運動靴と赤い金魚 | 1997 イラン アスミック・エース BACHEHA-YE ASEMAN CHILDREN OF HEAVEN |
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ストーリー | 小学校3年のアリは妹ザーラの靴を直してもらって帰途につくとき、運悪くその靴をなくしてしまう。家が貧しく、新しい靴を買ってもらえそうにないアリは自分の靴を妹と交互に履いて急場をしのぐ。そんなある日、学校対抗のマラソン大会が開催され、3位の賞品が運動靴であることを知る。。。 | |||
監督 | マジッド・マジディ | |||
出演 | ミル=ファロク・ハシェミアン | バハレ・セッデキ | アミル・ナージ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★★★ | ★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
コメント | 【ネタバレ注意】 イラン映画は初めてのような気がする。文化・生活習慣の違いも少しだけわかったし、驚いたのが溝が道路の真ん中にあること(笑)。そして石油産出国だけあって、貧富の差はすごい。アメリカと似たようなものだな。 日常の他愛も無いイランの風景。貧しくはあるが庶民的な生活の中に愛情がたっぷり感じられる。先ずは兄妹愛。そして父と息子、母と娘。学校ではアリは優秀なので先生の愛情も感じられた。 マラソン大会では後半、かなりのデッドヒートになるのだが、アリはよく頑張った!3位を狙っていたのに1位になってしまうとは・・・残念そうに帰宅するときのアリとザーラの表情がとにかく演技賞もの。金魚が癒してくれるシーンはゾクゾクするほど気持ちがいい。また父親が2人の靴を買ってくれるところでは涙があふれてきた(気づいてない人が多いようです)。 この手の庶民派映画には笑いがつきもの。見事に作られていました。それにしても、子供が2人主役ですよ、これ。子役なのに上手すぎますね。イラン映画侮れない。 1998年アカデミー賞外国語映画賞ノミネート (2003.12)
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雲南の少女 ルオマの初恋 | 2002 中国 ワコー=グワバ・グワボ WHEN RUOMA WAS SEVENTEEN |
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ストーリー | 中国雲南省の棚田に住むハニ族の17歳の少女ルオマ。焼きトウモロコシで生計を立てていたが、都会から来ているカメラマンのアミンに誘われ、観光客用のモデルとして働くことに・・・ | |||
監督 | チアン・チアルイ | |||
出演 | リー・ミン | ヤン・チーカン | リー・ツイ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | 焼きとうもろこし。 ユネスコ世界遺産にも登録されている、中国雲南省の奥地にある棚田。標高2千メートルを超え、雲を下に見下ろすところにあるのです。高地の壮大な景観のなかに、折り重なるように田んぼが広がっている映像には心洗われる思い。そこで農耕を営んでいる少数民族ハニ族。純粋で心優しく、また、女性たちの煌びやかな衣装・アクセサリーが際立っているのです。観光地化されても生活はほとんど変わらない。時折、都会への憧憬を感じる程度・・・ ルオマは市場でとうもろこしを売る17歳の少女。「可愛い」と言われ、観光客に写真を撮られるルオマ。やがて、カメラマンを目指す青年アミンと出会い、観光客相手に棚田を背景に民族衣装の彼女と写真を撮る商売を思いつく。1枚10元。とうもろこし20本分の金額だ。この仕事は成功し、次第にアミンに惹かれていくルオマ。しかし、アミンには都会に残してきた恋人リリがいたのだ・・・ ルオマが初めて手にするウォークマンと、初めて耳にするエンヤの澄んだ歌声。都会には行ったこともないし、話に聞くエレベーターにとても興味を持つ。とにかく純朴そのもののルオマは、村には若い男もいるけど、都会の匂いを漂わせるアミンに惹かれていった。決定打となったのは“泥かけ”なのですが、このシーンに至るまでの過程もなかなかよかった。 ルオマの純粋さにも心奪われてしまうのですが、彼女と一緒に暮らすおばあちゃんもいいのです。ハニ語しか喋れないというおばあちゃん。言葉少ないのに、心を伝えるのは天才的。眼前の雲海に向かって寂しそうに一人謡う一方で、しっかりと卵と餞別を残すところなんて感動的でした。 そして、最後まで明かされなかったことの想像。小さいときから両親はいないと言っていたルオマでしたが、彼女の両親は亡くなったのではなく、都会へと移り住んで戻ってこなかったんじゃないかと・・・そうでなければ、おばあちゃんの寂しそうな姿の意味が弱くなっちゃいますもんね。 (2007.9)
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ウンベルトD | 1951 イタリア イタリフィルム UMBERTO D |
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ストーリー | 年金支給額を上げよという元公務員たちのデモ行進。参加したウンベルトは家賃の滞納も膨れ上がり、金時計を売ろうと仲間たちに聞いて回るがままならない。 | |||
監督 | ヴィットリオ・デ・シーカ | |||
出演 | カルロ・バディスティ | マリア・ピア・カジリオ | リナ・ジェナリ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | 下宿に戻ってみると部屋が見知らぬ男女に貸されていた。そして下宿屋の女主人からは月末までには出ていけと突っぱねられる。相談相手でもある下宿屋の下働きの娘マリアからは妊娠3ヶ月だと教えられるが、彼女は2人の兵隊と付き合っていてどちらの子なのかわからない。 それでも身の回りのものを売ってなんとか金を作る。しかし耳をそろえて払わないとダメだと女主人。物乞いするにはプライドが許さなく、飼犬フライクに帽子を持たせたりする・・・もう自殺するしかないと考えるが、残されることになるフライクの処遇を決めたい。ペットホテルも高いし、子供に飼ってもらおうと思っても親が許さない。 犬とともに線路の脇に立つウンベルトの気持ち。現代では生活保護などが考えられるのだろうけど、どの時代も似ている。決して働かないで貧乏になったわけではない。子供もいなく連れ合いもいないという孤独老人の悲劇なのだ。しかし、家賃が年金を上回るなんて許せないな。 1956年アカデミー賞原案賞ノミネート 1955年NY批評家協会賞外国映画賞 (2006.4)
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運命じゃない人 | 2004 日本 クロックワークス |
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ストーリー | 恋人に逃げられた人のいい宮田武が親友の私立探偵神田勇介から呼び出される。 | |||
監督 | 内田けんじ | |||
出演 | 中村靖日 | 霧島れいか | 山中聡 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★★ |
コメント | 宮田・・・高価なマンション買ったんだから、防犯にも気をつかえよ。 レストランと宮田の部屋はタイムスパイラル・ムービーの核となった。時空は超えないが、視点を変えることによって徐々に明らかになる事実。「あんたもそこにいるんか!」「おまえもか!」と、かくれんぼをすると必ず人気が出て争奪戦となる隠れ場所のようだ。 『パルプフィクション』のように時系列をバラバラにしてパズルを解くような構成ですが、個人的に真っ先に思い出したのがヒットしなかった『ホワイトライズ』と今夏公開された『サマータイムマシン・ブルース』です(最近観た映画しか思い出せないだけかも)。「実は・・・」というサプライズが次から次へと沸いて出てくる展開には呆然とさせられました。最初はのんびり進み、台詞と間がジム・ジャームッシュ風だったけど、全体的には小粋な台詞が面白く決まっていて、恋愛指南する親友神田(山中聡)の口調が心地よく響きます。「地球人になれ」とか「知らない星」といった台詞による感情の伏線も物語を引き締めていた。 主人公宮田武は純情で人を疑うことを知らないかのようなお人よし。彼を演じた中村靖日がぴたりとハマっていたし、彼のもとから逃げた女あゆみ(霧島れいか)も詐欺師ではあるけど、なぜか憎めない役どころ。個人的に気に入ったバイプレイヤーはレストランのウェイターと便利屋山ちゃんだなぁ。 エンディング後のシーンも好きだ。見事に看護師24歳と繋がるところなどは期待を裏切らないサービスカットだったと思う。 (2005.10)
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運命の女 | 2002 アメリカ FOX UNFAITHFUL |
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ストーリー | 会社社長の夫を持つ主婦コニー・サムナーは、マンハッタンの暴風の中で一人の青年に助けられる。本の売買をする彼のもとを何度か訪問するうちに不倫の関係になり・・・ | |||
監督 | エイドリアン・ライン | |||
出演 | リチャード・ギア | ダイアン・レイン | オリヴィエ・マルティネス | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★ |
コメント | ダイアン・レインのセクシーシーン満載。喫茶店のトイレの中、映画館の中、アパートの廊下、と所かまわずセックスする。夫と一人息子とのNY郊外での生活も不満はなかったのに、一時の迷いから不倫に走るのであるが、こういう姿を見せつけられると、幸せな結婚生活って何なのだろうと疑問さえ持ってしまう。ストーリーは大したことないのに、これほどまで魅了されるのは彼女の演技のおかげだ。一方のリチャード・ギアはどうしようもない男ですね・・・これで会社経営者なんだから、どうもしっくりこない。こういう脚本なんだろうからしょうがないのですが・・・ 会話の中で「シカゴに出張に行く」というのがあったのですが、これは映画『シカゴ』をひっかけてるのかな? 2002年アカデミー賞主演女優賞ノミネート 2002年全米批評家協会賞主演女優賞 2002年NY批評家協会賞女優賞 2002年ゴールデングローブ賞女優賞ノミネート (2004.6)
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運命の逆転 | 1990 アメリカ 松竹富士 REVERSAL OF FORTUNE |
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ストーリー | 1980年に実際に起きたクラウス・フォン・ビューロー事件を描く。クラウスは妻サニーにインシュリンを注射して植物人間にした疑いで懲役30年の刑の判決が下されるが、ユダヤ人弁護士アランを雇い控訴する。 | |||
監督 | バーベット・シュローダー | |||
出演 | ジェレミー・アイアンズ | グレン・クローズ | ロン・シルヴァー | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★ |
コメント | 英貴族、上流階級、ハイソサエティの無機質な愛情と、一般庶民を代表する弁護士グループの対比が面白い。真犯人は結局?というサスペンス要素ももちろん惹きつけるのだが、ロン・シルヴァーが演ずる弁護士が熱血のようだが冷めていたり、人間よりも法を愛する態度をとるところが気に入った。もちろん冷血な弁護士ではない。金の払えない黒人の冤罪事件を中心に取り組む社会派弁護士だったのだ。大学の生徒たちと共同生活して控訴の準備を進める姿も興味深いところだ。 ラスト、クラウスがドラッグストアで「インシュリン」という台詞には、一瞬戦慄が走る・・・ 1990年アカデミー賞主演男優賞 同監督賞、脚色賞ノミネート その他多数 (2005.2)
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運命を分けたザイル | 2003 イギリス アスミック・エース TOUCHING THE VOID |
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ストーリー | 1985年、若き登山家のジョーとサイモンは南米の6600Mのシウラ・グランデに挑んだ。素人であるリチャードにキャンプで留守を頼み、峰にアタックする二人。登山家の間では伝説となった事実を本人たちが語るドキュメンタリー。 | |||
監督 | ケヴィン・マクドナルド | |||
出演 | ジョー・シンプソン | サイモン・イェーツ | リチャード・ホーキング | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★★★ | ★★★★★ | ★★★ | ★★★★ |
コメント | 温かい飲み物を造るために1時間かかり、50m登るのに5時間かかる。過酷な状況。3日目にしてようやく頂上に到達、束の間の至福のとき。しかし、遭難の80%は下山時におきるのだ。 暗闇と粉雪、何よりも体感温度マイナス60度の世界。運悪くジョーは骨折してしまったのだ。そして、怪我=死を意味する過酷な世界。見捨てられても当然の事態だったが、サイモンのとった行動はザイルを結びつけて45mずつ下ろしていく策だった。 これならいける!と楽観視していたのも束の間。下が見えないサイモンは徐々にザイルを下ろしていくが、ジョーは絶壁に達していて中吊り状態、動きが取れなくなってしまう。最後の手段ナイフを選択するが、ジョーはクレバスの中へ・・・ 二人とも語りで登場するところからして、生還したのは間違いないのだから、友情にはひびが入ったのではなかろうかと余計な心配をしてしまう。後半に1人クレバスを這い出したジョーの悲痛なまでのドキュメントが中心となりますが、なぜだか前半の緊迫した場面に隠れてインパクトが弱い・・・だって本人がしゃべってるんだもん。もうちょっと語りをなくすとかの工夫がほしかった。 しかし、最後の救出。「人間でないような気がして隠れていた」という言葉が生々しかった。そしてテロップ。やっぱりサイモンは登山界からバッシングを受け、ジョーは彼を擁護したのだと。それにしても、ズボンを燃やすのは早い行動だ。 2003年英国アカデミー賞イギリス作品賞(アレキサンダー・コルダ賞) (2006.7)
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