慢すれば、楽しめる映画でした。
(2007.12)

椿山課長の七日間 2006 日本
松竹
ストーリー  死んだ椿山は未練が残るため中陰役所で3日間だけ現世に戻ることが許された。
監督 河野圭太
出演 西田敏行 伊東美咲 成宮寛隆
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★★ ★★★ ★★★ ★★★★
コメント  がに股歩きの伊東美咲。はたして『転校生』のように体を触りまくるのか?!
 “死”を軽く扱ってるのかと危惧していたのですが、“重大なこと”を知らずに死んでしまうことを考えると、とても死ぬのが怖くなる。基本的にはハートフルコメディなので、重要なメッセージなどはないのかもしれない。しかし、死んだ者よりも残された人々の悲しみや、報復の連鎖を断ち切りたいという願いが、軽々しく自ら命を絶つこども達へ勇気を与えてくれる映画になっているような気もしました。“死”を軽く扱っている作品に出ている藤村俊二が出ているところも興味深いところだ?
 組んだばかりの住宅ローン、息子のこと、痴呆症になってしまった父親のことなど未練が残りすぎの主人公椿山和昭(西田敏行)は“中陰役所”において現世に戻ることを許される。他に許されたのは子分が報復するのを止めたいヤクザの親分と、生き別れになった両親に会う目的の少年雄一だった。3人とも姿を変えて現世に戻り、3日間の猶予でそれぞれ目的を果たさなくてはならない。しかも、人に本人であるとバレてはならない。復讐をしてはならないという制限付きだったのだ・・・
 重大な事。それが何なのか、誰から教えられるのか全くわからないまま、とりあえず自宅へと向かう伊東美咲=西田敏行。「妻が部下と浮気していた!」といきなりの先制パンチを浴びるが、これだけで終わるはずがない。次から次へと重大なことを知らされるのです。それぞれが目的に近づくのですが、人間関係が見事に繋がってゆき、ひとつひとつのエピソードに涙を流すばかり・・・そろそろ涙を乾かさねばと帰り支度をしようとすると再度涙腺決壊のエピソードが訪れるといった波状攻撃を喰らってしまいました。
 椿山の息子には最近出番の多い須賀健太くん。そして彼が仲良くなる雄一の化身は志田未来ちゃん。2人は『雨鱒の川』でも将来を誓った仲だったのですが、この2人の演技がとてもよかった。伊東美咲は今まで下手な演技力でがっかりさせられることが多かったのですが、常に「これは西田敏行なんだ」と思いながら見ていると演技のことなど忘れてしまうくらい面白かったです。それにしても序盤に西田敏行が倒れるシーンは真に迫っていました。
 
(2006.11)

翼よ!あれが巴里の灯だ 1957 アメリカ
WB
THE SPIRIT OF ST. LOUIS
ストーリー  1927年。リンドバーグはニューヨークからパリへ飛び立った。
監督 ビリー・ワイルダー
出演 ジェームズ・スチュアート マーレイ・ハミルトン バートレット・ロビンソン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★★ ★★★★ ★★★ ★★★
コメント  38時間の飛行だ。起きているだけでも大変なのに操縦しているのだ。あ、眠ったら死ぬぞ!と観る者が一番眠気がなくなってくる瞬間だ(笑)。独り言をつぶやき続け、回想シーンに突入だ。そのくらいしなければ眠気は消えないだろうし、観客だって・・・

1957年アカデミー賞特殊効果賞ノミネート
(2004.12)

翼をください 2001 カナダ
アルバトロス
LOST AND DELIRIOUS
ストーリー  寄宿舎に入ったメアリーはポーリーとトリーを同室になる。二人はレズビアンだったのだ。レズの噂が学内に流れそうになったときにトリーは男に走るが。。。
監督 レア・プール
出演 ミーシャ・バートン
(メアリー)
パイパーパラーボ
(ポーリー)
ジェシカ・パレ
(トリー)
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★ ★★★★ ★★★ ★★★
コメント  ちょっぴりエッチな学園ものだと思って観ていた。寄宿舎で女の子だらけになると、レズビアンという感覚は持たなくても仲良くなりすぎることはあると思う(男が言うのも何だが・・・)。たまたま好きになった相手が同性であっただけだと考えればすむことだ。「私はレズビアンじゃなくてトリーを愛している!」という台詞にも表れてます。それにしても、ポーリーがアンジェリーナ・ジョリーと重なって見えるなぁ。
 鷹匠のようにハヤブサを飼いならすポーリーが格好よかった。
(2004.4)

ツバル 1999 ドイツ
アルシネテラン
TUVALU
ストーリー  架空の国。室内プールで盲目の父の手伝いをするアントンは外に出たことがない。ある日、常連客に連れられてやってきた娘エヴァを見た彼は一目惚れ・・・
監督 ファイト・ヘルマー
出演 ドニ・ラヴァン チェルパン・ハマートヴァ テレンス・ギレスピー
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★★★ ★★ ★★★
コメント  夢を見るシーンではカラーになるけど、全体的にモノトーン。しかもブルーが基調になったり、赤、緑、黄・・・とそれぞれ違ったモノトーン。心情変化を表しているのかと思えば、そうでもないし、実験的な色彩感覚は印象に残る。
 エヴァの父親がボロボロなプール施設のために天井から落ちてきた石で死んでしまい、アントンとエヴァの関係ももろくも崩れ去るかと思うが、予想外の展開へ。発火プラグのようなモノで奪い合いが繰り返されたり、プール施設の検査が重要だったりしてくる。グレゴールという敵対する人間もいて、彼ががどうもわからない。
 監督はもともと短編映画出身なので、それぞれのシーンはインパクトがあり印象深い。エヴァ(ハマートヴァ)のヌードも巨乳であるのにロリコン風だし、それを覗くアントン(ラヴァン)もいやらしい・・・独創的すぎてつかみ切れないところもあるけど、エヴァの持ってる鳥かごをパチンコで撃って鳥を逃がしたり、金魚と一緒にプールで泳いだりするシーンもあったことから、閉じ込められ鬱屈した青年が解放される様子がテーマなんだろうなぁ。
(2008.10)





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