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THE WINDS OF GOD -KAMIKAZE- 2006 日本
松竹
ストーリー  ニューヨークの売れないコメディアンのマイクとキンタ。ついにライブハウスをクビになってしまい、彼らは交通事故に遭う。2人が意識を取り戻すと、なんとそこは1945年8月1日の日本。しかも2人は神風特攻隊に所属する前世の姿になっていた…。
監督 今井雅之
出演 今井雅之 渡辺裕之 千葉真一
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★ ★★ ★★★ ★★★ ★★
コメント  1988年から始めた舞台劇が今井雅之のライフワークとなったらしい。2001年に公演を打ち切りにするつもりが、9.11の際に米メディアに“カミカゼ・アタック”と書かれたことに憤りを感じて再開。そして、この全編英語の映画製作にも踏み切った、とのこと。
 そのため日本人のコメディアンという設定がそのままアメリカ人になったため、特攻隊の意義や命を大切さという点で異色の脚本となっている。なにしろ主人公がアメリカ人なのだから、同国人によって攻撃され、彼らと戦うのだから。そこで、日本人やアメリカ人が憎いのではなく、戦争、人間そのものが憎い、といったセリフまで聞かされる。
 今井のネット評を見るとわかるが、特攻隊の崇高さや当時の志願した若者の心情をアメリカ人に理解してもらいたいことがわかる。右翼的な考えではあるけど、基本的に戦争反対。命の尊厳というテーマは十分に伝わってくるのだ。ところが、コメディベースであるため、“ヒロヒトのために命を”などと、かなり際どい部分もあったり、軍の規律までも茶化しているところに彼の考えが混沌としている様子がうかがえる。
 結局はタイムスリップでの面白さが活かされてなかったり、特撮の出来の悪さをドキュメントフィルムで誤魔化してあったりと、素人くささも隠せない。また、キンタの年齢と母親の年齢がどうもずれてしまっていたり(1988年当時の本だから仕方がないのかも)、時代考証もイマイチだったりするのが残念。しかし、“生まれ変わりはない”という考えで締めくくるのはいいし、キンタが死んでしまうところもSFとしてはいい結末。
 なんだかんだと言って、ネタがNATOばかりなのは退屈。笑える箇所がヒロヒトだけだった・・・
(2008.8)

ウィンター・ソング 2005 香港
角川ヘラルド映画
PERHAPS LOVE 如果・愛
ストーリー  北京で突然去った彼女。10年間忘れずにいたが、映画によって再会を果たす。
監督 ピーター・チャン
出演 金城武 ジョウ・シュン ジャッキー・チュン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★ ★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  ロックンロール・ウィドウ香港バージョンが楽しめる。
 「商業映画を作る気なの?」という台詞がずっと残ってしまうのですが、劇中映画はどうだったのでしょう。現在と過去、そして撮影中である映画がらせん状に絡まったストーリー。10年前の北京では、映画監督になるべく映画学校に通う金城武と女優を目指すジョウ・シュンの貧しいながらも幸せな恋人時代。突然去ってしまった彼女に再開するのは彼が俳優デビューを果たしてからだった。彼女は映画監督であるジャッキー・チュンと関係を続けていたが、男女の三角関係を描くミュージカル映画と同じように元彼が登場した形となった・・・
 映画でのヒロインは過去の記憶を失った女性でしたが、現実の世界でも記憶を失ってしまったかのように金城武を無視し続ける。ハリウッドからも声がかかるほどの女優になったので、それも演技なのか、本当に忘れてしまったのか、失った恋人に苦悩する金城とは対照的に描かれる。過去を思い出し眠れなくなったときにはホテルのプールで瞑想する・・・彼にとってはノイジーな歯軋りのほうが子守唄代わりになったのかもしれません。
 壮大な三角関係、三角時系列、そして、北京・香港・上海の三角地帯。この三角を打ち破り、過去の愛を取戻すに、金城武はジョウ・シュンを北京の愛の巣に連れて行くしかないと判断するのです。ともに男優、女優となって壮絶な騙し合い演技合戦がはじまり、急きょラストシーンの脚本を書き換えるというジャッキー・チュン監督も加わったおかげで息を飲んでしまうほど緊迫感あふれる市街空中ブランコのクライマックスへとなだれ込むのです。
 最後に酸拉麺を食べさせられた金城武でしたが、店員が見事に2人の男を見比べていました。彼にとってはジョウ・シュンと北京で食べたラーメンの味のほうが良かったのかもしれません。
(2006.11)

ウィニング・パス 2003 日本
シネマ・アルチ
ストーリー 北九州市の高校生小林健太はバイク事故で下半身不随となってしまう。自暴自棄になっていた健太はリハビリ中に車椅子バスケの試合を目の当たりにし、出会った青年・誠に誘われ、早速取り組み始める。
監督 中田新一
出演 松山ケンイチ 堀北真希 角替和枝
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  何かと反抗的なバスケ部員の健太。コーチは寺島進だ。ガールフレンド香織(佐藤めぐみ)とバイクで海岸までデート。そして家へ帰っても父親(矢崎滋)に対して反抗的。むしゃくしゃするうち、雨の中をバイクで・・・ドカン・・・と自損事故。入院中も反抗的だったのに、家族や友人の献身な態度に胸打たれる。特にバスケ部の友人が学校受け入れの署名活動とか・・・
 リハビリも頑張り、3か月で退院となったが、家へ帰ってみてびっくり。バリアフリーの大改造してあったのだ。友人は迎えにきてくれるし、クラスでは皆歓迎してくれる・・・この時点でウルウルしてしまう。小便・大便と自分で調節できないので、クラスで漏らしてしまったシーンもある。
 後半は普通のスポーツ映画になってしまい、それほど面白味はないけど、前半は見どころがいっぱい。矢崎滋の演技はイマイチ。しかし、その他の俳優はいい。松ケンといい、堀北真希といい、今では人気のある俳優が出ているのに、なぜメジャー公開されなかったんだろうと思ってしまうほど。

(2008.2)

ウェイクアップ!ネッド 1998 イギリス
K2エンタテインメント=東京テアトル
Waking Ned
ストーリー  アイルランドの小島の村タリーモアの老人ジャッキーが、この村の誰かに12億円の宝くじが当たったと発見する。おこぼれにあずかろうと親友マイケルと当選者を探し出すのだが・・・
監督 カーク・ジョーンズ
出演 イアン・バネン デヴィッド・ケリー スーザン・リンチ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★
コメント  ジャッキーじいさん。冒頭から当たったかと勘違いしてしまったぞ!(笑)
 村人は52人。仲良くするもなにも、みんな仲がよさそうな村だ。一人ずつに酒を奢ってみても効率が悪い。そこで宝くじ購入の常連者を集めてチキン・パーティを開いたのだが、それでもわからない。しかし、一人だけ参加していなかった者がいたのだ・・・ネッド・ディヴァイン。早速彼の家を訪ねてみると、宝くじを握りしめて死んでいたのだ。50万ポンド。しかし繰越金額が貯まり600万ポンドだったのだ。
 死んでしまったものはしかたがない。マイケルと山分けするつもりで楽しんでいたが、ロト調査員がやってきて大慌て、マイケルはネッドに成りすまして調査員を納得させる。しかし良心が痛む。そこで村人を集めて、52人で山分けすると宣言。皆で「マイケルはネッドなんだ」と念を押す。
 金のことはどうでもいい村人もいるが、ほとんどが酒を飲んで浮かれている。しかし、「詐欺で訴えたら1割もらえる」と村の意志に逆らう老婆が一人。条件はネッドの葬式を執り行なうことだったが、その葬儀の最中、調査員がやってくる。ギリギリのところで
 ラストのシークエンスは凄い!それまで淡々とした平和なコメディという展開だったのに、運命を左右するアクションシーン。歓喜するほど浮かれて音楽を楽しむカット、公衆電話から告発しようとする聾唖、運転する調査員、それぞれのカットの切返しが絶妙な編集だ。「実はネッドの子なの」と告白するマギーがおまけにしか思えないが、まぁいいか。
(2006.12)

ウエスト・オブ・ザ・デッド 2005 アメリカ
劇場未公開
All Souls Day: Dia de los Muertos
ストーリー  1882年、メキシコ。1952年メキシコ国境近くのモーテルに泊まろうとしていた4人家族。2005年、ジョスとアリシアが・・・
監督 ジェレミー・カステン
出演 マリサ・ラミレス トラビス・ウェスター ダニー・トレホ
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★ ★★★★ ★★★ ★★
コメント  11月1日“死者の日”。祭りのためにメキシコ人の生贄が必要らしい。葬式の列にアリシアたちは舌を抜かれた女に出会い、保安官に預けるが、車が動かなくなったため53年前のモーテルに泊まる。さびしかったのか、恐怖を感じたためか友人を呼び寄せる・・・
 あの保安官は53年前のポリオが治った少年リッキーだったのかな。モーテルの女は幽霊だったようだし・・・純粋なゾンビものじゃなく、メキシコでアステカ文明の遺跡を発掘したことにより流血事件が起こり、バルガス・ディアス(ダニー・トレホ)が不死の体を手に入れたことから起こる悲劇。年に一度、“死者の日”に発掘現場に埋められた村人が蘇るのだ。
 バルガスへの復讐のために蘇るわけだが、代わりの生贄が欲しいために人間を襲う。でも、あまり怖くない。冒頭の1952年のエピソードが最も怖い。
 モーテルの女がアリシアに言って聞かせる回想シーンがなかなか良くできた西部劇。誰だってトレホを殺したくなるぞ。それにメイクアップもなかなか良くできているのです。やっぱり緊迫感がないのが痛い。
(2008.11)

ウェディング・バンケット 1993 台湾/アメリカ
ヘラルド
THE WEDDING BANQUET
ストーリー  台湾からNYへと移り成功したゲイの青年ウェイトン。同居する恋人サイモンがいるのに両親がやってくることに。心配させぬため中国人女性ウェイウェイと偽装結婚することに・・・
監督 アン・リー
出演 ウィンストン・チャオ ミッチェル・リヒテンシュタイン メイ・チン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★★ ★★★ ★★★ ★★★★
コメント  そういやアメリカにはめんどくさい結婚披露宴なんてないのかもしれない。
 絵を描いているウェイウェイは家主であるウェイトンとグリーンカード取得のために偽装結婚を承諾する。サイモンもなかなか寛大。というか、人間ができている感じがするな〜
 結婚1週間前に友人を招待したのに大勢集まるってことはさすが台湾人の連帯感。女ひとりで海外生活はつらいと言ってたウェイウェイの気持ちもよくわかる。偽装のつもりがついついセックスしてしまい、妊娠してしまうのだ。両親にはわからないように英語で口論したりとかコミカルな部分も真面目な作りになっていて、実はこっそり英語を理解していた父親というサプライズもほんわか。
 ゲイであることをカミングアウトすること。やっぱり正直が一番!そして、堕胎しようとしていたけど、父親が騙された振りをして孫を抱きたいと言うシーンにはウルウル・・・奇妙な3人の共同生活が始まってエンディングを迎えるけど、続きも観てみたい気がする。
(2008.4)

ウェルカム・トゥ・コリンウッド 2002 アメリカ
クライドフイルムズ
WELCOME TO COLLINWOOD
ストーリー  服役中のコソ泥コジモ(ルイス・ガスマン)はベリーニと呼ばれる強奪計画を聞き、愛人に身代わりの囚人を見つけるよう命じる。しかしなかなか見つからず、次から次へとコリンウッドの人に知れ渡り・・・
監督 アンソニー・ルッソ
出演 サム・ロックウェル ウィリアムHメイシー イザイア・ワシントン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★★ ★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  身代わりのことをムリンスキーなどと呼んでた。投獄されたのは車の窃盗のみ。服役期間も短いけど、いろんな理由で断り続けられる。30万ドルのヤマがあるんだから1万5千ドルなら見つかるんじゃないか・・・。誰にも言うな!と言ってるのに次から次へ・・・
 ウィリアム・H・メイシーなんて妻が1000ドルの罰金を払えず1年間ムショへ。幼子を抱えて大変そう。ダメボクサーのサム・ロックウェルもいいし、みな愛すべきチンピラたち。しかし、このコリンウッドというのはよほど恵まれてないのか・・・。なんせ巡査まで金庫破りの件を1万6千ドルで買収されてるんだから。
 あの手この手で機転は利くけど、すべて悪い方向に転がっていく金庫破り計画。コジモが死んでしまうところまではよかったのに・・・。まぁ、捕まらないところがまだ救われたか。
 ソダーバーグと端役で出演しているジョージ・クルーニーが設立した独立プロダクション、セクション・エイトの第1回作品。ハリウッド大作では出せない味のある映画となった。
(2008.1)

ウォーター・ホース 2007 アメリカ
ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント
THE WATER HORSE: LEGEND OF THE DEEP
ストーリー  大戦前夜のスコットランド。母と姉と3人暮らしのアンガス。ある日ネス湖のほとりで卵を見つけ、やがて孵化して恐竜が生まれた。クルーソーと名付けたアンガスは湖に帰してやるのだが・・・
監督 ジェイ・ラッセル
出演 アレックス・エテル エミリー・ワトソン ベン・チャップリン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★ ★★★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  これは実話だ!誰が何と言おうと実話だ!
 有名な写真が捏造だったと知ってから全く興味がなくなってしまったネス湖のネッシー。最近は『ラッシー』にまでネッシー登場したので、全てが冗談としか思えなくなってしまったほどだ。ああ、それなのに、この映画では冒頭から“真実だ”と強調する・・・ある爺さんが若者に昔話を聞かせるという展開なのですが、途中でハッと気付きました。観光地で客に昔話を聞かせてファンタジーの世界を楽しませる爺さんがいる!こんな名物爺さんがいるということが真実の物語だったということを・・・え、ちがう?
 ほのぼのとした恐竜。孵化したばかりの恐竜はアシカのような動きで屋敷の中を駆け回ります。少年アンガスは彼をクルーソーと名付け、父親のいない寂しさも彼を育てることで楽しく過ごすことになる。しかし、時代は第二次大戦前夜、その大きなお屋敷はイギリス軍が宿泊所として接収され、イギリス軍はドイツ軍がネス湖から上陸すると予測し、潜水艦砲撃準備のために平和な湖畔で待ち構えているのであった・・・
 下働きにやってきた男ルイス(ベン・チャップリン)はアンガスに雌雄同体であることや、子どもが生まれると親が死んで世の中に1匹しか存在しないなどといったスコットランドのウォーターホース伝説を教えるのです。ドラゴン・クエストと同じだ・・・とアンガス少年は思ったかどうかはわかりませんが、そんな神のような存在に対しても、アンガスはマブダチであるかのような付き合いを続けるのでした(しかも恐れ多くも最初はペットとして扱っていた)。
 子供と恐竜、子供と怪獣、こんな設定にはなんだか騙されてしまいます。美しい自然にも癒されてしまいます。そこへ軍隊が砲撃でドーン!とやっちゃうもんですから、『キングコング』の悲しいラストを思い出してしまい、もうやめてくれ!とアンガス以上に苦しくなってしまうのです。おかげで、迫力ある映像も涙でかすんでしまったくらい・・・
 最新SFXというシロモノで、ウォーターホースはなんだか作り物だとは思えないほど。母親(エミリー・ワトソン)と娘が本物の親子かと思ってしまうくらい似ていたんですけど、これだけの映像技術なんですから、娘もSFXなのでは?と疑ってしまいました。また、音楽はジェームズ・ニュートン・ハワードが担当していて、とてもケルティッシュです。浸れます。感動します。だけどネッシーは信じません・・・
(2008.2)

ウォンタクの天使 2006 韓国
エスピーオー
HOLY DADDY
ストーリー  詐欺で服役中のヨンギュは出所前日にキックベース中に死んでしまう。天国に向かう直前、天使に頼み込んで高校生ハ・ドンフンとして息子の友人として地上に降り立つのだが・・・
監督 クォン・ソングク
出演 イ・ミヌ ハ・ハ(ハ・ドンフン) イム・ハリョン
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★ ★★★ ★★★ ★★★ ★★★
コメント  昭和の始め、市内ならどこまで乗っても1円というタクシーがあった・・・
 なんのことはない、ウォンタクとは主人公の名前でした。父親ヨンギュ(イム・ハリョン)は詐欺師で服役中だったが、キック・ベースボールのプレイ中に出所目前にして死んでしまったのだ。真面目に働こうと誓っていた彼は息子と良い思い出を残したいがために、天使に頼み込み、高校生ハ・ドンフンとなって地上に降り立った。天使は暴力団の親分ソクチュの身を借りて、彼を助けることにするのです。
 主人公のウォンタクは韓国のアイドルグループ“神話”のメンバーであるイ・ミヌ。雰囲気はジャニーズ系です。不良っぽいキャラ、台詞も抑え目、文句なしのアイドル映画なのですが、父親役のイム・ハリョンや彼が乗り移ったハ・ドンフンがコメディアンキャラなので、安心して笑いながら観ていられました。
 基本的には、高校生となった父親が息子と友人の関係を築くため奮闘する物語。自分が前科者だけに、息子には真っ当な人生を歩んでもらいたい。しつこかったり、強引だったり、かなり鬱陶しい存在ではあったけど、やがて友情を育むことになる・・・しかし、本当は父親なんだと名乗ることもできず、そのうち天国へ戻らなければならなくなる。ある程度予想できる展開だけど、息子が高校を退学になるなんてのは想定外。韓国の教育事情も気になるところです。
 監督は『ライフ・イズ・ビューティフル』に影響を受けたらしいのですが、脚本にはそこまでの深みはありませんでした。ヤクザに乗り移った天使のエピソードも惜しいし、同級生の女の子との関係も描き込み不足。それでも、ラストの家族写真やアルバムを眺めるシーンには涙が流れることは間違いなし。爽やかに泣きたい方におすすめです。
(2007.10)

ウォンテッド 2008 アメリカ
東宝東和
WANTED
ストーリー  冴えない青年ウェスリーは謎の美女に狙撃犯から助けられる。暗殺集団の隠れ家に連れていかれ、父親が1000年前から受け継がれてきた“フラタニティ”の一員で王位継承者でもあることを教えられる。
監督 ティムール・ベクマンベトフ
出演 ジェームズ・マカヴォイ モーガン・フリーマン アンジェリーナ・ジョリー
音楽 ストーリー 映像・演出 俳優 総合評
★★★★ ★★★ ★★★★★ ★★★★ ★★★★
コメント  あいつはどこにいるのか、盗んだ心返せ〜
 よく読まなかったせいで、キーボードで友人バリーをぶん殴った時に散らばったキーを並べるギャグ映像に“U”の字が二つ必要だったことに気付きました。弾丸に“GOOD-BYE”と彫ってあったのも、アンジェリーナ・ジョリーが覚悟を決めていたためなのか、トレードマークのようにいつもその弾を使っていたのか悩みましたけど、キーほどではありませんでした。
 アフター『マトリックス』のCG満載映画時代。斬新な映像を追求する作品は多いけど、使われるのはなぜだか銃撃シーンばかり。もう当たり前になってしまってるのですね。それでも「弾は真っ直ぐに飛ぶ」という常識を打ち破った点では少し道が開けたような気もします。だけど、VFXで一番良かったのは列車墜落シーンだったかもしれません・・・
 それにしても、なぜタイトルが『ウォンテッド』なのだろう・・・観た直後に沸いた疑問。“フラタニティ”という組織が作られたのは1000年前だし、1人を暗殺して1000人を救うとか、1000匹のねずみというキーワードが示すように『1000』というタイトルでもいいじゃないか!などとゴタクを並べてみても、鑑賞中はピンクレディの歌が頭に鳴り響いていた者の言うことは説得力がありません。
 撃つ構えなんてのは、野球のサイドスローのようなばかばかしさだって素敵だし、モンスター級のすごい奴が相手でも逃げないで魔球を投げてきりきり舞いさせる面白さ。暗殺者ばかりの集団には信じられないことばかりある世界だと思いますが、やっぱり油断は駄目。ほらあなたの後ろにいる、あなたを狙っている。と、冒頭シーンとラストシーンを被らせるところも面白かったです。
 それにしてもアンジーはやっぱりセクシー。いちころでダウンです。それに頼れる姉御肌。自分の恋人が浮気をしていても邪魔をしないほど気弱なジェームズ・マカヴォイが、ピンチになってもアンジーがついててくれれば怖いものはないくらい強いんです。でも、うっかり信じたら駄目・・・そんなアンジーの役名はフォックスでしたが、もちろんあだ名に決まってます。
 
(2008.9)



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