約三十の嘘 | 2004 日本 アスミック・エース |
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ストーリー | 大阪駅、3年ぶりに詐欺師仲間が集まった。彼らは豪華寝台特急トワイライト・エクスプレスに乗りこんだ。難なく仕事を終えた後、7千万円の金を入れたスーツケースが消えてしまった。 | |||
監督 | 大谷健太郎 | |||
出演 | 椎名桔平 田辺誠一 | 中谷美紀 八嶋智人 | 妻夫木聡 伴杏里 | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★ | ★★ | ★★ | ★★★ | ★★ |
コメント | 冒頭から30分、他愛もない会話。人物関係を把握するにはいいが、全く面白くない。まぁ、『シベリア超特急』よりはテンポはいいが・・・ スーツケースを新入り(八嶋)が持ち、本物の鍵1つとダミーの4つの鍵をそれぞれが持つ。ケースはみつかったものの、鍵がどれも合わない。二つの三角関係が微妙に絡み合う。犯人探しの途中、「横山く〜ん、おっぱいも触ったの?」の台詞が笑える。 詐欺師としてはあり得ないほどの恋愛に純情な彼ら。詐欺師の映画としては、これほどスタイリッシュでないものも珍しい。設定もおかしい。羽毛布団の販売などはいつどこでやったのかわからないけど、一旦目的地に着いて、帰りの電車なんですよね。 「1つの嘘をつくには、約三十の小さな嘘をつかなければ成立しない」といういい台詞があるけど、これはストーリーとはあまり関係ないような気もする。 (2005.11)
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約束の旅路 | 2005 フランス カフェグルーブ=ムヴィオラ VA, VIS ET DEVIENS |
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ストーリー | 1984年、エチオピアからスーダンの難民キャンプへ逃れてきた母と子。ユダヤ人になりすまし息子だけがイスラエルへと向かう。養子となったそのシュロモは養父母から愛情を注がれるが、母への思いは断ち切れぬままだった・・・ | |||
監督 | ラデュ・ミヘイレアミュ | |||
出演 | ヤエル・アベカシス | ロシュディ・ゼム | モシュ・アガザイ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ |
コメント | エチオピアの北部にはソロモン王とシバの女王の末裔と信じて暮らすユダヤの民があった。太古から「出エジプト記」に記された聖地エルサレムへの帰還を夢見ていた彼らは、1984年の旱魃の際に、、スーダンへと移動し、そこから「モーセ作戦」というイスラエルへの移送が行われた。 映画はキリスト教徒でありながら、9歳になる息子だけでも生かしたいと願った母親が、ユダヤ人と偽るように命じ移送させるところから始まる。ユダヤ人になりきれないというか、実母との生き別れが重くのしかかり、ついついキリスト教徒であることがバレそうになってしまう。それでも偽母の死により、どこか空虚になり、ふっきれたようでもある少年シュロモの演技がとてもナチュラル。頭の良さ、拒食症気味、裸足になって大地を踏みしめる様子。どのシーンをとってもただならぬ子役ぶりを感じました。 中学生となった頃、シュロモはほのかな恋愛経験や、母親への手紙を書いてもらうことに夢中となる。成長した2番目の子役は幼少期の彼にそっくりなこともあって、感情移入がしやすいのです。養父母がイスラエル左派であったこともあり、肌が黒いことへの差別や、宗教の意識がぐんと強くなるシュロモ。そして、実母と別れて5年も経ったことと郷愁の念が思春期という年代と相まって色濃く現れる。 青年期には3人目のシュロモ。サラという女友達を中心に展開する。彼女には「赤い肌」だと言われ、人種差別主義である彼女の父親と対立する構図。宗教や政治といった堅苦しさよりも、肌の色や人間の生き方という根本的に向き合うこととなるシュロモ。ディベートのシーンは圧巻だったし、医者となり従軍する心の葛藤の描き方も見事でした。 シュロモを中心とした一大叙事詩のような映画であって、決して宗教色を前面に出した映画ではない。硬くもならず、サラとの恋愛劇として見ることもできるし、3人の母親に愛され続けたという言葉が示す通り、母と息子の物語ともとれる。 (2007.6)
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約束 ラ・プロミッセ | 1999 フランス 東光徳間=ツイン LE MONDE DE MARTY |
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ストーリー | 小児ガンに冒された10歳のいたずら好きの少年マーティにとって病院が世界の全て。老人病棟に忍び込んで、動くこともしゃべることもできない老人と仲良くなる。そして無理を言って同室に・・・・ | |||
監督 | ドニ・バルディオ | |||
出演 | ミシェル・セロー | ジョナサン・ドマルジュ | アニク・アラーヌ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | アントワーヌ・ベラン、アルツハイマーと診断されるが、しゃべることも動くこともできない状態。全て彼の心の声が中心となっている。 最初はマーティも小銭を盗んだりして感情移入もできないのだが、次第に少年のことが好きになっていくアントワーヌと同感覚になっていってしまう。マーティは本当に老人の心を読めたのかなぁ。 (2005.4)
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焼け石に水 | 2000 フランス ユーロスペース GOUTTES D'EAU SUR PIERRES BRULANTES WATER DROPS ON BURNING ROCKS |
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ストーリー | ドイツ、フランツは恋人アナとのデートをすっぽかして、中年男レオポルドに声をかけられ、自宅で話しているうちにそのまま同棲してしまう。 | |||
監督 | フランソワ・オゾン | |||
出演 | ベルナール・ジロドー | マリック・ジディ | リュディヴィーヌ・サニエ | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★ | ★★★★ | ★★★ | ★★ | ★★★ |
コメント | とにかくインパクトのあるストーリー。素晴らしいとは言いがたい映画なのだが、印象に残るストーリーという点ではすごいと思う。4章立てになっていて、最初は普通の若者が同性愛の道に走り、可愛くもある女っぽい変わりように魅入ってしまう。 第3章は普通の恋愛映画のように半年前に別れてしまったアナが戻ってきて、レオポルドから彼を奪うような展開。ここは普通すぎて面白くないのかもしれないが、アナ役のサニエの綺麗な肢体で惹き付けられる。 第4章になると、出張から戻ってきたレオポルドとレオポルドが10年前に捨てた彼女(性転換して女性になった)も登場して、コミカルかつブラックユーモアたっぷりになってしまう。誰が一番まともなのだろう?と考えながら観ていると、フランツは優柔不断でコロコロ心理変化するし、アナはよりを戻したかに思えるのにレオポルドとセックスしてしまうし、レオポルドが単なるセックス狂いのおっさんになる上他の3人に売春させようとする最低の男だ。結局は一番登場回数の少なかったオカマちゃんだけがまともだったんだな・・・こうして観ると登場人物の視点がおかしい映画かもしれない。 (2004.6)
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夜行列車 | 1959 ポーランド 新外映 POCIAG |
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ストーリー | 恋人から逃れようと見知らぬ男から切符を買ったマルタ。その列車にはマルタを追いかける恋人、弁護士夫妻、牧師などで混み合っていたが、マルタの切符が原因で、妻殺しの犯人を追う警官が同室の男を逮捕し、騒然とする・・・ | |||
監督 | イェジー・カヴァレロヴィチ | |||
出演 | ルチーナ・ウィンニッカ | レオン・ニェムチック | ズビグニエフ・チブルスキー | |
音楽 | ストーリー | 映像・演出 | 俳優 | 総合評 |
★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ | ★★★★ |
コメント | ジャジーなスキャットが心地よく響くオープニング。列車に乗り込む雑多な人々。黒めがねの男が怪しい・・・ マルタが買ったのは男性用客室の切符だった。黒めがねの男はベッドを開けろと主張うるが、周りの客も成り行きを心配する。しかし事を荒立てたくない男は諦めて相室をしぶしぶ許可する。マルタは上段のベッドだったが男と交換。なんとなくアバンチュールの雰囲気もあったが・・ 他の乗客の会話もなかなか面白い。「罪を犯しても死ぬ前に懺悔すれば救われるか?」「ベッドが上下に並んでいるとどうも眠れない。ナチス収容所を思い出すからだ」などなど。 突如予定のない停車。警官が数名乗り込んでくる。座席票を確認していきなり黒メガネの男が逮捕されたのだ・・・妻殺しの殺人犯?マルタだけは上段・下段の交換を知っているので訝し気な表情だ。 追いかけてきた男に会いにたまたま混雑する二等車両に行ったマルタが切符を売ってくれた男を見つけ警官に報告。すったもんだがあって列車は急停止して、乗客も20人くらい飛び降りて犯人を追いかけ御用となった。 乗客はみな眠れなかった。それぞれ夏の休暇をビーチで過ごす楽しみのため、文句も言わず、「初めて殺人犯を見たよ」とか興奮してたのだ。マルタは同室の男が医師だとわかるが、彼もまた自殺した少女を救えなかったと傷心の旅だったのだ。ゆっくりとハグするマルタ。医師との新しい恋が始まるのかと期待するが、現実は甘くない。医師は妻に会いに行くのだ・・・それぞれが楽しみにしていたバカンス。マルタ一人の足取りが重く、オープニングと同じスキャットのジャズが静かに響く。 1959年ヴェネチア国際映画祭演技賞(ウィンニッカ)、ジョルジュ・メリエス賞 (2007.2)
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